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食べなきゃ損!元添乗員ライターが食したイタリア各地のパスタ、至高の5皿。
イタリアにはヴェネチアやピエモンテなど、各地においしいパスタがいっぱい。多くの旅行経験を持つライターが実際に食した中で、いち押しのパスタ料理を5つご紹介します。ポルチーニ茸やトリュフなど日本では貴重な食材、リングイネやタヤリン、ビーゴリと言った特徴的なパスタとの融合にご注目!
※以下、一部を除き写真はイメージです。クリテイティブコモンズライセンスに基づいて掲載しています。
参考:クリエイティブコモンズ公式サイト(外部サイトに遷移します)
本場で食べておきたい、イタリア各地の絶品パスタ料理たち
イタリアと言えば誰もが思い浮かべるパスタ。一口にパスタといっても、形や食感、合う食材やソースは千差万別です。今回は、筆者がイタリア各地で出会ったパスタの中から、特におすすめしたい5皿をご紹介しましょう。
旅先で見つけたパスタをお土産にしてみては Photo by Pixabay(CC0)
イタリア北部:アドリア海の魚介類、トリュフなどの食材と合わせて
まずはイタリア北部のパスタ料理から。海に近い地域と内陸の地域では、それぞれに特徴があります。それぞれの地域でぜひ試していただきたいパスタ料理をご紹介しましょう。
ヴェネト州/ヴェネチア:ムール貝とオマールエビのトマトソース × ビーゴリ
海の幸がたっぷり! 撮影:Italyiiライター 藤井麻未
アドリア海に面するヴェネト州の代表都市はなんといってもヴェネチア。そして、アドリア海北部は水温が高く魚介の産卵海域となっているため、稚魚が多く獲れます。そのため、海に浮かぶヴェネチアの街で食べられる魚介は、小ぶりで旨味がギュッと凝縮されたものばかり。パスタとの相性もバッチリなため、シーフードをふんだんに使ったパスタ料理が絶品です。
ヴェネチアの代表的な麺は「ビーゴリ」と呼ばれるやや太めの長麺状パスタ。旨味の凝縮されたムール貝や大小の貝、そして贅沢にオマールエビの身もトッピングし、ビーゴリをフレッシュなトマトソースで絡めた逸品はまさに魚介のエキスとトマトソースの見事なマリアージュ。
運河を眺めながらの至福のランチタイムにピッタリの逸品です。
ピエモンテ州/トリノ:香草バターソースにトリュフやポルチーニなどの茸 × タヤリン
濃厚な味が楽しめる逸品 撮影:Italyiiライター 藤井麻未
トリノに代表されるアルプスの麓ピエモンテ州。この州はポルチーニ茸やトリュフの名産地でもあり、フランスやスイスとも接するため良質なバターやチーズもあります。そんなピエモンテ州で唯一生まれた麺が、「タヤリン」と呼ばれる卵を使った手打ちの細麺パスタ。100g毎に卵1個、などとレシピが決まっています。
タヤリンを、ブルーチョと呼ばれるセイジやタイムなどの香草が入ったバターソースで和え、パルミジャーノ・レッジャーノをたっぷりとかけた一品は、ピエモンテ州の濃厚なバターやチーズの風味に香草の爽やかさが絶妙にマッチ。なんともクセになる一皿です。
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イタリア中部:本場のカルボナーラを一度は味わって
続いてご紹介するのは中部のパスタ料理。日本でも有名なパスタ料理も、本場では一味違います。ここでは、ローマを旅したら一度は食べておきたい組み合わせをご紹介します。
ラツィオ州/ローマ:本場レシピのカルボナーラソース × リガトーニ
イタリアのちょうど真ん中あたりに位置するラツィオ州。代表都市ローマの料理は、南部の農家や下町の庶民料理と宮廷料理とが融合しています。また、その昔アドリア海からローマまで塩を運ぶための「塩の道」と呼ばれる街道が作られており、その為かローマの料理は他の地域と比べて、塩分が高いと言われています。
そんなローマの名物は、炭焼職人が仕事の合間にまかないとして簡単に作ったのが始まりというカルボナーラ。長麺での印象が強い料理ですが、太くて短い、マカロニのような外見の「リガトーニ」を使った一皿は病みつきになる味。
濃厚な卵にペコリーノ100%のチーズ、オリーブオイルでカリカリに素揚げした豚の頬肉を合せ、仕上げは炭を模した黒胡椒でピリッとパンチを効かせます。ちなみに、カルボナーラソースには生クリームや牛乳を使わないのが本場流。細かい凹凸のあるパスタの表面にクリーミーな卵とチーズのソースがよく絡み、穴に芳ばしい豚頬肉が入ったところをパクリ!
