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【山と秘湯をめぐる】長野県〜紅葉の名山・雨飾山と山腹の雨飾高原露天風呂〜
日本各地の名山と秘湯を紹介するコラム【山と秘湯をめぐる】。登山の後に素晴らしい温泉でリフレッシュできる旅を、多くの方に気軽に楽しんでもらえるような内容をお届けします。
第5回目は、紅葉の名山・雨飾山と山腹の秘湯・小谷温泉をご紹介!女神の横顔が待つ山頂と、その山腹に湧く開放感たっぷりの温泉の魅力を存分にお伝えします。
目次
圧倒的な全山紅葉と女神が待つ「雨飾山」
雨飾山(あまかざりやま)は、新潟県と長野県にまたがる標高1,963mの山で、日本百名山の1つです。名前の由来は諸説ありますが、神が雨を降らせるために祭られたためだと言われています。
手つかずの原生林が広がり、特に山肌を覆い尽くすような秋の紅葉が美しく、多くの登山愛好家が訪れます。3本ある登山道は比較的整備されており、登山口近くには秘湯があるのも魅力。初心者から上級者まで楽しめる名山です。
雨飾山を象徴する風景の1つに「女神の横顔」があります。山頂から下を見ると、笹平に続く登山道の線が女神の顔のように見えることから、この名が付けられました。女神様に会うため雨飾山へ登るという方もいるほど、有名な風景です。
そして山頂に待っているのは360度の大展望。天気が良ければ、白馬岳から槍ヶ岳まで、北アルプスの主脈が一望できるのも魅力です。北側の糸魚川方面には、日本海のパノラマも広がります。
雨飾山のコース概要と魅力
3本ある登山道のうち、最もメジャーなルートが長野県側の小谷温泉道です。雨飾高原キャンプ場から入山すると、しばらく静かな樹林帯を進みます。登山開始から約1時間ほどで荒菅沢(あらすげさわ)に到着です。
すると目の前には、そびえ立つ雨飾山の主稜線が!布団菱と呼ばれる大岩を擁するダイナミックな山体がたたずみます。まるで絵画のように広がる鮮やかな紅葉も見事です。この沢を越えると、いよいよ本格的な登りが続いていきます。
山頂直下の笹平までの道のりは、秋の雨飾山の素晴らしさを物語ってくれる区間です。特に下山時にそれをよく感じることができます。山の下から上まで、全てが紅葉に包まれる風景は圧巻!
霞が発生することも多いですが、神秘的な雰囲気を醸し出します。日本屈指のブナの原生林を育むからこそ、これほど見事な紅葉に出会うことができるのです。笹平から山頂までも景色変化に富んだコースが待っています。
雨飾山
- 住所:新潟県糸魚川市梶山/長野県北安曇郡小谷村中土
- TEL:0261-85-1045(雨飾高原キャンプ場)
登山後に立ち寄りたい秘湯・雨飾高原露天風呂
小谷温泉道の登山口・雨飾高原キャンプ場から、車で約7分の場所には「雨飾高原露天風呂」が位置しています。いわゆる野湯でありながら、男女別の浴槽や脱衣所があり、トイレもとても綺麗。野湯とは思えないほど整備が行き届いています。
また自然石を配した野趣ある浴槽になっており、原生林に包まれるロケーションも格別!こんな素晴らしい秘湯を、寸志(清掃協力費)だけで入浴できるのは本当にありがたいです。
泉質はナトリウム炭酸水素塩泉で、ミネラル豊富なこのお湯は、石けんのように滑らかな肌触りが特徴です。体を芯から温めてくれる極上の湯で、周囲のブナ林からのアロマセラピー効果も楽しめます。
ひんやりとした秋の季節は外気浴との繰り返しが最高で、思わず長湯をしてしまいます。入浴後もしばらくポカポカとしており、温泉の効能を感じることができますよ。
雨飾高原露天風呂
- 住所:長野県北安曇郡小谷村中土18926-1
- 営業時間:10:00~21:00 定休日:11月中旬~4月下旬まで冬季閉鎖
- 料金:寸志(清掃協力金)
- TEL:0261-85-1607(雨飾荘)
- 公式サイト:雨飾高原露天風呂
とっておきのオタリアンジェラートをいただく
登山や温泉を楽しんだ後にぜひ立ち寄って欲しいのが「オタリアンジェラート」です。小谷村や長野県産の素材を使った多彩なフレーバーが揃うジェラートショップで、登山道へアクセスする県道114号線沿いに位置しています。
秋には山ぶどうや、さるなし、ほおずき、焼き芋など小谷村らしい味覚が盛りだくさん。その時々によって、内容が変わります。フルーティーな酸味を楽しめる「さるなし」や、優しい甘さが感じられる「ほおずき」がおすすめです。
ぜひ雨飾山での紅葉登山に合わせて、格別な秘湯とジェラートを満喫してみてください!
オタリアンジェラート
- 住所:長野県北安曇郡小谷村中土16107-1
- 営業時間:10:00〜17:00
- 定休日:火・水曜日(ただし祝日は営業)
- TEL:0261-85-1810
- 公式SNS:Instagram
山と秘湯をめぐるシリーズ
- 【山と秘湯をめぐる】岐阜県〜高山植物が咲く乗鞍岳と癒しの奥飛騨温泉郷〜
- 【山と秘湯をめぐる】北海道〜最果ての百名山・羅臼岳と緑が映える岩尾別温泉 三段の湯〜
- 【山と秘湯をめぐる】鳥取県〜郷土富士・大山と鳥取最高所の豪円湯院〜
- 【山と秘湯をめぐる】岐阜県〜秀峰・御嶽山と原生林の秘湯・濁河温泉 市営露天風呂〜
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土庄雄平
- 1993年生まれ、愛知県豊田市出身。同志社大学文学部文化史学科・英文学科卒。サラリーマンの傍ら、自転車旅&登山スタイルで、日本各地を駆け巡るトラベルライター。春は桜を愛でながらサイクリング、夏は冷涼な北日本へ自転車で大冒険、秋は秘境の紅葉を求めて山登り、冬は輝く樹氷と白銀の世界に魅了される。そんな自然の中へ身を投じる旅がルーティーン。