公開日:
最終更新日:
中国・北京で風邪をひいてしまったら?
中国に長く滞在している中いまだにやや心細く思うことの一つは、風邪をひいてしまうことです... 風邪ごときで何を大げさなと思われるかもしれませんが、わたしも友人も肺炎の一歩手前まで行ったことがあります... 空気が日本より乾燥しているせいなのか風邪をひきやすくこじれやすいということなのかもしれません...
そんなわけでクレジットカードの海外旅行保険を使い大病院にタクシーで直行というような場合を除いて、自家療法と薬局の買い薬というのがここ数年の中国・北京での風邪の対処法です...
最近も軽い夏風邪をひいてしまったのですが、もし北京に限らず中国で長期出張や留学の最中に風邪をひいてしまい訳あって病院に行かないような場合、以下の対処法はきっとお役に立つことでしょう。
1.喉が痛いなとか頭痛がするなと感じたら日本の風邪薬
日本の風邪薬の優秀さは日本で爆買いをする中国富裕層の皆さんをはじめ中国人の間でよく知られています。というのも中国には日本のような化学合成の総合風邪薬というものがほとんどないからです... 「早めの○○」ではないんですが、喉の痛みや頭痛の緩和という面で日本の風邪薬は比較的安全かつ効果も大です。もっとも、どんどんと悪くなってひどい咳などが出てきたりする場合は...
(「早めの○○」ではないものの喉の痛みや頭痛の緩和という面で日本の風邪薬は比較的安全かつ効果も大)
2.咳が出てきた時点で中国の漢方薬に切り替える
「中国の風邪に日本の風邪薬は全然効かない」という流言があるのですが、前述の通り中国大陸の大部分は島国の日本と比べ乾燥しており、おそらく慣れない土地で知らず知らずのうちに免疫力も低下しており、結果的に日本の風邪薬が全然効かないほどこじらせてしまいやすいのでしょう。
でどうするのかといえば、現地の薬局に行って漢方薬を買ってきます。ただしこじれてしまった風邪ですので、漢方薬を合わせ飲みします... そんな怖いことはできない、と思われる方は、薬局の漢方医の人に相談して漢方薬を調合してもらうといいでしょう。
ある中国人の知人から聞いて、薬局の人からも「それなら効く」と太鼓判?をもらった漢方薬合わせ飲みの一例をご紹介すると、「維C銀翅片」プラス「利咽解毒顆粒」プラス「板藍根」は、咳や熱を伴うこじれた風邪にかなり効果的です。1箱飲み終わる頃には大抵のこじれた風邪が治まります。ですが時に、深い咳やひどい空咳が残ってちょっと大丈夫?みたいな時もたまにあります...
(「維C銀翅片」プラス「利咽解毒顆粒」プラス「板藍根」は咳や熱を伴うこじれた風邪にかなり効果的)
3.深い咳やひどい空咳が残った時は漢方咳止めシロップを
日本の薬局にも漢方系の咳止めシロップがあったりしますが、中国の漢方咳止めシロップは中国の気候のもと風邪をそこまでこじらせた場合に非常に効果的です。北京の薬局はもとより中国の恐らくどの大都市の薬局でも手に入ります。
お薦めは「川貝梨糖漿」で、「川貝梨」というのは果物のナシの中に乾燥ユリ根を入れて蒸しナシにした咳止め漢方食のこと。これにさらに枇杷つまりビワエキスを加えたものもあり、1本飲み終わる頃には大抵の咳が痰となって治まります。ですが、日本人ならではのある風邪の治療法もまた、風邪のひき始めであればとても効果的です。
(「川貝梨糖漿」は果物のナシの中に乾燥ユリ根を入れて蒸しナシにした咳止め漢方食のシロップ版)
4.風邪のひきはじめなら熱い風呂と鼻の塩湯洗い
「風邪の時には風呂に入るな」とは言われるものの、中国では漢方の見地から、風邪のひきはじめなら熱い風呂が有効とのこと。「やられたな」と思った時がどうやら入り時のようです。
_
(漢方の見地からすると風邪のひきはじめの熱い風呂が有効なので「やられたな」と思った時が入り時)
ちなみに鼻の塩湯洗いというのは、いわゆる鼻うがいのことで、喉と鼻の接点?辺りが強烈に痛くなるような風邪のひきはじめの時に大変効果的です。コツは自分でなめてみて辛くない程度の薄い塩湯を使うことで、鼻からすすっては口から出し、というのをコップ1杯分続けるだけで大丈夫です。2,3日も続ければ痛みが全くなくなってビックリされることでしょう。
もちろんこうした自家療法と薬局の買い薬には限界がありますし、時には大病院に駆け込む必要もあるでしょう。まあそれ以前に中国人の妻もわたしに言う通り、なによりもまず休息と睡眠が大切です。中国・北京で風邪をひいてしまったら、どうぞ家族のためにもよく休んでください。でないともしかしたらあなたも、肺炎の一歩手前なんてことになってしまうかも...です。
Ranking中国記事ランキング
-
ぺきんせいかつ
- IT屋として中国・北京に長期出張中。結果、ライター業や現地コーディネーター業がいつの間にか生業に。現地にいないと分からない中国人視点から見た中国の真相を、日本の皆さんにお届け中。