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【韓国】新たな観光スポット「青瓦台」大統領の執務室&官邸だった特別な空間を見てみよう!

2022年に前大統領が執務室を移動したことで一般開放された瓦台。1948年から長きにわたって大統領の執務室および官邸として使われてきました。
その名の通り、北岳山を背景に建つ青い瓦屋根の青瓦台本館やその後方の官邸をはじめ、国賓を迎えた迎賓館、記者会見が行われた春秋館、四季折々に美しい庭園など、見どころがたくさん。
「青瓦台、国民のもとへ」をキャッチフレーズに、門を開いた青瓦台に行ってみました。
目次
青瓦台が一般公開されるまで
1948年の初代から第19代まで、大統領の執務室と官邸だった青瓦台。かつて春の桜の頃に一般公開していた時期もあったそうですが、警備上の問題で中止になり、周辺道路の通行も規制されてきました。
時は流れて1988年に就任したキム・デジュン大統領の時代に、個人や外国人も見学できるようになりました。そして2022年、前大統領の就任に伴い執務室を移動し、広く一般公開されるようになったのです。
筆者も2009年に青瓦台観覧ツアーに参加したことがあります。当時は、訪韓前にパスポート番号などの情報を添えて申請し、館内見学可能な建物は迎賓館のみ、写真撮影可能場所もかなり制限されていました。
また、当日も集合場所からバスで移動、入口でバスポートや荷物のチェックを受けての入場でした。
観覧スタート!
青瓦台の観覧は、公式サイトのシステムから予約するようになっていますが、外国人は現地で入場申し込みが可能です。直接、正門の総合案内所または春秋37門の総合案内所に行ってください。(1日最大2000名まで観覧可能)
パスポートをお忘れなく。日本語パンフレットもあるので、忘れずにゲットしてくださいね。
敷地内は自由に観覧できます。パンフレットに記載されたマップにモデルコースがあるので参考にしてください。
広い敷地内をゆっくり見て回るには1時間30分~2時間ぐらい予定しておけばよさそうです。施設内に入場できるのは、本館と迎賓館1階、春秋館のみです。正門からの入場がおすすめです。
まずは迎賓館から
迎賓館は、国賓を迎えた際に晩餐会などを行なったところです。1970年以降、韓国を訪れる国賓が増えたことから1978年に新築し、100人以上の大規模な会議や宴会にも使用されました。
1階は接見室、2階は晩餐会場でした。西洋の石造建築様式に伝統模様が施された美しい建物です。1階のみ公開しています。
圧巻の青瓦台本館
大庭園の緑を眺めながら、観覧のメインともいえる青瓦台本館へと進みます。
近づくと、大きすぎて写真に映りきりません。韓国伝統建築様式で建てられた建物には、約15万枚の青い瓦が葺かれています。中央部には韓国伝統家屋の本棟、左右に別棟を配置しています。
閣議などが開かれた世宗(セジョン)室。西側の別棟にあります。
前室には、歴代大統領12人の肖像画が飾られています。
歴代大統領夫人の写真を展示している無窮花(ムグンファ)室。外賓との接見室や執務室として使われていた大統領夫人の空間です。
任命状授与式や会議、外賓の晩餐会や公演など、多目的に使われた忠武(チュンム)室。東側の別棟にあります。
2階には、大統領の執務室と外賓と面会する接見室があります。
同じく2階にある仁王(インワン)室は、懇談会や晩餐など、小規模宴会場として使われました。
どの部屋もシャンデリアなど、豪華なインテリアが印象的です。なんと、電源までキンキラキン~!
赤いじゅうたんが敷き詰められた1階正面には、大きな階段がドーン! 大統領をはじめ、世界各国の来賓たちがここを歩いたのでしょうね。こちらはフォトゾーン。ステキな1枚が撮れそうです。
正面には韓半島を描いた大きな作品が飾られ、階段が左右に分かれます。
2階に上がると、豪華なシャンデリアの下が吹き抜けに。艶やかな木製の手すりなど、どこを見ても丁寧に手入れされていたことがわかります。
大統領が暮らした官邸
本館から出て、緑の中を通り抜けて大統領官邸へ。大統領と家族が暮らした官邸は、外観だけの見学です。
伝統的な木造建築の立派な建物で、生活空間の母屋と接見行事などを行なう離れが、ハングル文字「ㄱ」の形に配置されています。街中の喧騒から離れた、静かな空間だったのでしょうね。
記者会見会場や記者室として使われていた春秋館。1990年に建てられました。公式サイトでは内部見学可能とありましたが、この日は門が閉ざされていました。テレビで見た、あのブルーの背景を見てみたかったです。
こちらは春秋門、正門から東へ進んだところにあり、ここからも入退場できます。入場は正門がおすすめです。観覧が終わったらここから出るのもいいかも。そのまま東へ歩くと三清洞通りに着きあたるので、三清洞や北村を観光するなら効率的なルートです。
青瓦台の周辺もチェック
青瓦台に大統領がいた時代、正門前の道のすぐ東にある瓦屋根の白い建物には、職員が詰めていました。この道は規制されていて、夜は通行できませんでした。
青瓦台の向かい側にある青瓦台サランチェ。青瓦台が一般公開される以前は、市民と観光客のために開かれた空間としてオープンしました。
当時は2階に大統領体験館があり、執務室を再現して誰でも利用できるスポットとして人気でした。
現在館内では、観光関係のコンテンツや資料の展示をしています。トイレやベビーベッド、授乳室などの設備が整い、椅子やソファも配置しているので、観光中の休憩にもおすすめです。
2024年9月にリニューアルオープンしたミュージアムショップでお土産探しをしてみてください。
おわりに
青瓦台の最寄り駅は、地下鉄3号線景福宮駅。4番出口から歩いて約15分です(3番出口からバスもあります)。この界隈は青瓦台があったことから建築物の高さ制限があり、高層の建物がなく景色のいいところです。
ソチョン(西村)は、閑静な住宅街でありながら、ノーベル文学賞受賞作家・ハン・ガン氏が運営する書店をはじめ、カフェや雑貨店など個性的でおしゃれな店が点在する観光スポットでもあります。
著者は2006年頃から10年以上にわたり、このエリアを定宿として過ごしました。市場の銭湯に通い、多くのなじみの店と親しみながら過ごした日々は、特別な思い出となっています。
青瓦台周辺は朝の散歩コースとしても馴染み深く、警備職員との挨拶を交わしたことも、心に残るひとコマです。
外から眺めていた青瓦台の敷地内に入り、思う存分見学できて、とても感慨深かったです。青瓦台の一般開放で西村エリアは随分変わったと思います。次の機会に、西村エリアの街歩きをご紹介しますね。
青瓦台
- 住所:ソウル特別市鍾路区青瓦台1
- 観覧時間:3~11月 9:00~18:00、12~2月 9:00~17:30(入場は各1時間前まで)
- 休館日:火曜 ※火曜が祝日または振替休日と重なる場合は開館し、翌日休館
- 入館料:無料
- 公式サイト:青瓦台
※この情報は、2024年11月の取材に基づくものです。
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あんそら
- 2005年より「あんそら」のペンネームで韓国のガイドブック(単行本)を企画・製作。2021年12月から、韓国の地方都市でのんびり暮らしています。