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【日本百名山】30座目は白馬岳山頂から白馬大雪渓を下る(後編)

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こんにちは!たびこふれライターの中尾です。
北アルプスの白馬岳(しろうまだけ)に1泊2日で登ってきました。白馬岳は長野県と富山県の県境にそびえる2,932mの日本百名山。僕の日本百名山の登山もいよいよ3,000mの世界に近づいてきました。
白馬岳の登山口はいくつかありますが、僕は栂池ロープウェイを乗り継ぎ、栂池自然園の入口(標高1,849m)から登りました。白馬岳は時間的に日帰り登山はできませんので、途中、白馬大池山荘で1泊して翌日、白馬岳にアタック。下山は白馬大雪渓を通るルートを進みました。
今回は後編として2日目、白馬岳山頂から白馬大雪渓を経由し猿倉荘までを紹介します。
前編はこちらからご覧ください⇒【日本百名山】30座目は北アルプスの名峰・白馬岳へのアプローチ(前編)
中編はこちらからご覧ください⇒【日本百名山】30座目は北アルプスの白馬岳への絶景ロードを登る(中編)
【目次】
日本百名山30座目 白馬岳
白馬岳
白馬岳は後立山連峰の北部に位置し、白馬鑓ヶ岳、杓子岳、白馬岳の白馬三山が連なる美しい姿は北アルプスを代表する景色となっています。白馬岳はその豊富な高山植物から花の名山としても有名で、夏の登山道には数多くの可憐な花々が咲いています。高山植物の花は7月中旬から8月中旬が最盛期となり、広大な斜面一面に花が咲き乱れるお花畑の景色は訪れた人を魅了してやみません。猿倉から白馬岳に向かう登山ルートでは、全長3.5km、標高差600mの日本一のスケールを誇る白馬大雪渓を登っていきます。真夏でも広大な雪景色が広がる白馬大雪渓ルートは白馬岳登山ルートの中では特に人気が高く、夏山シーズンに大雪渓に続く登山客の列は夏の風物詩の一つとなっています。<白馬村観光局HPより引用>
<YAMAPの登山計画より>
・登山日:2日目 2025年7月20日
・天候:晴れ
・日本百名山30座目:白馬岳【長野県・富山県】
・標高:2,932m
・登山ルート:【2日目】白馬岳山頂から白馬大雪渓を通り猿倉登山口へ
・距離:6.4km<2日目全体では11.5km>
・標高差:のぼり11m/くだり1,694m<2日目全体ではのぼり721m/くだり1,854m>
・所要時間:4時間26分<2日目全体では7時間34分>(休憩なしの場合)
※僕は休憩時間を含め5時間41分でした。(雪渓の下りにてこずりかなり遅いペースでした)
・公表されている難易度:中級者向け
・僕が登山して感じた難易度:中級者向け ※天候が崩れると上級者向けに変化します。
登山道の特徴と注意点
・白馬岳山頂から白馬山荘までは正面に杓子岳や立山連峰を眺めながらの下り坂です。
・白馬山荘から白馬大雪渓までは急な下り坂です。雪解け水が登山道を流れていますので、非常に滑りやすいです。
・白馬大雪渓はアイゼンとストックが必要です。
・白馬大雪渓ではヘルメットを着用しましょう。左右の沢から大小の落石があります。十分に注意が必要です。
・白馬大雪渓を下るとあとは下りの登山道です。一部林道を歩きます。
・弁当など飲食できる広いスペースは天狗原周辺です。ベンチが設置されています。
・山内にはトイレがありません。携帯トイレを持参してください。
・山内には白馬山荘を出発すると猿倉荘まで売店がありません。飲食物は事前に用意しましょう。
・冬期は雪山になります。
・白馬大雪渓を通るルートは経験者に同行しましょう。単独登山は危険です。
・白馬大雪渓はクラック(亀裂)やクレバスがあちこちにあります。
・白馬大雪渓は落石が頻繁に起きています。耳を澄ませて落石がこないか慎重に進みましょう。
・雨天時は足を滑らせないように気をつけてください。
・ガス・霧が出ている時の白馬大雪渓は道迷いと落石に注意が必要です。
・悪天候および悪天候の予報が出ている時は上級者向けのコースにレベルが上がります。
・一人では入山しないようにしましょう。
・野生の熊がいます。熊鈴を必ず持参してください。
・登山届を必ず提出しましょう。
・山岳保険は必ず加入しましょう。
・ゴミは必ず持ち帰りましょう。
白馬岳山頂から白馬山荘へ
この区間の登山道の様子【(山頂付近で8分休憩)8:05発⇒8:19着/所要時間14分・出発から3時間31分経過】
白馬岳山頂から眼下に白馬山荘が見えます。坂をジグザグにくだります。白馬山荘は1906年開業、約800名収容の日本最大の山小屋として有名です。
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白馬岳山頂は広いスペースはありませんので、記念写真を撮ったら下ります。眼下に白馬山荘を見下ろしながら、足元の浮石に気をつけながら下ります。
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稜線上を下っていきます。
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日本最大の山小屋だけあって建物がいくつもあります。
