【高山植物の宝庫】尾瀬『燧ケ岳と至仏山』を歩く!!

小至仏山へ延びる稜線

こんにちは!「三度の飯と山が好き!!」がキャッチフレーズの倉山(くらさん)です。

2024年も9月なのに猛暑日続出で「この暑さいつまで続くの?」と、皆さまお嘆きだったと思います。少しでも涼しい避暑地で過ごしたいとお考えになられたのではないでしょうか。

そんな猛暑が続く2024年の夏山シーズンに、私事、南アルプス、北アルプス、富士山へと登って来ました。

さらに、尾瀬国立公園の名峰『燧ケ岳(ひうちがたけ)と至仏山(しぶつさん)』の2座を登山する機会が有り、尾瀬ヶ原の草紅葉が色づき始めた9月中旬に行って来ました。

出発前は雷雨や豪雨が心配でしたが、初日は雨天、翌日は晴天の中、予定したルートを歩いて来ましたので、その様子をご紹介します。

至仏山より尾瀬ヶ原と燧ケ岳を望む
<至仏山より尾瀬ヶ原と燧ケ岳を望む>

目次

燧ケ岳と至仏山?どこにあるどんな山?そこまでどうやって行くの??

「夏が来れば 思い出す はるかな尾瀬 遠い空」の童謡は小学校の時の唱歌だったと思います。

歌詞でも紹介される"水芭蕉の花"が咲き誇る尾瀬ヶ原を抱きかかえる様に頂き、東側の福島県に属する東北地方では最高峰の標高2,356mの山が「燧ケ岳」、西側の群馬県に属する標高2,228mの山が「至仏山」で、どちらの山も日本百名山に数えられ、山頂から尾瀬ヶ原や周辺の名峰や景観が何とも素晴らしい人気の登山先になっています。

至仏山は地面が隆起した山で、燧ケ岳は活火山でありその噴火で川がせき止められ、今の尾瀬ヶ原や尾瀬沼が誕生したと言われています。

また、至仏山は花の百名山としても紹介され、高山植物がとても綺麗に咲く山です。

地図
<尾瀬国立公園/地図出典:TEPCO 東京電力リニューアブルパワー・一部加筆>

皆さんもご存じの尾瀬は、本州でも最大規模の高層湿原で、群馬・福島・栃木・新潟の4県にまたがり「尾瀬国立公園」に指定された一大景勝地です。

アクセスは、公共交通機関で移動する場合、群馬県側はJR利用で新幹線の上毛高原駅、在来線なら上越線の沼田駅で乗降し関越交通バス利用で尾瀬戸倉まで約90分乗車します。

福島県側は東武鉄道と野岩鉄道を乗り継ぎ、会津高原尾瀬口駅で乗降し、会津バス利用で尾瀬沼山まで約90分乗車しますので、なかなか山深い場所になります。

また、季節運行の乗合バスで、新宿バスタから尾瀬戸倉や大清水へ直通バス「尾瀬号(関越交通)」が運行しますので便利にご利用頂く事が可能です。

マイカー利用の場合は、環境保全のため、規制が行われていますので、予めルートや駐車場をご確認ください。

もし、尾瀬ヶ原を散策することが目的なら、旅行会社が主催するツアーが便利だと思います。

尾瀬へのアクセス リンク集

今回歩いたルートとスケジュール

■尾瀬「燧ケ岳と至仏山」日本百名山2座へ登頂する日程(夜行バス)

地図
<地図出典:TEPCO 東京パワーテクノロジー・一部加筆>

1日目:夜行バスで移動 ※ほぼ実行動の時間で表示

バスタ新宿4階(22:40発)==<関越バス尾瀬号/4,200円>==

2日目:行動12時間10分/18km 

==大清水(早朝4:30着)/大清水※標高1,180m・登山準備(5:00スタート)・・・<全て徒歩>・・・一ノ瀬※1,420m・ドシャ降りのため休憩所で待機(6:00~7:30)・・・三平峠※1,762m(8:20頃)・・・尾瀬沼※1,665m/三平下・休憩(8:30~20分)・・・尾瀬沼南岸ルート(北岸より道が荒れているので注意!)・・・沼尻平・休憩(9:50~20分)・・・燧ケ岳をナデッ窪ルートで登る<4ルート中、急峻な岩場で最も難路のため覚悟が必要!>・・・ナデッ窪分岐(13:30頃)・・・燧ヶ岳山頂・俎嵓(まないたぐら)※2,346m(14:00頃)・・・柴安嵓(しばやすぐら)※2,356m(14:20頃)・・・見晴新道ルートで下山<ぬかるみが多く急で滑りやすいので注意!>・・・下田代十字路(16:50頃)・・・見晴地区※標高1,410m・・・小屋(17:10ゴール)・・・<大浴場あり>・・・夕食・・・消灯(21:00)

