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インドとパキスタンの関係が戦争に発展する可能性は?旅行は安全?

<TOP画像:引用 Unsplash>
2025年4月、インドのカシミール地方で起きたテロでは、観光客26名が犠牲になるという痛ましい事件が起こりました。「インドの中のスイス」とも言われる美しいカシミールで起こった非常に残念な事件です。
元々仲が悪いインドとパキスタンですが、この事件をきっかけに両国の間で緊張が高まっています。しかし、実はこれが初めてではありません。
私がインド暮らしをする中で感じている、情勢の変化やインド滞在の安全性についてお伝えします。
目次
- インドとパキスタンは超仲が悪い!
- インドで起こった観光客をターゲットにしたテロ事件
- テロに対するインド市民の感情とは
- このタイミングでのインド旅行は危険?
- パキスタンへの敵意はクリケットで発散!
- まとめ
インドとパキスタンは超仲が悪い!
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<引用:Unsplash>
インドとパキスタンは隣国です。どちらの国の人も、あたたかく、しつこく、そして時にずる賢しさを感じさせます。話していると、両国のルーツが同じ人種であることを実感できます。
インドとパキスタンはかつて同じ国でしたが、イスラム教徒とヒンドゥー教徒はたびたび対立していました。
その結果、宗教を基準に国を分ける動きが起こり、1940年代にはイスラム教徒が多く住む地域はインドから分離し、パキスタンとして独立しました。
しかし、そこで問題となったのが、今回のテロの舞台でもあるカシミール地方です。住民の多くはイスラム教徒でしたが、当時この地域を統治していたのはヒンドゥー教徒だったのです。
主に統治者の宗教に従い、カシミールはインドに帰属しましたが、それに反対する勢力は武力を用いるようになりました。
この争いは、第一次・第二次インド・パキスタン戦争に発展し、1971年に停戦が合意されました。しかし、今日に至るまで問題は解決されていません。
インドで起こった観光客をターゲットにしたテロ事件
そんな中、2025年4月、カシミール地方でテロ事件が発生したと報道されました。インド警察によると、観光客のグループが突然襲撃され、26名が死亡したとのことです。
犯行は銃撃によるもので、非イスラム教徒をターゲットにしたと見られています。この事件に対してインドのモディ首相は「パキスタン政府が支援している武装組織による犯行だ」と強く非難し、迅速に対抗措置を取りました。一方パキスタン政府は「インド政府による自作自演だ」と主張しています。
その後、インドからパキスタンへの報復などを経て、事件発生から4日後には停戦の合意に至りました。
テロに対するインド市民の感情とは?
私が住んでいるムンバイはカシミールから約2,000キロも離れていますが、ムンバイもかつてテロの標的になったことがありました。
2008年、パキスタンの武装組織がムンバイの象徴とも言えるチャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅とタージ・マハル・ホテルなどを占領し、外国人を含む170人以上が犠牲となったのです。
この事件は『ホテル・ムンバイ』で描かれ、地元の小中学生も見たことがあると言ってました。事件の記憶は、パキスタンだけでなくイスラム教徒全体への敵対感情として若い世代にも鮮明に引き継がれています。
そのため、カシミールの争いが激化すると、市民の間でもよく話題に上がり、パキスタンへの怒りをストレートに口に出す人も少なくない印象です。
こうした国際的な対立に対して、まるで自分の問題かのように強く怒り、暴動を起こす人たちがいます。悪く言えば、事件に乗じて、日々の生活の不満やうっぷんを晴らそうとしているようにも見受けられます。
争いが生じると、インド国内のイスラム教徒が暴行を受けることもあります。とにかく、パキスタンのことになると、インド人はとりわけ敏感に反応します。
このテロに関しても一時的に怒りが頂点に達した市民もいましたが、インドからの報復攻撃によって溜飲が下がったのか、わずか4日で停戦に至っています。インド政府もパキスタン政府も、大ごとにしたくないのでしょう。
市民も今ではすっかり落ち着いているので、「やられっぱなし」という状態が一番許せないようです。
このタイミングでのインド旅行は危険?
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<引用:Unsplash>
あくまで私個人の考えですが、インド旅行は問題ないと思います。両国はすでに停戦に合意しており、大半のインド人にとっては「今回やられた分はやり返した」という決着で落ち着いたように感じられます。
もちろん、今後同じような事態が起こる可能性を完全に否定はできませんが、現地は戦争の最前線というわけではありません。
空港では銃を携帯した警察官が多数配置され、警備は非常に厳重です。また、ショッピングモールや鉄道など、あらゆる箇所でX線による荷物チェックがあります。
このような警備体制は、2008年のムンバイのテロを受けての対策だと聞きました。そのため、大都市を観光する分には、テロの危険を心配する必要はないと思います。
それでも怖いという方は、今回の事件が起こったカシミールをはじめとするパキスタンとの国境付近は、念のため避けるのがよいかもしれません。
ですが、「せっかく予定していたインド旅行だけどキャンセルする」という必要はまったくありませんし、インドに行きたいと考えている方は、ぜひそのままインド行きを計画してもらえたらと思います。
パキスタンへの敵意はクリケットで発散!
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<引用:Unsplash>
インド市民がパキスタンへの敵意を剥き出しにするのは、クリケットのワールドカップ開催時です。この時ばかりは、まるで戦争が始まったかのように、国全体が「打倒!パキスタン」一色に団結します。
2023年のクリケットワールドカップはインドで開催されたこともあり、市民の熱狂を肌で感じました。とにかく毎日クリケットの話題で持ちきりで、オフィスワーカーもお店の人たちも、連日仕事どころではないようでした。
ワールドカップのこの時ばかりは皆、声を揃えて「パキスタンだけには負けるな」と言い続けていました。無事インドがパキスタンを制した時には、街中がお祭り騒ぎで喜びもひとしおという感じでした。
ショッピングモールのテレビにかじりつく群衆も見られ、この日はあらゆるレストランやバーが人であふれかえっていました。
ほとんどの市民は、パキスタンに対するうっぷんを平和的に解消しているようです。
まとめ
インドとパキスタンの戦争について過度に心配する必要はありません。テロによって亡くなった方々がいるという事実は非常に心が痛みます。
ですが、「この事件によってインド全土がテロの標的となり得る危険区域となった」というわけではありません。この事件を理由にインド渡航を諦めてしまうのは、非常にもったいないことです。
念のため、しばらくインド・パキスタン国境近くへの訪問は控えた方がよさそうですが、大都市を旅行する分には問題ないと思います。
インドには色々な人が住んでいますが、基本的には外国人を温かく迎えてくれます。ぜひ、インド旅行を安心してお楽しみください。
※あくまで私個人の主観によるものです。安全性を保証するものではありません。
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やまもと
- インドのバンガロール・ムンバイの2拠点で活動している翻訳者・ライターです。インドの野良犬とヨガが大好きです!




























