大阪・新世界観光ガイド|通天閣と庶民の人情と暮らしを体感

<TOP画像:通天閣南本通り越しの通天閣>

関西万博が2025年4月13日に開幕しました。大阪湾に浮かぶ夢洲には、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとして、世界から158の国と地域の文化が大集結しています。

大阪市には世界各国、日本全国から大勢の人々が訪れ、国際色豊かになっているのです。未来への夢がふくらみますが、歴史をふり返ってみると、大阪市は各地からのさまざまな文化を吸収し大きな成長を遂げた側面ももっています。

独特の文化を育む西日本最大の都市には、国際色を跳ね返すパワーを漲らせているようです。南部の新世界には、コテコテの上方、なにわの文化に加えて、庶民的な生活から生まれる人情が凝縮しています。

本記事では国籍、年齢、性別を超越する新世界の魅力をご紹介しましょう。

目次

奇抜なデザインで設置された大阪のランドマークタワー通天閣

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<通天閣本通商店街越しの通天閣>

東京では世界一高いタワーの東京スカイツリーがシンボルとなっていますが、大阪のランドマークタワーは通天閣です。高さは約108メートルで、東京スカイツリーの約634mには及びませんが、独創性あふれる姿は大阪を象徴しています。

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<通天閣>

通天閣は1912年に建設されました。「天に通じる高い建物」という意味を込めて、明治時代初期に活躍した儒学者の藤沢南岳が「通天閣」と名づけたと言われています。

パリの凱旋門にエッフェル塔を乗せたような奇抜なデザインです。当時の高さは約75mで、日本一の高さを誇りました。ところが、1943年に火災に見舞われ解体されました。その後の1956年に再建が行われ、現代のタワーは2代目なのです。

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<通天閣展望台よりの眺望>

地上80m台のタワーの4階、5階は展望台となっています。各々の展望台からは眼下に日本屈指の経済都市、大阪の市街地が広がります。

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<通天閣の展望台>

4階は光の展望台で、ヒカリモノが好きと言われる大阪の人々のイメージから、日没後には派手な照明とミラーボールを点灯されます。

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<通天閣のビリケン神殿>

5階の展望台に一角には、ビリケン神殿が設けられています。太閤秀吉の黄金の茶室をイメージしているのか、神々しく彩られています。

足の裏を撫でるとご利益があると信じられ、大阪では根強い人気を誇っています。尖った頭と吊り上がった目からは、温かな人間味や親しみがにじみ出てくるようです。

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<通天閣の特別屋外展望>

5階の展望台からは、特別屋外展望台の天望パラダイスが繋がります。そこには、地上約94.5mの高さに跳ね出し展望台が設置されているのです。

障害物なく大阪の景色を360度のパノラマで眺めることができますが、足元は約94.5m下の地面です。高所恐怖症の人は言うに及ばず、誰もが先端のシースルーフロアでは身がすくむことでしょう。

愛の告白やプロポーズに最高の場所として、数多くのカップルがツーショット写真の撮影に訪れています。恐怖感に耐えながら誓った愛は、永遠に色あせることなどありえないでしょう。

通天閣

  • 住所:大阪府大阪市浪速区恵美須東1-18-6
  • 電話:06-6641-9555
  • 営業時間:一般展望台 10:00~20:00、特別屋外展望台 10:00~19:50
  • 入館料(一般展望台):15歳以上 1,200円、5歳~14歳 600円
  • 公式サイト:通天閣

※売店 営業時間 10:00~19:30 

巨大な看板が個性を競う通天閣南本通りの飲食店

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<通天閣を望む通天閣南本通り>

通天閣は大阪のシンボルタワーですが、これを囲むエリアは新世界と呼ばれています。大阪のご当地グルメが味わえる飲食店を中心に、喫茶店、土産店、雑貨店、ゲームセンターなどが密集しています。

