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マカオ2(東洋と西洋2つの歴史と文化が融け合う国)
大航海時代の時が今も薫る マカオとポルトガル、そして日本との関係
▲聖ポール天主堂跡(写真提供:マカオ観光局)
マカオの象徴的存在。完成した17世紀当時は東洋最大の壮麗な教会でしたが、1835年の火災によって木造の聖堂が焼け落ち、現在では建物正面の壁だけが残っています。
榊原さん マカオの面白さといえば、「東洋」と「西洋」2つの歴史と文化が上手に溶け込んでいること。450年以上前にポルトガル人が初めて西洋文明をマカオに持ち込みましたが、歴史地区にはその名残りが多く見られます。例えばポルトガル産の装飾タイル「アズレージョ」や石畳「カルサーダス」が今でもマカオを美しく飾っています。
▲白と青の曲線や幾何学模様が印象的なアズレージョがポルトガル建築の主流になっています。
実は、ポルトガルはマカオを拠点として日本にもやってきて、多くの西洋文明を伝えてくれました。当時、ポルトガルは寄港する各地と戦うことはせず、地元の人と融和を図りながら大航海を進めました。スペインと違って軍隊で各地を侵略することはしなかったんです。日本ともうまく貿易を行って、石見銀山で採れた銀を大量にマカオへ運んだといわれています。日本の近代化にマカオは大いなる貢献をしたと言えるでしょう。
海本 歴史を知るとマカオの面白さが伝わってきますね!大航海時代にマカオで東西文化の交流が始まっていたなんて...。そういえば「マカオ料理」も各国の味がミックスされていますよね。
▲バカリャウ(干しダラ)のコロッケ
榊原さん 「大航海時代」にポルトガルを出た船が、マカオに来る途中で各地の食材や調味料、料理を取り入れながら、誰もが楽しめる味に完成させたのが「マカオ料理」です。アフリカやインドの「スパイス」、マレー半島の「ココナッツ」、もちろん「中国料理」のテイストも感じられます。また、冷蔵庫のない時代ですから、根菜類や干した魚、お米やソーセージなどの「保存できる食材」が伝統的に使われました。食べるとまさに〝大航海時代の味〟が楽しめると思います!
▲アフリカン・チキンなどのマカオ料理
海本 「マカオ料理」は日本人の口にも合う味なので、お客様にも評判がいいんです。東西のいろんな国の食文化が溶け込んでいるなんて、マカオでこそいただける料理なんですね!
▲エッグタルト
大航海時代に形成されたマカオの文化
ポルトガルは15世紀初めからアフリカそしてインド洋へ進出。16世紀半ばにはマカオを拠点として中国、さらに日本との交易を行っていました。マカオは、各国の交易品と文化が集まる国際都市へと成長したのです。
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空飛ぶ地球儀 編集部
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