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【2025年版】オランダのチューリップの楽園『キューケンホフ』を満喫する

春のオランダは、色とりどりのチューリップが満開を迎える季節です。チューリップの鮮やかな色合いや愛らしい姿を眺めていると、春の訪れを感じるとともに、幸せな気持ちが広がります。
「ヨーロッパの庭」として知られる『キューケンホフ』では、チューリップをはじめ、700万本以上の花々が咲き誇り、毎年世界各地から140万人以上の観光客が訪れます。2025年のチケット料金やアクセス方法、さらにチューリップ畑を巡るツアーなど、キューケンホフの見どころをご紹介します。
目次
- 700万本以上の花々が咲き誇る楽園
- 華やかな花々が織りなす庭園デザイン
- 花の芸術が輝くフラワーショー
- キューケンホフをもっと楽しむ♪
- 2025年の見頃はいつ?
- 2025年のチケット料金とアクセス方法
- まとめ
- 施設情報
700万本以上の花々が咲き誇る楽園
キューケンホフ (Keukenhof) は、オランダのリッセに位置する世界最大のフラワーパークです。約32ヘクタールの広大な敷地には、チューリップをはじめスイセンやクロッカス、ヒヤシンス、ムスカリ、ユリなど、700万本以上の花々が咲き誇ります。
キューケンホフの歴史は15世紀に遡り、元々はヤコバ・ファン・ベイエレン伯爵夫人の狩猟場として使用されていた土地でした。19世紀には造園家のゾッヒャー父子によって庭園として整備され、1949年に花卉業者の展示場としてオープンし、1950年に一般公開されました。
現在は毎年3月下旬から5月中旬まで開園し、世界100カ国以上から140万人以上の観光客が訪れます。2025年の開園期間は3月20日(木)から5月11日(日)で、期間中は毎日午前8時から午後7時まで営業しています。
キューケンホフはカラフルなチューリップと一緒に、春のオランダらしい記念撮影ができる最高のスポットです。
キューケンホフには決められた経路や時間制限はなく、それぞれが思い思いの時を過ごせます。マップを見ながら効率よく周るのも良いですが、惹かれた景色の方向へ心の赴くままに、冒険のように散策するのも楽しいものです。
また、園内にはレストランやフードトラックもありますが、飲食物を持ち込むこともできるので、花畑を眺めながらのピクニックもおすすめです。私が過去に訪れた際は、芝生の上に大きなクッションが並べられており、青空の下でお昼寝を楽しむことができました。
華やかな花々が織りなす庭園デザイン
キューケンホフでは、色彩豊かな花々に圧倒されます。園内はオランダ王族の名前を冠したエリアに分かれており、辺り一面に花壇が広がるオラニエ=ナッサウ・エリア、池のほとりにチューリップが咲きそろうウィルヘルミナ・エリア、まるでおとぎ話に出てくる森のようなユリアナ・エリアなど、歩くたびに趣の異なる美しい景色が広がります。
庭園のレイアウトは毎年変わり、最新のガーデニングトレンドなども反映されたさまざまなデザインを楽しむことができます。例えば2024年には、地中海の明るい雰囲気を表現した「地中海ガーデン」や、イビザのトロピカルな世界を満喫できる「ビーチガーデン」、愛とロマンスを祝福する「ロマンチック・ミステリー」などが登場しました。2025年はどのようなレイアウトになるのか、とても楽しみです。
雄大な木々と曲がりくねった小道、そこかしこに敷かれたカラフルなカーペットのような花壇を楽しめるイギリス式庭園や、花回廊をくぐりぬけることができる日本庭園もあります。
私が訪れた際は、日本の八重桜とツツジ、オランダのチューリップが隣同士で満開を迎えており、思いがけずお花見を楽しむことができて感動しました。
青紫色のムスカリを群生させて、川の流れを表現した「ムスカリ・リバー」は、キューケンホフの見どころのひとつです(上写真)。ムスカリはブドウの房のような形をした花で、芳醇な香りを漂わせます。
その鮮やかな青紫色と、チューリップやスイセンとの明るい色の組み合わせが生み出すコントラストは、見事なまでの美しさです。キューケンホフの歴史や庭園デザイン、隠れた見どころなどについてもっと詳しく知りたい方は、ガイドツアー(英語)に参加してみてください。オンラインで予約でき、1グループ最大25名まで、60分で175ユーロです。
花の芸術が輝くフラワーショー
キューケンホフのパビリオンで開催されるフラワーショーは、花の芸術が集結した夢のような空間です。園内に点在するパビリオンには、色とりどりの花々が緻密に配置され、その美しさと香りが訪れる人々を包み込みます。
展示されているのは、チューリップをはじめスイセン、ラン、ユリ、菊など、さまざまな植物の切花や鉢植えです。私が過去に訪問した際は、ベアトリクス・パビリオンやオラニエ=ナッサウ・パビリオンで、ランやヒヤシンスのフラワーショーが開催されており、パビリオン内には芳しい香りが漂っていました。
キューケンホフのほぼ中央に位置し、最大の広さを誇るウィレム=アレクサンダー・パビリオンでは、約500種類のチューリップが所狭しと並ぶ光景が圧巻でした(上写真)。
約500の花卉(かき:観賞用花)生産者が切り花や鉢植えを披露するフラワーショーは、珍しいチューリップの交配種や、歴史的に重要な品種が見られる貴重な機会です。ワイングラスのように大きな花を咲かせるものや、魔女の爪のように長く伸びた花弁を持つものなど、これまで見たことのないようなチューリップを間近で眺めることができます。
