「京の三大漬物」って知ってる?創業120年超えのおつけものメーカー「大安」で学ぶおつけもの教室【京都】

京都観光に来た際には、お土産で「おつけもの」を買う方も多いのではないでしょうか?今回はぜひ皆さんに知っていただきたい「京の三大漬物」について、創業120年超えのおつけものメーカー「大安(だいやす)」でのおつけもの教室、そして暑い夏を乗り切る夏期限定の激辛漬物についてご紹介します。

目次

創業120年超え!京都岡崎エリアの平安神宮横にある「京つけもの 大安 本店」

「京つけもの 大安 本店」のおつけもの
<「京つけもの 大安 本店」のおつけもの>

京都を代表するおつけものメーカーである「京つけもの 大安」。本店は京都・岡崎エリアの平安神宮すぐ近くにあります。本店の奥には広い無料駐車場もあり、京都市中心部でありながら車での旅行客の方も立ち寄りやすいスポットです。


創業120年超えの京つけもの大安
<京都岡崎の平安神宮横にある「京つけもの 大安 本店」>

「京つけもの 大安」は明治35年(1902年)に創業。店名の「大安(だいやす)」は創業者である大角安治郎氏の名前から付けられました。本店店内の吹き抜けにはおつけものに使用する野菜が描かれた素敵なステンドグラスがあり、老舗ならではの風格を感じます。

おつけものに使用する野菜が描かれたステンドグラス
<おつけものに使用する野菜が描かれたステンドグラス>

京の三大漬物とは

さて、京都には「京の三大漬物」と呼ばれる、京都独自のおつけものがあるのですが、みなさんご存知でしょうか?

京の三大漬物

  • 聖護院かぶらを薄く切って昆布と漬ける「千枚漬」
  • すぐき菜を乳酸発酵させた「すぐき」
  • 茄子を刻んだ赤紫蘇の葉で塩漬けにした「しば漬」

それぞれ味わい深く、京都生まれの私にとってはどれもソウルフードです。

「京つけもの 大安」本店には、常時100種類以上の商品が並んでおり、千枚漬(冬から春にかけての季節限定販売)・すぐき・しば漬の京の三大漬物、昔ながらのぬか漬から浅漬、奈良漬、ちりめん山椒などもあり、その種類の多さに驚きます。

店内には常時100種類以上のつけものが並ぶ
<店内には常時100種類以上の商品が並ぶ>

「京つけもの 大安」では、漬け込む野菜や調味料はすべて国産のものを使用。野菜は全国各地の契約農家や市場から、そのとき旬の素材を吟味して仕入れ、漬け込みに使用する調味料についても京都の名店のお酢やみりんなどが使われており、野菜本来の味を生かしたこだわりのおつけもの作りを続けています。

京つけもの大安の人気商品を試食!

京都の老舗らしい雰囲気の店内
<京都の老舗らしい雰囲気の店内>

「京つけもの 大安 本店」には試食可能なおつけものが多数あり、私もいくつか試食してみました。最初にいただいたのは「味すぐき」(税込540円)。

京都上賀茂で約400年前から伝わる乳酸発酵食品であり京の三大漬物の一つである「すぐき」をきざみ、お醤油などで食べやすく味付けされたもの。

「味すぐき」はすぐきのシャキシャキ感、そしてお醤油が加わることですぐきの酸味も少しマイルドな仕上がりに。すでに刻んであるので、そのまま炊き立てのご飯やお茶漬けと一緒に、また日本酒などのお酒と合わせるのもおすすめですよ。

こちらも京漬物として有名なしば漬
<こちらも京漬物として有名なしば漬>

そして、「きざみしば漬」(税込594円)も、地元の方にも観光客にも人気の商品です。「きざみしば漬」には胡瓜やみょうがも入っていて、爽やかな酸味が口の中に広がります。蒸し暑い時期にはおにぎりに入れるとさっぱりして美味しいですよ。

すぐき、しば漬も京都ならではのお漬物です。「まだ食べたことがない」という方は、ぜひ京都旅行の際に京の三大漬物を購入して、ごはんやお酒と合わせて召し上がってみてくださいね。


食べきりサイズの「ちいさなだいやす」
<食べきりサイズの「ちいさなだいやす」>

そして、私自身も京都土産として何度も利用しているのが「ちいさなだいやす」シリーズです。「ちいさなだいやす」は、お茶碗一膳分など、ちょっと食べたい時に嬉しい食べきりサイズのおつけもの。

商品ラインナップは、大安で人気の味すぐきや味しば漬、細ごぼう、竹の子しぐれなど。1つ税込195円からで、箱入りセットも用意されています。
私は一人暮らしの友人や年配の方にお土産としてお渡しすることが多いのですが、「常温保存可能で京都らしい味を楽しめる」と毎回とても喜ばれています。

小さなお子様も一緒に楽しめる、おつけもののプロに学ぶ「京のどぼ漬教室」

「京つけもの 大安」本店では、事前予約制の「京のどぼ漬教室」が開催されています。約60分で、お漬物の歴史やぬか漬の基礎知識、実際の漬け込みまでを学べる充実プログラムです。

