明日のわたしに逢う場所 「山形県の出羽三山めぐりの旅」にはツアーがおすすめ

出羽三山を参拝してみたい、そんな方は旅行会社のパッケージツアーへの参加がおすすめです。羽黒山・月山・湯殿山、それぞれに込められた意味や歴史の学び、アクセスの工夫などで効率よく「生まれ変わりの旅」を体験できます。

今回は、三大修験道の一つ「出羽三山」に特化したパッケージツアーを実施しましたので、一部をご紹介、これから出羽三山に行ってみたい方にツアー選びのポイントをお伝えします。

目次

出羽三山とは

羽黒山五重塔
<羽黒山五重塔>

自然と信仰が息づく日本三大修験道のひとつ

出羽三山(でわさんざん)とは、山形県鶴岡市にある羽黒山(標高:414メートル)、月山(標高:1,984メートル)、湯殿山(標高:1,500メートル)の三つの山の総称で、古くから山岳信仰や修験道の聖地とされてきた場所です。

「過去・現在・未来」を象徴する山々を巡ることで、"生まれ変わりの旅"ができると伝えられています。出羽三山は、「日本遺産(Japan Heritage)」の一つとして、2016年に認定されました。(日本遺産は、「地域に根ざした物語」で文化と観光をつなぐ文化庁が始めた認定制度です。)

月山本宮
<月山本宮>

出羽三山を巡る旅は、単なる観光地巡りではなく、精神的な体験ができる場所でもあります。自然の美しさや信仰の深さに触れながら、心身をリフレッシュさせることができます。

それぞれの山の特徴をしっかりと感じ取りながら、修行や登山、またはガイド付きツアーでその魅力を余すことなく楽しめます。

出羽三山を巡る為のベストシーズンは?

月山 弥陀ヶ原湿原
<月山 弥陀ヶ原湿原>

すべての山を巡れるのは一年に数か月だけ

出羽三山をめぐるベストシーズンは、雪解けが進む初夏から紅葉が美しい秋にかけてです。羽黒山は年間を通じて参拝できますが、月山と湯殿山は積雪のため冬季は閉山します。

そのため、三山をすべて巡れるのは、6月下旬から10月中旬ごろまでの数か月となります。標高1984mの月山の山開きとなる7月1日以降の週末は特に多くの登山客、観光客でにぎわいます。

<山伏ガイドさんと参拝>
<山伏ガイドさんと参拝>

山開き直後のツアー

私が企画したツアーは出羽三山のツアーから帰ってきたばかりです。今回は混雑を避けるために、月山の山開き直後の平日に訪問する行程を実施しました。

夏休み前の平日で、ほとんど人がいない場所もありじっくりと参拝する事が出来ました。時間に融通が聞く場合は、平日に三山をめぐるツアーは特におすすめです。

正式な参拝ルートとは

出羽三山には、古来より受け継がれてきた正式な参拝(巡礼)ルートがあります。それは、「現在・過去・未来」を象徴する三つの山を順番にめぐるもので、羽黒山 → 月山 → 湯殿山の順に参拝するのが基本とされています。

