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テーマがエロスの世界遺産?!インドのカジュラホの官能的な「愛の彫刻」に刻まれたヒンドゥー教の教えとは?
こんにちは。今回はインドにある一風変わった世界遺産をご紹介したいと思います。
インドの中央部マディヤ・プラデーシュ州にあるカジュラホは、ヒンドゥー教及びジャイナ教の寺院群です。10世紀初頭から12世紀末ごろに約85か所に及ぶ寺院が建設され、現在では25か所が存在しています。
カジュラホの寺院群が特に独特であるのは、そのテーマが愛とエロスであること。
寺院には古代インドの性愛論書「カーマスートラ」が立体的に表現され、官能的な「愛の彫刻」が刻まれています。寺院の壁には何千体というセクシュアリティを追求した天女像や男女交合像が立ち並び、彫刻の粋を超えた大胆なエロスが表現されています。女性の曲線美などリアリティのある像は、繊細で美しくとても巧妙に作られ、その芸術的価値の高さから1986年に世界遺産に登録されました。
この奇想天外な寺院群の成り立ちには諸説ありますが、ヒンドゥー教の教えでは悟りを開く方法が2つあると言われています。
一つは修業、そしてもう一つは性交渉。興奮で精神が高まった時に人間はトランス状態になり精神が平常時とは別次元に達し、悟りが開けるというものです。
また、ヒンドゥー教では過去からの繋がりを後世に繋げていく為に必ず家族を作らなくてはならず、そう言った意味合いでも性行為は生命の根源として重要な意味を持っているのです。
奇抜でエロティックな彫刻の数々には驚かされますが、深い意味を理解して再びこの寺院を見つめてみると、これが神聖で神秘的な「愛」の世界遺産の傑作であることを感じられるはずです。
(文:南まい)
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