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名古屋港水族館の見どころは? 生き物の種類やイベントなども紹介

中部地方の海の玄関口、名古屋港は陸地の面積(臨港地区)が日本で最も大きい港です。このベイサイドにある名古屋港水族館にも日本最大を誇る水槽があり、海に暮らすたくさんの生き物が展示されています。
愛らしいイルカや迫力満点のシャチ、日本国内でここにしかいない海の生き物や、クジラの祖先の骨格標本など、学びとエンターテイメントが盛りだくさん。それだけに、事前に見どころを押さえておかないと、見逃してしまうポイントも出てきてしまいそうですよね。そこで実際に名古屋港水族館をくまなく回り、見どころをチェックしてきました! 参考にしてみてください。
目次
1. 名古屋港水族館の施設に関する見どころ
名古屋港水族館は、北館と南館に分かれています。北館は35億年におよぶ生物の歴史をたどり、陸へあがった哺乳類のうち、再び海へ戻った鯨類の進化を紹介しています。南館は「南極への旅」がテーマで、名古屋港ガーデンふ頭に係留している「南極観測船ふじ」が南極へ向かったコースをたどります。日本の海を出発し、深海や赤道の海をこえて南極の海まで、それぞれ異なる環境にすむ生き物を見ることができます。
大型ディスプレイまである「メインプール」
<北館3階のメインプール。2階からは水中の様子も見られる>
名古屋港水族館の目玉のひとつ「メインプール」では、イルカパフォーマンスや シャチの公開トレーニングを見ることができます。メインプールは、幅60m、奥行き30m、最大水深12mという日本最大のスケールを誇ります。この大きなメインプールを囲む3階のスタジアムは約3,000人を収容し、イルカたちがメインプールを自由自在に泳ぎ、ジャンプなど見せてくれるパフォーマンスを楽しめます。
2階ではメインプールを水中から見ることができました。お天気が良いと日差しがプールに差し込んで水中がキラキラと輝きます。光に包まれた水の中をイルカたちが楽しそうに泳ぐ姿はとても幻想的で、時間が経つのを忘れて見入ってしまうほどです。
<見どころを押さえた絶妙なカメラワークにも感動!>
パフォーマンスで注目すべきは、メインプールの中央に設置された縦8.6m、横14.7mの大型ディスプレイ。大画面には、水上3台、水中1台のカメラがとらえたイルカやシャチの様子が映し出されます。ジャンプを披露するイルカやシャチが巨大なプールを勢いよく水面に向かってぐんぐん泳ぎ、水上へ高く跳ね上がる瞬間までがシームレスに見ることができました。
パフォーマンスの見どころを押さえた絶妙なカメラワークのおかげで、広いスタジアムの端の席に座っていてもイルカやシャチの様子が大画面を通してよく分かります。また、ひとつひとつの種目の直後にはリプレイ映像を流してくれるので「プールが広くてイルカを目で追いきれなかった!」ということがあっても安心です。
1階から3階まで全部水槽!「サンゴ礁大水槽」
南館には1階から3階まで高い吹き抜けの巨大な水槽「サンゴ礁大水槽」があります。1階からガラス張りのトンネルに入ると、頭上から光が降り注ぎ、さまざまな色や形をした魚がゆったりと泳ぐサンゴ礁の世界が広がります。サンゴ礁のモチーフになっているのは、オーストラリアのグレートバリアリーフ。世界最大のサンゴ礁が育む海の生命のゆたかさや多様性が感じられます。
<美しいサンゴ礁大水槽を守る縁の下の力持ち>
午前中に「サンゴ礁大水槽」を訪れると、飼育係の方が水底をきれいに掃除しているところに遭遇! このような日々のメンテナンスあってこそ、サンゴ礁に生きる魚たちの美しさが際立ち、訪れる私たちに感動を与えてくれるのでしょう。
貴重な骨格標本の展示
北館の入口からイルカとベルーガが暮らすプールの間を抜けて進むと「進化の海」という展示コーナーがあります。まず、その大きさと存在感で目を引くのがシャチの模型と骨格標本です。名古屋港水族館に展示されている鯨類に関する骨格標本の数は国内有数の多さで、このシャチの骨格標本は、許可を得てアイスランドの北部海岸に漂着していた個体から作られたのだそうです。
<クジラの祖先は陸を歩いていた!>
こちらは、5300万年前のクジラの祖先「パキケタス」の骨格標本です。手前に展示されている模型を見ると、どことなくバクに似ているようにも。「パキケタス」は四本足で陸を歩くことができ、鼻は顔の先端にあったそうです。
