公開日： 2025.10.02

最終更新日： 2025.10.02

【日本百名山】32座目はアルペンルートの最高点・室堂から登る立山（富山）

こんにちは！たびこふれライターの中尾です。

富山県と長野県を間を乗り物を乗り継いで結ぶ立山黒部アルペンルート。その最高地点は室堂（むろどう）で標高は2,450ｍあります。この室堂から正面にそびえ立つのが立山連峰です。立山連峰は飛騨山脈（北アルプス）の北部に位置し、3,000ｍ級の山々の総称です。

向かって右から雄山（おやま：標高3,003ｍ）、大汝山（おおなんじやま：標高3,015ｍ）、富士ノ折立（ふじのおりたて：標高2,999ｍ）で、最高峰は大汝山の標高3,015ｍです。立山は日本百名山であり、花の百名山であり、そして日本三霊山のひとつでもあります。なので、雄山山頂には雄山神社（おやまじんじゃ）・立山頂上峰本社（たてやまちょうじょうみねほんしゃ）が鎮座しています。いよいよ僕の登山も標高3,000ｍを超えます。最高の天気に恵まれた立山（雄山）へと誘います。

日本百名山32座目　立山（雄山）
室堂までの交通手段
立山登山のベースとなる室堂
【登り】室堂から一の越へ
【登り】一の越から立山山頂（雄山）へ
立山山頂（雄山：標高3,003ｍ）
【下り】立山山頂（雄山）から一の越経由で室堂へ
立山で出合った高山植物の花々
立山登山のためのリンク集

日本百名山32座目　立山（雄山）

立山（雄山）

立山（たてやま）は、富山県の飛騨山脈（北アルプス）北部にある山。中部山岳国立公園に属する。雄山（おやま、標高3,003メートル）、大汝山（おおなんじやま、3,015メートル）、富士ノ折立（ふじのおりたて、2,999メートル）の三つの峰からなる。富山県の最高峰であり、日本海に面する道府県の最高峰である。また、日本の3,000メートル級の山としては最北端に位置する。＜ウィキペディアより引用＞

登山概要

YAMAPの登山計画より

・登山日：2025年8月31日
・天候：快晴
・日本百名山32座目：立山（雄山）【富山県】
・標高：3,003m
・登山ルート：室堂から一の越を経由して立山（雄山）山頂への単純往復。
・距離：6.0ｋｍ
・標高差：632ｍ
・所要時間：4時間24分（休憩なしの場合）※僕は休憩時間を含め4時間57分でした。（標準ペースの結果でした）
・公表されている難易度（無冠雪期）：初級者向け
・僕が登山して感じた難易度（無冠雪期）：中級者向け

登山道の特徴と注意点

●一般的な登山ルートは、室堂から一の越を経由して山頂へ登るコースです。雄山山頂から大汝山、富士ノ折立へ縦走して室堂へ下るコースもありますが、縦走にはある程度の技術が必要となります。
●全体的に登山道は整備されているので迷うことはありません。
●室堂から一の越までは登山道が整備されていますが、凸凹していますので、転倒に注意が必要です。
●一の越から立山（雄山）山頂まで急登・岩場となります。登り（赤のマーキング）と下り（黄のマーキング）で登山道が異なりますので、岩に描かれたマーキングを確認しながら進みましょう。
●一の越から立山（雄山）山頂まで浮石（浮岩）に注意が必要です。
●一の越から立山（雄山）山頂まで落石に注意が必要です。自分自身が落石を起こさないように気をつけましょう。
●弁当など飲食できる広いスペースは一の越と立山山頂（雄山）です。
●山内にトイレは、一の越と立山（雄山）山頂にあります。100円必要です。
●山内には売店は、一の越と立山（雄山）山頂にあります（営業期間に注意）。
●7月下旬まで登山道に雪が残ります。
●雨天時の下り坂は足を滑らせないように気をつけてください。
●悪天候および悪天候の予報が出ている時は入山しないようにしましょう。
●登山届を必ず提出しましょう。
●山岳保険は必ず加入しましょう。
●ゴミは必ず持ち帰りましょう。

室堂までの交通手段

立山登山のベースとなる室堂（むろどう）までの交通手段は立山黒部アルペンルートを利用します。

●富山県側からのアクセス：立山駅からケーブルカー（7分）、高原バス（50分）を乗り継いで室堂まで向かいます。
●長野県側からのアクセス：扇沢から電気バス（16分）、ケーブルカー（5分）、ロープウェイ（7分）、電気バス（10分）を乗り継いで室堂まで向かいます。

