北海道に一人旅はあり? 一人ならではの楽しみ方とおすすめ観光スポット

小樽運河の景色を楽しむ一人の女性

日常から少し離れて気ままに北の大地へ――北海道への一人旅は、「あり」どころか大いにおすすめです。

雄大な自然と心あたたまるローカル文化、移動しやすい公共交通機関や観光インフラが整う北海道は、初めてのソロ旅にも、自分を整えるリフレッシュ旅にもぴったり。定番観光地を巡るのも、雄大かつ荘厳な自然の景色を眺めて過ごすのも思いのままです。

今回は、一人旅だからこそ楽しめる北海道の魅力とおすすめスポットを紹介します。

目次

北海道への一人旅はあり?

北海道は、観光地としての知名度に加え、アクセスと治安のよさ、受け入れ体制の整備具合がそろっていて、一人旅ととても相性のいいエリアです。

以下、北海道一人旅の魅力を掘り下げてみましょう。

定番も穴場も好きに選んで回れる

一人旅の醍醐味は、気になるスポットを自分の意思で自由に選び、自分のペースで旅を楽しむことにあります。

北海道なら、札幌や小樽、函館など定番の観光地をガイドブックに従って巡るもよし、旅の途中で心惹かれた駅や町、ローカルな温泉地にふらっと立ち寄るもよし。どちらも自信を持っておすすめできます。

札幌・小樽・函館などの都市部なら公共交通機関だけでも十分便利に動くことが可能です。一方、穴場として挙げられるような地方エリアも、ツアーやレンタカーの利用で自分のペースに合わせた旅程を組むことができます。例えば「今日は知床五湖の遊歩道をゆっくり歩く」「夕焼けに合わせてオロロンラインをドライブする」といった計画も、一人旅なら思いどおりに実現できるでしょう。

ただし、観光地同士の距離が遠い北海道では、予定を詰め込みすぎず、余裕を持ったスケジュールを組むのがコツです。ピンポイントで特定の場所を訪れるのもいいのですが、広い北海道のあちこちを気ままに見て回りたいなら、たっぷりと時間があるほど一人ならではの自由さを活かした旅が実現できます。

自分を探す旅にもうってつけ

広大な自然と静かな空気に包まれた北海道の旅は、自分自身とじっくり向き合う時間を作りたいときにも最適。ただ景色を眺めているだけでも心の奥深くまで静けさが染みわたり、日々のあわただしさを忘れる感覚にひたれるでしょう。​

どこまでも続く原野、凛と澄んだ空気、耳を澄ますと聞こえてくる風の音――そんな環境に身を置けば、普段は気づきにくかった心の声にも自然と耳を傾けられるはず。何げない一瞬一瞬が、日常では得難い贅沢なひとときとして心に残ります。​

北海道を一人で旅する一番の魅力は、気ぜわしい日常から離れて原点に戻れること。静かな自然のなかで過ごすことで、新しい気づきや前向きな発見が、きっとあなたを待っています。

おひとり様限定ツアーの選択肢もあり

「一人きりは少し心細い」「運転は苦手だけど自然も満喫したい」――そんなときは、おひとり様限定ツアーの利用が心強い味方になります。

例えば阪急交通社では、1人参加に特化した「おひとり様限定の旅」シリーズを展開しており、北海道方面のツアーも随時設定されています。

参加者全員が一人旅なので、一般的な団体ツアーのようにグループ客に気兼ねすることなく過ごせるのが利点。添乗員同行プランなら、移動やトラブルの対応も任せられるので安心です。

どのようなツアーがあるのかは以下ページから確認してみてください。
一人旅・おひとり様参加の旅」(阪急交通社)

あるいは、旅程の一部だけツアーを組み入れ、残りは自分のペースで動く「部分ツアー+フリー」型プラン(フリープラン)を選ぶ方法も。航空券や列車とホテルのセットに加え、2~5日間などの区間で自由時間と観光バスツアーや現地体験を組み合わせた商品を選べます。

これらを上手に利用すれば、初めてのソロ旅でも不安なく気軽に挑戦できます。

北海道の定番観光スポットを一人旅で満喫!