シンプルな一皿だけに店ごとに特徴があるため、ローマでカルボナーラ食べ比べ、という散策も面白いかもしれません。
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イタリア南部:素材を生かした、気取らないのに絶品なパスタ料理
最後にご紹介するのは、イタリア南部のパスタ料理。海に面している地域が多いため魚介類を使った料理が豊富なことが特徴です。また、豊かな自然に恵まれていることから野菜も豊富。素材を生かした絶品の2皿をご紹介しましょう。
プーリア州/アルベロベッロ:菜の花とアンチョビのソース × オリキエッテ
プーリア州はイタリアの地図で言うと、ちょうど長靴のかかとに位置し、内陸部では野菜、北部ではチーズ、アドリア海沿岸では魚介が獲れるため、食材のバリエーションが豊富。さらに素材そのものが良いため、あまり手をかけ過ぎず地元産の食材を生かした自然味溢れる郷土料理が自慢です。
プーリア州の代表的なパスタは、「オリキエッテ」と呼ばれる耳たぶ型パスタ。南部に行くにしたがって、パスタに卵はあまり使用しなくなります。今でもプーリア州ではオリキエッテを手作りしているところが多く、木板の上で親指の腹を使って形をつくります。両面がざらついていて、カップ状になっているためソースがよく絡むのがオリキエッテの特徴です。
伝統的なレシピとしては、イタリアの菜の花である「チーマ・ディ・ラーパ」を使ったソースに、細かく刻んだアンチョビを入れたりしてアレンジしたものが代表的。硬質小麦を原料とするオリキエッテは、数あるパスタの中でも最も歯ごたえがあり、その食感も魅力です。
しっかり噛みしめて、プーリアの自然の恵みを味わいましょう。
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シチリア州/パレルモ:ウニのソース×リングイネ
クリーミーなソースを堪能! 撮影:Italyiiライター 藤井麻未
本土から離れ、地中海の真ん中に浮かぶシチリア島。ここは古代からギリシャ、アラブ、ノルマンなど数々の民族が行き来したため、食材や料理のバリエーションは多岐に渡ります。
実は、パスタの乾麺文化はアラブ商人がシチリアに伝えたのがそもそもの始まり。それから本土のナポリに渡り、国内に広まったのです。ということで、乾麺が最初に伝わったシチリアでは、オーソドックスな長麺を食べるべし。海の幸の味わいになじむリングイネが大活躍です。
シチリア名物のウニに魚介のダシを加えて伸ばし、オリーブオイルで乳化させたウニソースは、濃厚で驚くほど滑らか。やや平たく、もちもちとした食感のリングイネと相性ばっちりです。
これに生ウニを贅沢に載せれば、文句なしの絶品パスタの出来上がり!
お腹が空いてきましたか? ぜひ、イタリアで本場の味をお試しあれ!
イタリアには、絶品のご当地パスタがまだまだあります。使われる具材やソースに合せる麺のバリエーションの多さに、きっと驚くことでしょう。
味、食感、見た目など、様々な角度から私たちを楽しませてくれるパスタ。イタリア滞在中に、自分だけの至高の一皿を見つけてみてはいかがでしょうか。
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