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パラグアイってどんな国?治安や文化を徹底解説

2026年ワールドカップへの出場が決まったパラグアイ。
今後、日本と対戦する可能性もあるけど「パラグアイっていったいどんな国?」と思う方も多いだろう。
そんな方に向けて、パラグアイ歴8年の著者が日常の空気が伝わるエピソードとともに、その国の素顔を紹介していこう。
目次
- 1.パラグアイの基本データ
- 2.パラグアイってどこにあるの?
- 3.パラグアイの国土
- 4.パラグアイの気候
- 5.パラグアイの国民性と文化
- 6.パラグアイの治安
- 7.パラグアイとサッカー
- 8.パラグアイの観光地
- 9.まとめ
1. パラグアイの基本データ
- 首都:アスンシオン
- 人口:約700万人(2025年)
- 言語:スペイン語・グアラニー語
- 民族:メスティーソ(混血)70%以上
- 宗教:カトリック
パラグアイ
2. パラグアイってどこにあるの?
日本から見るとちょうど地球の裏側に位置する南米の内陸国。
日本からパラグアイに行くルートは主に二つあって、ヨーロッパ経由とアメリカ経由だ。
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<Air Europaはヨーロッパとパラグアイを結ぶ唯一の直行便だ。(Pexels提供)>
スペインからはパラグアイへ直行便がでているので便利。逆にアメリカからは直行便がないので、パナマかチリ、ブラジルで乗り継ぎする必要がある。
どちらのルートを使っても乗り継ぎ時間を合わせて最低二日はかかり、航空券代もひとり1,000ドルは見積もっておこう。
3. パラグアイの国土
国土の広さが日本と同程度(1.1倍)にもかかわらず人口は10分の1以下。
それもあってか、土地の値段は日本と比べて格安だ。首都から少し離れた郊外なら5000ドル程度で100坪以上の土地を購入することも十分可能。
それで退職後、パラグアイにマイホームを持つヨーロッパや他の南米諸国からの移民も多い。また、首都アスンシオンでさえ「森の中に町がある」と形容されるほど緑に包まれている。
国土は比較的平坦で、少し高いビルや丘に登ると緑が地平線の向こうまで広がっているのが見える。
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<パラグアイの首都アスンシオンの眺め>
4. パラグアイの気候
南半球に位置するので、日本と比べて季節は逆。パラグアイの夏は11月~3月、冬は6月~8月だ。
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<エンカルナシオンには川のビーチもあり夏場は人で賑わう>
亜熱帯に属するパラグアイの夏はとにかく暑い。
夏場は日差しが強く、肌を刺すような鋭さを帯び、もはや「暑い」ではなく「痛い」と感じるほどだ。
さらに追い打ちをかけるように、湿度も非常に高く、カビの繁殖が大きな問題となっている。
それで、パラグアイでアパートを借りる時にまず注意しなければいけないのが、湿度とカビの問題だと言われる。
日当たりの悪いアパートを借りると、湿度が高い日に猛スピードでカビが壁全体に侵食して壁全体が薄黒く変色してしまい、逆に日当たりが良すぎても夏場に暑くて耐えられなくなる。
とはいえ、年中むし暑いという訳でもなく、冬場は意外と気温が下がり、雪こそ降らないが、5度くらいまで下がることもある。
かと思えば、冬場でも30度近くまで気温が上がる日もあり、体調を壊しやすい季節でもある。
夏場は蒸し暑いし、冬も意外と気温が下がるので、パラグアイを訪れるベストシーズンは4月から5月と、9月から11月だろう。
5. パラグアイ人の国民性と文化
パラグアイはスペイン人と先住民であるグアラニー族の混血メスティーソが国民の70%以上を占め、その他、戦後に移住してきたドイツ系や日系、さらに他の南米諸国からさまざまな移民が集まって構成されている。
パラグアイ人の性格を一言で言い表すなら「温厚かつフレンドリー」。
私が一番初めに覚えたスペイン語のひとつに「Tranquilo(トランキーロ)」という言葉がある。
もともとの意味は「静かな」とか「落ち着いた」という意味の形容詞だが、パラグアイでは「大丈夫」「落ち着いて」「気にしないで」「のんびりいこう」といったニュアンスで毎日の生活の中で頻繁に使われる。
少しのんびりし過ぎじゃないか?と思う場面もある反面、細かいことをいちいち心配しない雰囲気は居心地よくも感じる。
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<マテ茶を飲むパラグアイ人女性>
私が個人的に感じたパラグアイでの一番のカルチャーショックは「回し飲み」文化だ。ビールを飲むにも、マテ茶(テレレ)を飲むにも一つのカップで回し飲みするのだ。逆に一人で飲んで相手に「飲む?」と聞かないのは失礼なことで、全然知らない人同士でも回し飲みを始めたりする。
もちろんすすめられても断ることはできるが、パラグアイでは友情を深める場と見なされているので、一度は勇気を持って「回し飲み」に参加してみよう。血迷って「歯、ちゃんと磨いた?」とか聞かないように。
その他パラグアイで感じたカルチャーショックはブログの海外移住「パラグアイに8年住んで感じること パート1」でも説明しているので見てみてほしい。
6. パラグアイの治安
パラグアイの治安は、南米の中では比較的良好!
