スコットランドでオーロラを楽しもう!スマホでオーロラ撮影

イギリスオーロラ

赤や緑や白の光が空を踊っている神秘的なオーロラを一度は観てみたいと思いませんか? オーロラと言えば、フィンランドやアイスランドが有名です。でも近年なんとスコットランドやイングランド北部でも観られるんですよ。

イギリスに学生時代留学していた時には、オーロラを観られるのは、イギリスでも最北端のシェットランド諸島くらいしか聞いたことがありませんでした。

この数年は年に数回スコットランドやイングランド北部で、また運がよければイングランド南部でも楽しめる機会があります。

イギリスでオーロラが観られる理由、そしてどの様にイギリスでオーロラを楽しむことができるかをご紹介します!

目次

オーロラとは?

プロのオーロラ写真
<プロの撮影したオーロラ写真>

オーロラというと、赤や緑や白の光が空を踊っている北緯の高いところで観られる光の現象というイメージではないでしょうか?私にとっては、オーロラはフィンランドやアイスランドまで行って観る、または飛行機で北回りの航路を通った時に運よく観ることができるというものでした。

オーロラの正体は一体どんなものでしょうか?

ウイキペディアによると、「オーロラ(英:aurora)は、天体の極域近辺に見られる大気の発光現象である。極光(polar lights) または観測される極域により、北極寄りなら北極光(英: northern lights)、南極寄りなら南極光(英: southern lights)ともいう。」と定義されています。

環境省の説明によると、「太陽風が地球に届くと、その一部のプラズマが地球の大気に飛び込みます。プラズマと大気を作っている酸素や窒素とがぶつかると白や赤や緑の光が出ます。それがオーロラの正体です。」とあります。(引用:オーロラの不思議

オーロラが頻繁に出現する北緯65~80度付近の北極圏のエリアは「オーロラベルト」と呼ばれているそうです。このオーロラベルトにある国は、フィンランド、カナダ、スウェーデン、ノルウェー、アイスランド、アラスカです。

何故オーロラがイギリスでも観られるようになったの?

太陽フレア
<太陽フレア>

オーロラは本来は北極圏に発生するものですが、太陽フレアと呼ばれる太陽の表面で発生する爆発現象が活発になると、それに伴う強い磁気嵐が発生して、より緯度の低い地域からもオーロラが観測できることがあり、これを低緯度オーロラと呼ぶそうです。  

イギリスは北緯49度から61度に位置していますので、オーロラベルトよりは南です。しかし、日本最北端、稚内市の宗谷岬は北緯45度31分ですので、イギリスは、日本より北で、樺太の真ん中から北という北の国です。 

そのため、太陽フレアが起きた時、イギリス、特にイギリスでも北のスコットランドやイングランド北部でもオーロラを観ることができるわけです。

太陽は約11年周期で活動が活発になったり弱まったりするそうです。太陽は2019年12月に極小期となって以降、徐々に活発になり、2024年には太陽が極大期に入り、大規模な太陽フレアが発生しやすくなっているらしいです。 

これからあと1年は太陽フレアが発生すると言われていますので、2025年はイギリスでオーロラが観測できる機会はまだあります。

イギリスでどうやってオーロラを観察するの?

2024年10月10日観測された緑のオーロラ
<2024年10月10日の緑のオーロラ>

2024年5月10日そして10月10日は、イギリス全土でオーロラが観測、10月10日は北海道でも観測したと話題になった日で、より高緯度のイギリスではとても鮮やかなオーロラを観測しました。他の日にも、緯度の高いスコットランドでは色は薄いのですが、オーロラを数回観ることができました。

イギリスでオーロラの見える時期は一般的には9~3月です。しかし、磁気嵐が強い時でなければならないため、毎日見えるわけではありませんし、見える日でも一晩中見える訳ではありません。

オーロラが綺麗に観れる場所は、光が少なく北方向に視界の開けている場所です。綺麗に観えるところまで行って出現を待つことになりますが、いつ出るかのかわからずに無駄に待って、とにかく寒いという現実がありました。

そこで、イギリスで流行っているのが、オーロラ予測アプリ Aurora Watch UKです。

2024年10月10日のオーロラWatch警告
<2024年10月10日のオーロラWatchの警告画面>

このアプリは、イギリスのランカスター大学の宇宙惑星物理学科が提供しているサービスで、時間毎に磁気波の強さを示し、イギリス国内でオーロラを観られる時に警告を出しています。

警告の段階が4つ

Aurora Watch UKの警告
<オーロラWatch警告>

オーロラ出現の時間にならないと警告は出ません。オレンジや赤の警告が出たら、観える場所に急いで移動することになりますが、警告が出てもオーロラが観えるのは夜暗くなってからです。雲が多ければ観ることはできないため、警告が出ても見えるとは限りません。

