クルーズ運航のパートナー『港湾』に密着 ~秋田県~前編

こんにちは、ライター久家です。

「どこに訪れるか、そして訪れた先で何をしたいか」寄港地は、クルーズを選ぶ上で重要なポイントになるでしょう。船の航路(行き先)は、船会社が設定することが一般的ですが、旅行会社が船をチャーターした場合には、航路の選択ができます。

「日数内に行って帰って来れるか」 「港での停泊の可否」 「港の発着時間の計算」 「チャーター前後の日程とのパズル」などを船会社に調整依頼し、全ての条件が整ってはじめてチャーターツアーの設定が実現します。

私の勤めている旅行会社では、今年8月にダイヤモンド・プリンセスをチャーターし、そして10月にはセレブリティ・ミレニアムで日本一周クルーズを催行しましたが、いずれのクルーズの寄港地にも「秋田県」が含まれていました。

よく調べてみると、2015年は当社で催行した2本のクルーズを含め5~10月の6か月間に14回クルーズ客船が、秋田港に寄港していることがわかりました。ちなみに、過去数年の秋田港寄港回数は

2014年7回(うちダイヤモンド・プリンセス1回
2013年3回(邦船のみ)
2012年7回(クラブ・ハーモニー1回)とのこと。

100を超える港がある日本で、近年寄港回数が増えており、さらに昨年・今年と大型外国客船の誘致に成功している秋田港。そんな秋田県にとても興味が湧きつつ、気になったことがこの2つでした。

一つは、秋田港の舞台裏について。クルーズ客船を誘致する裏側では、どんな方が関わりどんなことをしてきたかということ。そしてもう一つは、秋田県の観光地としての魅力について。秋田県のどんなところが人を惹きつけ、そして足を運ばせるのかということ。

これらの疑問を解くヒントを探るべく秋田県港湾のご担当者にインタビューさせていただきました。お話を聞かせてくださったのはこの方。秋田県 建設部 港湾空港課 今野さんです。

konnosan.jpg..................................................................................................................

秋田県の今野です。秋田生まれ、秋田育ちです!

秋田港は「秋田県」が管理しています。大型客船を迎え入れるにあたり、私たちが準備してきたことについてお話ししたいと思います。

秋田港への寄港には、まずは「港に船が入れるか」を確認することが必要です。秋田港の岸壁は、全長370m/水深10m。それに対し、例えば今年10月に寄港したセレブリティ・ミレニアムは、全長294m/最大喫水は8.3mでした。*喫水・・船体の水中に入っている部分の深さ

CELEB2.jpg

船の揺れ等を考慮しても十分な深さがあると判断でき、これで、まず一つの条件がクリアしたことになります。そして、大型外国客船の寄港に対応する ため、
必要な施設の整備を行いました。具体的には、岸壁の係船柱や防舷材の改良です。

*係船柱・・船をロープなどで繋留するための柱
*防舷材・・船体が岸壁のコンクリートにぶつからないように保護する黒いゴム

また、SOLAS条約に基づき、フェンスや照明などの保安設備の設置による外との分離や一定数の警備員の配置などを進めました。*SOLAS条約・・海上における人命の安全のための国際条約

岸壁の整備は客船だけではなく、同じ岸壁を利用する貨物船のためにもなり、トータルでメリットがありました。

また、5月の寄港で課題となっていた外国人のお客様への対応も、その後の寄港では国際教養大学の学生ボランティア等と地元の観光案内人をペアで揃え、英語案内所や通訳同行の散策ツアーを実施するなどし、多くの外国人のお客様にご満足いただけました。

入港・出港イベントは、船会社またはチャータラーの企業に希望を伺い準備をしていきます。*チャータラー・・ここでは船の(期限付き)チャーター主のことです。

過去のイベントでは、

「竿燈」
akitaevent2.JPG

「秋田犬」
akitainu.JPG

「なまはげ太鼓」
akitanamahage.JPG
「土崎の港ばやし」

「小町娘によるお出迎え」
akitakomachimusume.jpg

を実施しました。秋田らしさを出し、秋田に来たことを実感できる記憶に残るイベントを毎回用意しています。

秋田の港に入っていただくためのPRも必要です。

平成25年5月に「環日本海クルーズ推進協議会」として、【小樽港、秋田・船川・能代港、伏木富山港、京都舞鶴港、境港】の日本海側7港で、船社や旅行代理店へ「環日本海クルーズの魅力」をご紹介する説明会を開催しました。

7港で連携して「周遊ルート線として」の魅力を発信すること・日本海側クルーズの振興を図り、共同でクルーズ客船の誘致促進やPR活動を継続して実施しています。

秋田港は県庁所在地の秋田市にあるため、道路・鉄道が網羅され各観光地へのアクセスが良好であることがアピールポイントです。また、地上100mの展望台があるポートタワーや季節や天候を問わず緑を楽しめるセリオン・リスタという覆い付き緑地もお薦めです。今後も、外国船を含むクルーズ客船の誘致に向け、PRを続けていきます。

-----------------------------------------------------

邦船だけでなく大型外国船の誘致に力を入れ、その戦略が実っている秋田県。どのような取り組みがなされているのでしょうか。

後編へつづく>

『クルーズツアー』を知りたくなった?こちらをチェック♪

※外部サイトに遷移します

秋田」に興味わいてきた?あなたにおすすめの『秋田』旅行はこちら

※外部サイトに遷移します

Related postこの記事に関連する記事

Ranking秋田記事ランキング

ランキングをもっと見る

この記事に関連するエリア

この記事に関連するタグ

プロフィール画像

クルーズ旅行編集部

「たびこふれ」は、旅行好きな全ての方のための旅行メディアです。旅行のプロや現地に精通したライターが中心となり、「旅行に行きたい!」と思えるような、魅力的な旅行情報を発信しています!

Pick upピックアップ特集

全国の動物園&水族館 徹底取材レポート特集!デートや家族のおでかけなど是非参考にしてみてください♪

特集をもっと見る

たびこふれメールマガジン「たびとどけ」
たびこふれサロン

たびこふれ公式アカウント
旬な情報を更新中!