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【8時19到着/この区間の所要時間は14分/出発から3時間31分が経過】白馬山荘の受付です。トイレは館内にありますので、受付で声をかけ100円払って靴を脱いで館内へ入ります。
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売店と食堂は別棟にあります。まさに絶景食堂。こんな食堂で食事をすると最高ですね。僕は時間が中途半端だったので白馬山荘ではトイレを利用して、バッチを購入して出発しました。
白馬山荘から白馬大雪渓上部へ
この区間の登山道の様子【(白馬山荘で36分休憩)8:55発⇒11:20着/所要時間2時間25分・出発から6時間32分経過】
白馬山荘から白馬頂上宿舎の手前まではなだらかな下り坂です。白馬頂上宿舎の手前から白馬大雪渓に向けて急な坂を下ります。木道など整備されているところもあるのですが、留め具などがむき出しになっているところがあるので、ぶつからないように注意が必要です。雪渓が見えてきても左側のわき道をしばらく下ります。途中、雪渓を横断することがあり、あまりにも怖そうだったので僕はアイゼンを装着しました。横断後はアイゼンを外し、しばらく雪解け水が渓流のように流れる岩場を下りますが、滑りやすいので下りは要注意です。登りより下りの方が怖い区間です。
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白馬山荘からの下り坂です。直下に白馬町営の頂上宿舎が見えます。後方は立山連峰と剱岳です。
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ここを下ると槍ヶ岳ともお別れです。
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【9:05通過】白馬頂上山荘の手前から白馬大雪渓に向けて下ります。かなりの急な下り坂で留め具がむき出しになっているところがありますので、十分気をつけてください。手前が白馬三山の杓子岳、後方が白馬鑓ヶ岳です。
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白馬大雪渓を横目に見ながらわき道を進みます。
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【9:55通過】緊急避難小屋です。
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【10:05通過】白馬大雪渓を横断します。アイゼンなしで横断している人もいましたが、僕はアイゼンを装着しました。滑り落ちたら下の方まで滑落します。
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引き続きわき道を下ります。
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人が歩く白馬大雪渓が見えてきました。まだまだかなり遠いです。登る人で渋滞しているのが分かります。
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雪解け水が渓流のように流れていますので滑らないように注意が必要です。
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この大きな岩、落石です...。
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【11時20到着/この区間の所要時間は2時間25分/出発から6時間32分が経過】白馬大雪渓の上部に到着です。
白馬大雪渓を下る
この区間の登山道の様子【11:20発⇒12:35着/所要時間1時間15分・出発から7時間47分経過】
白馬大雪渓は10本以上の爪がついたアイゼンを装着し、ストックを両手に持ち下ります。軽アイゼンやチェーンスパイクでは危険です。人が歩いたところを必ず進むのが重要。場所によって大きなクラック(雪の亀裂)やクレバスがあります。ガスがかかっている時は道迷いにも注意が必要。さらに両側の沢から落石が頻繁に起きていますのでよく耳をすませて進みましょう。
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午前中は登りの登山者が列をなしています。山小屋のスタッフが通り道に目印をしてくれているので、赤っぽいところが登山道になります。
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クラック(雪の亀裂)がところどころにあります。絶対に近寄ってはいけません。また両サイドは沢になっていて、落石がありますので、近寄ってはいけません。
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地面がむき出しになっているところもあります。そのまま雪の部分を進めば良いかなと思いがちですが、クレバスがあったりするので人が通るルートを進みましょう。アイゼンを外すのは面倒だったので、僕はそのまま外さず進みました。
