東京唯一!ジョージア料理・ワイン専門店「AJIKA」が神楽坂にオープン

AJIKAのアチャルリ・ハチャプリ

2025年9月14日、東京唯一のジョージア料理・ワイン専門店「AJIKA(アジカ)」が神楽坂にオープンしたのをご存知でしょうか。ジョージアに精通する日本人と本国の人が協力し、料理から内装までこだわり抜いたお店とあって、密かに話題となっています。

そんな注目の新店「AJIKA」について、

  • ジョージア料理はどのような内容なのだろう、何を注文すれば良いか分からない
  • 雰囲気はどんな風だろう、お店の特徴も気になる

という疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。

ジョージア料理を含め、ジョージアという国への認識がまだ薄いという人も多く、オープンしたばかりで情報も少ないため、そうした疑問があるのも無理はありません。

そんな方に向けて、ジョージア渡航歴もある海外グルメマニアのオグが、「AJIKA」の共同経営者であり日本ジョージア商工会議所の専務理事も務めていらっしゃる真下博志様に取材をさせていただきました。

本記事では、「AJIKA」開店のきっかけ、お店の特徴、オススメのジョージア料理2品、今後の展望まで詳しくご紹介します!

この記事を読むことで、東京にいながら本場のジョージア料理・ワインを現地さながらの雰囲気で楽しめ、ジョージア旅行をしているような非日常感を味わえます。

目次

東京唯一!ジョージア料理・ワイン専門店「AJIKA」誕生のきっかけ

AJIKAの看板

「本場のジョージア料理・ワインの提供を通して、ジョージアの雰囲気を日本の皆さんに味わってもらいたい」との思いで、「AJIKA」は開店しました。

共同経営者の真下博志様は、ジョージアと5年ほど前に接点を持ち、2023年に設立された日本ジョージア商工会議所では専務理事を担うことに。日本とジョージアの企業・産業の活性化を目的に活動しています。活動を通じてジョージアと接する機会が増えていくにつれ、日本でジョージア料理を食べたいという気持ちが芽生えました。しかしそう願っても食べられる場所がなかなか存在しなかったことから、ジョージア料理の専門店を開こうと決意します。

AJIKAの内観

開店に際して料理・ワインから内装、一緒に働くメンバーまで徹底的にこだわっています。ジョージアから本場のシェフを招聘し、料理メニューの作成に携わってもらっていました。この後ご紹介する料理「アチャルリ・ハチャプリ」には、日本のチーズメーカー3社と共同開発した「AJIKA」特製のジョージアチーズを使用しています。

「AJIKA」はどんなお店?

アイスペールの中のワインボトル

8,000年の歴史をもち、世界最古と言われるワインは、本国から厳選したものを輸入。店内で一際目を惹くのは、ジョージアから船で輸送したクヴェヴリで、その重さはなんと130kg。お店の玄関から大人3人でテーブルの上まで運んだそうです。現地では人が入れるほど大きなサイズがあり、中に入って写真を撮る光景も見かけます。

クヴェヴリが乗った日光杉のテーブル

クヴェヴリが乗った日光杉のテーブルは、ジョージアの宴会「スプラ」ができるよう横長に設計されています。宴会の参加者が対等かつ一体感をもって交流し、豪華な料理と乾杯の場としてスペースを確保しつつ、団結というスプラの精神を表すための伝統的・実用的な工夫です。このテーブルが府中刑務所の受刑者によって作られたというのにも驚きました。「AJIKA」のメンバーが5、6回と府中刑務所に足を運び、木材やデザインを入念に確認して完成させたそうです。

たくさんのワイングラス

そのテーブルを背にして中央に目を向けると、スタイリッシュなバーカウンターがあります。こちらも「AJIKA」のメンバー手作り。お客様とお店の方の距離感が近い海外らしく、お客様に目の前で接し、交流が自然と生まれる造りです。実際に私もカウンターでワインを楽しみ、目の前でジョージア人の方がワインを注いでくれたり、ジョージアについて話してくれたりと、居心地がよくついつい長居してしまいました。

赤ワインの入ったグラス

「AJIKA」はワインバーでもあるので、ジョージアワインを気軽に楽しんでほしいという思いも込められています。真下様によると「ジョージアをはじめ海外では食事をしっかりするところと、お酒を気軽に飲むところを分ける習慣がある」そうです。バーカウンターで食前酒を飲み、テーブルに移動して食事を楽しんだ後、バーカウンターに戻って食後酒を楽しむ。そんな使い方ができるようになっています。

本場の味にこだわった料理、ジョージアワイン、現地の雰囲気を再現した内観、ジョージア人スタッフと、ジョージア一色のお店です!