宿泊先】弥四郎小屋(見晴地区)/TEL:090-8316-2864/11,000円(2食付き)

3日目:行動7時間15分/15km 

朝食(6:00)・・・小屋(7:00スタート)・・・沼尻川渡る(県境)・・・竜宮十字路(7:40頃)・・・尾瀬ヶ原を歩く※標高1,409m・・・牛首分岐(8:10頃)・・・山ノ鼻地区・休憩(8:40~20分)・・・上り専用道<蛇紋岩の急登で滑りやすい>・・・至仏山山頂※2,228m(11:40頃)・・・<稜線から尾瀬ヶ原と燧ケ岳の眺望が良い>・・・子至仏山※2,162m(12:30頃)・・・オヤマ沢田代分岐・休憩(13:00~20分)・・・鳩待峠※1,591m(14:15ゴール)・・・鳩待峠(14:30発)==<シャトルバス/1,300円>==尾瀬戸倉(15:05着/15:12発)==<関越路線バス/2,400円>==沼田駅(16:29着/17:04発)==<JR上越線>==高崎駅(17:50着/18:15発)==<JR湘南新宿ライン>==新宿駅

ルートに沿って写真でご紹介!

夜明け前 雨天の大清水

夜明け前の尾瀬大清水登山口では、雨天の中をスタートし、次第にドシャ降りに。

三平峠を越える

止まぬ雨の中、三平峠を越え、三平下の休憩所に着いたのは予定より90分遅れ。

雨に煙る尾瀬沼

雨に煙る尾瀬沼の景色の様子はご覧の通り。湖面のみが美しい。

沼尻休憩所

雨の中を歩き始めてから5時間弱で沼尻平に到着。エネルギーを補給しながら休憩。

この先、燧ケ岳を登山するか、諦めて迂回して見晴地区の宿泊先へ向かうか、究極の選択となる。

ナデッ窪分岐

結果、諦める勇気はなく、予定した「ナデッ窪ルート」へと足を踏み入れ再スタート。ナデッ窪は、漢字で書くと「雪崩っ窪」で、雪崩が作った急峻な岩の窪地地形で未管理の登山道です。

増水中のナデッ窪登山道

連日雨の影響で、岩の道には沢の様に水が流れ出し、滑るし安定しないし、危険そのもの!

沢と化したナデッ窪ルート

沢の登山道はいつまで経っても終わらない。この先増々増水し、急流と化し、3時間余り戦う。

燧ケ岳に登頂

標高2,356mの燧ケ岳の柴安嵓に登頂。全身びしょ濡れで、止まると寒いのでそのまま下山。

荒廃状態の見晴新道

見晴新道で下山開始。この登山道も、水が溢れぐっちょぐっちょのドロドロで滑る上に、荒廃状態が続く。

鮮やかなヒイロタケ?

わっ!びっくりした!突如目に飛び込んだ鮮やかな、これはヒイロタケ?この時、複雑な気持ちになりました。

下田代十字路も水の中

どこまで歩いても水が溢れていて木道も水の中です。ゴールの見晴地区まであと10分。登山口から下山まで私一人。誰一人、動物にも会いませんでした。

尾瀬ヶ原に立ち込める雲海

雨は昨夜あがり、夜明けの尾瀬ヶ原には幻想的な雲海が立ち込め、眺めることができました。

幻想的な雲海を動画でご覧ください。(30秒)

弥四郎小屋越しに燧ケ岳を望む

本日は朝から晴天。お世話になった「弥四郎小屋」越しに、苦労した燧ケ岳を望む。

色づきだした尾瀬ヶ原 草紅葉

草紅葉で色づき始めた尾瀬ヶ原で、綺麗に咲く数々の高山植物をみつけました。

尾瀬ヶ原

本日の登山先「至仏山」を目指し、6kmある尾瀬ヶ原の清々しい木道を歩く。

山の鼻でコーヒータイム

尾瀬ヶ原散策でも立ち寄ることが多い「山ノ鼻」の休憩地でコーヒータイム。

至仏山の登山道も水浸し

尾瀬ヶ原から眺める至仏山はこんもりとなだらかな感じですが、登山道はなかなかハードです。

初っ端から木道には水が溢れ内心「ここもかよ!」と思いながら登ります。(でも心は折れません!)

