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中国・九寨溝(神秘の蒼に包まれる "中国最後の秘境")
中国最後の秘境 神秘の蒼に包まれる〝九寨溝〟
中国国家観光局(大阪)
中国・四川省の深い峡谷と果てのない森に隠れた秘境「九寨溝」。標高4,000mを超える高山が連なる岷山(ミンザン)山脈の谷間に、深い森と無数の滝、そして大小100以上もの湖沼群が約50kmにもわたって連なっています。こんこんと湧き上がる清冽な水。空、森が放つ蒼、山々の頂に残る雪の白、木々の緑や大自然の色彩を水面に映し、辺り一面を幻想的な色合いに染め上げる神秘の景観です。渓谷(溝)周辺に9つのチベット族の村(寨)があることから、「九寨溝」と名づけられたといわれています。
この一帯は、4億年もの太古の時代、海の底でした。長い年月をかけてそこに堆積された石灰岩は、300万年前に大量の水を湛えたまま隆起し、地上に姿を現し、現在の九寨溝を作り上げました。
中国国家観光局(大阪)
石灰岩の地層に含まれる炭酸カルシウムは湖底から湧き出す地下水を浄化し、徹底的に磨き抜かれた清冽な水となり、ガラスのような透明感を生み出します。その水の色は、紺、碧、藍、蒼...。「青」だけでは表現しきれない多様さ。周囲の風景を鏡のように映し出し、息を呑むほどの美しい景観をつくり出しています。水も、空気も、色彩も、すべてが澄みわたる「中国最後の秘境」がここにあります。
中国国家観光局(大阪)
中でも一番の絶景は、中国の人々が「一絶」(世界中で唯一の絶景)と称賛する「五花海(ゴカカイ)」でしょう。深い森の中に広がる湖で、周囲の色彩を湖面に映し、息を呑むほどの美しい景観が人々を魅了します。湖面に横たわる倒木に石灰が付着してできた樹氷のような「石灰華」や、生息する魚などがくっきりと視認でき、その透明度と美しさに驚かされます。
中国国家観光局(大阪)
その澄んだ水は、湖沼から流れ出し、無数の渓流や瀑布を生み出します。清冽な水が樹木の間を縫ってさらさらと流れ、やがて白糸のような滝から水煙をあげる大瀑布に姿を変え、果ては虹となり、周囲に新たな色彩を加えるのです。
中国国家観光局(大阪)
九寨溝は、後世に残すべき宝物として1992年に世界自然遺産に登録されました。その自然に影響を及ぼさぬよう木道が整備されていて、ゆっくりと歩いて回ることができます。標高2,000mを超す高地にありますが、高山病の心配はなく、「一絶」とよばれる絶景に浸り、酔いしれることができるでしょう。
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空飛ぶ地球儀 編集部
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