日本の避寒地といえばどこ? 冬の寒さを避けて楽しめる旅行先8選

夏の暑さを避けるための避暑地があるように、冬の寒さを避けるための「避寒地(ひかんち)」というものがあるのをご存知ですか。

寒さが苦手で冬の旅行を躊躇している方は、避寒地を旅の目的地にしてみるのも選択肢のひとつとしておすすめです。そこで今回の記事では、日本を代表する避寒地をピックアップ。それぞれの楽しみ方を詳しくご紹介します。

目次

<1. 避寒地とは>

<2. 日本の避寒地>

<3. 海外の避寒地は?>

<4. 避暑地は?>

1. 避寒地とは

そもそも、避寒地とはどのような場所を指すのでしょうか。避寒地はその名の通り「寒さを避けるのにぴったりの場所」を意味します。気温が比較的高く暖かい場所のことで、日本ではやはり南の地域に集中しています。避寒地には明確な定義はありませんが、冬を暖かく過ごすための場所という意味では、温泉があるところも条件のひとつになるかもしれません。

寒さが苦手な方にとっては夢のような場所ですが、夏に避暑地が人気なのと比べるとややマイナーなイメージなのも事実です。その理由のひとつとして考えられるのは、暑さは何をしても解決しない一方で、「寒さ」というのは着るものや生活の工夫によってある程度我慢できるからかもしれません。

2. 日本の避寒地

では、ここからは実際に日本国内のおすすめの避寒地をピックアップしてご紹介していきます。東京都の冬の平均気温(5℃~7℃)を基準に、それぞれの地域の特徴を詳しくみていきましょう。

熱海

熱海
<出典元:写真AC

熱海は冬の平均気温が8℃〜13℃程度。太平洋に面しており、風が穏やかで冬でも過ごしやすい地域です。東京からは新幹線で約40分と好立地にあるため、首都圏から日帰りで訪れやすいでしょう。日本有数の温泉地としても知られており、海が見える露天風呂や高台からの絶景が自慢の温泉など多彩な温泉を多数有するのも特徴です。

ここからは、冬の熱海旅行のおすすめポイントを詳しくみていきましょう。

1.早咲きの梅

日本一の早咲きの梅が楽しめる「熱海梅園」は、冬の熱海旅行で訪れておきたいスポットのひとつ。毎年1月上旬から3月にかけては「熱海梅園 梅祭り」が開催され、早咲きと中咲が先揃う2月上旬から下旬にかけてが見頃です。

2.冬の花火

花火と言えば夏の風物詩ですが、「熱海海上花火大会」は通年開催されているのが特徴です。その名の通り海上で打ち上げられるため、夜空に広がる花火が水面に映り込み幻想的な美しさを楽しむことができるでしょう。

また、3方が山に囲まれている熱海ならではの地形によって、一般的な花火大会よりも音がダイナミックに反響し、迫力満点です。ホテルによっては客室から楽しめる施設もあるので要チェック。開催時期は毎年異なるため、花火を目当てに出かける場合は事前に確認しておくことをお忘れなく。

3.グルメ

熱海への旅行といえば、やはり新鮮な海の幸ははずせません。海沿いの食事処や温泉旅館では旬の海鮮をつかった絶品料理を楽しむことができます。

南伊豆

みなみの桜と菜の花まつり
<出典元:写真AC

南伊豆は冬の平均気温が8~13℃。太平洋沿いに位置していて冬でも穏やかな天気が続き、伊豆半島の中でも特に温暖な地域です。海と山に囲まれた自然豊かなエリアで、晴れた日には遠くに伊豆七島を望むことができる絶景スポットも点在しています。東京から特急踊り子に乗れば乗り換えなしの3時間ほどでアクセス可能です。

