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極彩色と祈りに満ちた魂の祭典 - 死者の日、メキシコからアメリカ・フロリダへ

今回、私が訪れたのは、色彩と祈りに満ちた魂の祭典「死者の日」です。ディズニー映画「リメンバー・ミー」の題材にもなり、日本でも知られるようになったこの祭りは、メキシコを中心にラテンアメリカ諸国で盛大に祝います。
有名なのはメキシコですが、今回はアメリカのフロリダ!。フロリダは、中南米からの移民が多く、メキシコ人もかなり多いと言うのもあって、あちこちでスペイン語が聞こえてくるくらいアメリカとラテン文化の融合を感じる場所です。
目次
そもそも死者の日とは?
死者の日は、日本のお盆に似た「亡くなった家族や先祖の魂を弔う行事」です。毎年11月1日と2日の2日間、死者の魂が現世に戻ってくると信じられています。
1日には子供の魂が、2日には大人の魂が戻ってくるといわれ、各家庭やお墓ではマリーゴールドやキャンドル、故人の好物などを飾った祭壇「オフレンダ」を設けて、盛大な歓迎の準備で死者を迎えます。
メキシコ、オアハカでの死者の日
<友人のフラワーメイクをしているところを撮らせてもらいました。メキシコ・オアハカにて>
私が初めて死者の日を体験したのは、メキシコのオアハカでした。以前に記事を書かせて頂いたのはこちら。>>【死者の日】カトリーナメイク体験!骸骨メイクアップの相場と、路上メイク場所情報。
街中がマリーゴールドの鮮やかなオレンジ色に染まり、ガイコツを模した砂糖菓子「カラベラ」や色とりどりの装飾で溢れかえります。
夜には墓地がキャンドルの灯りで幻想的に照らされ、人々は家族で集まって故人を偲び、語り合い、歌い、踊ります。その光景は、死を悲しむのではなく、故人との絆を祝い、再会を喜ぶ、今までのお盆やお葬式といった概念とは全く違う体験でした。
そんな「死者の日」の体験ですが、2回目はアメリカです。
アメリカで出会った死者の日
<有名なメキシコ人芸術家のフリーダ・カーロの仮装をした方 大量のバラの背景も自前!?>
2024年の死者の日はアメリカに滞在していたため、死者の日をアメリカで体験することにしました。近くの町で死者の日をお祝いするというので、実際に行ってみました。
<一番目立っていた青と白のドレスの方、メイクもめちゃくちゃ完成度が高い>
メキシコほど大規模ではありませんが、アメリカでも多くの町で死者の日を祝います。特に、メキシコ系アメリカ人が多く住むフロリダでは、母国に思いを馳せたメキシコからの移民を中心に、地元の人も「死者の日」にちなんで骸骨の衣装を着た人々でにぎわいました。
<骸骨メイクに白髪のロングヘアーがとてもかっこいい>
アメリカで印象的だったのは、オフレンダの多様性です。家族の写真を飾った伝統的なオフレンダはもちろん、学校での銃乱射事件の犠牲者を追悼するオフレンダや、社会問題に対するメッセージを込めたオフレンダなど、アメリカらしい多様な表現が見られました。
<マリアッチを披露するメキシコのバンド>
その他にもステージではメキシコ音楽と言えば!というマリアッチ(メキシコ民族音楽、またはそれを演奏する楽団の総称)が披露されたり、衣装を着た人々が音楽隊と共にパレードをしたりと、さまざまなプログラムがあり楽しい時間になりました。
文化が交差する場所で
<会場の様子、普段は駐車場の場所には出店とステージが設置されてお酒を飲んだりして楽しめます>
アメリカの死者の日は、メキシコの伝統とアメリカの文化が融合した、独特の魅力を放っています。メキシコから伝わった伝統を大切にしながらも、アメリカ社会の現実や多様性を反映した、新しい形の死者の日が生まれているのかなと感じました。
文化が交差する場所で、伝統がどのように変化し、新しい意味を生み出していくのか。死者の日は、そのダイナミズムを象徴する祭りです。
今回の死者の日について
開催地 Lake Worth Beach HATCH 1121
- 住所: 1121 Lucerne Avenue, Lake Worth Beach, FL 33460
- 電話: +1 561-493-2550
- 営業時間: 15:00~21:00
- 入場料: 無料
最後に
<カップルでペアの骸骨衣装を着た人も多かった>
死者の日は、メキシコやアメリカだけでなく世界中の多くの地域で祝います。日本のお盆の雰囲気とは全然違い、飲んで歌ってお祭り騒ぎになります。
その中でも先祖や死者の霊をお迎えして、一緒に過ごすというのは共通しているのが面白い部分ですよね。
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Ai Nishino
- メキシコ大好きな旅するフォトブロガー。25歳の時に、青年海外協力隊としてタンザニアで2年間職業訓練校にて活動。そして、バックパッカーに。英語、スワヒリ語を話し、スペイン語を習得中です。ライター、デザイン、翻訳などをして海外ノマド旅中。AiWorld Exploreというサイトを運営。