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南米パラグアイで絶景を味わえるハイキングコース5選

<TOP画像:パラグアイの樹海がどこまでも続く>
「牧歌的」などと表現されることの多い南米パラグアイ。観光産業はあまり発展しておらず、サッカー以外でパラグアイという国名を聞くことはあまりないだろう。
比較的平坦な地形が続く内陸国パラグアイには白い砂浜のビーチも、ミステリアスな古代遺跡もない。しかしだからといって見どころが何もないわけではない。至る所にスペイン語で「セロ」とよばれる丘があり、パラグアイでしか見られない独特の絶景を楽しめる。
今回はパラグアイ在住7年の著者がパラグアイで絶景を楽しめるハイキングコースを5つ厳選して紹介しよう。
目次
- 1. セロ・アルコ(Cerro Arco, Tobati)
- 2. セロ・ウ(Cerro Hû, Paraguarí)
- 3. セロ・ベラ(Cerro Verá, Acahay)
- 4. セロ・ジャグアロン(Cerro Yaguarón, Paraguarí)
- 5. セロ・トレス・カンドゥ(Cerro Tres Kandú, Guairá)
- パラグアイでハイキングを楽しむには
- まとめ
1. セロ・アルコ(Cerro Arco, Tobati)
パラグアイの首都アスンシオンから車で2時間の距離にある小さな丘。山名にもある「アルコ」とはスペイン語でアーチのことで、自然の侵食によって形成されたアーチ状の岩を見ることができる。
標高は200メートルにも満たず、30分もあれば登ることができるが、山頂からの眺めは非常に美しい。樹海が果てしなく続くパラグアイ特有の景色に、思わず「スゲェ!!」となってしまうこと間違いなし。
山頂は広く、小さな池や滝などいろいろな写真スポットがあり、ガイドが案内してくれる。手軽に登れるおすすめのハイキングコースだが、登山口までの道のりはあまり整備されておらず、舗装されていない道をしばらく運転する必要あり。
セロ・アルコがあるトバティ(Tobati)市は手工芸と陶器、また煉瓦造りが盛んな町で、地元では様々な工芸品が売られている。この付近は独特な地形が多く、セロ・アルコ以外にも見どころが多いので、車でゆっくり回ってみよう。
セロ・アルコ(Cerro Arco, Tobati)
- 所在地:パラグアイ 〒031812 Potrero
- 標高:196メートル
- 登頂時間: 約30分。
- 難易度:★★
- アスンシオンからの距離: 車で約2時間
- 入山料金:15,000グアラニー(別途駐車料金有)
2. セロ・ウ(Cerro Hû, Paraguarí)
<下山中に見たパラグアイの夕日。>
首都アスンシオンから一時間ほどの距離にあるパラグアリ市にある観光地。登山口までの道のりも、山道もきれいに整備されており、誰でも気軽に楽しめるハイキングコースだ。
足腰に自信のある人は40分程度で登れるだろう。周囲は他の山々に囲まれており、日が傾くにつれ山々が赤く染まっていく景色はとても美しい。
セロ・ウ(Cerro Hû, Paraguarí)
- 所在地:Ruta Paraguari-Piribebuy, km66 090104 パラグアイ
- 標高:375メートル
- 登頂時間:約1時間
- 難易度:★★
- アスンシオンからの距離:車で1時間半
- 入山料金:10,000 グアラニー(別途駐車料金有)
3. セロ・ベラ(Cerro Verá, Acahay)
<山頂から見える絶壁が美しい。>
他の山に比べ知名度は高くなく、パラグアイ人の間でも知る人ぞ知る場所。それもそのはず、国立公園ではなく山そのものが個人の所有地で、観光地として開発された場所ではないようだ。
全体的に、山というより大きな岩のような形をした地形をしており、登山口から頂上まで比較的単調な道のりだが、山頂から見える赤みがかった岩の壁が美しい。
山頂からの眺めはミニ・グランドキャニオンのような体を成していて、インスタ映えすること間違いなし。著者が個人的に山頂からの眺めが一番美しいと感じたのもここ。
残念ながら2023年に山の所有者が変わり、一般人の立ち入りが禁止されてしまったが、所有者家族は観光資源としての開発を目指しているとの報道もあり、近い将来また一般開放されることを期待したい。
