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斜塔だけじゃない!イタリア・ピサでのんびり観光のススメ
※編集部註:2020年1月、加筆修正をいたしました。
斜塔がとても有名な街、ピサ。小さい街ながらイタリアの歴史に触れられる観光スポットも多く、ゆったりと満喫できる魅力的なエリアでもあります。
フィレンツェから日帰りで訪れることもできるピサは、華麗な歴史を持ち街歩きも楽しいエリアなんですよ。この記事では、そんなピサの街をのんびり歩くようなイメージで魅力を解説していきます。
※文中写真はクリエイティブ・コモンズ・ライセンスに基づき掲載しています。
参考:クリエイティブ・コモンズ公式サイト(外部サイトに遷移します)
目次
- 1. かつて世界最強の海洋都市ともうたわれた、ピサ
- 2. イタリア最古の大学がある学園都市のピサ
- 3. ピサをのんびり散策できるスポットを紹介
- 4. ドウオモの内部にも入ってみましょう
- 5. ピサでおすすめの飲食店とホテル
- 6. ピサに滞在するなら、こんな過ごし方がおすすめ
1. かつて世界最強の海洋都市ともうたわれた、ピサ
現在は地形が変わり港は見えなくなってしまいましたが、かつてピサは海に面し、貿易によって財を成したイタリア最古の海洋都市でした。ピサ第一の黄金期は11世紀~13世紀。この頃、ピサの海軍は西地中海で最強、いや世界最強ともいわれていたそうです。
イタリアで最も裕福な都市として名を馳せ、この頃の象徴として建てられたのがお馴染みのドゥオモ、洗礼堂、鐘楼(斜塔)でした。その後ジェノヴァに負けて衰退するも、メディチ家のコジモ一世による再開発で復活を果たしました。これがピサ第二の黄金期です。
この頃、あのルネサンスの巨匠ヴァザーリに設計させたのが、今もカヴァリエーリ広場に並ぶ建物です。
2. イタリア最古の大学がある学園都市のピサ
ピサにはイタリア最古の大学であるピサ大学があり、現在も若者が多い学園都市としての性質も持っています。なんと、あのガリレオ・ガリレイが研究をしていたことでも有名な大学でもあります。大学構内に入れば学生をたくさん見かけることができ、彼らが皆ガリレオの後輩だと思うと、なんだか尊敬の念を抱いてしまいますね。
参考:ピサ大学公式サイト(イタリア語、外部サイトに遷移します)
3. ピサをのんびり散策できるスポットを紹介
さて、ピサを散策するにあたり、この項目ではのんびりと楽しめるスポットを紹介していきます。主にアルノ川沿いを歩きながら、フィレンツェとの距離の近さを感じたり、かつての気品ある建築を楽しんだりできるスポットたちです。
おすすめ散策1. メッツォ橋~ソルフェリーノ橋をお散歩
<写真はイメージです。Photo by Pixabay[CC 0]>
メッツォ橋そばのガリバルディ広場から、ソルフェリーノ橋までのアルノ川沿いは、そぞろ歩きに楽しい散歩道。ルネサンス時代の古い街の趣が残り、静かに流れるアルノ川をただ眺めているだけでも心地の良い通りです。
参考:メッツォ橋周辺Googleマップ
おすすめ散策2. 気品あるサンタ・マリア・デッラ・スピーナ教会
<写真左の小さな教会が、サンタ・マリア・デッラ・スピーナ教会です。※写真はイメージです。Photo by Pixabay[CC 0]>
アルノ川沿いを歩いていると、まるで砂糖菓子のような繊細で美しい姿をしたサンタ・マリア・デッラ・スピーナ教会が見えてくるでしょう。ロマネスク・ゴシック様式の白亜の教会は、小さいながらも気品のある佇まいで、アルノ川の景観に華を添えています。
おすすめ散策3. カヴァリエーリ広場で巨匠の建築を堪能
出典:Wikimedia Commonsより
広場に入ると、ここだけ建物の様子が違うことに気づくことでしょう。この一画は16世紀、いわゆるピサ第二の黄金期に巨匠ヴァザーリが設計したルネサンス建築が、ずらりと広場を囲んでいるからです。周辺のサント・ステファノ・ディ・カバリエリ教会の建築も、ぜひ鑑賞してみてください。
おすすめ散策4. 斜塔の建つカンポ・デイ・ミラコリ広場はじっくりと観察
<写真はイメージです。Photo by Pixabay>
おそらくピサと聞いてまず思い浮かぶのが「ピサの斜塔」と思われますが、その斜塔が立っている広場は「カンポ・デイ・ミラコリ広場」と呼ばれます。上下四層にもなるドゥオモ(聖堂)は、複雑かつ軽快で優雅な佇まい。これは、本体をしっかり造り、繊細な装飾を後から存分につけたからこそ実現したもの。
