フランス旅行基礎の基礎!学校カレンダーチェック

<TOP画像:美しい地中海 ©Kanmuri Yuki>

今日は、フランス旅行計画中、あるいは計画予定の方に、ぜひ知っておいてもらいたい基本の基本についてお話しします。それは通称「学校カレンダー」なるもの。フランス人も旅行や移動計画前に必ずチェックするポイントです。

「学校カレンダー」とは、簡単に言えば学校の休暇時期を定めたもの。フランスには、A、B、Cと3つのスクールゾーンがあり、休暇時期がゾーンごとに異なります。学校カレンダーは毎年教育省が定めて発表します。

目次

3つのスクールゾーン

機窓からみたフランス
<機窓からみたフランス©Kanmuri Yuki>

3つのゾーンのうち、Aゾーンはフランス中央から南部にかけて、ディジョンやリヨン、ボルドーなどが含まれる地域。Bゾーンはパリを除くフランス本土北部と南東の端、ストラスブール、アミアン、ブルターニュ全体、ニースなどが含まれる地域。

Cゾーンは、パリとその周辺のイル・ド・フランスと南西部のトゥールーズやモンペリエをカバーする地域です。

地名を見ただけではわかりにくいと思うので、下の公式URLを開いて地図をご覧ください。この地図でいうと、オレンジ色の地域がAゾーン、水色地域がBゾーン、若草色地域がCゾーンとなります。

公式サイト:フランスのスクールゾーン地図

フランスの学校の休暇は5つ

駅の混雑
<駅の混雑 ©Kanmuri Yuki>

フランスの学年度は、9月に始まり7月頭まで続きます。バカンスと呼ばれる休暇は、5種類。9月の年度始まりから数えると、11月頭の全聖人の祝日休暇、クリスマス休暇、冬休み、復活祭休みと2週間の休暇が4回。

そうして最後に2か月弱の夏休みがあります。これらは全国すべての幼稚園、小中高等学校に共通しています。5つの休暇のうち、ゾーンによって日程が異なるのは、冬休みと復活祭休みの2つです。それ以外の3つの休暇の時期は全国共通です。

この学校カレンダーは、毎年教育省が公式サイトに発表しています。たとえばこの記事を書いている2024年12月頭の時点で発表されているのは、2024~2025年度カレンダーと、2025~2026年度カレンダーの2種類です。つまり2026年9月以降の休暇時期はまだ決まっていません。

フランス教育省公式サイト:学校カレンダー

フランスでカレンダーやスケジュール帳を買うと、たいていこの学校カレンダーが併記されています。

薄れつつあるカレンダー売りの風物詩

余談ですが、フランスでは秋も深まる時期になると、消防隊員や郵便配達人らがカレンダーを売って周る風習があります。

必要なければ断っても構いませんが、彼らにとってボーナスとなる収入源なので、大抵の市民は少なくとも1つは購入していました。ただ、最近では残念なことに、偽カレンダー売りやこれを悪用して押し入るような犯罪も起きています。

2025年のカレンダー
<2025年のカレンダー©Kanmuri Yuki>

それでも我が家では今年、伝統にのっとって、上の写真の小さなカレンダーを購入しました。上の段には左から順に1月から6月、下の段には7月から12月までの月が並び、それぞれの日付がその下に縦に書かれています。

日付けの右端に3色の線が引かれているのがわかるでしょうか。これがゾーンごとの休暇日程です。

旅行計画で考慮するべき点

高速道路の混雑
<高速道路の混雑 ©Kanmuri Yuki>

カレンダーの説明が長くなりましたが、ここから旅行を計画する時何に気を付けるべきかをご説明します。簡単にまとめれば、注意点は下の3つです。

  1. まず、フランス旅行の日程が決まったら、フランスの学校休暇と重なっていないかどうかをチェックする。
  2. もし重なっている場合は、学校休暇中の週末移動は可能な限り避ける
  3. 重なる部分での移動手段(電車飛行機)や宿泊施設は、できるだけ早く予約する。