滑る蛇紋岩が続く

鼻ノ山側からは上り専用の一方通行です。確かに下りには向かないほど、滑る蛇紋岩の急登の連続。

尾瀬ヶ原と燧ケ岳の景観

どうですか!これまでの疲れを吹き飛ばす尾瀬ヶ原と燧ケ岳の絶景です。(山頂直下より)

誰もいない至仏山 登頂

標高2,228mの至仏山に登頂しましたが、山頂には私一人だけ。親指で記念撮影。

風が強かった山頂の稜線から新潟方面を望む動画です。(18秒)

小至仏山へ延びる稜線

もう一つのピーク「小至仏山」に延びる美しい稜線にわくわくします。

奥只見湖が顔を出す

稜線から、日本屈指の巨大人造湖「奥只見湖」を望みます。確かにドデカイ!

小至仏山の山頂 誰もいない

小至仏山頂にも誰もいないので親指で記念撮影。それでも、途中10人位すれ違いました。

日光白根山と男体山を望む

南東方面に、日本百名山の名峰「日光白根山と男体山」を望むことができた幸せ!

樹林帯の穏やかな道

下山は樹林帯の中を歩き、急坂や木道も続きますが、今回の中ではとても穏やかな道に感じました。

予定時間で鳩待峠にゴール

下山の目的地「鳩待峠」に無事ゴール。(入山前計画の時間通りにゴールを締めくくりました。)

雑談とワンポイントアドバイス

今回ご紹介した「燧ケ岳と至仏山」は、登山体力と技術が中級者クラスでないと登頂するには難しい山ではないかと感じました。

ただし、私が歩いた長雨の後や雨天では危険すぎるので、絶対に入山することはお止めください。

(その前にこんなに悪いコンディションでは皆さま出掛けないと思います)

一歩間違えば後悔することになったかも知れず、下山しても興奮状態であったことを覚えています。

燧ケ岳には4ルートの登山道があり、新道も作られているのに、なぜ管理されていない難路のナデッ窪ルートをよりによって登ってしまったのか。

最も歴史が古く、かつては信仰登山道として利用され、光を輝かせるヒカリゴケの生育地だからだったからとは言い切れません。

入山前の計画では、山小屋到着が15:30でしたが、悪天候と悪路の影響で17:00を過ぎました。計画の甘さ、途中での判断がどうだったのかなど下山後、十分に反省しました。

さておきまして、今回水芭蕉が咲く時期でもなく草紅葉の最盛期でもない、中途半端な時期の登山になりましたが、尾瀬ヶ原の幻想的な雲海や広大な自然に抱かれ眺望も楽しむことができました。

びしょびしょで冷え切った身体で山小屋に着いた時、「先にお風呂で身体を温めてください」とご案内いただいた時のありがたさは忘れません。

ボリュームたっぷりで温かな食事は、とても美味しくいただくことができました。感謝申し上げます。(尾瀬は水が豊富なので山小屋では大浴場や洗面所がしっかりあり衛生的に感じます。)

水芭蕉が綺麗な頃に、尾瀬ヶ原を散策された方は多くいらっしゃると思います。その際に撮影した写真に写っていたと思いますが、あの高い山が燧ケ岳と至仏山です。

登山では厳しい所もありますが、達成感と登山中の景観は飽きることはありません。

また、広大な尾瀬には可愛いらしい「高山植物」がたくさん咲いていますので、お花の好きな方にもおすすめの山です。

こんなに素晴らしい尾瀬国立公園へ、ゆっくり宿泊して時間を掛けて歩いてみませんか。

・・・・登山の紹介はまだまだ続く。

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倉山(くらさん)

2013年富士山が世界文化遺産登録の夏、50歳を迎えるこの年に富士山登頂を人生の思い出にしようと体力作りに近郊の山を歩き始めました。最初は息切れ筋肉痛や転倒など情けない状態でしたが、大自然に抱かれる心地よさに魅了されてしまい今では低山から日本アルプスまで登山なしではいられない生活になりました。仲間でお弁当持ってく歩く山が楽しくて大好きです。単独行でストイックに歩く山も好きです。素晴らしい景色、美味しい空気、そして大自然のありがたさを仲間の皆さまに感じて頂きたいと思う毎日です。目の疲れもストレスも景色を見ると癒されます。体調がとても良くなり食事が美味しくなります。きっと良いことが待っている山歩きを私と一緒に始めてみませんか。

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