AJIKAの一角にあるテーブル席

AJIKA(アジカ)の店舗情報

AJIKA Georgian Bistro and Wine Bar

  • 住所:東京都新宿区袋町3-6 神楽坂センタービルアネックス 1F
  • アクセス:都営大江戸線「牛込神楽坂」駅 B3出口 徒歩2分
  • 営業時間:月・火・金・祝前日・祝後日/11:30 - 14:30、17:30 - 22:30、木/11:30 - 14:30、17:00 - 22:30、土・日・祝日/11:30 - 15:00、17:30 - 22:30
  • 定休日:水曜日
  • 公式インスタグラム:@ajika_tokyo

オススメのジョージア料理2品

今回ご紹介する「AJIKA」のメニューはこちらの2品です。初めてジョージア料理を食べるという方にもオススメです。

  • 【ランチ】アチャルリ・ハチャプリ
  • 【ディナー】シュクメルリ

【ランチ】アチャルリ・ハチャプリ

アチャルリ・ハチャプリ
ジョージアのチーズパン「アチャルリ・ハチャプリ」

ランチは4種類の中から選べて、いずれもジョージアのチキンスープ・サラダ・ペースト2種付きと、非常にお得です。初めての来店だったので、クラシックの「アチャルリ・ハチャプリ」をいただきました。

特徴的なのが船に似た形です。料理名にある「アチャルリ」は、ジョージア西部・黒海沿岸の「アチャラ」という地域名に由来し、真ん中に乗った黄身は船に乗った人を表しています。

シュクメルリと合わせたハチャプリ

ジョージアにはさまざまなハチャプリがあり、その形も多岐にわたります。シェフオリジナルのハチャプリも珍しくありません。実際「AJIKA」でも、有名なジョージア料理「シュクメルリ」と合わせたり、健康志向を意識した「ほうれん草」、ヴィーガンの方も安心して食べられる「ロビアニ(豆)」と、クラシック以外に3種類のハチャプリがありました。こうしたシェフ独自のハチャプリが存在するのも、本場の味を提供する「AJIKA」ならではでしょう。

黄身を混ぜたところ

そして「アチャルリ・ハチャプリ」は、食べ方もユニークです。まず黄身を混ぜてチーズと絡めます。ポイントはしっかり混ぜること。私は混ぜるのが不十分だったので、ジョージア人の店員さんに「もっと混ぜたほうがいいですよ」とアドバイスをいただきました。

パンの端をちぎったところ

次にパンの端をちぎります。最後にちぎったパンを混ぜたチーズ&卵につけて食べましょう! 印象的だったのが、塩味が利いて濃厚なチーズです。特製ジョージアチーズの特徴である「塩味」がはっきりと現れています。現地で食べた味を思い出し懐かしくなりました。そのチーズに黄身を絡めることでコクが増し、とろみも加わるためパンと見事に絡むのです。

白ワインの入ったグラス

この料理とのペアリングでオススメされたのが、白ワイン「ルカツテリ」。ジョージアを代表する、非常に古くからある白ブドウ品種の1つで、酸味が強く、果実味を持ち合わせています。チーズ・卵のコクを程よく抑え、爽やかさを演出してくれます。

チキンスープ

ハチャプリに目を奪われがちですが、セットのジョージア料理3品も見逃せません。

「チキンスープ」は二日酔いの回復を助けるとも言われる滋養スープで、鶏の旨味とコラーゲンによる奥深い風味が印象に残りました。味噌汁にどこか似ていて、ホッと一息つける優しい味わいです。ハチャプリの濃厚なチーズの消化を助けるほか、お酒をたくさん飲むジョージア人にも欠かせないスープです。

ジョージアサラダ

きゅうり・トマト・クルミを混ぜた風味豊かな「ジョージアサラダ」。新鮮な野菜のシャキシャキとしたフレッシュ感、砕いたクルミのざくざくした歯ごたえとコクが光ります。ジョージア料理はサラダに限らず、クルミを多く使います。真下様いわく「クルミは食材の保存を助ける役割でも使われる」そうです。「AJIKA」ではクルミも厳選したものを使用しています。

プハリ

野菜とチーズ、胡桃を混ぜたペースト「プハリ」も代表的なジョージアの前菜です。ランチセットには「ネギ プハリ」と「ニンジン プハリ」の2種が含まれています。ペースト状の滑らかな食感、野菜のほのかな甘味とクルミのコクが感じられ、ワインの最高のお供です。ぜひペアリングで楽しんでみてください。

神楽坂という立地で、本場の「アチャルリ・ハチャプリ」にジョージア料理3品が付いて¥1,900という価格は、非常にリーズナブルだと思います。都内の一部のレストランではジョージア料理を提供していますが、前菜で1品¥1,000、メインで¥2,000ほどの価格帯も見られるからです。ぜひ足を運んでその味をご自身で体験してみてください!