北海道の定番観光スポットは、都市の賑わいや雄大な自然、絶景まで、バリエーション豊かな魅力にあふれています。一人旅なら、街並みや自然を好きなだけ眺めたり、気の向くままに写真撮影したりと、自分のペースでゆったりと楽しむことが可能。

ここでは、そんなソロでの観光にぴったりなスポットを紹介します。

札幌:大通公園、時計台、テレビ塔など定番ずらり

大通り公園

札幌は、徒歩や公共交通機関だけで効率よく観光できるコンパクトな都市です。一人旅でも動きやすく、出張の合間や仕事後の自由時間に観光や街歩きを楽しむ方も多く見られます。

大通公園をゆっくり散策し、テレビ塔から市内の景色を楽しんだり、すすきので北海道グルメを味わったり、温泉付きホテルで贅沢な時間を過ごすこともできます。札幌市時計台の周辺には個性豊かなカフェが点在し、地下街には多彩なショップが並びます。歴史やグルメ、その両方を気ままに味わえるのが札幌の魅力です。

さらに時間に余裕があれば、札幌芸術の森や円山公園など、市街地から少し足を延ばしてアートや自然の息吹に触れる充実したひとときを。一人旅ならではの自由さで、自分のペースや関心に合わせて過ごせるのが札幌の大きな特徴です。

知床:知床五湖で自然にひたる

知床五胡

知床は、北海道ならではの原生的な自然を体感できる、一人旅に似合うエリアです。特に知床五湖には高架木道と地上遊歩道という2つのコースがあり、体力や経験、当日の気分に合わせて選べます。

高架木道はバリアフリー設計で、一人でも安心して歩きやすいのが魅力。手続き不要で誰でも自由に散策できます。広大な湿原や湖の風景を楽しみつつ、ゆっくりと深呼吸でもすれば、日常の喧騒を忘れられるでしょう。​

一方、地上遊歩道を歩く場合は「安全レクチャー」や「ガイドツアー」への参加が必要。森の奥まで足を踏み入れて、自然環境をより深く、身近に感じることができます。服装や装備だけは万全にして、動物たちの生活空間にそっと寄り添う気持ちで、知床ならではの静けさや自然との一体感を味わってください。

小樽:小樽運河沿いを気ままに散歩

小樽運河

小樽は、レトロな建物やガラス工房、カフェなどが集まった、散策するのが楽しい街です。運河沿いを歩くなら、あえて朝や夕方の人が少ない時間を選ぶと、静かな水面と石造りの倉庫群を独り占めするような特別な体験ができます。

メインストリートから一歩外れた路地には、小さな喫茶店やバー、地元の人が集う食堂も。気になるお店にふらっと立ち寄る"寄り道"こそ、一人旅ならではの醍醐味です。

注意したいのは、冬の小樽は路面が凍結しやすいため、滑り止め付きの靴や着脱式スパイクを用意すること。夜の運河歩きをしながら写真撮影するなら、防寒手袋や手ブレ補正付きカメラ・スマートフォンも活用しましょう。

絶景ドライブコース:レンタカーで優雅なドライブ

オロロンライン

北海道の一人旅で自由な気分と絶景を満喫したいなら、レンタカーでのドライブが断然おすすめです。運転ができる方は移動がラクになるだけでなく、北の大地ならではのスケール感あふれる景色のなかを走る開放感が味わえます。

例えば「日本海オロロンライン」は、石狩から稚内まで日本海沿いを北上するルートで、海岸線や利尻富士、巨大な風車群、サロベツ原野などダイナミックな風景が続く絶景ロードです。沈む夕日やオレンジ色に染まる海景も特別で、日中から夕方にかけて走ると、一人ドライブがこの上なく贅沢な体験となるでしょう。

「天に続く道」は、全長約28kmのまっすぐな道が空へ伸びて地平線に消えていくような、知床方面の一直線道路。知床連山やオホーツク海、広大な田園風景の眺望が広がり、特に春分の日と秋分の日には、道の延長上に夕日が沈むシーンを目にすることができます。ただひたすら車を走らせるだけで、北海道の広さと、美しく幻想的な光景を独り占めできます。

「パッチワークの路」も美しさで知られるエリアです。北海道美瑛町のなだらかな丘陵地に、小麦、ジャガイモ、ビート、トウモロコシなどの農作物が文字どおりパッチワークのように作付けされていて、カラフルで牧歌的な風景を作り出しています。また「ケンとメリーの木」や「セブンスターの木」「北西の丘展望公園」などの有名スポットも。これらの周辺には駐車場や停車スペースも整備されていて、自由に散策や写真撮影が楽しめます。

北海道のグルメスポットを一人で堪能!