僕が利用した室堂までのアクセス方法

僕は富山県側から室堂までアクセスしました。

電鉄富山駅から富山地方鉄道・立山線の始発（5:15発）の特急に乗り立山駅へ（6:08着）。

立山駅到着後、当日券を購入するために駅前で行列に並びます。この日（8月31日）の当日券は6:30から有人窓口で発売が始まりました。窓口オープン前に100名程度行列ができていて、購入するまで30分くらいかかりました。

この日（8月31日）の立山ケーブルカーの始発は7:00で、10分おきの運行。僕が購入できたのは7:30発でした。

立山ケーブルカーの乗車時間は7分です。7時台のケーブルカーはほぼ満席です。美女平（びじょだいら）に到着です。

美女平から立山高原バスに乗り継ぎ室堂へ向かいます。ケーブルカーが到着すると、1ヶ所に人が滞留しないよう臨時バスがどんどん発車していきます。

室堂に8:30頃に到着しました。電鉄富山駅を出発して約3時間15分、立山駅を出発して約1時間かかりました。

立山黒部アルペンルートとは

標高3,000ｍ級の峰々が連なる北アルプスを貫く世界有数の山岳観光ルートです。総距離37.2ｋｍ、最大高低差は1,975ｍ。そのほぼ全区間が中部山岳国立公園内にあります。富山県側の立山町「立山駅」と長野県側の大町市「扇沢駅」を乗り物で乗り継ぎ、いくつもの景勝地を通り、気軽に、雲上に広がる立山黒部の大自然を満喫することができます。＜立山黒部アルペンルートHPより引用＞

★立山黒部アルペンルートの完全ガイドはこちらの記事（とやま観光ナビ）をご参照ください。

★立山黒部アルペンルートに関する乗り物レポートはこちらの記事（とやま観光ナビ）をご参照ください。

立山登山のベースとなる室堂

立山だけでなく周辺の山々への登山のベースになるのが標高2,450ｍ地点の室堂です。室堂周辺のことを室堂平と呼びます。室堂平は登山のベースだけでなく、気軽に散策ができる景勝地でもあります。宿泊施設もありますので、できれば泊まりたいところでもあります。

室堂平の観光地

●みくりが池

●ミドリガ池

●地獄谷

室堂平の宿泊施設

●ホテル立山：https://h-tateyama.alpen-route.co.jp/

●みくりが池温泉：https://www.mikuri.com/

●立山室堂山荘：http://www.murodou.co.jp/

●雷鳥荘：http://www.raichoso.com/

【登り】室堂から一の越へ

登山の行程（室堂から一の越間）

室堂（8:40出発）...祓堂（9:24通過）...雷鳥沢への分岐点（9:29通過）...一の越（9:34到着）【所要時間：54分】

登山道の特徴（室堂から一の越間）

室堂から一の越までは登山道が整備されていますが、歩きにくい石畳の道です。凸凹していますので、転倒に注意が必要です。最初はなだらかな登りですが、祓堂あたりから急な登りになります。

【8:40出発】室堂からしばらくなだらかな石畳の道を進みます。

左に目を向けると剱岳（標高2,999ｍ）が見えます。アルピニストは一度は登ってみたい国内最難関の一座です。

それにしてもいい天気。360度、山々を見渡せます。

一の越に建つ一の越山荘の建物が見えてきました。

坂が急になってきました。

雪渓が見えます。7月下旬頃まで登山道に雪渓が残るそうです。

【9:24通過】『祓堂（はらいどう）は、昔の立山信仰で下界と神域との境界とされた場所にある小さな祠です。かつてこれより先に進むには、神の聖地を汚さぬためと、祓川で身を清めたあとワラジをぬいでお祓いを受け、白けさ、白足袋に着替えた後、頂上へ向ったと言われています。』＜立山黒部アルペンルートHPより引用＞

【9:29通過】雷鳥沢への分岐点です。この時は熊が出るため通行止めでした。

【9:34到着】一の越に到着しました。

立山一の越山荘です。『山小屋が開かれたのは60年以上前。当初は休憩小屋として建てられましたが、立山黒部アルペンルートの開通により参拝者が増加したため、宿泊のできる山小屋として整備されました。その後何回かの増改築を繰り返し現在の建物となりました。』＜立山黒部アルペンルートHPより引用＞