また、下賀茂温泉をはじめ、南伊豆全体に温泉施設が点在しているのも魅力のひとつ。冬の澄んだ絶景を楽しみながら、露天風呂を楽しむのがおすすめです。

ここからは、冬の南伊豆旅行のおすすめポイントを詳しくみていきましょう。

1.下賀茂温泉の「みなみの桜と菜の花まつり」

伊豆半島の最南端に位置する下賀茂温泉の青の川沿いで、毎年2月上旬から3月上旬にかけて開催される「みなみの桜と菜の花まつり」は、冬の南伊豆旅行の目的にしたいおすすめイベントのひとつです。青の川の土手に咲く800本の河津桜と菜の花が、あたり一面を鮮やかなピンクと黄色に染め、ひと足先に春を感じることができます。

2.美しい海岸線と景勝地

南伊豆には弓ヶ浜や石廊崎などの美しい海岸線を楽しめるスポットもあります。特に石廊崎灯台からの太平洋の眺望は圧巻の美しさです。

小笠原諸島

小笠原諸島ホエールウォッチング
<出典元:写真AC

6日間以上の休暇が取れるなら、小笠原諸島への旅を選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。小笠原諸島は亜熱帯気候に属し、冬でも平均気温が18℃〜23℃と非常に温暖で国内でも最高の避寒地のひとつと言えるでしょう。

東京からのアクセスは、竹芝桟橋からの定期船「おがさわら丸」に乗って約24時間の船旅が必要です。飛行機でのアクセスはできないため、船旅という特別感も冒険心をくすぐります。世界自然遺産にも登録されている小笠原への旅は、非日常感を楽しみたい方にぴったりです。

ここからは、冬の小笠原旅行のおすすめポイントを詳しくみていきましょう。

1.ホエールウォッチング

小笠原諸島の旅で絶対に外せないのが、ホエールウォッチング。冬はザトウクジラの繁殖シーズンで、北太平洋の海から温暖な小笠原の海域にたくさんのザトウクジラがやってきて、繁殖や出産、子育てをおこないます。体長10m以上もある巨大なザトウクジラを近距離で観察できるガイド付きのツアーもあり、安全にホエールウォッチングを体験することが可能です。

2.星空鑑賞

大自然の残る小笠原は、都会のように人工的な光や空を遮る建物がないため、空気の澄んだ冬は星空観察をするのに最高の季節です。ガイドつきで星座や天体観測が楽しめるツアーもあり、満天の星空を存分に楽しむことができます。

3.トレッキング

小笠原諸島にはその素晴らしい自然環境と地形を生かし、ハイキングやトレッキングが楽しめるコースが多数あります。夏場は気温が高すぎて大変ですが、冬場なら暑すぎず寒すぎない心地よい気候の中、体力的にも余裕をもって挑戦することが可能です。

特に、夕焼けスポットとしても有名な「ウェザーステーション展望台」からの絶景は小笠原に来たなら一度は見ておきたい絶景のひとつと言えるでしょう。

南房総

南房総いちご狩り
<出典元:写真AC

太平洋と東京湾に面した美しい海岸線が特徴の南房総エリア。千葉県南部の房総半島に位置するエリアを差し、豊かな自然に恵まれた人気のスポットです。南房総半島は黒潮の影響を受けて、海からの冷たい風が少なく穏やかな環境が整っています。冬の平均気温は6℃~12℃と温暖で、東京などの首都圏よりも過ごしやすいでしょう。

東京からは車や電車で約2時間で訪れることができ、日帰り旅行や1泊2日の旅行でも十分に楽しむことができます。

ここからは、冬の南房総旅情のおすすめポイントを詳しくみていきましょう。

1.いちご狩り

南房総はその温暖な気候からさまざまな果物が特産品として知られています。なかでもいちご狩りは、冬の南房総での旅でぜひ体験してほしいもののひとつです。南房総エリアにはいちご狩りスポットが多数あり、甘くて新鮮ないちごをその場で味わったり、絶品いちごスイーツを楽しむこともできます。温室でのいちご狩りならさらに暖かく、ひと足早く春を感じることができるでしょう。