さらにフラワーショーでは、最新の園芸技術やトレンドが紹介されたり、フラワーアレンジメントのデモンストレーションが開催されたりと、ガーデニング愛好家にとってはインスピレーションの宝庫です。テーマに沿って精巧にデザインされたフラワーディスプレイも魅力的です。
2025年には4つのフラワーショーが開催する予定です。
多様な花や植物の展覧会
- 開催期間:2025年3月20日~5月11日
- 会場:ウィレム=アレクサンダー・パビリオン
ヒヤシンスとチューリップの展覧会
- 開催期間:2025年3月20日~3月25日
- 会場:オラニエ=ナッサウ・パビリオン
アンスリウムとランの展示会
- 開催期間:2025年3月20日~5月11日
- 会場:ベアトリクス・パビリオン
フリージアと菊の展覧会
- 開催期間:2025年3月27日~4月1日
- 会場:オラニエ=ナッサウ・パビリオン
キューケンホフをもっと楽しむ♪
1. 花畑の中のアート作品
キューケンホフの園内には、約60点の彫刻作品が展示されています。そのうち、常設展示は約20点で、残りの作品は2025年の開園に合わせて設置される予定です。花や緑と一緒に心地良いリズムを刻んだり、風景に溶け込んだりと、さまざまな作風で目を楽しませてくれます。
常設作品の中で、私のお気に入りは、チューリップ畑の真ん中に生クリームを2つ絞ったような形をした、カルロ・ファン・ケルフェルの作品『動的平衡』です(上写真)。
公式サイトからは、彫刻作品の位置を記したマップ(2024年版, PDF)をダウンロードすることができます。2025年のマップは3月5日時点ではまだ公開されていませんが、開園にあわせて公開する可能性があります。
2. 子どもが喜ぶ巨大迷路と遊び場
生垣で順路を構成した巨大迷路(上写真)。ヤギ、ブタ、ウサギなどの動物と触れ合える牧場は、お子様連れの方にとって強い味方です!さらに、ターザンロープや滑り台のある遊び場、小さな子どものためのミッフィーの遊び場もありますので、家族みんなでキューケンホフを満喫できます。
公式サイトからは、キューケンホフとミッフィーがコラボした塗り絵をダウンロード(デザイン1/デザイン2)できますので、お出かけの際に色鉛筆とともにバッグに忍ばせておくと役に立つかもしれません。
3.風車から眺めるチューリップ
キューケンホフの東端には、自由に見学できる風車があります。この風車はもともと、フローニンゲン州でポルダー(干拓地)の排水を行うために1892年に建造されました。1975年にキューケンホフの敷地内に移転され、現在は稼働していませんが、17.90メートルの帆は回転可能です。
風車のバルコニーからは、キューケンホフや周辺のチューリップ畑のカラフルな風景を眺めることができます。風車は毎日開放されており、入場は無料です。実はオランダ全国でも、チューリップと風車を一緒に撮影できる貴重なスポットなので、記念撮影をお忘れなく。
4.周辺のチューリップ畑を満喫
【ボートツアー】
キューケンホフのボートツアーでは、近隣農家のチューリップ畑の美しい風景を満喫できます。ツアーは風車の近くにある運河を出発し、花盛りのチューリップ畑を眺めながら45分間のクルーズを楽しむことができます。オーディオガイドは、英語、オランダ語、ドイツ語、フランス語の4ヶ国語に対応しています。
ボートツアーチケット料金: 大人10ユーロ, 子供(4~11歳)5ユーロ, 3歳以下無料。
【サイクリング】
キューケンホフのP1駐車場にはレンタサイクルがあり、周辺エリアをサイクリングできます。子供用の自転車や2人乗りのタンデム自転車、カーゴバイクなどさまざまな種類の自転車があり、ヘルメットやチャイルドシート、自転車用のバッグ、スマホホルダーといったサクセサリもレンタルできます。
キューケンホフの周辺やリッセの町を巡るコース、ポルダーや湖、北海のビーチや砂丘まで行くコースなど、多くのサイクリングコースがあります。果てしなく広がるチューリップ畑やポルダーを眺めながらのサイクリングは爽快です。晴れた日にはぜひ、サイクリングで最高の風景を楽しんでください。
自転車レンタル料金: 3時間11ユーロ, 1日16ユーロ。
※チューリップ畑は農家の私有地ですので、立ち入りは厳禁です。写真撮影などに夢中になって、畑に足を踏み入れないようご注意ください。
5.フラワーパレードを鑑賞
球根地帯で毎年4月に行われる『フラワー・パレード (Bloemencorso Bollenstreek) 』は、春の訪れを祝う賑やかなパレードです。チューリップやヒヤシンス、スイセンなどの花で飾られた山車が、ノールトウェイク (Noordwijk) からキューケンホフを経由し、ハールレム (Haarlem) までの42kmを練り歩きます。
毎年約100万人もの人々が訪れる伝統的なフラワーパレードでは、何十台もの華やかな山車やマーチングバンドを鑑賞することができます。2025年は4月12日(土)に開催され、パレードがキューケンホフ周辺に到着する予定時刻は午後3時45分です。パレードは沿道から無料で鑑賞できます。
フラワーパレードが開催される4月12日にキューケンホフを訪れる方は、午前11時までに入園するようご注意ください。それ以降は、球根地帯の多くの道路がパレードのために閉鎖され、キューケンホフへのアクセスができなくなります。
2025年の見頃はいつ?
