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巣鴨観光のモデルコースを定番スポットを押さえて作ってみました!
巣鴨エリアを街歩きしながら観光するモデルコースを紹介します(一部、駒込のスポットも含まれます)。
「おばあちゃんの原宿」と呼ばれる巣鴨ですが、実際に行ってみるとイマドキな飲食店やSNS映えする庭園などもあり、年代問わずだれもが散策を楽しめるエリアだと知っていましたか?
今回はあの有名店や巣鴨を代表するお寺まで、定番スポットを押さえてモデルコースを作成しました。作ったモデルコースで実際に散策もしてみましたので、巣鴨で街歩きを楽しみたい方は、ぜひご参考ください。
目次
<6. 東京染井温泉Sakura(14:30~15:30)>
1. 巣鴨駅到着(11:30)
お昼前に巣鴨駅に到着。巣鴨駅はJR山手線と都営三田線の2路線が通る駅です。駅ビルには商業施設の「アトレ」、周辺には居酒屋やスーパー、レストランなどがあり、平日のお昼でも賑わっていました。
駅を出ると目のまえには、大きな「白山通り」が通っていました。この道を奥に進めば、有名な「巣鴨地蔵通り商店街」の入口に至ります。
訪問時は七夕シーズンだったので、カラフルで涼しげな笹飾りが道沿いに飾られていました。夏の時期はアーケードの屋根からミストシャワーが出ますので、暑さを和らげながら街歩きができます。さあ、巣鴨地蔵通り商店街のほうへ向かってみましょう。
JR巣鴨駅
- 住所:東京都豊島区巣鴨1丁目16-1
- 電話番号:050-2016-1600 (JR東日本お問い合わせセンター)
2. 眞性寺(11:35~12:00)
まずは、巣鴨地蔵通り商店街の入口近くにあるお寺へ立ち寄ります。
眞性寺(しんしょうじ)は「江戸六地蔵」と呼ばれるお地蔵様が安置してあるお寺の1つ。江戸六地蔵は江戸から伸びる6つの街道沿いに建てられていて、巣鴨の眞性寺は「中山道」の入口にあたります。場所的に「なんだか商店街の入口で見守ってくれている感じがするな......」と感じていたのですが、あながち間違いではなさそうですね。
眞性寺に足を踏み入れてみると、賑わう駅前通りとは異なる静寂な雰囲気。シーンとした空間に、背筋が伸びます......!
入ってすぐ、本堂の目のまえにある大きな銅像が地蔵菩薩坐像です。蓮花台を含めると3m45cmもあるダイナミックなお地蔵様を見上げながら、今日の旅の安全を願っておきましょう。
参道の横には弘法大師や松尾芭蕉の碑もありました。かつての旅人もここを通ってきたのですね。
境内を歩いていると、新しそうな建物を見つけました。こちらは閻魔法王が安置されている閻魔堂です。なんと完成したのは2024年。できたてほやほやではないですか!
閻魔堂はかつて、東京大空襲の被害を受け、焼失してしまっていたのだそう。長らく準備されてきた再建計画が実を結び、新しい姿に生まれ変わりました。
取材時は中に入れませんでしたが、毎年7月16日の「えんままつり」にはご開帳されるそうです。新築の閻魔堂で閻魔様を見たい方は、ぜひ狙って行ってみてください。
眞性寺
- 住所:東京都豊島区巣鴨3丁目21-21
- 電話:03-3918-4068
- アクセス:JR巣鴨駅より徒歩5分
- 公式サイト:巣鴨地蔵通り商店街 眞性寺紹介ページ
3. 巣鴨地蔵通り商店街(12:05~13:00)
眞性寺のお参りが終わったら、巣鴨地蔵通りに入って街歩きをしてみましょう! 食べ歩きにぴったりのお店から、テレビでよく見る有名店、歴史ある名所に新スポットまで、歩くたびにいろいろな発見ができるかもしれません。
「巣鴨地蔵通りと言えばココ! 」といえるかもしれない有名スポットが「巣鴨マルジ」。真っ赤な看板と「日本一の赤パンツ」というキャッチコピーが目印です。ところせましと赤パンツが並んでいて、店内が真っ赤になっている光景は、きっとここでしか見れないでしょう。
「必勝」や「龍」などの文字が書かれた渋めの赤パンツから、干支イラストに「巣鴨」の文字が刺繍された赤パンツまで、バリエーションは豊富。見ているだけで自然と元気が出てくるような真っ赤なパンツは、老若男女問わず巣鴨土産として喜ばれるかもしれません。
巣鴨地蔵通り商店街を歩いていてふと見つけたのが、まんまるな白いふわふわ......。こちらは巣鴨地蔵通り商店街公式イメージキャラクター「すがもん」のおしりをイメージしたオブジェです。
なんとこのオブジェ、ただ飾ってあるだけではなくて、おしりに触ることもできます! "すがもんのおしりを触ると恋が実る"という都市伝説もあるんだとか。
もちろん私も、もふっと触らせてもらいました! 「いつでもおしりに触れるゆるキャラ」って、なかなか珍しいかもしれません。ご利益がありますように!