店頭には巨大な看板が掲げられ、個性を競い合っているようです。夜間になり彩り豊かにライトアップされると、まるで遊園地のようです。

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<通天閣南本通り沿いの横綱 新世界本館>

通天閣南本通りの中央では、特大のねぶた看板が目を引きます。縦約5m、横約20mの「横綱 新世界本館」の看板には、力士、歌舞伎役者、虎、恵比寿様などが描かれています。

店舗は大阪のソウルフードの串カツ店で、因果関係は定かではありません。ただ強烈なインパクトを放っています。店先では笑顔のビリケンさんが、通りを歩く人を店に招き入れているようです。

横綱 新世界本館

  • 住所:大阪府大阪市浪速区恵美須東2-4-11
  • 電話:06-6631-4527
  • 営業時間:月~木曜11:00~22:00、金曜 11:00~23:00、土曜 10:00~23:00、日曜・祝日 10:00~22:00
  • 定休日:無休
  • 公式サイト:横綱 新世界本館

新世界串カツ いっとく 総本店

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<通天閣南本通り沿いの新世界串カツ いっとく 総本店>

笑顔のビリケンさんと通りを隔てて向かい合うのは、串カツを持ったビリケンさんです。「新世界串カツ いっとく 総本店」は、通天閣の南下で「横綱 新世界本館」と人気を二分しています。海老、カニ爪、うずらの串カツには、食欲がそそられることでしょう。

新世界串カツ いっとく 総本店

ジャンボ釣船 つり吉

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<通天閣南本通り沿いのジャンボ釣船 つり吉>

通天閣南本通り沿いの串カツ店の店先は派手ですが、「ジャンボ釣船 つり吉」では店内のスケールに圧倒されます。総水量約120トンの大釣り場を備えているのです。水の中で悠々と泳ぐ鯛やフグなどを釣りあげれば漁師気分を味わうことができます。

自分で釣った魚の新鮮さは疑いの余地がありません。刺し身や天ぷら、寿司など好みに合わせて調理してもらえるので、思う存分シーフードを味わうことができます。

ジャンボ釣船 つり吉

  • 住所:大阪府大阪市浪速区恵美須東2-3-14
  • 電話:050-5457-9205
  • 営業時間:月~金曜・祝前日・祝後日 11:00~22:20、土曜・祝日 10:30~22:20、日曜 10:30~23:00
  • 定休日:無休
  • 公式サイト:ジャンボ釣船 つり吉

まるで遊園地のような通天閣南本通り

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<通天閣南本通り沿いの新世界遊技場 射的チャンピオン>

串カツや海鮮の他にも通りには関西の食文化を印象づける飲食店が軒を連ねていますが、娯楽のジャンルはグルメばかりではありません。

「新世界遊技場 射的チャンピオン」では、射的、輪投げ、手裏剣道場などを楽しむことができます。テレビゲームが人気の現代では時代遅れに感じられるかもしれませんが、実際にやり始めると夢中になってしまうものです。

我を忘れてしまわないように注意する必要があるかもしれません。

新世界遊技場 射的チャンピオン

  • 住所:大阪府大阪市浪速区恵美須東3-6-1

ビリーズ

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<通天閣南本通り沿いのビリーズ>

旅行者にとって土産を選ぶことも重要な要素となります。新世界には大阪ならではの土産物が揃っています。

「ビリーズ」には、ビリケンさんの置物やストラップ、たこ焼きをモチーフにしたスナック、種類豊富な串かつソース、よしもとグッズなどがあふれんばかりです。

店内を見回すだけでも笑いが噴き出してきそうです。ウケ狙いの土産は、大阪観光の証となるに違いありません。

ビリーズ

  • 住所:大阪府大阪市浪速区恵美須東2-4-13
  • 電話:06-6644-7774
  • 営業時間:9:00~22:00、土曜 9:00~22:30
  • 定休日:無休