なお、いちご狩りは予約が必要なところも多いため、旅行の際には事前にチェックしておきましょう。

2.温泉でリフレッシュ

南房総は県内でも最多の源泉を抱える千葉県屈指の温泉郷としても有名です。中でも波の穏やかな内房に位置する岩井温泉や、房総半島の最南端に位置する白浜温泉、漁師町の風情を感じる千倉温泉など、それぞれに個性の異なる良質の温泉が多数あります。海辺のエリアということで、雄大な海を眺めながら温泉が楽しめる露天風呂も人気です。

3.地元の味覚を楽しむ

旅行ではその地元の美味しいグルメを味わうのも楽しみのひとつです。最近はどの地域でも充実した道の駅があり、その地域ならではの特産品やお土産などのショッピングスポットとしても注目されています。南房総の「道の駅 富楽里(ふらり)とみやま」もそんなスポットのひとつ。一般道と高速道路の両方からアクセスができ、地元の野菜や海産物が豊富に並びます。施設内のレストランでは、特産品をふんだんに使った美味しい料理を楽しむことも可能です。

和歌山県南部

熊野速玉大社
<出典元:写真AC

太平洋に面し、美しい海岸線と山間部の豊かな自然に恵まれた和歌山県南部。世界遺産に登録された熊野古道をはじめ、歴史と自然が融合した魅力的なスポットが多いエリアです。冬の平均気温は7℃〜12℃と東京と比べると比較的温暖で、冬場の風も穏やかで快適な環境が整っています。南紀白浜空港や高速道路などもあり、関西圏からであればアクセスも簡単です。

ここからは、冬の和歌山県南部旅行のおすすめポイントを詳しくみていきましょう。

1.熊野古道の散策

世界遺産「熊野古道」は、最強のパワースポットとして国内外で人気の高い観光地のひとつです。特に、新宮市は四方に熊野古道が広がっているため、散策の拠点としても知られています。世界遺産にもなっている「熊野速玉大社」「阿須賀神社」「神倉神社」の3社は、新宮市で訪れておきたい場所のひとつです。

2.白浜温泉

冬の南和歌山を訪れるなら、日本三古湯のひとつとして知られる「白浜温泉」は絶対に足を運びたいスポットのひとつです。旅館やホテル、民宿などの宿泊施設も充実しているほか、日帰りでも楽しめる多彩な公衆浴場も数多くあります。周辺には、白い砂浜が美しい白良浜や円月島、三段壁などの景勝地もあり、豊かな南和歌山の自然を楽しむことが可能です。

3.アドベンチャーワールド

アドベンチャーワールドは、日本を代表する大型動物園&テーマパーク。大人気のパンダをはじめ、多彩な動物が飼育されており、ショーを楽しむこともできます。

高知県

仁淀ブルー
<出典元:写真AC

高知県の冬の平均気温は7℃~12℃程度。東京と比べるとやや暖かく、太平洋側気候のため雪が少なく晴れの日が多く、旅行には最適な環境と言えるでしょう。四国山地と太平洋に囲まれており、海と山の両方の美しい自然を楽しむことができます。特に、雄大な四万十川や太平洋の絶景は、圧倒的な美しさで訪れた人々を魅了します。

県内には高知龍馬空港があり、東京や大阪からの飛行機でのアクセスも至便。さらに、四国各地からの電車や車での移動も快適で、観光地へのアクセスが良い点も高知県の魅力と言えるでしょう。

ここからは、冬の高知旅行のおすすめポイントを詳しくご紹介します。

1.仁淀ブルーの清流散策

四国の愛媛県から高知県を流れる一級河川の仁淀川。西日本最高峰の石鎚山に源があり、四国では四万十川と吉野川に次いで3番目に大きな川として知られています。また、仁淀川は「水質が最も良好な河川」に選ばれることが多いことでも有名で、驚きの透明度と美しい青緑色の水は「仁淀ブルー」と呼ばれています。

全国から多くのカメラマンがその美しさを写真に収めるためにやってくると言われる人気スポットです。冬場は空気が澄んでいるため、周辺を散策しながら青く美しい水面をより鮮やかに鑑賞できるでしょう。

