シマシマ模様の建物?モンテロッソ・アル・マーレの「サン・ジョヴァンニ・バッティスタ教会」

※編集部註:2019年5月、加筆修正をいたしました。掲載写真は記事公開時(2015年2月)のものです。

北部イタリア、リグーリア海岸沿いにある世界遺産「チンクエ・テッレ」。景勝地として観光の名所となっていますが、その村の一つ「モンテロッソ・アル・マーレ(Monterosso al Mare)」には、とても個性的な教会「サン・ジョヴァンニ・バッティスタ教会」があります。

この教会、非常に古い歴史を持つのですが、建物のデザインはとても斬新。どのような教会なのか、ご紹介しましょう。

目次

シマシマ模様のサン・ジョヴァンニ・バッティスタ教会とは

モンテロッソ・アル・マーレの西側、レストランやホテル、アイスクリーム店が立ち並ぶ旧市街ローマ通りには、個性的な教会があります。

その教会とは、「サン・ジョヴァンニ・バッティスタ教会(Chiesa di San Giovanni Battista)」。どのぐらい個性的かというと、まず、その外観から目を惹きます。

サン・ジョヴァンニ・バッティスタ教会_チンクエ テッレ_観光_01.jpg
<インパクト抜群の縞模様!>

なんと、教会のイメージを覆すかのようなシマシマ模様となっています!白黒ではありますが散策中に目を引くこと間違いなしの派手な造形ですね。ちなみに、この模様はファサード(建物の正面)部分のみで、横は無地となっています。

では、内部はどのようになっているのでしょうか?やはり内装もシマシマ......?

サン・ジョヴァンニ・バッティスタ教会_チンクエ テッレ_観光_02.jpg
<内部もやはり縞模様に彩られています。>

やはり、柱が縞模様になっています。小規模な教会ではありますがインパクトは抜群。

サン・ジョヴァンニ・バッティスタ教会_チンクエ テッレ_観光_03.jpg
<床も白黒で、幾何学的なイメージ。>

正面に立ってみると、本当に古い教会なのか不思議に思ってしまいそうなほど、斬新なデザインと実感できます。なぜ、モンテロッソ・アル・マーレのサン・ジョヴァンニ・バッティスタ教会はこのようなデザインとなっているのでしょうか。そもそもこの教会は、いつ頃建てられたのでしょうか?

サン・ジョヴァンニ・バッティスタ教会はいつ頃建てられたか

モンテロッソ・アル・マーレのサン・ジョヴァンニ・バッティスタ教会が建てられた時期はとても古く、なんと13世紀頃には既に存在していたそう。建築様式はミラノ大聖堂に代表されるゴシック様式です。ゴシック様式は12世紀頃から15世紀頃にかけて採用された建築様式です。

この教会では、村の守護聖人である洗礼者ヨハネを祀った教会として、モンテロッソ・アル・マーレを見守り続けています。洗礼者ヨハネをイタリア語にすると「Giovanni Battista)。ということで、サン・ジョヴァンニ・バッティスタ教会とは、「聖洗礼者ヨハネ教会」という意味合いと考えられます。

サン・ジョヴァンニ・バッティスタ教会がシマシマの理由

さて、なぜモンテロッソ・アル・マーレのサン・ジョヴァンニ・バッティスタ教会は独特の縞模様なのでしょうか。実はこの教会だけではなく、イタリア各地(シエナなど)の教会も、縞模様になっていることがあります。

たとえば、フィレンツェのサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂も、同じように柱がシマシマになっている箇所があるのです。

これは、「ポリクロミア」と呼ばれる様式らしく、中世後期トスカーナ地方の教会でよく用いられたパターンなのだそうです。とは言え、ここまで強烈な白黒の縞模様を用いている、というわけでもなく、白と緑、白と赤茶といったカラーパターンや、縞が細いバージョン、建築の一部のみポリクロミアの装飾という教会もあります。

モンテロッソ・アル・マーレとトスカーナ地方は離れているため、様式として伝播したのかどうかについては残念ながら不明ですが、当時のキリスト教ではこのような模様が受け入れられていたのだ、という学びがありますね。

※編集部註:ポリクロミアに関する論文で、トスカーナ地方の教会を調査した非常に興味深いレポートがあります。pdfで読めますので、ご興味の方はこちらもどうぞ。

サン・ジョヴァンニ・バッティスタ教会は各地にある

サン・ジョヴァンニ・バッティスタ教会_チンクエ テッレ_観光_04.jpg
<シャンデリアや祭壇と相まって、荘厳ながら優雅な印象も漂います。>

この記事では、都度「モンテロッソ・アル・マーレのサン・ジョヴァンニ・バッティスタ教会」と表現していますが、実はこの名称の教会はイタリアだけではなく、各地に存在します。

たとえば、おなじくチンクエ・テッレにある村「リオマッジョーレ」にも、同じ名前の教会があります。しかしながらこちらはシンプルな外観です。そのため、いずれかの教会を訪ねる際は、必ず「どの地域か」を確認して情報収集することをおすすめいたします。

巨大な聖堂が多いイタリアでは決して大きいとは言えない規模の教会ですが、ここには数百年もの街の歴史がギュっと詰まっています。周辺はお土産屋さんやレストランで賑わっているため、時間が空いた時などは、ぜひ訪れてみてください。

※撮影:Italyii(イタリィ)編集部

基本情報

  • 名前:サン・ジョヴァンニ・バッティスタ教会(Chiesa di San Giovanni Battista)
  • 住所:5, Piazza Giuseppe Garibaldi - 19016 Monterosso Al Mare
  • 見学料:無料。施設撮影もOKです(フラッシュ撮影はNG)。

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