公開日： 2025.09.05

最終更新日： 2025.09.11

【日本百名山】30座目は北アルプスの名峰・白馬岳へのアプローチ（前編）

こんにちは！たびこふれライターの中尾です。

北アルプスの白馬岳（しろうまだけ）に1泊2日で登ってきました。白馬岳は長野県と富山県の県境にそびえる2,932ｍの日本百名山。僕の日本百名山の登山もいよいよ3,000ｍの世界に近づいてきました。

白馬岳の登山口はいくつかありますが、僕は栂池ロープウェイを乗り継ぎ、栂池自然園の入口（標高1,849ｍ）から登りました。白馬岳は時間的に日帰り登山はできませんので、途中、白馬大池山荘で1泊して翌日、白馬岳にアタック。下山は白馬大雪渓を通るルートを進みました。

今回は前編として1日目、栂池自然園前の登山口から白馬大池山荘までを紹介します。

日本百名山30座　白馬岳
栂池ゴンドラリフトと栂池ロープウェイを乗り継ぎ栂池自然園前の登山口へ
栂池自然園前の登山口から天狗原へ
天狗原から乗鞍岳へ
乗鞍岳から白馬大池山荘へ
白馬大池山荘
白馬岳登山のための必需品とリンク集

日本百名山30座目　白馬岳

白馬岳

白馬岳は後立山連峰の北部に位置し、白馬鑓ヶ岳、杓子岳、白馬岳の白馬三山が連なる美しい姿は北アルプスを代表する景色となっています。白馬岳はその豊富な高山植物から花の名山としても有名で、夏の登山道には数多くの可憐な花々が咲いています。高山植物の花は7月中旬から8月中旬が最盛期となり、広大な斜面一面に花が咲き乱れるお花畑の景色は訪れた人を魅了してやみません。猿倉から白馬岳に向かう登山ルートでは、全長3.5km、標高差600mの日本一のスケールを誇る白馬大雪渓を登っていきます。真夏でも広大な雪景色が広がる白馬大雪渓ルートは白馬岳登山ルートの中では特に人気が高く、夏山シーズンに大雪渓に続く登山客の列は夏の風物詩の一つとなっています。＜白馬村観光局HPより引用＞

登山概要【1日目】

＜YAMAPの登山計画より＞

・登山日：1日目　2025年7月19日
・天候：晴れのち曇り
・日本百名山30座目：白馬岳【長野県・富山県】
・標高：2,932m
・登山ルート：【1日目】ロープウェイ自然園駅（標高1,849ｍ）から天狗原（標高2,202ｍ）、白馬乗鞍岳（標高2,469ｍ）を経由して白馬大池山荘（標高2,378ｍ）へ
・距離：3.8km
・標高差：のぼり681ｍ／くだり97ｍ
・所要時間：3時間04分（休憩なしの場合）※僕は休憩時間を含め3時間でした。（ほぼ予定通りでした）
・公表されている難易度：中級者向け
・僕が登山して感じた難易度：中級者向け　※天候が崩れると上級者向けに変化します。

登山道の特徴と注意点

・栂池自然園前の登山口から白馬大池山荘までの登山道は急登もありますが全体的に整備されています。
・天狗原を過ぎると7月でも雪渓が残っています。雪渓を登りますのでアイゼンとストックが必要になります。
・雪渓を登りきると大きな岩のガレ場が続きます。足を滑らせて岩の間に落ちないように注意が必要です。
・弁当など飲食できる広いスペースは天狗原周辺です。ベンチが設置されています。
・山内にはトイレがありません。携帯トイレを持参してください。
・山内には白馬大池山荘まで売店がありません。飲食物は事前に用意しましょう。
・冬期は雪山になります。
・雨天時は足を滑らせないように気をつけてください。
・悪天候および悪天候の予報が出ている時は上級者向けのコースにレベルが上がります。
・一人では入山しないようにしましょう。
・野生の熊がいます。熊鈴を必ず持参してください。
・ヘルメットを携行してください。
・登山届を必ず提出しましょう。
・山岳保険は必ず加入しましょう。
・ゴミは必ず持ち帰りましょう。

栂池ゴンドラリフトと栂池ロープウェイを乗り継ぎ栂池自然園前の登山口へ

麓のセブンイレブンから見た白馬三山。中央に白馬大雪渓が見えます。

まずは栂池高原駅から栂の森駅まで栂池ゴンドラリフトに乗車します。乗車時間は約20分です。

続いて栂大門駅から自然園駅まで栂池ロープウェイに乗車します。乗車時間は約5分です。

栂池自然園の入口です。登山道は栂池自然園の手前にあります。

栂池自然園前の登山口から天狗原へ

この区間の登山道の様子【12:38発⇒13:40着／所要時間1時間02分】

基本的にジグザグと高度を上げながら山道です。急登はありませんが、途中から大きな岩場も現れますので足元に注意が必要です。

【12:38出発】標高1,849ｍにある白馬岳への登山道の入口です。ここから白馬岳山頂まで約8時間かかります。登山口にトイレがありますので必ず済ませておきましょう。ここから白馬大池山荘（標高2,378ｍ）までトイレはありません。入山しようとすると山岳警備の方から山行に関する質問を受けました。白馬大池山荘まで3時間程度かかりますが、12時30分過ぎのスタートは遅いと注意を受けました。（山小屋には15時までに入るようにとの事です）

