【山と秘湯をめぐる】青森県〜八甲田山と極上の酸ヶ湯温泉&テント泊〜

八甲田山 酸ヶ湯温泉

日本各地の名山と秘湯を紹介するコラム【山と秘湯をめぐる】。

登山の後に素晴らしい温泉でリフレッシュできる旅を、多くの方に気軽に楽しんでもらえるような内容をお届けします。

第9回目は、青森県の八甲田山と極上の酸ヶ湯温泉&テント泊をご紹介!

雄大な八甲田山を舞台に、絶景トレッキングや秘湯・酸ヶ湯温泉、そして非日常を味わうテント泊。大自然に抱かれながら過ごす、贅沢なひとときをたっぷりご紹介します。

目次

自然の恵みをもたらす母なる山「八甲田山」

八甲田山

東北地方を縦断する奥羽山脈の最北端に位置する「八甲田山(はっこうださん、標高1,584m)」。青森市からわずか20kmほどの距離にありながら、その雄大な裾野を広げた山容は、まるで独立峰のような存在感を放っています。

八甲田という名は、「八(多くの)」「甲(盾のような山頂)」、さらに「田(山上の湿原)」を意味し、実際に足を踏み入れると、一つの山とは思えないほど多様な峰々と広大な山岳風景が広がっているのが特徴です。

湖

また、八甲田山は青森県南部の自然環境を育んできた"母なる山"とも言える存在です。かつての火山活動がもたらした恩恵により、全国的にも有名な「酸ヶ湯(すかゆ)温泉」や「蔦(つた)温泉」をはじめとする数々の名湯が湧いています。

さらに、十和田湖や奥入瀬渓流なども、八甲田山を含めたこの地の山の火山活動によって形成されたものです。四季折々に変化する壮大な風景と、豊かな恵みをもたらす八甲田山は、まさに青森のシンボルとも言えるでしょう。

八甲田ロープウェイを使って大岳までの縦走を満喫

八甲田ロープウェイから見える景色

雄大な峰々が連なる八甲田山は、北八甲田と南八甲田に分かれ、大岳、高田大岳、櫛ヶ峯などの名峰を擁する山域。その魅力は、初心者でも歩きやすい登山道にあります。

おすすめは、八甲田ロープウェイを活用しながら、八甲田主脈を巡る往復約4時間のコース。標高差を抑えつつ、初心者でも安心して歩けるルートで、八甲田の壮大な自然を存分に満喫できるのが特徴です。

津軽富士とも称される 岩木山

ロープウェイに乗ると、眼下にはアオモリトドマツの美しい森が広がり、遠くには津軽富士とも称される「岩木山(いわきさん、標高1,625m)」の雄姿が素晴らしいです。

ロープウェイを降りて、標高1400mを超える高地に足を踏み入れると、そこには森林限界の世界が広がり、ハイマツが群生する雄大な景色が展開。山々の窪地には湿地帯が点在し、四季折々の高山植物が可憐な彩りを添えています。

八甲田山の最高峰・標高1585mの大岳に到達

山頂公園駅から歩くこと約2時間。赤倉岳から井戸岳を経由して、八甲田山の最高峰・標高1585mの大岳に到達すると、眼前には視界を遮るもののない大パノラマが広がります。

津軽半島や下北半島、岩木山まで、青森のほぼ全域を一望するその絶景は、まさに息をのむ美しさ。八甲田ならではの壮大なスケールを体感できる、魅力あふれる登山ルートです。

大岳/八甲田山

  • 住所:青森県青森市駒込深沢
  • 電話番号:017-764-5507(八甲田総合インフォメーションセンター)
  • 料金:大人片道1,250円 往復2,000円(八甲田ロープウェイ)
  • 公式サイト:大岳/八甲田山 

登山の疲れを吹き飛ばす。ビリビリくる名湯「酸ヶ湯温泉」

ビリビリくる名湯「酸ヶ湯温泉」

青森を代表する秘湯「酸ヶ湯温泉」は、開湯から300年の歴史を誇る名湯。八甲田山の主峰・大岳の西麓、標高約900mの高地に位置し、清涼な空気に包まれた温泉地です。

名物は、総ヒバ造りの大浴場「ヒバ千人風呂」。その名の通り広々とした空間で、強酸性の硫黄泉がたっぷりと湛(たたえ)えられています。

湯温はやや高めで、数分浸かるだけで体の芯から温まり、心地よい刺激が全身に広がるのが特徴。数分浸かるだけで登山の疲れがすっかり取れていまいますよ。

生姜味噌がアクセントになったみそおでん

なお、ヒバ千人風呂は混浴のため、気になる方は売店で販売されている女性用の湯あみ着(1,300円)を利用すると安心です。また、男女別の「玉の湯」も併設されているので、そちらを選ぶのも良いでしょう。

温泉のあとは、併設のそば処「鬼面庵(きめんあん)」へ。名物の酸ヶ湯そばや、生姜味噌がアクセントになったみそおでんなど、体をほっと温める郷土の味を楽しめます。登山の後に、癒しの湯と名物グルメを堪能してみてはいかがでしょうか。

酸ヶ湯温泉

  • 住所:青森県青森市荒川南荒川山 国有林酸湯沢50番
  • 電話番号:017-738-6400
  • 営業時間:大浴場「ヒバ千人風呂」(混浴):7:00〜18:00(受付終了17:30)※女性専用時間8:00~9:00
  • 小浴場「玉の湯」(男女別):9:00〜17:00(受付終了16:30)
  • 料金:【日帰り入浴料金】大人1,000円、小人(小学生)500円 ※タオル付き
  • 公式サイト:酸ヶ湯温泉 

自然の中で過ごす贅沢な体験!秘湯からのテント泊

秘湯からのテント泊

6月上旬〜10月下旬に訪れるなら、酸ヶ湯温泉で体を温めたあとは、八甲田中腹でのテント泊を楽しんでみてはいかがでしょうか。実は、徒歩すぐの場所にキャンプ場があり、大自然の中でのんびりと過ごせる絶好のロケーションを誇っています。

利用料はテント持ち込みなら、1張り500円と手頃な価格。フリーサイトなので、好きな場所にテントを設営し、心ゆくまでリラックスできますよ。

テント
おすすめの流れは、まず明るいうちにテントを設営し、その後に酸ヶ湯温泉へ。こうすることで、湯上がりの心地よい温もりを感じながら、そのままぐっすりと眠りにつくことができます。

八甲田の涼やかな空気に包まれながら、贅沢なテント泊を満喫しましょう!

酸ヶ湯キャンプ場

  • 住所:青森県青森市荒川 南荒川山地内
  • 電話番号:017-738-6400
  • 開催時間:6月上旬より10月下旬まで
  • 宿泊:12:00~翌11:00 ※17時以降のチェックインはお電話にて相談
  • 日帰り:10:00~16:00 ※フリーサイトの受付は15:00迄
  • 料金:フリーサイト500円
  • 入場料大人(中学生以上)500円、小人(小学生)300円
  • 公式サイト:酸ヶ湯キャンプ場 

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土庄雄平

1993年生まれ、愛知県豊田市出身。同志社大学文学部文化史学科・英文学科卒。サラリーマンの傍ら、自転車旅&登山スタイルで、日本各地を駆け巡るトラベルライター。春は桜を愛でながらサイクリング、夏は冷涼な北日本へ自転車で大冒険、秋は秘境の紅葉を求めて山登り、冬は輝く樹氷と白銀の世界に魅了される。そんな自然の中へ身を投じる旅がルーティーン。

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