見事な柱の列は実際にドゥオーモを支えているのではなく、装飾的な用途で付けられたものなのだそう。アーチの列は交易で関わりのあったアラブの影響を受けており、エキゾチックな趣も含んでいます。白大理石に黒とパステルカラーの色大理石を合わせたデザインは、見事としか言いようがありません。
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4. ドウオモの内部にも入ってみましょう
<写真はイメージです。Photo by Steve Jurvetson [Happy Sunday] CC BY 2.0>
こちらのドゥオモ、内部は更に美しく荘厳で、ガリレオが振り子の等時性を発見したといわれる(※諸説あり)ランプが吊り下がっています。白大理石を基調としたドーム型の洗礼堂は、広場の中で一際存在感を醸し出していると感じられるでしょう。また、ドームの内部は音響効果が素晴らしく、発声すると見事な和音になって響くのだそうです。
<写真はイメージです。Photo by Pixabay[CC 0]>
最後はやはり、旅行者にとって最も有名な斜塔(鐘楼)にも注目してみましょう。こちらは途中地盤沈下で傾きながらも、着工から180年もの歳月をかけて完成した歴史を持ちます。その危うさゆえの美しさは、今でも健在です。洗礼堂、ドゥオーモ、そして鐘楼の作りだす調和の美は、最も華やかだった頃のピサの姿を今に伝えてくれます。
5. ピサでおすすめの飲食店とホテル
ピサの街はこぢんまりとしていますが、あちらこちらに魅惑的な通りが見え隠れします。カヴァリエーリ広場近くのFaggiola通りには、観光客が少ない穴場のバルやトラットリアが並びます。さらに、Borgo stretto通りには地元民が好んで通うアーケードがあります。この辺りのバルで一息入れると良いでしょう。
ライターおすすめのお店!「L'ostellino」
L'ostellinoは、地元民にも評判のサンドウィッチ店。5ユーロほどからとお手頃なのも魅力的。軽くランチにしたい時など重宝します。
基本情報
- 名前:L'Ostellino
- 住所:Piazza Cavallotti,1, 56126 Pisa, Italy
- 営業時間:12:00~22:00
ライターがおすすめするピサのホテル
ピサのホテルは3つ星程度が基本で、規模も比較的小さいところが中心。その中でおススメしたいのは4つ星ホテル「レレ セントロ ストリコ レジデンツァ デポカ(Relais Centro Storico Residenza D'Epoca)」です。
日本のガイドブックではあまり見かけないホテルですが、古めかしい建物にアンティークの家具や調度品がマッチし、ヨーロッパの邸宅のような雰囲気が魅惑的。5部屋しかない家族経営のホテルだからこそ、親切なオーナー家族のホスピタリティに触れられます。
基本情報
- 名前:レレ セントロ ストリコ レジデンツァ デポカ(Relais Centro Storico Residenza D'Epoca)
- 住所:Corso Italia, 26, 56125 Pisa, Italy
- 公式サイト:https://www.centrostoricopisa.it/
6. ピサに滞在するなら、こんな過ごし方がおすすめ
ピサを観光する人々の多くは、フィレンツェなど周辺エリアからのバスでカンポ・ディ・ミラコリ広場付近に着き、斜塔などの見学を済ませると足早に帰ってしまうかと思います。ですが、時間に余裕があるならばピサに滞在するのもひとつの手。
緑の美しい時期などは早朝散歩に繰り出し、緑と白のコントラストが爽やかなカンポ・ディ・ミラコリ広場で、じっくりと斜塔を眺める......なんてこともできてしまいます。日中は人の多い広場ですが、早朝ならばため息の出るような美しい風景もこの街の歴史も、独り占めできてしまいます。
また、ピサの夜はアルノ川沿いに柔らかな明りが灯り、決して派手ではないながらも落ち着きのある夜景が楽しめます。フィレンツェで見るアルノ川とは、また違った趣がありますよ。
かつて世界に名を馳せた華麗なる強国、ピサ。時にはゆっくりと滞在し、栄華の歴史と穏やかな現在を肌で感じてみてはいかがでしょうか。
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