また、イギリスは夏は日が長く、夜の11時くらいまで明るいので、赤の警告が出ていても暗くなるまで見えません。冬は逆に午後の4時くらいから暗くなるため、見える可能性が高まります。

オーロラ観測が流行っているため、赤の警告が出る時に、イギリスのニュースで1日ほど前から可能性について報道されることがあります。報道を聞いてアプリのオーロラ警告の状況を確認しながら観測する場所まで行くこともできます。

オレンジでもオーロラが観られる場所は、ヨークあたりからのイングランド北部とスコットランドです。スコットランドでは北に行けば行くほど、黄色でもオーロラが観られます。

2024年に赤の警告が長い間出たのが、5月10日と10月10日です。この両日はイギリス全土で見ることができたとソーシャルメディアでたくさんの写真が投稿されていました。

カメラで見えるとはどういう意味? 

警告の内容に「カメラで見える可能性があります」という表示は、どういう意味なのでしょう。実は、カメラだと肉眼では見えないほどの薄いオーロラでも、カメラで撮影することによって、光を集めることができるため、カメラで写すことでオーロラが観測できるのです。

プロの写真家は、シャッタースピードを長く設定して美しいオーロラの写真を撮りますが、素人のカメラはオートフォーカスなので、フォーカスできないためシャッターもおりない状態になります。そのため、オーロラ観測は限られた場所と人によるものでした。

近年オーロラ観察がイギリスで人気が出てきた理由は、スマホでもオーロラが簡単に撮れるようになったからです。特にオーロラ撮影に強いのはiPhoneといわれ、iPhone11から搭載されたナイトモードは、スマホでもオーロラを撮れます。(現在は他メーカーのスマホでも対応可能。)

ナイトモードにして、シャッタースピードを10秒にすると本当に写るんですよ。

オーロラの観測

2024年9月13日のオーロラ
<2024年9月13日のオーロラ>

私の住んでいるエジンバラは、スコットランドなので緯度が高い街です。そのためオレンジの警告が出ている時はオーロラが見えます。最初はオレンジが出ると、寒い冬に街の光の少ない丘まで急いで登っていましたが、結局あまり綺麗に見ることができないことが何度かあり、正直やる気を失っていました。

iPhoneのナイトモードでオーロラ撮影のことを聞いた後、オレンジ警告が出た日に家の中から北の空を見てみると、少し赤や緑になっているなと思い、試しにiPhone11を通して見たらもっと色濃く見え、そしてオーロラの写真がしっかり撮れました。

2024年10月27日観測されたオーロラ
<2024年10月27日のオーロラ>

もちろん、街中からこんな感じですので、光のないところまで行けばスコットランドでは肉眼でも綺麗に見えます。赤の警告の時は、エジンバラの街中でも肉眼で見ることができます。2024年10月10日に家の中からiPhone11で撮った写真をご紹介します。 

2024年10月10日の緑のオーロラ
<2024年10月10日の緑のオーロラ>

2024年10月10日の赤と緑のオーロラ
<2024年10月10日の赤と緑のオーロラ>

2024年10月10日カーテン状のオーロラ
<2024年10月10日のカーテン状のオーロラ>

2024年10月10日緑のフリルのあるオーロラ
<2024年10月10日の緑のフリルのあるオーロラ>

オーロラの色の出方は、時間によって刻々と変わります。

10月10日は、22時に肉眼で見えるほどに強く出ました。最初は緑が強いオーロラで、普通はオーロラはしばらくすると観えなくなりますが、この日は強い時と弱い時はあり、ずーっとオーロラが出ています。 

10月11日となったの00:30くらいに、今後は赤いオーロラが肉眼でしっかりと見え、雲が出るまで30分くらい観測できました。なんと、10月10日はロンドン近辺でもスマホを使って見られたという人もいました。(肉眼は無理です)

2025年1月1日には、スコットランドで特にピンクのオーロラを観測。元旦にオーロラ、良い年になる予感がします。(この時はイングランド南部では観えなかったようです。)

2025年1月1日のピンクのオーロラ
<2025年1月1日のピンクのオーロラ>

太陽フレアは2025年も続くそうなので、イギリスでオーロラが観られる確率の高い状態も続くようです。イギリスいらっしゃる機会があればオーロラを是非楽しんでくださいね。

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Sachiko

名古屋市出身、海外滞在歴30年、38カ国490以上の都市を訪れました。多趣味で、アート系のクラッシック鑑賞、バレエ・ダンス鑑賞、美術鑑賞、アンティーク収集から、スポーツ系のテニス・ダイビング、グルメまで色々なことが好きですので、様々な視点で皆様に旅の楽しさがお伝えできればと思っています。猫2匹をインドネシアで拾い、スコットランドまで連れてきました。現在はスコットランドのエジンバラに在住。スコットランドの魅力を皆さんにお届けできればと思っています。

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