【オーストリア】皇帝が作った世界最古の動物園!シェーンブルン動物園を満喫!(初級編)

ウィーンといえば、世界遺産になっているシェーンブルン宮殿やその庭園を訪れる人は多いですが、庭園奥にある動物園まで行く人は少ないかもしれません。実はこの動物園、世界最古の現役動物園であるばかりか、ヨーロッパ最高の動物園に6回も選ばれているんです!

シェーンブルン宮殿
<世界遺産シェーンブルン宮殿>

動物に癒されたい方、ハプスブルク家が作ったエレガントな動物園が気になる方向けに、年パス常連でシェーンブルン動物園をくまなく知る筆者が、見どころをご案内します。今回は、動物園のちょっと変わった歴史と、観光がてら半日ほどで回れるコースをご紹介しますね。

目次

シェーンブルン動物園の歴史

世界最古の現役動物園って、普通の動物園とどう違うんだろう?どんな昔の人が作ったんだろう?って気になりますよね。

実はシェーンブルン動物園は、マリー・アントワネットのお父さん、神聖ローマ帝国皇帝のフランツ1世(フランツ・シュテファン)が趣味で作ったものなんです。マリー・アントワネットが生まれる3年前の夏、1752年にすでに完成していたこの動物園に、皇帝が客を招待したのが、この動物園の始まりの日とされています。

7年後には、この動物園の象徴ともいえる中央のパビリオンが完成し、皇帝夫婦はここで動物を見ながら朝食を楽しんだり、外交官をもてなしたりしました。マリー・アントワネット4歳の時ですので、きっと園内を目を輝かせながら走り回る子ども時代を過ごしたんでしょうね。

パビリオン
<シェーンブルン動物園の中心にあるパビリオン>

まだモーツァルトやベートーヴェンもウィーンに来ていないころ、インド象だけではなく、続けてシロクマやカンガルーなどがやってきました。皇室が動物園を独占したわけではなく、1778年からは一般公開も行われました。当時は日曜日のみでしたが、入場は無料だったそうです!

シロクマの子供
<ボール遊びを楽しむシロクマの子供>

19世紀初めにエジプトからキリンが贈られてきたときには、ウィーンの芸術やファッションに大きな影響を与え、キリン柄の服が流行になりました。市民に開かれた動物園だったことがうかがえますね。。100年前も今と同じ700種類もの動物がいたそうで、もちろん当時の世界最大の規模でした。

シェーンブルン動物園
<天気のいい日の園内の様子>

動物園は戦争の爆撃で大きな被害を受けましたが、その後広大な裏山に敷地を拡げ、チロル地方から立派な農家の屋敷を移設します。

アルプスの山にハイキングに来たような気分が味わえる趣向で、山歩き好きのオーストリア人にぴったりです。1996年には、シェーンブルン宮殿やその庭園と共に、この動物園も世界遺産に登録されました。

リス
<森の散歩道を歩くと、リスがお出迎え>

270年以上にわたる動物園の歴史をさかのぼってみましたが、皇帝と庶民両方に愛されてきたことがよくわかりますね。それでは、動物園を一緒に歩いてみましょう。

人気エリアを歩く

動物園メイン入り口から入場すると、左右に人気のコアラやパンダ、キリンなどが目に入り、入ってすぐにテンションが上がります。どの動物たちも、広いスペースで自然を楽しみながら遊んだり、屋内に入って近くからその姿を見せてくれたりと、訪れるたびに新しい表情を見せてくれます。

パンダ"
<お客さんの目の前でくつろぐパンダ>

コアラ
<枝に引っかかって眠るコアラ>

そのまままっすぐに進むと、この動物園の象徴ともいえる中央のパビリオンがあります。皇帝夫婦が朝食を楽しんだ場所は、現在はカフェレストランになっています。動物園にいるとは思えない優雅な建物ですよね。

パビリオン
<メインエリアのどこからでも見えるパビリオン>

このパビリオンを中心に放射線状に動物が展示されているので、これを目印にすると便利です。短時間で動物園を見て回りたい場合は、このメインエリアを中心に、左回りにカバ、ライオン、トラ等の大型動物、そして、歴史を感じさせるサル舎を周ってみましょう。

模型
<園内の模型>

周遊列車
<エレガントなサル舎と園内周遊列車>

サル舎の周りには、アシカやペンギンなど海の生き物のエリアがあり、その横の広いゾウエリアには何頭ものゾウが自由に歩き回っています。ゾウをゆっくり見ながら、シマウマやフラミンゴを眺め、最後にキリンを見ると、これだけで数時間は経ってしまいます。

親子のゾウ
<親子のゾウ>

このメインエリアは、動物園全体の三分の一以下の面積ですが、動物たちが19世紀の建物で暮らす、独特の雰囲気をたっぷり味わうことができます。建物ごとに歴史が解説されたパネルがありますので、200年前の様子を思い浮かべるのも楽しいですよ。

まとめ

世界最古の動物園で、世界遺産でもあるシェーンブルン動物園。ハプスブルク家の栄華を感じさせる優雅な建物と、自然な姿を見せてくれる動物たちとのコラボに、動物好きも歴史好きも大満足な、世界でも類を見ない動物園です。

今回は、観光がてら短時間で周る歩き方をご紹介しましたが、また「上級編」として、この動物園の魅力をたっぷり満喫できるルートをご紹介しますね。

シェーンブルン動物園

  • 住所:Maxingstraße 13b, 1130 Wien
  • 営業時間:開園 9:00~ 閉園時間は季節により16:30~18:30の間で異なります。
  • 休業日:無し
  • 公式サイト:シェーンブルン動物園  

※閉園時間などは公式サイトで確認してください。

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ひょろ

オーストリア、ウィーン在住。10年以上暮らしてもまだ新しい発見の連続のウィーンの魅力を、記事執筆、現地調査、ネットショップなどを通じてお届けしています。国際機関勤務を経て、バイリンガル育児の傍ら、ミュージカル観劇が趣味。

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