登り始めはまだ余裕です...。

登山道が岩場になってきました。

振り返ると白馬村が見えます。

【13:17通過/出発から39分経過】標高2,073ｍにある水場「銀嶺水」です。

1つ目の雪渓を通過します。10ｍ程度なので何も装着せずそのまま進みます。

左側遥か彼方に白馬三山と白馬大雪渓が見えます。

【13:40到着/出発から1時間02分経過】木道が現れると標高2,202ｍの天狗原（てんぐっぱら）に到着です。

天狗原から乗鞍岳へ

この区間の登山道の様子【12:45発⇒15:02着／所要時間2時間17分・出発から2時間24分経過】

天狗原は木道です。植生保護のため、木道から下りないようにしましょう。天狗原を過ぎると大きな岩場の急登です。岩場をよじ登っていきますので、3点支持で登ります。残雪が残っている場合は特に要注意です。岩場を登ると雪渓を縦断します。坂が急なのでアイゼンを装着した方が安全です。坂を登りきるとハイマツ地帯です。小岩が転がっていますので、浮石に注意して進みましょう。

標高2,202ｍに位置する天狗原は眺望の良い湿地帯です。ここで5分休憩を取りました。

【13:45出発】正面に雪が残る乗鞍岳を眺めながら出発します。

天狗原を過ぎるといきなり巨大な岩場の急登を登ります。

巨大な岩と残雪の踏み抜きに注意しながら足を進めます。

振り返ると天狗原が眼下に見ることができます。

乗鞍岳の北斜面の残雪を登りました。滑り止めを付けずに登っている人もいましたが、僕はアイゼンを装着しました。

さらに岩場を登ります。

岩場を登りきると平坦な岩場になります。白馬乗鞍岳はすぐです。

【15:02到着/出発から2時間24分経過】標高2,469ｍの白馬乗鞍岳に着きました。山頂というイメージではなく、なだらかな平地に山頂標識がある感じです。

乗鞍岳から白馬大池山荘へ

この区間の登山道の様子【15:02発⇒15:38着／所要時間36分・出発から3時間経過】

岩から岩へと渡り歩きます。ほぼ平行移動ですが、白馬大池（標高2,378ｍ）が見えてきたら池に向かって下ります。引き続き大きな岩を渡り下るので、岩の間に滑落しないように注意してください。白馬大池周辺は高山植物が咲き誇っていました。

【15:02出発】ハイマツと岩場を進みます。

白馬大池、そして今日宿泊する白馬大池山荘が見えてきました。ここから湖畔まで岩場を下ります。大きな岩場なので、岩の間に落ちないように気をつけます。

湖畔も大きな岩場が続きます。慎重に進みます。

湖畔に残る雪渓をトラバースします。踏み固められているので滑り止めは不要ですが、足を滑らせて白馬大池に滑落しないように注意します。

白馬大池にはサンショウウオが生息しているそうです。

チングルマの可憐な花が出迎えてくれます。

【15:38到着/出発して3時間かかりました】白馬大池山荘（標高2,378ｍ）に到着しました。

白馬大池山荘

白馬大池に面して建つ白馬大池山荘は赤い外観の平屋建て。横に長い建物です。予約制です。

白馬大池山荘の前はテント場になっています。カラフルなテントが彩を添えます。テント場も予約制です。

テント場および登山者向けの公衆トイレです。使用には100円が必要です。

受付前の案内ボードです。必要事項が書かれていますので、必ずチェックしましょう。

食堂兼談話室です。夕食や朝食時は追い出されます（笑）。

白馬大池山荘の館内

白馬大池山荘の中は受付があり、正面に売店があります。売店は19時までの営業なので、飲料水は到着後、買っておきましょう（翌日早発だと開いていません）。入って左が食堂兼談話室、右が部屋です。部屋と言っても2階建てのべニア板が仕切り、前はカーテンの6名定員の相部屋です。寝具は薄い敷布団と枕、掛布団が用意されていて、シーツはレンタルです（確か1枚50円だった）。布団はもちろんセルフ敷です。川の字に6人寝ると寝返りはできません。それでもコロナ前に比べるとましになったと同室の登山者は言っていました。奥は乾燥室（といってもストーブはなく物干しロープがあるだけ）と男女別のトイレがありました。

白馬大池山荘の食事

夕食は約30分ごとに3回転でした。テーブルもグループごとに相席でした。夕食はこんな感じです。ごはんと汁物はおかわりができました。

朝食は早発しましたので、弁当にしました。夕食後に食堂に受け取りにいきました。弁当の中身はこんな感じです。出発前にかきこみ食べました。

白馬大池山荘周辺はお花畑が広がっていました！

白馬大池山荘で開催されていたイベント

ちょうどこの日は星空鑑賞会を開催していました。20時過ぎは雲が多かったのですが、星空案内人の分かりやすい解説で星空を部分的に観ることができました。

白馬大池山荘から観た満天の星空

そして23時過ぎトイレに行ったときにふと外を見ると満天の星空が！あわてて三脚を持って外に出て星空を撮影しました。町明かりがないので、天の川までバッチリ観ることができました。なおこれはiPhoneで撮影したものです。自撮り棒などで固定できれば30秒まで開放できるのでiPhoneでも星空を撮影することができます。ぜひお試しくださいね。