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そしてひたすら下ります。それほど斜度はないように見えるのですが、実際は結構急な坂になっています。登りはかなり厳しそうです。
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振り返ると白馬大雪渓(左)と小雪渓(右)を見ることができます。登りは小雪渓(右)へ進んではいけません。
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よく見てください。雪渓上に大小たくさんの落石があります。こんな岩に当たったら大怪我します。
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下るにつれ気温が上がるためかクラックやクレバスが増えてきました。5mちかい深さがあります。落ちたら這い上がるのは難しいと思います。
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雪解け水が川になって流れています。まもなく白馬大雪渓が終わります。
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【12時35到着/この区間の所要時間は1時間15分/出発から7時間47分が経過】下部から白馬大雪渓を見上げます。
白馬大雪渓下部から猿倉荘へ
この区間の登山道の様子【12:35発⇒13:46着/所要時間1時間11分・出発から8時間58分経過】
白馬大雪渓が終わると登山道になりますが、最初は雪解け水が流れていますので、注意が必要です。途中から普通の登山道になり、いつの間にか車が通れる林道になります。最後は再び登山道になり、猿倉相荘に到着です。
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最初は雪解け水が流れています。滑らないように気をつけましょう。
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すぐに通常の登山道になります。
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【12:48通過】白馬尻小屋にある公衆トイレです。小屋といっても営業はしていないみたいです。キャンプ場が併設されていました。
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橋をいくつか渡ります。
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階段を下ります。
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車(許可車のみ)が通れる林道に出ました。
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白馬鑓温泉の分岐点です。白馬鑓温泉を経由して白馬三山の白馬鑓ヶ岳への登山口です。
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【13:37通過】猿倉荘への分岐点です。再び山道になります。
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猿倉荘が見えてきました!
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【13時46到着/この区間の所要時間は1時間11分/出発から8時間58分が経過】登山終了!疲れた...。怖かった...。
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猿倉荘はドラマのロケに使われたそうです。
白馬岳の前編中編はこちらをご覧ください。
白馬岳登山のための必需品とリンク集
必ず持っていくもの
- アイゼン
- ストック
- ヘルメット
- 携帯トイレ
- 熊鈴
- 飲食物
白馬岳関連サイト
天気
※僕は山岳天気予報に「てんきとくらす」を使っています。登山指数がABCと3段階あり、A予報なら登る、B予報は検討、C予報は中止するようにしています。
登山
※僕は登山の際、「YAMAP(ヤマップ)」を使っています。GPS機能がついているので濃霧でも迷いにくいです。おすすめします。
日本百名山シリーズ
「日本百名山」を解説した記事です。日本百名山の一覧や資料などを掲載していますので参考になると思います。
僕が「日本百名山」を登り続ける理由やこれまで登った日本百名山の記事を紹介しています。
関連記事
※当記事は2025年7月19日~20日にかけて登山した時のものです。登山の際は常に最新情報を入手して危険な目に遭わないようにご注意ください。
※記事内の山の名前は調べたうえで記載していますが、間違えているかもしれません。
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中尾勝
- 旅が大好き!国内海外を問わず飛び回っていますが、海外へは2011年に渡航して以来、出国していません。今は原点に戻り国内を旅しながら日本の良さを体感中。




