前述したようにパラグアイ人は一般的に温厚な国民性で知られ、争いごとを好まない。
銃器を使った強盗事件や暴力事件は、あまり聞かないが、現地でコレクティーボと呼ばれるバスの中でのスリや、路上でのひったくりには注意。特に外国人は、物珍しさから人々の視線を集めやすく「お金を持っている」と思われがちだ。
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<コレクティーボと呼ばれるパラグアイのバス スリに注意しよう (Pexels提供)>
現に私自身、パラグアイに来て初めて借りたアパートへ空き巣に入られ、タブレットとカメラを盗まれたことがある。理由はおそらく、ベッドや家具を現金で次々と購入し、自宅まで運ばせたこと。お金持ちの外国人がこのあたりに住んでいるという噂が広まってしまったようだ。
同じく外国人の友人と話していても、iPhoneをひったくられたとか、家に空き巣に入られたという話はよく聞くので、治安は良好といえど油断は禁物だ。
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<アスンシオン・メルカドクアトロで筆者の妻もひったくりの被害に>
7. パラグアイとサッカー
パラグアイの国民的スポーツと言えばサッカー。
もはや第二の宗教と言っても過言ではない。いつもは穏やかなパラグアイ人が雄叫びを上げるのも、サッカーの試合の時だ。他の先進国のように、レストランや映画館、その他の娯楽が少ないからかもしれないが、週末はみな空き地でサッカーを楽しむ。
サッカー好きは男性だけでなく、女性も同じだ。パラグアイ人女性は活発で運動神経も良い。しかも若い子だけでなく50代になろうという人が、ボールを追いかけて走り回っていたりするので驚きだ。
どれくらいサッカー好きかというと、16年ぶりのワールドカップ出場が決まった翌日が突然祝日になるほど。日本では想像しづらいかもしれないが、翌日は国を挙げてのお祭り騒ぎ。役所もお店も全部閉まり、仕事もなし。
それ以外でも、例えば「金曜の夜飲みに行こうぜ」と友人を誘っても「いや。金曜日の夜はサッカーの日だから」と普通に断られることもある。少なくとも週一でサッカーしないと気が済まないようだ。
8. パラグアイの観光地
パラグアイは内陸国なので、海はなく、大きな山もないが、パラナ川とパラグアイ川に囲まれ自然は豊か。また、首都のアスンシオンではスペイン統治時代のコロニアルな建築が残っていて街歩きが楽しい。
その他、ピラニア釣りやハイキングも楽しめる場所もある。パラグアイ国内からは見えないが、世界三大瀑布のイグアスの滝も近い。
パラグアイのその他の観光地については下記を参照されたい。
南米一 目立たない国 パラグアイの知られざる観光地5選 | たびこふれ
南米パラグアイで絶景を味わえるハイキングコース5選 | たびこふれ
9. まとめ
日本から見ると地球の裏側にあるパラグアイ。観光地としての知名度はまだ高くない。
けれども、その分だけ素朴な魅力が色濃く残り、治安の良さや独自の文化、人々の穏やかな気質が相まって、訪れる者をやさしく迎えてくれる。
次に南米を訪れる方は、ぜひパラグアイにも足を延ばしてみよう。
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Shinji Muto
- 一人旅・海外勤務を経て、現在は南アフリカ人の妻と共に南米パラグアイに在住。3カ国の永住権を持ち、日本語・英語・スペイン語を操る日系アメリカ人が各地の名所を解説します。コトバラウンジ(journal.kotobalounge.com)にてウェブサイトやアプリのローカライゼーション・翻訳も承っています。



























