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自然の驚異が神秘的!カンボジアの世界遺産タプロームが、樹木に踏み潰され崩壊寸前!
こんにちは。
カンボジアといえば、アンコールワット遺跡が有名ですが、その周辺に存在するタプロームという遺跡をご存知でしょうか?
アンコールワット周辺の遺跡群として世界遺産にも登録されている遺跡のひとつですが、その姿はほとんどが崩壊し、巨大な樹木に力強く踏み潰され、太い木の根っこと遺跡が深く絡み合い、もうその原形を想像することすら難しいような珍しい遺跡です。
タプロームは、12世紀末にクメール人の王朝ジャヤーヴァルマン7世が母を弔うために創建されたものです。仏教寺院として建てられ、当初は5,000人にも及ぶ僧侶がここで暮らしていましたが、後にヒンドゥー寺院として改修されています。発見された当初からガジュマルなどの巨木による浸食が激しく、遺跡は崩壊寸前ではありましたが、あえて修復はせず、"熱帯で人の手による遺跡の管理を行わないとどうなるのか。"という自然の驚異を示すために、発見当初の姿のまま保存されることになりました。
「絞め殺しの木」とも言われる樹齢300年にもなるガジュマルの樹木は、力のままに遺跡を包み込み、今も成長を続けています。自然と遺跡の一体化こそが、タプロームの見所であり、きれいに修復されたほかの遺跡よりも荒々しく生命力にあふれ、神秘的な命あるエネルギーを感じることができるのです。
現在あまりに進み続ける遺跡の浸食に、修復の計画も検討されていますが、ここでユネスコを中心に修復方針について新しい議論がなされることになりました。「巨大な樹木は遺跡を破壊しているのか、それとももはや遺跡を支えて共存しているのではないか?」
これほどひと目見ただけで深い歴史が感じられる遺跡は他にありません。長い年月をかけて造り出された迫力あるタプローム遺跡が、このままの姿であり続けてほしいと思ってしまうのは、私だけではないはずです。
タプロームは、多くのツアーでアンコールワット観光と一緒に見学することができます。修復計画が進んでしまう前に、訪れるなら少しでも早めがおすすめですよ!
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