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安全にスペインを旅行するために
秋の行楽シーズンにスペイン旅行を考えている方はいらっしゃいませんか?
治安のいい日本に住んでいると、海外旅行の際の安全が気になりますね。
マドリードでは10数年前に日本人が首絞め強盗の被害に遭うことが多々あったものの、今ではほとんど聞かなくなりました。それでも、スリやひったくりの被害は後を絶ちません。残念なことに、2010年のトリップアドバイザーのアンケートでは、ヨーロッパのスリが多い観光地の第1位がバルセロナだったそうです・・・(マドリードは第4位)。
「マドリードの地下鉄のエスカレーターで怪しげに寄って来た人がいたけれど、妊婦だったので油断したらポケットにあったスマホを盗まれた」という友人もいます。スリには女性も子どももお年寄りもいますのでご注意を。また、闘牛場やサッカー場、パンプローナの牛追い、バレンシアの火祭りや聖週間のプロセシオン(宗教行列)などのお祭りの人混みにもスリが隠れていますので、気を付けましょう。
<人気なゆえ、ヨーロッパでもっともスリが多い観光都市になってしまったバルセロナの街角>
<バレンシアの火祭りは、スリの稼ぎ時のひとつ>
かくいう私も、18年を超えるスペイン歴ではスリにやられたことがありますし(バルセロナのカタルーニャ広場駅にて。トートバッグの外側ポケットにコインケースを入れていた私が悪い!)、スリ未遂にあったこと(マドリードのデパートの店内で4人組の女性スリに囲まれ、バッグの中に手が入った瞬間に気付きました。間一髪!)、夜道を一緒に歩いていた友人がひったくりにあったことがあります(夜のバルセロナのゴシック地区。危険を感じて、すぐ目の前に見えたホテルに避難する途中でした)。
そうそう、一人暮らしのアパートで空き巣未遂に遭ったことも・・・。
以前よく一人旅をした私は、以下の点に気を付けていました。
- 昼夜に関わらず、ひと気のない知らない道は歩かない(人目もなく危険)
- フタやファスナーで閉じられるバッグを持つ(スリが手を入れにくい)
- 立ち止まって地図を広げてキョロキョロしない(不慣れな観光客だとバレバレ)
- 多額の現金を持ち歩かない(保険をかけていても現金は戻らない)
- たとえレストランだろうと、バックその他荷物は絶対に体から離さない(置き引きに遭う)
- 夜間やひと気のない場所ではATMで現金を引き出さない(言わずもがな、ですね)
- 旧市街の狭い歩道では建物側にバッグを持つ(バイクでのひったくり防止)
- 夜のタクシー代はケチらない(知らない夜道を歩くのは危険)
- 知らない人にはついて行かない(片言の日本語で話しかけてくる輩も)
<異国ムード漂う旧市街の迷路のような道。少しでも危険を察したら引き返そう>
<終わるのが遅いフラメンコショーの後は、タクシーで帰ろう>
<場所によっては、こんな風にバッグをかけるのも危ない>
大袈裟ながら、現地住まいに見られるようにと新聞を持ったり、スーパーの袋に荷物を入れて歩いたこともありました(^^;)
外務省の海外安全ホームページのスペインの安全対策基礎データには、各都市の犯罪多発場所やその手口が書かれていて参考になります。スペイン旅行前にはぜひ一読することをおすすめします。
<私でも不安を覚えた日曜の朝の、誰もいない地下鉄駅>
>>マドリード日本大使館HPの安全対策
>>バルセロナ日本領事館の安全情報
には、最新の被害例が載っているので、これも参考にどうぞ。
パスポートのコピーや現地の大使館やクレジットカード会社、海外旅行保険会社の電話番号、パスポート番号、クレジットカード番号などを控えた紙をスーツケースに忍ばせえ置くと、盗難の際に役立ちます。
万が一、バッグを盗まれてしまった場合、病気やけがをした場合、そのありがたさが身に染みるのが海外旅行保険です。私も昔アムステルダムでパスポートやカメラ、お財布の入ったバッグをなくした時にはお世話になりました。現在は、旅行中に病気やけがをした観光客の方を病院にアテンドする仕事もしていますが、実費で払うとなると医療費は本当に高い!なので、保険の重要性をひしひしと感じています。海外での安全はお金で買う物です。旅行前に必ず加入しておきましょう。
<人の往来が多く、混みあう駅。油断は禁物>
治安情報を読むと心配になる方もいると思いますが、ほとんどの方は何の被害にも遭わず旅を終えているのです。過剰な不安にはならず、どうぞ楽しい旅を!!
※2014年9月に公開した記事です。2021年6月に一部のリンクを修正しました。
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田川敬子(Keiko Tagawa)
- 1996年スペインにひとめぼれ。以後何度も渡西し、2002年春に夢がかなってスペインで日系企業に就職。その後現地企業を経て、現在はオリーブオイルソムリエ/テイスターやライターとして活動中。