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【フランス】最新の映像スペクタクル!ルミニセンスを体験

現在フランス各地で大好評を博している、新型の映像ショー「ルミニセンス(Luminiscence)」は、大聖堂や教会内部で行われる壮大な光と音の体験型スペクタクルです。
歴史的な場所で、幻想的な光と美しい音楽が融合した空間に身をまかせる時間は、センセーショナルで素晴らしい体験でした。今回は、フランス発最新の映像ショー「ルミニセンス」の感動をレポートします。
目次
ルミニセンスの特徴
まずはルミニセンスが、どんなスペクタクルなのかを簡単にご説明しましょう。会場となる建物は、その地の由緒ある大聖堂や教会で、開演は日没後です。
建物の外壁をスクリーンにしたプロジェクションマッピングと異なり、このショーの観客は建物の内部に着席、その客席を包み込むような形で360度映像が投影されます。
映像は支柱の地面から天井に至るまで、建物の造形を辿るように動きまわり、時には天空まで広がってゆきます。
映像と一体になってスペクタクルを盛り上げるのは、楽団の生演奏や合唱です。スペクタクルのテーマは、その場所の歴史の再訪で、観客はナレーションに導かれ、光と音で歴史を廻り、やがては未来永劫まで意識を拡大していきます。
ルミニセンスは、最新のテクノロジーを駆逐した、スピリチュアル的な没入型体験だと言えるでしょう。
圧巻のスペクタクル体験
では、私の体験から、スペクタクルをご案内しましょう。
会場となったノルマンディー地方首都ルーアンのノートル・ダム大聖堂は、世界的に名高い1544年完成のゴシック建築の代表作、印象派巨匠モネが連作を描いたことでも有名です。
この大聖堂は一時期世界一の高さを誇っているだけあって、内部での投影は高さ30mに及ぶそうで、期待が高まります。
大聖堂内会場の通路は、電気キャンドルでほのかに照らされています。料金設定区内は着席場所に指定はなく、オーケストラの位置する前に寄りたいところですが、おすすめは360度の映像が見やすい中間以降の席です。
神聖な場所のせいか、観客の私語も少なく、静かに上映を待つ姿が印象的でした。第一部はキャンドルの下に行われる音楽鑑賞で、美しい音色にうっとり。
第二部、待望の映像スペクタクルは暗闇で始まります。案内役ナレーションは、大聖堂の聖母の石像視点で語られます。始まりは、この地の歴史〜ローマ帝国、バイキングの到来、ノルマンディー公国建国、大聖堂建設までの歴史です。
大聖堂をめぐる光と影。色鮮やかな映像のステンドグラスの美しさは圧巻!数多くの芸術家たちにインスピレーションを与えた大聖堂。こちらは印象派カラーでしょうか?
大聖堂は戦争という暗黒時代には、破壊されながらも立派に復活します。
パイプオルガンへのオマージュでの音響は迫力満点。ルミニセンスの興行収入の一部はオルガンの修復費に寄付され、フランスの遺産の保護に貢献するとのことです。終盤には未来永劫に想いを馳せて、天井は満点の星空となり、再び暗闇の中、スペクタクルは終了します。歴史と建造物を再発見し、驚きと感動に満ちたスピリチュアルな1時間の時空の旅でした。
ノートルダム大聖堂
- 住所:6 Parvis Notre-Dame - Pl. Jean-Paul II, 75004 Paris, フランス
公式サイトのご案内
ルミニセンスの総合案内サイトをご紹介します。2024年にパリとリールで大成功を収めた後、2025年4−5月現在の開催地は、ルーアン、リヨン、ニース、レンヌです。今後、新しい開催地や再上映にも期待したいですね!
公式サイト:ルミニセンスの総合案内
- ノートルダム大聖堂
- 聖ボナヴェントゥラ大聖堂
- 聖母被昇天大聖堂
- サン・レミ大聖堂
映像とナレーションの内容は、各建物に適応するように作られ、料金は会場により異なるので確認して下さいね。
さいごに
音と光の融合を謳うルミニセンスのスペクタクルは、最新テクノロジーで過去を再発見する体験でもありました。
「古いものを愛して大切に保存し、同時に最新のものを恐れず率先して導入する」のが得意なフランスらしさも大いに感じました。
今後もルミニセンスは、フランス各地で継続していくと思うので、機会があれば是非ご覧下さいね。
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原田さゆり
- 旅・文化・猫を愛する、フランスの田舎在住者。フランス中を旅しています。