【ポーランド】ワルシャワからの日帰り旅行|中世の箱庭カジミエシュ・ドルニ

ポーランドの本当の魅力は歴史や文化が凝縮された地方の町にある。

ワルシャワから日帰り旅行もできるカジミエシュ・ドルニは、そんな田舎町への旅にあこがれる人の心を満たしてくれる、美しい町だ。

目次

ヨーロッパで最も美しい町のひとつ

カジミエシュ・ドル二
<箱庭のような街、カジミエシュ・ドルニは「ヨーロッパで最も美しい街のひとつ」とも言われる>

ワルシャワから約160km。ヴィスワ川のほとり、周りを小高い丘に囲まれてこじんまりとたたずむカジミエシュ・ドルニは中世の趣が詰まった箱庭のような町。

古い建物やコテージには小さな店が軒を連ね、そんな小さな風景を1つ1つ訪ねて歩くと、いつしか時間を忘れてしまう。

数年前にはアメリカの旅行雑誌Travel & Leisureに「ヨーロッパで最も美しい小さな町22選」として紹介された。カジミエシュ・ドルニはそんな町だ。

カジミエシュ・ドルニの歴史

小さな集落にすぎなかったこの地に12世紀に修道院が建てられ、当時の王の名にちなんで「カジミエシュ」と名付けられたのが町の始まりだ。

その後、ヴィスワ川上流にある同名の町と区別するために「下流」を意味する「ドルニ」が付け加えられ、集落の名前は「カジミエシュ・ドルニ(下流のカジミエシュ)」となった。

カジミエシュ・ドル二
<街の裏通り、何気ない景色にも中世の歴史の影が見える>

町は王のもとで発展を遂げ、16世紀から17世紀にかけてはヴィスワ川の水運貿易で黄金時代を迎えたが、その繁栄も戦争や国土の分割で一度は終焉を迎えてしまった。

19世紀に入ると近郊の都市から人々が訪れるようになり、避暑地として、そして観光地として新たな発展が始まった。しかしそれもつかの間、20世紀には第2次大戦中の破壊とドイツ軍の占領、当時の町の人口の半数を占めたユダヤ人の迫害等、多くの災難に遭うこととなった。

現在、町は中世の趣を残したまま再建され、「ポーランドの歴史的景観」にも指定されて、訪れる多くの人々を魅了している。

ワルシャワからのアクセス

カジミエシュ・ドル二
<16世紀の教会が坂の上から町を見守る>

ワルシャワからカジミエシュ・ドル二へ行くには、1日数便運行される私営のミニバスかプライベートツアー、またはワルシャワから電車とバスを乗り継いで行くしかなく、いずれも2時間から2時間半かかる。

多くの人はワルシャワから車でやって来るが、車のない人には列車とバスを乗り継いで行くのがおすすめだ。

ワルシャワ東駅(Warszawa Wschodnia)から列車でプワビ・ミエスト駅(Pulawy Miasto)へ行き、駅から5分ほど離れたバス停から市営のバスに乗って約30分。

Kazimierz Dolny, Dworzec Autobusowy(バスターミナル)で下車すれば、町の中までは歩いて5分ほどだ。(列車の路線は2026年夏まで工事中のため、運行状況等は要確認) 

>>ポーランド国鉄の公式サイトはこちら

>>プワビ市交通局の公式サイトはこちら

カジミエシュ・ドル二を歩く

町に入るとまず目に入るのが広い石畳の広場・マーケット広場だ。中央に井戸のあるこの広場ではかつて市場が開かれ、人々が集う生活の重要な場所だった。

今は周りを囲む古い建物に入った小さな店を見ながら旅行者が行き交う。大きなマーケット広場の真ん中に立ってゆっくりとまわりを見渡せば、気分は昔の市場の賑わいの中にいるようだ。