今回私の実施したツアーでは、正式なルートで参拝してきましたのでご紹介します。

羽黒山

現在を象徴する山(通年参拝可能)ここから旅が始まります。表参道の2446段の石段を登りながら五重塔や随神門をくぐり、現世での煩悩や迷いを祓います。

山頂の「出羽三山神社 三神合祭殿」で三山すべての神にまずお参りします。階段を登れない場合は、山頂付近まで車で行く事が出来ます。

月山 過去を象徴する山
<月山/過去を象徴する山(登拝は例年7月1日~9月中旬の積雪で閉山するまで)>

羽黒山からバスまたは車で八合目(弥陀ヶ原)へ移動し、そこから登山。月山登拝は、かつての自分を振り返る「死と再生」の行として位置づけられます。

山頂には月山神社本宮があり、厳しい自然と向き合いながら心身を清めます。

湯殿山/未来を象徴する山
<湯殿山/未来を象徴する山(夏〜秋の開山期間のみ)>

月山から下山し、湯殿山へ。羽黒山から直接アクセスする場合もあります。

湯殿山神社本宮

湯殿山神社本宮は社殿を持たず、巨大な御神体の岩から湧き出る温泉そのものを拝みます。神秘の未来を象徴する場所であり、「語るなかれ、聞くなかれ」とされる聖域です。

私がおすすめするツアー選びのポイント

旅行会社のツアーによって、ルートが様々です。正式参拝ルートで巡ってみたい場合は行程をチェックしてみてください。

山形県鶴岡市の出羽三山のツアーは山形県や秋田県、宮城県などの観光地を含めて盛りだくさんの行程があります。また、出発時間や訪問時期によっては1日で、三山すべてを回る盛りだくさんな行程もあります。ご自分の体力やスケジュールにあった行程選びをしていただく事をおすすめします。

また、公共交通機関で行く場合、羽黒山へは鶴岡駅からのバスが比較的充実していますが、月山8合目までのバスは週末のみの運行だったり、湯殿山の駐車場までのシャトルバスなどはありません。(2025年7月現在)

レンタカー利用で参拝する方も見受けられましたが、月山8合目までの山道が大変細く、運転に慣れない方の離合が非常に難しいと感じました。ツアーバスやシャトルバスなどには、離合がしやすいようにバス車内に車掌さんが同乗していて、対向車が来ているか確認してくださいます。

観光バスも多く行き来しますので、レンタカーを利用される場合は十分にご注意下さい。

出羽三山をディープに体験できる3つのポイント

出羽三山を参拝するのに、実際に修行されている「山伏」さんにガイドしていただきながら散策したり、バスガイドさんに三山についてのお話を聞きながらより深く三山を学ぶことが出来ます。

宿坊の入り口
<宿坊の一例>

宿泊は、静かな山里に佇む手向地区の宿坊がおすすめです。宿坊での滞在は日常とはどこか違う、凛とした空気に包まれます。古くから修験者を迎えてきたこの場所には、祈りの気配が今も息づき、心を落ち着かせてくれます。畳の香り、精進料理の滋味、そして朝のおすすめ。

宿坊に泊まることで、出羽三山の信仰が体にすっとしみ込むような、不思議な時間を過ごせます。神聖な空気の中で一夜を過ごすことは、よりディープに学ぶことが出来るので、ツアーを探すときの参考にしてみてください。

精進料理
<精進料理の一例>

食事については、三山を修行する山伏さんたちは山菜を食べ、身を清めてから入山するというルールがあります。「山菜料理や精進料理」が食べられるツアーを探してみてください。

まとめ

日本三大修験道、山形県鶴岡市の出羽三山の参拝は、シャトルバスの本数や公共機関が少なかったり、離合が難しい場所もあり、運転や移動がとても疲れます。

自由度の高い個人旅行も良いですが、多くの旅行会社のツアーは、出羽三山をガイドさん付きで深く学びながらスムーズに参拝が出来るよう行程も工夫されていますので、効率の良い旅行ができます。

私の実施したツアーにご参加いただきましたお客様には、「これを個人で回ろうと思ったらかなり大変!少人数の比較的自由度もあるツアーに参加して安心した!」とのお声を頂きました。

出羽三山全てを回れる期間はわずかです。「生まれ変わりの出羽三山」へ。一度は行く価値あります。ぜひ訪れてみてください。

出羽三山神社

  • 所在地:山形県鶴岡市羽黒町手向羽黒山33番地
  • 電話:0235622355
  • 公式サイト:出羽三山神社

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みちたび

福岡県在住、旅行会社勤務歴約30年です。現在は、東北地方と九州地方のツアーをコーディネート、ツアーコンダクターとして現地を案内しています。地元の人と一緒に情報発信しています。

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