キューケンホフの公式サイトによれば、花々の開花は自然のリズムに従い、天候にも左右されるため、正確な開花時期を予測することは難しいとされています。「チューリップ・フェスティバル・アムステルダム」が毎週更新している「開花予報」のページで情報を得ることもできますが、例年通りであれば、チューリップは4月半ばに見頃を迎えます。
また、キューケンホフには多彩な花が植えられているため、どの時期に訪れても美しい風景を楽しむことができます。シーズン初期にはクロッカスやスイセン、ヒヤシンス、早咲きのチューリップを見ることができ、シーズン後半にはヨウラクユリやアリウム、大輪のチューリップなど、遅咲きの品種が開花します。
キューケンホフの周辺にある近隣農家のチューリップ畑の風景を楽しみたい方は、4月上旬までの訪問をお勧めします。チューリップ畑はオランダでは「球根畑」と呼ばれ、球根を育てるための畑です。そのため、4月中旬頃までには球根の収穫準備のために花が刈り取られてしまいます。
キューケンホフは、月曜日から水曜日の午前10時以前と午後4時以降が比較的空いているため、ゆっくりと風景を楽しむことができます。また、朝や夕方の日差しを浴びた美しい花畑で、素敵な写真を撮影することもできます。
【キューケンホフへのアクセス】
キューケンホフの開園期間中は、アムステルダムRAI、スキポール空港、ライデン、ハールレムからシャトルバスが運行しています(料金は12ユーロ、アムステルダムRAI発のみ17ユーロ)。シャトルバスはキューケンホフのエントランス前に停まります。
チケットは事前にオンラインで予約が必要で、出発場所と発車時刻を選んで購入します。復路のバスは当日のスケジュールに合わせて時刻を選べるため、予約の必要はありません。また、往路はライデンから出発し、復路はスキポール空港に帰るといった形で、往復で異なるルートのバスを利用することもできます。
公共交通機関を利用する場合、アムステルダム中央駅からは電車とバスを乗り継ぎ、その後バス停からキューケンホフまで約10分ほど歩く必要があります。また、往復運賃は20ユーロ以上かかるため、時間的にも経済的にもコストを抑えられるシャトルバスの利用をお勧めします。
車で訪れる場合は、駐車場チケット(9ユーロ)をオンラインで購入して、キューケンホフの駐車場をご利用ください。オンライン購入の方が、窓口での購入(14ユーロ)よりもお得で、並ぶ手間も省けます。
【2025年のチケット料金】
チケットは公式サイトで購入でき、窓口で購入するよりもお得です。また、キューケンホフは非常に人気が高いため、当日の窓口ではチケットが売り切れる可能性があります。日時指定が保証されるオンラインでの事前購入をお勧めします。
まとめ
オランダのキューケンホフは「世界で最も美しい春の庭園」として、多くの人々に愛されています。約700万本の花々が咲き誇り、ガーデンデザイナーによって演出された絵画のような風景が訪れる人々を魅了します。
2024年に75周年を迎えたキューケンホフでは、これまで以上に訪れる人々に新たな驚きと感動を提供する取り組みが進んでいます。2025年には、ぜひチューリップが満開のキューケンホフで春の訪れをお祝いしてください。
施設情報
キューケンホフ Keukenhof
- 所在地:Stationsweg 166A, 2161 AM Lisse
- 開催期間:3月20日~5月11日(2025年)
- 開園時間:8:00~19:00
- 定休日:無し
- 入園料:大人 20ユーロ, 4~17歳 9ユーロ(いずれもオンライン価格)
- アクセス:アムステルダムRAI、スキポール空港、ライデン、ハールレムよりシャトルバス
- 公式サイト:キューケンホフ Keukenhof
※16歳以下の入園は保護者の同伴が必要です
※施設の詳細やアクセス方法などの掲載内容は2025年3月時点のものです。最新情報については、必ず公式サイトなどでの確認をお願いいたします。
※本記事に掲載されている写真はすべてキューケンホフの提供によるものです。
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Kayo Temel
- オランダ在住。アムステルダムの美術アカデミーで絵画を学び、イラストレーターとして活動中。20年の在蘭経験を活かして、オランダを満喫するためのローカルな情報をお届けします。