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<教会の内装にも街の歴史と信仰が深く宿っている>

マーケット広場の正面から続く緩やかな坂の上からは「聖バルトロマイ・洗礼者ヨハネ教会」が町を見下している。

16世紀に建てられた古いカトリック教会の中には、400年前のパイプオルガンや鹿の角をあしらった特徴のあるシャンデリア。装飾のどれもがこの町の文化と歴史を感じさせ、教会に入ればカトリック教国・ポーランドの信仰と当時の人々の祈りが伝わってくる。

(※教会は観光施設ではありません。見学時は信仰に対するマナーを遵守しましょう。)

教会の横の坂道はそのまま登れば丘の上の古城へ、右に行けば「3つの十字架の丘」へ、どちらも徒歩で20分ほどで登ることができる。

丘の上からは町を一望することができ、町の向こうを緩やかに流れるヴィスワ川、そして対岸の崖の上に建つ古城・ヤノビエツ城まで、田園風景のパノラマが広がっている。

宝石箱をのぞいてみよう

町の中心に戻って路地を歩きながら、1つ1つの店をのぞいてみよう。

お店

カフェや小さなレストラン、この街に住む芸術家達の特徴あるギャラリーやハンドメイドクラフト、地域で採れたベリーやハーブ、ラベンダーオイルやローカルワイン。

そしてカジミエシュ・ドル二のシンボルであるカラフルな雄鶏をあしらったファッション小物。そんな街の色彩を見ていると、まるで宝石箱をひとつひとつ開けているようだ。この町でしか手に入れることのできない宝物が、きっと見つかるに違いない。

レストラン
<レストランは伝統料理から地方料理まで、バラエティーも豊富だ>

お腹がすいたのなら通りすがりのレストランに入ればいい。町にはピエロギやスープ等の伝統的なポーランド料理はもちろん、地元の食材を使った地方色のある料理も豊富で、創作的なものから伝統的なものまでバラエティーも多い。

簡単に済ませたい人はテイクアウトをして、芝生の公園マーレ・リノック(小さな市場)のベンチに座ってもいいだろう。

玉ねぎが苦手でなければ、町のベーカリーで売っている「チェブラージュ(オニオンパン)」(ユダヤ風のパン生地に玉ねぎのみじん切りをのせて焼いたもの)もおすすめだ。

生地の上で焼かれたオニオンの甘味に味わいのある素朴なパンは、カジミエシュ・ドル二では特に有名だ。

川を渡ってヤノビエツ城へ

ヤノビエツ城
<ヤノビエツ城へは渡し舟と徒歩で1時間弱。余裕があれば行ってみる価値はある>

カジミエシュ・ドルニの町を歩いたあとに余裕があるのなら、ヴィスワ川を渡って古城・ヤノビエツ城に行ってみるといいだろう。

町はずれの船着き場から渡し船に乗って対岸まで渡り、ひたすら歩いて古城の下の村へ。そして、そこからは急な坂を上って行く。

城は完全な形を留めてはいないが、城壁の内部を上まで登ることができる。崖の上の城からはヴィスワ川、対岸の丘や下流の田園風景まで180度の大パノラマが広がり、まさに絶景だ。

※カジミエシュ・ドル二からは徒歩で片道1時間弱。車なら20分(車ごと乗船可能)。

Przeprawa Promowa Kazimierz Dolny - Janowiec

  • 所在地:ポーランド, ルブリン県 · Powiat Puławski · Kazimierz Dolny51.322006, 21.947372
  • Facebook:渡し舟

まとめ

ポーランド ワルシャワ 日帰り旅行 観光 カジミエシュ・ドル二

こじんまりとした街の中に中世の面影を色濃く残す、歴史と文化の箱庭カジミエシュ・ドルニ。

ワルシャワから電車とバスで2時間半、日帰り旅行ができる町に思い出と自分だけの小さな宝石箱を開けに行こう。

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タカシ

昭和生まれのフリーランスカメラマン兼観光ガイド。かつては旅行雑誌の取材等で各地に赴き、気が付けば海外居住歴が30年近くになっていた。経験を生かしてガイドをしながら旅のフォトスーリーを発信中。妻は外国人、家族4人で2015年からワルシャワに住む。趣味は家庭料理、写真撮り、地元の歴史や文化探訪、野山歩き。

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