特に注意したいのは、パリが入るCゾーンの休暇期間です。夏休み以外の休暇は2週間なので、週末を3つ含みます。休暇最初の週末はパリから各地に向けての電車や道路が、休暇終りの週末は逆にパリに戻るルートの交通機関が混雑します。休暇の真ん中の週末もまた、往路復路ともに混雑します。

休暇によって異なる注意点

休暇によっても混雑具合は異なります。何と言ってもバカンスに出かける人が多いのは夏の休暇ですが、期間が長い分、ある程度は分散します。全聖人の祝日や復活祭の休暇は、休みを取らない人も多いので、他の休暇と比べれば混雑は少しましです。

また2月前後にある冬休みはスキーに行く人が多いので、アルプスやピレネーなど雪山方面の交通機関が混む傾向がありますが、この休暇は3ゾーンで時期がずれているので、混雑もある程度分散されます。

クリスマスの飾りつけ
<クリスマスの飾りつけ©Kanmuri Yuki>

一番大変なのは、短い期間に多くの人が一斉に移動するクリスマス休暇でしょう。フランスのクリスマスは、日本でいう盆正月のイメージで、大抵里帰りして親兄弟と集う時期なのです。

結婚して家庭を持っている場合は、24日の夜のディナーは妻の実家でとり、25日の昼食は夫の実家でとるという人も多く、移動頻度も距離も大きい時期となります。

クリスマスの時期フランス旅行を計画されている方は、週末に加えて12月23日から25日の移動はできるだけ避けることをおすすめします。ついでに言えば、12月25日は大抵の観光施設も閉まっており、地方では営業しているレストランも限られます。

対策としては、ある程度有名な観光地に滞在するか、レストランが併設されているホテル、もしくは台所付きで自炊のできる宿泊施設を選ぶと良いでしょう。

夏は海方面が混雑

ノルマンディの海辺
<ノルマンディの海辺 ©Kanmuri Yuki>

フランス人の夏の休暇ですが、昔よりも多様化してきたとはいえ、いまだにやはり海辺でのバカンスを好む人が過半数で、2024年春行われた調査でも62%が海辺志向でした。

フランス人に人気の高い地方は順に、地中海に面する南東部マルセイユやニースのあるPACA地方、地中海とピレネー山脈に面する南西部のオキシタニ地方、西部に突き出したブルターニュ地方、南西部大西洋に面するヌーヴェル・アキテーヌ地方となっています。

またこの調査には出ていませんが、ドーヴィルなどがあるノルマンディも、パリから便が良いこともあり、パリジアンたちに人気の高い海辺です。そのため、夏の間は混雑を避けたければ、海へ向かう路線の電車は、できれば週末を避けて利用したほうが良いでしょう。

5月と11月は連休にも注意

フランスの新幹線)車窓から見える夕陽
<TGV(フランスの新幹線)車窓から見える夕陽 ©Kanmuri Yuki>

なお、フランスでは5月と11月に祝日が複数あり、連休となることが多いので、その時にも同じ注意が必要です。5月の祝日は1日と8日のほか、復活祭から数えて40日目のキリスト昇天祭、また50日目の聖霊降臨祭も5月になることがよくあります。

復活祭の日程は毎年異なるので、それに伴いこの2つの祝日の日にちも毎年移動します昇天祭は毎年木曜にあたり、金曜もお休みにして4連休にするケースが通常です。また、聖霊降臨祭は日曜日にあたり、翌月曜日が祝日なので、これもまた三連休となります。

ちなみに2025年は復活祭が4月20日と比較的遅い時期であるため、昇天祭は5月29日、聖霊降臨祭は6月8日にあたります。一方11月は1日が全聖人の祝日、11日が第一次世界大戦における休戦協定日にあたるので祝日です。

旅の計画を練る時は、これらのことをちょっと思い出してみてくださいね!

(冠ゆき)

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冠ゆき

山田流箏曲名取。1994年より海外在住。多様な文化に囲まれることで培った視点を生かして、フランスと世界のあれこれを日本に紹介中。

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