ビリケン神社

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<通天閣南本通り沿いのビリケン神社>

新世界は、1912年の通天閣の建設から発展してきましたが、2012年の100周年を記念して、ビリケン神社が造営されました。

神社は神様を祀る神聖な施設ですが、ビリケン神社は厳かさに欠けるようです。関西グルメの看板や関西弁の提灯に、上方の文化がみなぎり神社にも爆笑が渦を巻くようです。

ビリケン神社

  • 住所:大阪府大阪市浪速区恵美須東3-6-1
  • 電話:06-6632-9494

庶民の生活が息づき温かな人情があふれるジャンジャン横丁

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<ジャンジャン横丁南入口>

通天閣南本通りは通天閣の南下の新世界のメインストリートですが、東約100mのところを平行する南陽通商店街は独特でディープな雰囲気を漂わせています。

ジャンジャン横丁の愛称で親しまれる通りは、戦後には客引きのための三味線や太鼓の音がジャンジャン響いていたと伝わります。

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<ジャンジャン横丁>

アーケードに覆われた通りの幅は2.5m前後で広くはありませんが、それがかえって温かな人間味を漂わせています。通天閣南本通りのような巨大な看板はなく、小型の店舗に親しみやすさが感じられます。

質素で素朴なムードに庶民の生活が息づいているようです。飾り気のない立ち呑み居酒屋をはじめ、串カツ、焼肉、寿司、うどん、大衆食堂などが、軒を連ねています。

通天閣の西で新たな穴場として脚光を浴び始めた新世界市場

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<新世界市場北入口>

新世界のエリアには、連日インバウンドも含め大勢の人々が観光に訪れますが、人の波は通天閣の南に集中していました。ところが、この定番コースとは逆の方向も徐々に脚光を浴びるようになりました。通天閣の西約100mから北につながる新世界市場は、穴場として評価が高まっているのです。

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<新世界市場>

1916年に誕生した市場は戦争の被害からも復興し、数十軒の店舗がひしめき合っていました。ところが、店主の高齢化などの問題で次第にシャッター通りに様変わりしかかっていたのです。この状況を克服するため、2010年頃からはイベント会場として利用されるようになり、2012年には奇祭のセルフ祭を始めたことで、注目されるようになったのです。現在は、屋台街を中心にかつての活気がよみがえっています。

新世界市場

通天閣の眺めは世界一という名声をとどろかせる通天閣本通商店街

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<通天閣本通商店街南入口>

通天閣の北下からつながる通天閣本通商店街は、大阪メトロ堺筋線恵美須町駅を利用する人にはアクセス路となります。新世界のエリアでは比較的道幅が広いので、圧迫感はありません。

1912年の通天閣界創設の頃から恵美須通として栄え、1956年の再建を機に通天閣本通に名前が変更されました。飲食店を中心としてさまざまな商品が販売される商店街が整備され、大勢の人々で賑わいます。

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<通天閣本通商店街越しの通天閣>

そればかりか、通りからの通天閣の眺めは世界一という名声をとどろかせています。長さ200m程の通りには、映え写真が撮影できるベスト・フォトスポットを見つけることができるでしょう。

通天閣本通商店街

通天閣を中心に多様な魅力があふれ出す新世界

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<通天閣南本通り越しの通天閣>

大阪湾に浮かぶ夢洲で関西万博が開幕し、大阪市には国際性があふれています。それとは逆に、大阪市は西日本最大の都市として、独自の文化を発信しています。

南部の新世界はランドマークタワーの通天閣を囲み、コテコテの上方、なにわの文化と、庶民の生活感が混在しています。

定番ルートを少しそれると、新たな穴場が発見できるかもしれません。遊園地のような新世界は何度訪れてもあきることはないでしょう。

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2009年より数々のWebサイト、雑誌、書籍のメディアにおいてトラベルライターとして活動しております。2025年7月現在で、国内47都道府県、海外67カ国の地域を訪ね歩きました。この経験をもとに、日本全国、世界各国にあふれるユニークな文化や特徴、魅力をご紹介して参ります。

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