最少催行人数2名から申し込み可能で、保護者同伴であれば小さなお子さんの参加もOKなので、ご家族みんなで楽しめますよ。

ちなみに、京都や大阪では「ぬか漬」のことを「どぼ漬」と呼び、その由来はお漬物の素材をぬか床に「どぼっ」と豪快に漬ける様子から「どぼ漬」と呼ばれるようになったのだとか。(※諸説あります)

最初に、お漬物の歴史、そしてぬか漬の効果について学びます。素材をぬか漬にすることで、発酵により栄養素や乳酸菌が増加し、腸活や健康維持に効果的とされています。

特に神経や筋肉を保つビタミンB1や、血流の流れを良くして紫外線からのシミ改善も期待できるナイアシンの増加率は高いそう!実は、ぬか漬は暑さで疲れがちの夏の時期にもぴったりのメニューなんです。


ぬか床の素と水をしっかり混ぜてぬか床作り
<ぬか床の素と水をしっかり混ぜてぬか床作り>

「どぼ漬教室」のぬか床作りでは、まず「大安のぬか床の素」と水をしっかり混ぜ合わせ、そこに発酵済みの熟成ぬか床を加えて、さらに混ぜていきます。

なお、取材の際にお漬物用にご用意いただいたお野菜は水なす、胡瓜、人参の3種類。大安のスタッフさんによると、漬け込む野菜の皮の厚みや硬さによって下準備が異なり、水なすやにんじんなど皮が硬い食材は、漬け込む前にしっかり塩を擦り込むことで、より漬かりやすくなるそう。

ぬか漬を漬ける際のポイントもお漬物のプロである大安のスタッフさんがしっかりと教えてくださるので、初心者も安心です。

素材に合わせて塩をしっかり擦り込んで漬けます
<素材に合わせて塩をしっかり擦り込んで漬けます>

出来上がったぬか床は、自宅に持ち帰ります。遠方の場合は、ぬか床を発送可能です。(別途送料必要)

自宅の冷蔵庫で3日ほど漬けると、ちょうど良い塩加減で美味しく仕上がりますよ。

3日後には美味しい自家製ぬか漬けが完成
<3日後には美味しい自家製ぬか漬けが完成>

京つけもの大安本店「京のどぼ漬教室」

※体験後に発送希望の方は、別途送料にて発送可能。

夏期限定!ハバネロ、ブートジョロキア入りの激辛シリーズ

夏期限定販売の激辛・超激辛シリーズ
<夏期限定販売の激辛・超激辛シリーズ>

「京つけもの 大安」では、定番商品のほかに、ちょっとユニークな商品も!2019年から夏期限定で「ちいさなだいやす 激辛・超激辛シリーズ」を販売しています。

人気の食べきりサイズ「ちいさなだいやす」シリーズの定番(味すぐき・お茶漬胡瓜・しその実漬)にそれぞれ

  • 激辛:ハバネロ入り
  • 超激辛:ブートジョロキア入り

というアレンジを加えた全6種類が、今年も8月1日から販売されました。

ハバネロを使った激辛とブートジョロキアを使った超激辛
<ハバネロを使った激辛とブートジョロキアを使った超激辛>

全種類試食させていただいたのですが、ハバネロを使用した激辛シリーズは、後からじわじわと辛さがやってきます。とはいえ、爽やかでキレのある辛さなので、辛いもの初心者の私でも美味しく食べられました。

冷奴やそうめんなど、夏の定番メニューにトッピングすれば、食べ飽きがちな料理もピリッと味変!ハバネロの辛みが食欲を刺激して、暑い日にも食が進みそうです。

激辛・超激辛シリーズを実際に試食してみました
<激辛・超激辛シリーズを実際に試食してみました>

続いては、世界トップクラスの辛さで知られるブートジョロキアを使った超激辛シリーズ。こちらは、一口目からガツンとくる強烈な辛さ!ジョロキア系の辛さを食べるのは初めてだったのですが、まさに目が覚めるような刺激!でも35度超えのうだるような京都の暑さには、この辛さが逆にスッキリします。

不思議な爽快感で、これはちょっとクセになりそう!!超激辛シリーズは、辛さのパンチが効いているのでビールのおつまみやBBQの付け合わせにぴったり。焼肉など濃い味のお料理にもよく合いそうです。辛いもの好きの方は、超激辛シリーズにぜひチャレンジしてみてくださいね。

最後に

今回は京都土産の定番の「京の三大漬物」について、そして「京つけもの 大安」で学ぶどぼ漬教室、夏期限定の激辛お漬物シリーズをご紹介しました。

「どぼ漬教室」は雨の日や暑さで街歩きしにくい日にもご家族で楽しめる体験です。次の京都旅行の際には、ぜひ京都のおつけもの文化をじっくりと学んでみてはいかがですか?

※表示されている価格は取材当時の情報です。

京つけもの 大安 本店

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まーち

京都生まれ。京都に生まれ育ち、東京での会社員生活を経て京都へUターン。現在は京都観光、地域の情報発信などをテーマにコーディネーター、ライターとして季節のおすすめスポットやグルメ、伝統工芸、アートなど京都の街の魅力を発信中。好きなものは、珈琲、焼き菓子、お蕎麦、日本酒。

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