発祥の地、沖縄で空手体験し、護身術を会得しよう｜第十回世界武道祭

＜空手に先手なし。沖縄から本土に空手を広めた船越義珍氏の教え。奥武山公園沖宮にある顕彰碑＞

空手は沖縄が発祥の地で、県内には400以上もの道場があります。世界での空手愛好家人口は、5千万人以上と言われています。空手は平和の武道であり、本来こちらから攻撃を仕掛けるものではありません。

流派はいくつかありますが、共通して言えるのは、開祖や先代師範が定めた型を鍛錬し習得します。セルフディフェンスの武術であるため、型は受けから入ります。

型の習得は単に身体の動きをなぞらえるのではなく、敵がどう攻撃を仕掛けてきてどう対応するか、その際は身体のどこを鍛えておけばいいのか、といったことを分解して確認し学びます。

本年10月は、沖縄県が指定する空手の日イベント、伝統沖縄剛柔流空手道連盟が主催する第十回世界武道祭が行われ、沖縄県が空手一色になると言っても過言ではありません。この機会に実際に体験することをおすすめします。

目次

• 空手｜型分解、解説
• 空手｜鍛錬方法例
• 師範エピソード
• 第十回世界武道祭
• 空手会館
• 空手の日イベント情報
• 空手ツアー
• まとめ

空手｜型分解、解説

＜師範の左足に注目。一撃必殺、確実に急所を捕えます＞

伝統沖縄剛柔流空手道連盟(TOGKF)米里師範にお話をうかがいました。型の分解例を師範と米国ニュージャージー州支部道場のクリスさん。たまたま本部道場にトレーニングのため来沖されていて披露していただきました。動画をご確認ください。

クリスさんが強盗役になります。足元の動きに注目ください。敵の足をガッと踏みつけて動けないようにして、反撃しています。この技を実現するためにどのような鍛錬をしているのでしょうか？これを実践するためには、足を鍛える必要があります。

空手｜鍛錬方法例

＜砂袋を蹴り足を固める＞

動画は、コンクリート並に固い砂袋をひたすら蹴っていますが、日々の鍛錬で実施します。また拳を固めるため道場のコンクリートの壁や大きな石に手をひたすら打ち続けたりもします。

泡盛で満杯になっている甕を掴んで握力を強くし、日々の鍛錬を継続していきます。鍛錬は何のためにするのでしょうか？

• 人に打たれず、人を打たず事なきを基とするなり　
• 剛柔流開祖、宮城長順先生の訓です。

鍛錬を重ねて行くと一撃必殺となり、相手をあやめてしまうため、トラブルになりそうになったら、先ずは大声を出す！これも普段から丹田に力を入れ、呼吸を整えることをしておかないと、いざという時に声が出ない、といいます。（剛柔流では準備運動の最初に呼吸を整えます）

逃げることができるなら技は使わず、逃げてくださいとも。闇バイトによる強盗であったり、里山での熊との遭遇であったり、実際に事件となる前に予防しておくというのが大切です。

師範エピソード

実際、米里師範のこれまでの人生で技を使わざるを得ない状況が、あったのでしょうか？聞いてみました。

＜南城市無人島を貸切る海外VIPに空手指導する米里師範＞

米里師範は、東京で就職し当時はまだ茶帯だった時代。入社式の帰宅時、市川駅(千葉県)で急に土砂降りの雨に見舞われたそうです。たまたま居合わせた、見知らぬ若い女性が傘に一緒に入りませんか？と言ってきて、先方の好意に甘えることに。

ところが、しばらく歩いて行き、人気が少なくなった場所で、背後から男性が飛び出し、「金を出せ」と殴りかかって来た！師範は落ち着いて相手の攻撃を捌き、足払いをして道路に倒したところ、二人とも逃げて行ったとのこと。美人局であることに最初に気付くべきだったと。

師範はその後、海外青年協力隊、JICA職員として東南アジアほか各地に赴任しますが、赴任先で空手普及指導に勤しんで来ました。サモアでも空手指導しましたが、現地の警察は、棍棒や拳銃といった武器は持たないそうです。