セロ・ウ(Cerro Hû, Paraguarí)
- 所在地:33QF+RFM, Pintos 090209 パラグアイ
- 標高:348メートル
- 登頂時間:約1時間半
- 難易度:★★
- アスンシオンからの距離:約2時間半
- 入山料金:10,000グアラニー
4. セロ・ジャグアロン(Cerro Yaguarón, Paraguarí)
<山の麓の駐車場。週末は家族連れで賑わう。>
首都アスンシオンからのアクセスも良く、パラグアイでは人気の観光地。一部岩場のようになっている部分もあるが、標高は高くなく、子供連れでも簡単に登れるので週末は家族連れで賑わう。
頂上は広くパラグアイの広大な景色を楽しめるだろう。この地域は、グアラニー神話発祥の地で、グアラニー神話に登場する様々なモンスターが山のふもとに描かれている。
また聖トーマスの足跡がジャグアロンの岩に永久に刻まれており、その足跡を踏んだ訪問者は地元の女性と結婚できるという縁結びのような言い伝えもある。
セロ・ジャグアロン
- 所在地:Mariscal Francisco Solano López 667, Yaguarón 091503 パラグアイ
- 標高:256メートル
- 登頂時間:1時間未満
- 難易度:★
- アスンシオンからの距離: 車で45分
- 入山料金:10,000グアラニー
5. セロ・トレス・カンドゥ(Cerro Tres Kandú, Guairá)
<パラグアイ最高峰からの眺め。雄大な大地がどこまでも続く。>
パラグアイの最高峰「セロ・トレス・カンドゥ」。と言っても、標高1000メートルに満たないので、日本でいうところの陣馬山や筑波山程度の高さ。
山道はあまり整備されているとはいえず、岩場や鎖場も多いので、登るにはかなり体力がいる。そのうえ、登山口までの道のりがろくに整備されておらず、本来ジープか何かでないと入れないような雨風に削られた荒い道を、著者は普通車で乗り進んだ結果、サスペンションがガタガタになってしまった。
しかし山頂からの眺めは抜群で、パラグアイ全土が見渡せるのではないかと思うほど。山頂は道が幾つかに分かれていてわかりづらいが、幾つかの写真スポットがある。時間をかけて、写真スポットを探してみよう。
セロ・トレス・カンドゥ
- 所在地:パラグアイ 〒040603
- 標高:842メートル
- 登頂時間:約3時間
- 難易度:★★★★
- アスンシオンからの距離:約3時間半
- 入山料金:40,000グアラニー
パラグアイでハイキングを楽しむには
標高がそれほど高くないとはいえ、普段着でハイキングに行くのは危険。ハイキングシューズを準備し、天候に合わせてレインジャケットや帽子、サングラスなどを持参しよう。
特に、パラグアイの夏は非常に熱く、湿気もあるので短時間でも思った以上に体力を消耗する。こまめな水分補給を心がけよう。
パラグアイのハイキングでクマなどの大型哺乳類に遭遇することはないが、現地で「ジャララ」と呼ばれるヘビが生息している。
ハブの仲間で猛毒を持ち、噛まれれば命の危険があるので、山に入る際は十分注意しよう。また、一般に登山口までの道のりも舗装されていないことが多く、もちろん街灯もないので夜は真っ暗になる。
ハイキング中に武装した集団による強盗被害も報告があるので、ハイキングはグループで行い、朝早く始めて暗くなる前に下山するようにしよう。
その他パラグアイの一般情報は、著者のブログ・コトバラウンジでも解説しているので参照されたい。>>ブログはこちら
まとめ
パラグアイにはまだまだ知られていない豊かな自然があふれている。特に郊外に点在する山の頂上からの景色は、まさに絶景。今後南米を訪れる際は、ぜひパラグアイにも立ち寄って、ハイキングを楽しんでみてほしい。
観光ガイドには載っていない自分だけの絶景を見つけられるに違いない。
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Shinji Muto
- 一人旅・海外勤務を経て、現在は南アフリカ人の妻と共に南米パラグアイに在住。3カ国の永住権を持ち、日本語・英語・スペイン語を操る日系アメリカ人が各地の名所を解説します。コトバラウンジ(journal.kotobalounge.com)にてウェブサイトやアプリのローカライゼーション・翻訳も承っています。