進化の海では、年代とともに進化する様子が系統図のパネルにまとまっていたり、シャチの体の仕組みについてタッチパネル式のモニターで紹介しています。とても詳しい内容がそろい、"クジラ博士"になれそうなマニアックなものも。北館のテーマ「35億年はるかなる旅」の核をなす、学びの醍醐味がここにあります。
名古屋港が一望できるフードテラス「トータス」
南館3階のフードテラス「トータス」には、「味噌カツ丼」や「きしめん」など名古屋名物グルメや丼ものや麺類などの軽食メニューがそろっていました。店内の奥には大きな窓が広がり、外には港に係留させたオレンジ色の「南極観測船ふじ」が見えるほか、館内のウミガメ回遊水槽を見下ろすことができます。明るく開放的な店内でゆっくり過ごせば、歩き疲れた体もリフレッシュできます。
<かわいすぎて飲むのがもったいないベルーガラテ>
写真は、ラテアートに人気のベルーガをあしらったベルーガラテ520円(左)とスイートクリームチーズ味のプレッツェル480円(右)です。ソフトクリームやタピオカドリンクなどカフェメニューも充実していました。
訪れたのは平日でしたが、ランチタイムはほぼ満席でした。来館者の多い休日や長期休暇にはもっと混みあうことが予想されます。ゆっくり過ごしたい方は、ランチタイムから少し時間をずらしてみたり、「トータス」の横にある飲食可能な無料休憩所を利用したりするのもいいかもしれません。
2. 名古屋港水族館の生き物に関する見どころ
名古屋港水族館には、ベルーガ、シャチ、イルカといったクジラの仲間のほか、絶滅危惧種のケープペンギンや世界で初めて繁殖に成功したナンキョクオキアミといった珍しい海の生き物も暮らしています。ここでは、名古屋港水族館の見どころとして、「シャチ」「クラゲ」「ベルーガ」について紹介します。
日本で一番大きなシャチ
名古屋港水族館で暮らしているシャチは、オスの「アース」とメスの「リン」の2頭。アースは2008年生まれの16才で体長は6mもあり、日本で一番大きなシャチです。
<壁の隙間からザパーンと水しぶきを上げてジャンプするシャチに遭遇>
北館2階のシャチプールで、アースとリンが水中で泳ぐ姿は、仲睦まじい兄妹のよう。また、シャチプールは3階から水上の様子が分かるようになっていて、体温測定などの健康管理の様子や公開トレーニングを見ることができます。公開トレーニングのあと、3階シャチプールのそばを通りがかったところ、ジャンプをして遊んでいる姿を通路の壁の隙間からたまたま目撃できました。
幻想的な「くらげなごりうむ」
南館2階からエスカレーターで下りると「くらげなごりうむ」があります。「くらげなごりうむ」の文字が黒壁にゆらゆらと映し出される入口を抜けると、その先には水槽の中で美しい照明によって幻想的に光るクラゲたちが出迎えてくれます。ここでは、実に約15種500点もクラゲが展示されています。
<ゆらゆら幻想的なクラゲに心なごむ時間>
小さな赤ちゃんクラゲから成体のクラゲまで、成長の様子も観察することができます。水の中でゆらゆらと漂うクラゲを眺めていたら、日々の慌ただしさや疲れが消えて身も心もスーッと軽くなるような癒しのひとときになりました。
頭にメロン?のベルーガ
ベルーガは別名シロイルカとも呼ばれ、その名前から分かるように真っ白な体をしています。愛嬌たっぷりでいつも楽しそうに微笑んでいるような顔に、見ているこちらも思わず笑顔になってしまいそう。名古屋港水族館を代表する愛らしい人気者です。北館2階のベルーガプールでは、プールの前に立って眺める私たちに向かって泳いでくるような人懐っこさを何度も見せてくれました。
<頭の上にある丸くてぷよぷよした部分がメロンです>
まるくぷっくりとしたベルーガの頭には、「メロン」と呼ばれる器官があり、とくにオスのベルーガはメロンが大きくなります。仲間とのコミュニケーションやエサになる生き物との距離を測るために出す音波をコントロールするはたらきがあります。
ベルーガの鳴き声は、キュー!キュー!と高い音やウオー!という叫び声のような音を出してとても賑やか。公開トレーニングやトレーニングのあともしばらくの間は鳴き声を聞くことができますよ。
3. 名古屋港水族館で見逃せないイベント
水族館の魅力といえば、海の生き物が見せてくれるパフォーマンスの時間も欠かせません。あるときは息をのむ迫力ある動きで、またあるときは愛嬌たっぷり愉快な姿で、私たちの目を楽しませてくれます。