巣鴨駅側から巣鴨地蔵通り商店街を歩いて一番奥、北端にあるのは「巣鴨庚申塚」という神社です。「猿田彦大神」という神様を祀っているため、狛犬の位置には赤い頭巾を被った猿が座っていました。狛犬ならぬ「狛猿」でしょうか。
巣鴨庚申塚は江戸時代からとげぬき地蔵同様に愛されていた場所なんだそう。ぜひ商店街の一番奥まで歩いて、とげぬき地蔵とセットでお参りしてみてください。
巣鴨地蔵通り商店街を街歩きするなら、食べ歩きも欠かせません。小腹が空いたときの食べ歩きにぴったりなのが「磯揚げ まる天 巣鴨店」。食べ歩きはもちろん、日々のおかずやギフトにも合う、本格的な磯揚げの専門店です。
注文したのは一番人気の「たこ棒(400円)」。店内にベンチがあるので座っていただきました。
ひと口食べて、「ぶりん! 」とした食感に驚きました。たこはもちろん、そもそものすり身が噛めば噛むほどおいしいプリプリの食感。そこに、たこや紅しょうがのアクセントが加わって、食べ応え抜群の1本になっています。「たくさん歩いてちょっとお腹が空いたな」と思ったときには、「まる天」に立ち寄ってみてください。
巣鴨地蔵通り商店街
- 住所:東京都豊島区巣鴨4-28-18
- アクセス:JR巣鴨駅より徒歩5分
- 公式サイト:巣鴨地蔵通り商店街
4. 古奈屋 巣鴨本店(13:00~13:50)
お腹が空いたら、ランチにしましょう。巣鴨地蔵通りから「とげぬき地蔵」がある高岩寺を目印に路地に入ると、「古奈屋(こなや) 巣鴨本店」があります。
古奈屋は1983年に巣鴨で創業されたカレーうどんの名店。スパイシーかつクリーミーなこだわりのカレーうどんが人気で、メディアでもよく取り上げられています。
もともとはカウンターだけだった店舗を増築したそうで、写真左側には創業当時からあったカウンター席と厨房、右側には大きな窓から光の差し込む開放的なテーブル席があります。
今回はテーブル席に座って、店員さんおすすめの夏季限定「冷しバナナ天カレーうどん(1,520円)」をいただきました。
「バナナ天」という聞き慣れない言葉にびっくりしている方もいるかもしれませんが......まずは主役のカレーうどんからいただきましょう。
キンキンに冷えたうどんが身体に染み渡ります! 炎天下の日にぴったりのメニューでした。
細めの麺は、キュッとしまってコシがあり、カレーがよく絡みます。
カレールーはまろやか系かと思いきや、適度な塩味もあってキリリとした味。冷え冷えの麺によく合っていました。
どうやら温かいうどんと冷たいうどんでは、カレールーの配合や仕込み方を変えているんだそう。冷たくしたときに口当たりや旨味、塩味をちょうどよく感じることができるよう、計算しつくされたメニューです。
ということは、温かいカレーうどんはまた別の風味を感じることができるのかも......! また次回来店するのがとても楽しみです。
さて、未知の食べ物「バナナ天」も食べてみます。半分に切られたバナナは太く大ぶり。箸で持ち上げるとずっしりと重みを感じます。
ひと口食べてみると......ザックザクの衣に、中はとろとろ! 想像よりバナナの甘ったるさはなく酸味を感じて、カレーうどんの付け合わせとしてベストマッチでした。
しかしなぜ、バナナ天という珍しいメニューが生まれたのでしょう。素朴な疑問を社長に聞いてみました。
「もともと従業員のエネルギーチャージ用に、厨房の近くには常にバナナがありました。バナナはカレーとも相性が良いのではと考え、天ぷらで揚げてみたところ、おいしいと知りました。斬新なメニューとしてバナナ天を出してみると見事にヒットし、その後も根強い人気がある古奈屋の定番商品となりました」とのこと。
揚げてみて偶然発見したおいしさだったんですね! なお、みなさんご存知の通りバナナはスイーツとも相性抜群。「バナナ天バニラアイス添え」というデザートメニューも人気なんだそうです。
セットについてくる小鉢は「レモン寒天」。夏季のみならず、通年で提供されているひと口デザートです。
カレーうどんに合う締めのデザートをいろいろと試した結果、レモン寒天が一番人気だったんだそう。たしかに、カレーうどんとバナナ天でお腹いっぱいになったあとでも、ツルっと食べれる爽やかなデザートでした。