北海道グルメは、一食ごとにジャンルを変えても飽きないほどバリエーション豊富。一人なら「今日は海鮮デー」「今日はラーメンはしごデー」など、日替わりでテーマを変えて食べ歩くことができます。

特に押さえておきたい北海道のグルメスポットを紹介します。

函館朝市:やっぱり海鮮丼は外せない

函館朝市

函館朝市は、駅前すぐの好立地に海鮮丼や定食のお店が集まり、朝から豪華な「海の幸祭り」を満喫できるエリアです。

人気店は朝早くから行列ができることが多いので、狙い目は朝市の開店直後(7~8時台)。それ以外の時間帯で行列を避けたい場合は、駅前から少し離れた通りの店も選択肢に入れてみてください。混雑を避けつつ、質の高い海鮮丼に出会えるはずです。​

メニューは、ウニ・イクラ・ホタテなど好みのネタを絞って頼むか、いろいろ乗った欲張り系にするかを事前に決めておくとスムーズです。自分ファーストで、食べたいネタ丼を存分に楽しみましょう。​

さっぽろラーメン横丁:本場の味噌ラーメンをすする

さっぽろラーメン横丁

すすきのの「さっぽろラーメン横丁」は、味噌ラーメンをはじめ個性豊かな味が楽しめる、ラーメン激戦スポットです。カウンター中心の小さな店が多く、一人でも気軽に立ち寄れる雰囲気なので、観光や街歩きの合間にでもふらっと暖簾をくぐれます。

夜遅くまで営業しているお店が多いので、お酒を飲んだ後の締めの一杯など、自分の都合に合わせて立ち寄れるのもありがたい点。混雑時でも、一人ならカウンター席や相席で案内されることが多く、列の待ち時間が比較的短いのもうれしいポイントです。

辛みそや焦がし系、昔ながらの札幌ラーメンなど種類は多彩。ネットの情報などをチェックして気になったお店を探し出し、口に合うかどうかぜひ挑戦してみてください。

小樽 寿司屋通り:新鮮なネタを一人で贅沢にいただく

小樽の「寿司屋通り」は、老舗からカジュアルなお店まで海鮮自慢の寿司店がずらりと並ぶ名所として知られています。花園銀座商店街とサンモール一番街の間にあるこの通りには、大小15~16店(小樽市全体では120店以上)が軒を連ね、新鮮な地元の魚介類を使った寿司を堪能できます。

多くの店舗がカウンター席を備えているので、一人でも気軽に暖簾をくぐりやすく、おひとり様での贅沢寿司ランチやディナーも自然に楽しめる雰囲気。​敷居の高さが気になるなら、「ランチ握り」や価格が明確な「おまかせセット」を頼むと安心です。そこに気になるネタを数貫追加すれば、無理のない予算内で、満足度もアップします。​

混雑を避けるには、お店の開店直後やアイドルタイム(14~16時頃)を狙うのが吉。その時間帯なら大将やスタッフと会話できる機会も増え、楽しく美味しいひとときを過ごせるでしょう。

北海道で最高の一人旅を!

北海道の一人旅は、観光の定番スポット巡りから絶景ドライブ、地元グルメまで「自分だけの楽しみ」を自由に満喫できるのが大きな魅力です。その一方で、道内は移動距離が長く、天候が変わりやすいことや冬季の路面事情など、広大な土地ならではのリスクもあります。無理のない計画と防寒・防滑対策、こまめな天候チェックが欠かせません。

不安がある場合は、おひとり様限定ツアーや現地発の日帰りツアーを行程にうまく取り入れれば、安心感と自由度を両立できます。「一人で動く日」と「プロに頼る日」をバランスよく配分し、自分の体力や興味、ペースに合わせて、北の大地の魅力とじっくり向き合う旅をお楽しみください。

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