立山一の越山荘では飲料の購入ができ、ランチタイムには食事をとることもできます。山頂の社務所では飲料とカップラーメンが販売されています。

一の越の公衆トイレです。100円が必要です。

一の越から北側の眺めです。

槍ヶ岳や穂高連峰もはっきり見ることができます。

一の越からの室堂平の眺めです。

【登り】一の越から立山山頂（雄山）へ

登山の行程（一の越から雄山間）

一の越（9:42出発）...三の越（10:11通過）...雄山神社社務所（10:30到着）【所要時間：48分】

登山道の特徴（一の越から雄山間）

一の越から立山（雄山）山頂まで急登・岩場となります。登り（赤のマーキング）と下り（黄のマーキング）で登山道が異なりますので、岩に描かれたマーキングを確認しながら進みましょう。浮石（浮岩）に注意が必要です。また落石に注意が必要です。自分自身が落石を起こさないように気をつけましょう。

【9:42出発】一の越で少し休憩を取り、トイレを済ませて雄山山頂へ向けて出発します。ここからは岩登りの感覚の急登です。登りと下りでルートが違うので気をつけましょう。先に見えているところが山頂？いえいえ山頂はまだ奥です。

入ってはいけないところには×印がペイントされています。

【10:11通過】三の越を通過します。広いスペースがあり、ここで休憩することもできます。

ところどころに小さな祠があります。手を合わせて進みます。

こんな急登を登っていきます。雄山神社の社務所が見えてきました。

【10:30到着】雄山神社の社務所に到着しました。社務所では御朱印、御守、飲料、カップラーメンの販売を行っています。雄山神社・立山頂上峰本社の社殿は右奥の建物になります。

立山山頂（雄山：標高3,003ｍ）

立山の最高地点は大汝山（おおなんじやま）の標高3,015ｍですが、立山は霊山なので、雄山神社・立山頂上峰本社が頂上と呼ばれることが多いみたいです。室堂から見ても雄山神社・立山頂上峰本社の建物を見ることができます。

なお、一等三角点は雄山神社社務所の前にあります。この一等三角点は標高2,991.6m地点となります。

雄山神社

霊峰立山を神の山として奉斎する雄山神社（おやまじんじゃ）は、立山頂上峰本社（たてやまちょうじょうみねほんしゃ）・芦峅中宮祈願殿（あしくらちゅうぐうきがんでん）・岩峅前立社壇（いわくらまえたてしゃだん）の三社殿から成り立っています。

立山頂上峰本社から見た社務所です。

社務所の横には公衆トイレがあります。有料となり100円必要です。

雄山神社・立山頂上峰本社

●開山期間：7月1日～9月30日
●祈祷時間：8:00～15:00
●祈祷料：大人700円　小人（小学生・中学生）300円
※団体・学校登山は団体割引あり。特別祈祷は10,000円です。
●社務所：6:00～15:00頃
●雄山神社HP：http://www.oyamajinja.org/index.html

祈祷の受付は社務所ではなく、先の鳥居をくぐったところにある建物で祈祷料を払って受付してもらいます。

祈祷料を払うと登拝記念のものをいただけます。右の赤い鈴付きのお札はザックに付けている人が多かったです。

御朱印は社務所にて。直書きも可能ですし、書き置きも用意されています。

とても欲しかった登山安全守を授与していただきました。

受付を済ませると立山頂上峰本社から順番に声がかかります。山頂の祠の前で神職により祈祷していただきます（5分くらい）。祈祷後はみんなで万歳三唱します！

立山頂上峰本社から見た西側の山並みです。右手前が大汝山（富士ノ折立は陰で見えません）、左奥が剱岳です。

雄山山頂から見た眺め

山頂から見た北側の眺望です。後立山連峰（白馬岳など）を一望することができます。雲が無く、空気が澄んでいれば後方に八ヶ岳や富士山まで見ることができるそうです。下方には黒部湖が見えます。

南側を見下ろすと室堂平を見ることができます。中心に室堂バスターミナル、右手前がミドリガ池、右手奥がみくりが池、白っぽいところが地獄谷です。

西側には剱岳の迫力ある山容を見ることができます。剱岳はさすがに僕の登山技術では無理だと思います。

周囲の山々に雲がかかっても槍ヶ岳は最後まで見ることができました。本当にどこから見ても槍ヶ岳の存在感は抜群です。

7月に登った白馬岳から見た立山と剱岳の雄姿です。

【下り】立山山頂（雄山）から一の越経由で室堂へ

登山の行程（雄山から室堂間）

雄山神社社務所（11:39出発）...三の越（11:56通過）...一の越（12:23到着・12:37出発）...雷鳥沢への分岐点（12:42通過）...祓堂（12:47通過）...立山室堂山荘前（13:12通過）...ミドリガ池（13:20通過）...エンマ台【地獄谷展望台】（13:29通過）...みくりが池（13:36通過）...室堂（13:47到着）【所要時間：2時間08分】※下りはみくりが池方面へ周回しましたので時間がかかりました。