【スイス】真夏でも涼しい!氷河と動物に圧倒されたサース・フェーの旅

<TOP画像:青空に映える、サース・フェー村とフェー氷河>

高湿気な不快さは少なくとも暑いスイスの夏。30℃を超える日も、もはや珍しくありません。

そこで数日間、涼を求めて行ったのはスイス南部のヴァリス州にある、サース・フェー(Saas-Fee)という村。

実は4月末に一度この村を訪れたことがあるのですが、吹雪で真冬のような天気に見舞われ、ほとんど何もできませんでした。

その時、ホテルのスタッフの方が「サース・フェーは今の時期も静かで良いけど、夏は花がいっぱいの季節だし、アルプスに住む可愛いマーモットも活動しているので、ぜひ夏にまたいらしてくださいね」おっしゃっていたので、サース・フェーのリベンジ再訪決定!

目次

サース・フェーってどんなところ?

サース・フェーエリアのイラスト地図
<サース・フェーエリアのイラスト地図>

サース・フェーはスイスの人気スキーリゾートの一つで、標高およそ1,800メートルの山間部にある小さな村です。

日本からの観光客に人気のツェルマットに比べると、かなりコンパクトで素朴な雰囲気。

サース・フェーは四方を4,000メートル級の山々や氷河に囲まれており、スキーなどのスノースポーツも一年中でき、さらにはハイキングやマウンテンバイクなど、さまざまなアクティビティが楽しめるため、スポーツ好きにはまさに天国のような場所です。

そういえば、2010年のサッカー・ワールドカップで日本代表チームがベースとしていたのはこの村でしたね。

色とりどりの花
<色とりどりの花があちこちに飾られていて、気分も上がります>

ところでこの村では、ツェルマット同様にガソリン車の乗り入れが禁じられています。

そのため排気ガスがなく空気は爽やか。色とりどりの花で飾られた店やレストランが並ぶ通りを散策中、電気自動車が横を静かに走っていくのをよく見かけました。

 公式観光情報サイト:サース・フェー (英語)

サース・フェーといえば氷河!

さっそくケーブルカーに乗り込み、出発!
<さっそくケーブルカーに乗り込み、出発!>

サース・フェーに着いた翌朝、さっそくロープウェイ乗り場へ。

フェー氷河を間近で見るため、ここから標高2,869メートルの場所のレングフルー展望台を目指します。

村から見える氷河もなかなかの迫力ですが、近くに行ったらもっと圧倒されそう。

途中駅のシュピールボーデンでゴンドラに乗り換え、そこからレングフルー展望台へは一瞬で到着。

シュピールボーデンから大きなゴンドラへ乗り換えます
<シュピールボーデンから大きなゴンドラへ乗り換えます>

ゴンドラを出ると冷やっとした空気。気温は8℃。

でも同時に強い太陽光を受け、肌寒いというより刺さるような暑さを感じました。

シュピールボーデンから大きなゴンドラへ乗り換えます
<目前に広がるフェー氷河>

フェー氷河は長さ5キロメートル、幅6キロメートルの大きさだそう。

スイス最大の氷河であり、ユネスコ世界遺産にも登録されているアレッチ氷河ほどの規模ではないものの、眼下に広がる氷河にはかなり圧倒されるものがあります。

そして展望台にはレストランも。

時間的に早かったこともあり、食事をしている人はほとんどいませんでしたが、氷河に囲まれながら楽しむ食事はきっと美味しいだろうな。

マーモットたちと触れ合えるはずが...

フェー氷河を見て感動した後、再びゴンドラに乗り、往路時に乗り継いだシュピールボーデン(標高2,448メートル)で降りました。ここはアルプスの可愛い動物、マーモットに会えることで知られています。

急斜面の細い道をそろそろと降りていくと、マーモットの巣穴があちこちにありました。

こういった隠れ場が豊富な岩場の多い草原にマーモットがいることが多いのです。

そんなわけで、サース・フェーを出る前に、マーモットの好物であるリンゴやパン、ニンジンを"手土産"に持参して来たのですが、なぜかいない(泣)。

高原、マーモットはどこ?
<マーモットはどこ?>

マーモットたちは、たまたまお腹が空いていなかったのか、昼寝中だったのか、それともバカンス中?などと想像しつつ、がっかりしながら再びサース・フェーまで戻りました。

マーモット
<今回交流が叶わなかったマーモット(参考画像)>

ハニック展望台の開放的すぎるブランコとヤギたち

滞在していたホテルに戻って少し休憩した後、今度は別のロープウェイ乗り場からハニック展望台(標高2,336m)へ行ってみることに。展望台からは、さっき行ったばかりのフェー氷河が遠くに見えました。

「口笛はなぜ~♪」とハイジの歌が聞こえてきそうな巨大ブランコ
<「口笛はなぜ~♪」とハイジの歌が聞こえてきそうな巨大ブランコ>

そしてアニメ「アルプスの少女ハイジ」のオープニングシーンを彷彿とさせるブランコまでありました。

しかしここまで眺望が良すぎると、本当にブランコからポーンと投げ出されそうで怖い(苦笑)。

ちなみにブランコは無料で誰でも乗れますので、興味のある方はぜひ!

ブランコに気を取られていると、突然背後でカランカランというベルの音が聞こえてきました。

<自由行動中のスイスのヤギたち>
<自由行動中のスイスのヤギたち>

音のする方を見てみれば、スイスで時々見かける黒と白のヤギを始め、色々な毛色のヤギたちが一心不乱に草を食(は)んでいるのが見えました。

ヤギたちはとても気さくで、近づいて来ては体を擦り付けて甘えてきたり、「頭をなでて!」と言わんばかりに、頭をぐいっと突き出してきて、撫でてやると嬉しそうな顔をしてみたり。可愛いなあ。

<団体行動を乱したヤギも、ようやく群れに合流>
<団体行動を乱したヤギも、ようやく群れに合流>

こうしてヤギと交流していると、まもなく自転車に乗ったヤギ飼いの青年が、牧畜犬と共にやってきて、ヤギたちを追い立て、あっという間に去っていきました。

今回マーモットや他の野生動物たちに会うことは叶いませんでしたが、スイスの人懐こいヤギたちに遊んでもらえて楽しかったです。

まとめ

サース・フェーは、日中気温が20℃ほどと快適で、建物や木の陰に入るとヒンヤリした冷たい空気を感じましたが、日なたの通りを歩くと太陽光線がバシバシと皮膚に突き刺さってきて、これがちょっと辛かったです。

標高1,800メートルの場所にある村なので、紫外線もその分強いです。そのため日焼け止めはもちろん、帽子やサングラスは必須ですヨ。

サース・フェー

<4月末のサース・フェーは雪!でした>
<4月末のサース・フェーはこんな天気(雪!)でした>

4月末に、一度この村を訪れた時、私が暮らす地域は20℃ほどだったのに、山岳地帯にあるサース・フェーは4℃。スイスの山岳地帯は春の訪れがかなり遅い、ということを失念していました(苦笑)。

※この情報は2024年8月現在のものです。

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小島瑞生

1998年~2009年まで暮らしたアイルランドから、2009年スイスへ移住。面白そうなコト・モノを求め、スイス国内や欧州の国々をウロウロしながら、雑誌やウェブサイト、ラジオ等のメディアに様々な情報を発信中。趣味は旅行とハープ&ピアノ演奏。

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