2.四万十川観光

日本最後の清流と呼ばれる四万十川は、高知を訪れたら絶対に足を運びたいスポットのひとつです。冬でも流れが穏やかなため、カヌーや屋形船体験も楽しむことができます。四万十川の周辺には豊かな自然があふれているため、散策を楽しんだり地元の文化に触れる楽しみ方もおすすめです。

3.室戸岬からの絶景

高知県室戸市、太平洋に突き出た室戸半島の先端に位置する「室戸岬」。2011年9月には世界ジオパークにも認定されていて、今でも大地が隆起し続ける地殻変動の最前線として、ダイナミックな地球の営みを間近で感じられるスポットです。もちろん、岬からは圧巻の絶景を楽しむことができるため、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

沖縄県

スキューバダイビング
<出典元:写真AC

日本を代表するビーチリゾートであり避寒地でもある沖縄県。冬の平均気温は18℃~23℃と、日本本土に比べて圧倒的に暖かいのが特徴です。亜熱帯気候に属し、雪が降ることはなく、寒さが苦手な人にとって理想的な旅行先と言えるでしょう。海水温は冬場でも20℃前後と高く、冬のマリンアクティビティが楽しめます。

また、沖縄は太平洋と東シナ海に囲まれた美しい島々が広がり、多彩な景観を楽しめるのも魅力です。アクセス面でも非常に便利で、那覇空港を中心に本土からの直行便が多数運航されており、東京や大阪からわずか2時間〜3時間で訪れることができます。

ここからは、冬の沖縄旅行のおすすめポイントを詳しくみていきましょう。

1.ホエールウォッチング

小笠原諸島と同様に、沖縄の12月〜3月はザトウクジラの迫力のある姿を間近で観察することができる絶好の時期です。シベリア海域に生息しているザトウクジラが、繁殖や出産、子育てのために沖縄の暖かい海にやってくるため、高確率で大迫力のザトウクジラに出会うことができるでしょう。沖縄県内のさまざまなエリアからホエールウォッチングのツアー船が出ているので、旅の行程をみながら最適な場所を選ぶのがおすすめです。

2.マリンアクティビティ

冬場でも海水温が高い沖縄は、冬のマリンアクティビティを楽しむことができます。シュノーケリングやダイビングはもちろん、気温の高い日中であればビーチの散策を楽しむのもおすすめです。特に美ら海水族館近くのエメラルドビーチは、沖縄県内でも珍しいラグーン内にあるビーチで、環境省が認定する「快水浴場百選」にも選ばれています。

3.伝統文化に触れる

せっかく沖縄を旅するのであれば、琉球舞踊やエイサーなど沖縄の伝統文化に触れるのもおすすめです。ホテルによっては琉球舞踊やエイサー、島唄、三線を無料で観覧できるプランを用意しているところもあるので、興味のある方はチェックしてみましょう。また、首里城や沖縄ワールドでは沖縄の歴史と文化を学ぶことができます。

3. 海外の避寒地は?

グアムビーチ
<出典元:写真AC

冬に長期の休暇が取れるなら、思い切って海外の避寒地へ旅するのもおすすめです。

代表的な避寒地としては、ハワイやグアムなどのビーチリゾートのほかに、日本とは季節が逆のオーストラリアやニュージーランド、世界中からセレブが集まるアメリカのフロリダに位置するマイアミ、世界遺産や美しい寺院が人気のタイなど、冬でも暖かい人気のエリアが多数あります。日本からの移動距離や物価などを事前にチェックしたうえで、旅の予算や期間に合わせて最適な場所を見つけてみてはいかがでしょうか。

4. 避暑地は?

今回は「避寒地」について紹介しましたが、夏の暑さが苦手という方は、夏の旅行に涼しい避暑地を選ぶと良いでしょう。日本国内には北海道や軽井沢、白馬などのほかにも、夏の暑さを逃れて快適に過ごせる場所があります。

避暑地について詳しく知りたい方は、別記事「日本の避暑地といえばどこ? 夏を涼しく楽しめる旅行先8選」をご覧ください!

日本国内には沖縄以外にも魅力的な避寒地がたくさんあります。冬の寒さが苦手な方は、上記でご紹介した避寒地を旅行先の選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

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