ここでは、名古屋港水族館を訪れたらぜひチェックしてほしいイベントの見どころをピックアップして紹介します。
シャチやイルカの大迫力パフォーマンス
北館3階のメインプールで催されるのが、イルカパフォーマンスやシャチの公開トレーニングです。日本最大を誇るメインプールを元気いっぱい泳ぎまわって、水上6mもの高さまでジャンプしたかと思えば、スタジアム正面のステージに上がってブレイクダンスのような見事な技を見せてくれます。15分ほどのイルカパフォーマンスは、一瞬たりとも見逃せません。
名古屋港水族館では、パフォーマンスの瞬間が大画面のリプレイ映像で楽しめるのも見どころのひとつ。水中1台、水上3台のカメラがイルカたちのパフォーマンスを最高のアングルでとらえているので、数秒後にはスタジアム正面の大型ディスプレイに映しだされます。もし、クライマックスの大ジャンプを見逃してしまっても大丈夫です。
公開トレーニングの様子をチェック
同じく北館3階では、スタジアム席から見てメインプール奥にあるシャチプールでアースとリンの公開トレーニングが行われます。1頭ずつ交互にジャンプしたり、端にあるステージへ豪快に上がってその大きな姿を見せてくれたりします。大きな体が水面に上がるたびに水しぶきがザパーンと跳ね上がり、そのスケールは息をのむほど豪快! シャチの迫力ある動きを目で追いかけているうちに15分間があっという間に過ぎてしまいます。
<ベルーガの愛らしい動きや表情、必見です>
メインプール横の屋内施設はベルーガプールで、ここでも公開トレーニングが行われます。首を縦や横に動かしたり、頭の上にある大きくて丸いメロンと呼ばれる器官をうまく使ってボールで遊んだりするベルーガの姿が愛らしくてたまりません。
華麗なるマイワシのトルネード
南館2階にある「日本の海」のコーナーには「黒潮大水槽」があります。日本周辺の海を切り取ったようなで、イワシ、サバ、サメといったおなじみの魚たちが悠々と泳いでいます。
ここで人気のイベントが「マイワシのトルネード」です。イベント時間が近づくと黒潮大水槽の前には多くの人が座ってスタンバイ。スタッフの方による説明が終わると、季節によって演出の異なるライトアップとともにマイワシのトルネードが始まります。
エサを入れた袋を飼育係のスタッフが水中で巧みに動かすと、袋からこぼれ出たエサに無数のマイワシが群がってまるで竜巻のよう。緑や黄色のライトに照らされて生き生きと泳いだり、真っ赤なライトで妖艶な姿を見せたり、さまざまな表情で楽しませてくれます。水族館の中ではわりと地味な存在ともいえる小さなマイワシですが、その習性を生かした演出で、一躍、全国的にも有名なパフォーマンスとして知られるようになりました。
質問にも答えてくれる!ダイバーコミュニケーション
南館1階の「サンゴ礁大水槽」で行われるダイバーコミュニケーションは、水中カメラを手にしたダイバーが生き物たちの姿を撮影しながら解説してくれます。水槽の外で進行を務めるスタッフとリアルタイムでやりとりしながら、魚たちの「今」を目の前で見るような臨場感が楽しいイベントです。
この日は、紹介していた魚がサンゴ礁の奥へ消えてしまい、ダイバーの水中カメラで追えなくなってしまいました。こうしたハプニングもリアルタイムならでは。イベントの後半では質問タイムもあり、近くで見てみたい生き物や聞いてみたいことを直接ダイバーにリクエストできます。
ペンギンのお食事風景
北館2階から外に出ると「しおかぜ広場」の一角では、ペンギンのフィーディングタイムが行われます。ペンギンといえば、寒い南極の生き物というイメージですが、ここにいるのは暑さに強いペンギン。アフリカに生息するケープペンギンのエサやりを見ることができます。
飼育係のスタッフが魚の入ったバケツをもって中へ入ると、ケープペンギンが我も我もと近づいていきます。スタッフは、近寄ってきたペンギンに魚を口にくわえさせると、その翼(フリッパー)についたバンドを見て、番号を記録係のスタッフに伝えます。バンドには色分けされたタグが付けられていて、それぞれが数字を表し、個々のペンギンを見分けられるようになっています。
寒さに強いペンギンたちは、南館3階「南極の海」にあるペンギン水槽にいます。ここでも決まった時間に始まるフィーディングタイムがあります。しおかぜ広場と同じようにフリッパーバンドをチェックしながら、どのペンギンに魚を与えたか記録しながらエサやりが行われています。
4. 水族館の「シネマ館」では映画が観られる!