【ディナー】シュクメルリ

シュクメルリ

2品目は鶏肉のガーリック煮込み「シュクメルリ」です。

ジョージア西北部ラチャ地方のシュクメリ村が料理名の由来とされます。「AJIKA」ではディナー限定で味わえます。松屋でも商品化され話題となり、この料理をきっかけにジョージアを知った方も多いのではないでしょうか。

ソースはニンニクの風味が程よく効き、コクのある味わいです。現地ではニンニクの風味が強すぎて完食できず、日本ではクリームの主張が強くシュクメルリ本来の味から離れている印象でした。それだけに、食べやすさと奥深い風味のバランスが取れた「AJIKA」のシュクメルリは、完成度が非常に高いです。ジョージア本場の味を再現しながらも、日本人に親しみやすい工夫が施されていました。

シュクメルリのアップ

このソースをプリッと弾力のあるチキンに絡めていただきます。現地では半身ほどの巨大サイズで提供されることが多かったですが、「AJIKA」ではSサイズがあって1人でも楽しみやすいのも嬉しいところです。

細長いパン

残ったソースにはジョージアの細長いパンをたっぷり付けて食べてみてください。熱々モチっとしたパンにソースが絡み、至福の味わいです。ジョージアではシュクメルリに限らず、サラダのドレッシングやスープなど、さまざまなものにパンを浸けて食べる習慣があるそうです。食べ物を大切にする素敵な文化ですね。ぜひ最後の最後までシュクメルリをご堪能ください!

「AJIKA」の今後の展開

棚に並んだ器

開店したばかりの「AJIKA」ですが、今後の展開からも目が離せません。

料理はお客様のご意見を伺いながら、改良を重ねていく予定だそうです。ハチャプリなどに使用されているジョージアチーズの塩味や、シュクメルリのニンニクの効き具合、パクチー使用の有無など、お客様が選択できるようにするかを検討中だとか。またハチャプリの大きさなどボリューム感も、さまざまな料理を食べたいとの希望に応えられるよう、調整するか考えています。「AJIKA」の料理を自宅でも味わえるよう、デリバリーサービス「Wolt」の利用も準備中です。

現在10種類ほどのワインは、今後1ヶ月を目処に種類を増やし、将来的には日本で取り扱いのないワインも提供できるようにするそうです。持ち帰りでボトルを購入できるようにすることも視野に入れているとか。

料理やワインが充実していくとともに、最大16人が座れる特製のテーブルを使った宴会プランも用意する予定です。ジョージアの宴会・スプラが楽しめる日が待ち遠しいですね。

また、ジョージアワインの愛好家(ソムリエ)を呼んだ試飲会やジョージアダンスの舞踊会などを企画し、文化交流の1つの拠点としてレストランを活用することで、ジョージアの認知向上を実現したいとのことでした。

【まとめ】「AJIKA」で本場のジョージア料理・ワインを堪能しよう!

真上から撮影したアチャルリ・ハチャプリ

本場のジョージア料理とワインを通じて日本の皆さんにジョージアの雰囲気を伝えたいという思いで開店した「AJIKA」。

内装から料理まで本場にこだわっており、特製チーズを使った「アチャルリ・ハチャプリ」や、ディナー限定の鶏肉料理「シュクメルリ」が看板メニューです。ランチはサラダやスープ付きで1,900円とリーズナブルに楽しめます。今後はデリバリーやワインの拡充、文化交流イベントなども予定されており、日本におけるジョージア文化発信の拠点を目指しています。

東京にいながら、本場のジョージア料理とワインを現地さながらの雰囲気で楽しめる「AJIKA」は、まさにジョージア旅行をしているかのような非日常体験を提供してくれるお店です。ジョージアに馴染みのない方でも、このお店なら本場の味と文化に触れ、ジョージアという国への興味が深まります。料理一皿から始まった小さな好奇心が、新たな旅への扉を開いてくれるでしょう。

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東京にある美味しい・珍しい海外グルメを食べ歩く海外グルメマニア。ブログには100ヶ国以上の世界の料理を掲載し、休日だけで年間365以上の海外グルメを開拓しています。実際に現地に行き本場のグルメも食べていて、これまでヨーロッパを中心に60ヶ国以上に渡航しています。

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