第十回世界武道祭

東恩納盛男最高師範が代表となる伝統沖縄剛柔流空手道連盟は2025年10月30日から11月2日にかけて第10回世界武道祭を実施します。

沖縄本部道場師範によるセミナー、トレーニング、昇段試験、演武会、交流会を実施し50ヵ国ほどの外国支部、国内支部道場から多数参加予定です。

• 日程:2025年10月30日(木) 〜11月2日(日)
• 公式サイト：参加申込ページ:事前参加申込〆切済

以下プログラムは無料観覧可能です。

• 場所:沖縄県立武道館
• 住所:沖縄県那覇市奥武山町52

2025年度プログラム

• 10月30日(木) 9:30～13:45　開会式/空手鍛錬
• 10月31日(金) 9:30～14:15　空手鍛錬
• 11月01日(土) 9:30～14:15　空手鍛錬
• 11月02日(日) 9:30～15:00　空手鍛錬/演武会

詳細は申込事務局に問合せください。問合せ先:budosai2025_desk@nta.co.jp

武道祭期間中以外で本部道場で体験することも出来ます。

伝統沖縄剛柔流空手道連盟

• 住所：沖縄県那覇市牧志3-22-42
• 電話 : 098-864-1673
• 成人健康クラス：上原米和師範指導、毎週火・木曜 18:00～20:00、日曜 17:30～19:00
• 子どもクラス：蔵元雅一師範指導、 毎週月・金曜 18:30～19:30
• 公式サイト：伝統沖縄剛柔流空手道連盟

空手会館

＜空手会館特別道場、守禮之館＞

空手のことを知るなら、先ずは空手会館の資料室へ行くことをおすすめします。空手家を対象とした専門的な情報から、初心者・一般に向けたコンテンツまで、沖縄空手に関する情報を幅広く展示しています。

突きで蝋燭の火を消すことが出来るか挑戦する、「空手体験コーナー」や空手の歴史を紹介する映像が鑑賞出来る「映像シアター」もあり、気軽に空手について知ることができます。無料で利用できる資料閲覧室もあります。

空手会館

• 住所：沖縄県豊見城市豊見城８５４−１
• 電話：098-851-1025
• 開館時間：9:00～17:30
• 休館日：水曜、12/30〜1/3
• 資料室観覧料：¥400 （一般個人）
• 公式サイト：沖縄空手会館　

空手の日イベント情報

＜2024年空手の日イベント時、国際通りでの集団演武。写真真ん中は伝統沖縄剛柔流空手道連盟、蔵元雅一師範＞

沖縄県では10月25日を「空手の日」としており、本年もイベントを実施します。武道祭を主催する伝統沖縄剛柔流空手道連盟もイベントに参加します。

1. 奉納演武

• 日時：10月25日(土)13:00～14:00
• 場所：沖縄平和祈念公園 平和の丘（糸満市）

＜OKINAWA KARATE SPIRIT　公式サイトチャンネル＞

https://youtube.com/@okinawakaratespirit8846?si=d6sV4KjEAsv2tNiE

沖縄県指定無形文化財保持者による奉納演武が行われる。公式YouTubeチャンネルにてお楽しみください。

2. 記念演武祭

• 日時:10月26日(日)15:00-16:30
• 場所:国際通り
• 内容:流派会派が一堂に会し、一斉演武、団体演武を行います。

3. 「空手の日」制定20周年記念フェスティバル

• 日時：2025年10月26日(日)11:00～18:00
• 場所：沖縄県庁前、県民広場
• 内容：瓦割り体験や、スタンプラリーを実施。

公式サイト：空手の日　詳細は下記公式サイトにて

空手ツアー

空手発祥の地、沖縄県には空手を専門とする旅行代理店もあり、空手体験や流派開祖ゆかりの地、顕彰碑ツアーなどを手配しています。

まとめ

護身術を習得しながら、世界各地の空手家と交流出来るのは、価値観や視野も広がり素晴らしいことなのではないか、と思います。空手道場は日本各地にありますが、鍛錬を重ねる中で、沖縄が故郷となります。