(写真提供:公益財団法人 名古屋みなと振興財団)
名古屋港水族館の中には、無料の映画館「シネマ館」があります。南館の2階と3階から入ることができ、縦およそ12m、横およそ22mの巨大なスクリーンで映画を楽しむことができます。シネマ館に入るために別途料金を支払う必要はありません。
直近で上演された作品の例として、2024年に「南極大陸~未知の世界へ~」(© BBC NHU © Espen Rekdal © John Brown © Stephen Bradley © 2020 Antarctica, LLC)、2023年に「海竜王 モササウルス」(制作・配給:D&Dピクチャーズ/制作協力:NHKエンタープライズ/映像提供:NHK)という海にまつわる映画があります。
現在は、長期の連休をメインに不定期で上演されています。シネマ館で大迫力の映像を楽しみたい方は、公式サイトやSNSでスケジュールをチェックしてから来館してください。
以上、名古屋港水族館の見どころをご紹介しました。多種多様な海の生き物が生き生きと暮らし、愛らしい姿や迫力のパフォーマンスを披露してくれる名古屋港水族館には見どころがたくさんあります。ぜひ行って、実際に見て、体験してみてください。
5. 「名古屋港水族館」の基本情報
最後に、名古屋港水族館の基本情報と行き方です。
- 住所:〒455-0033 名古屋市港区港町1-3
- 開館時間:通常期(春休み~11月末)9:30~17:30、GW・夏休み9:30~20:00、冬期(12月~春休み前)9:30~17:00
※入館は閉館時間の1時間前まで受付 - 入館料金:大人・高校生2,030円/小・中学生1,010円/幼児(4歳以上)500円
※団体料金、年間パスポート、4施設共通チケット(名古屋港水族館・南極観測船ふじ・名古屋港ポートビル展望室・名古屋海洋博物館)などもあります。詳しくは公式サイトでご確認ください。 - 休館日:毎週月曜 ※祝日の場合は翌日
GW期間、7月~9月、春休み・冬休み期間中は無休
※冬期にメンテナンス休館があります。 - 公式サイト:名古屋港水族館
「名古屋港水族館」への行き方
<電車 名古屋駅から>
- 地下鉄名港線・地下鉄名城線金山方面(左回り) 名古屋港駅3番出口より徒歩5分
- 名鉄線・JR線金山駅にて地下鉄乗りかえ、名港線名古屋港駅3番出口より徒歩5分
<電車 セントレア(中部国際空港)から>
- 名鉄常滑線金山駅にて地下鉄乗りかえ、名港線名古屋港駅3番出口より徒歩5分
<自動車>
- 名古屋高速道路 港明ICから約10分(築地口・名古屋港方面)
- 伊勢湾岸自動車道 名港中央ICから約20分(築地口方面、築地口交差点を右折直進)
- 知多半島道路 大高ICから約20分(国道23号線四日市方面、築地口交差点を左折直進)
- 駐車場:ガーデンふ頭駐車場またはガーデンふ頭西駐車場が利用可能
料金は、どちらも30分につき100円、24時間ごと上限額1,000円です。
ガーデンふ頭駐車場の入庫は8:00~21:00まで、出庫は24時間可能。ガーデンふ頭西駐車場は、24時間入出庫可能。
※混雑時には臨時駐車場を案内される場合があります。
※本記事は2025年2月20日時点の情報のため、最新情報は公式サイトでご確認ください。
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高橋尚美
- 愛知県生まれ。大学進学をきっかけに上京し、卒業後はIT系雑誌の広告営業やWebメディアの広告企画の仕事に就く。結婚・出産を経て、2009年に岐阜市へ移住し、2017年からフリーランスライターとして活動を始める。現在、フリーペーパーやWebメディアでインタビュー記事を中心に執筆し、子育て・教育・食・健康・住まいなどの分野を得意とする。