一品一品に試行錯誤の歴史やこだわりが詰まった「老舗らしさ」はありつつも、明るくオープンな雰囲気でだれでも入りやすい古奈屋。巣鴨観光の際のランチにぴったりのお店です。
古奈屋 巣鴨本店
- 住所:東京都豊島区巣鴨3-37-1
- 電話:03-3940-6180
- 営業時間:平日 11:00~16:30(ラストオーダー16:00)
- 土日 祝日 11:00~18:30(ラストオーダー18:00)
- 定休日:毎週火曜日ほか
- アクセス:JR巣鴨駅より徒歩5分
- 公式サイト:古奈屋
5. とげぬき地蔵尊 高岩寺(13:55~14:20)
古奈屋のとなりのお寺が高岩寺(こうがんじ)です。高岩寺は「とげぬき地蔵」として有名な巣鴨を代表する観光スポット。巣鴨駅にも巣鴨地蔵通り商店街の入口にも「とげぬき地蔵へはこちら」といった案内版があるので、どこからでもきっと迷わず向かえるでしょう。
「とげぬき」の由来は、針を誤飲した女性に地蔵尊像を写し取った紙札を飲ませたところ、 針が紙札の地蔵尊を貫いて出てきたことから。病気やケガはもちろん、心願成就の妨げになっている障害物を「とげ」として抜くお地蔵様として、古くから慕われています。
入口の山門を抜けると香ってくるのはお線香です。お寺で線香の香りを感じると、自然とほっと穏やかな気持ちになっていきますよね。この大香炉(だいこうろ)は「お供えするものは『かおり』であって『けむり』ではない」という考えに基づいて、煙をできるだけ出さない工夫をしているのだそう。いい香りで身体を清めてお参りしましょう。
境内を散策して特に気になったのは、本殿の隣にあったこの柵。長蛇の列を整備するためのようですが、その奥には何があるのでしょう......?
柵の先にあったのは、「洗い観音」でした。水をかけタオルや手ぬぐいなどで洗うとご利益があるのだそう。地元の方から外国人観光客まで、平日の昼間でも絶え間なく人が訪れていました。土日は少し並ぶかもしれませんが、ぜひ観音様を優しく洗ってみてください。
高岩寺に来たなら、お隣の「高岩寺 信徒会館」もおすすめ。大きなこけしが目印です。
館内にもこけしがぎっしり展示されていました! 東北復興支援の伝統こけしが常設展示されているんだそう。見学は無料です。手作りのこけしや仏像彫刻などを見ながら、冷房のよく効いた部屋で少し涼ませてもらいました。
とげぬき地蔵尊 高岩寺
- 住所:東京都豊島区巣鴨 3-35-2
- 電話:03-3917-8221
- アクセス:JR巣鴨駅より徒歩5分
- 公式サイト:とげぬき地蔵尊 髙岩寺
6. 東京染井温泉Sakura(14:30~15:30)
巣鴨駅から徒歩8分のところに温泉があるなんて知っていましたか?
高岩寺を出て向かったのは、「東京染井温泉Sakura」という複合温泉施設です。巣鴨駅の近くに、地下1800mから天然温泉の湧く場所があったなんて驚きです!
<写真提供:東京染井温泉Sakura>
東京染井温泉Sakuraの温泉は琥珀色。保温効果・保湿効果に優れていて、お肌がつるつる・すべすべになると評判の温泉なんだそうです。
泉質は「含ヨウ素-ナトリウム-塩化物強塩泉」とのことで、水滴が口に入ると、かなりしょっぱい味がします! 海が近いわけでもないのに、こんなに塩分濃度が濃い温泉が出るなんて、不思議で珍しいなと感じました。
<写真提供:東京染井温泉Sakura>
泉質もさることながら、もうひとつ驚いたのは、お風呂の種類の多さ。内風呂・露天風呂があるのはもちろん、そのなかでも、檜風呂のぬる湯、ジェットバス、岩風呂、和風風呂、シルキーバスなどがあり、「今度はあっちのお風呂に入ってみよう! 」と入浴中もワクワクして楽しめます。
<写真提供:東京染井温泉Sakura>
サウナ施設も充実しています。女性側にはミストサウナもありました。
1時間に1回稼働するオートロウリュもあるので、「サウナー」のみなさんは必見です!
ゆっくり温泉に浸かってぽかぽかと温まった身体に、冷たいコーヒー牛乳が沁みます......!
便利だったのが、ロッカーのカギで館内すべてのサービスを受けることができる「後払いシステム」。このコーヒー牛乳も、ロッカーのカギをかざすだけですぐに購入できました。
お財布いらずで館内のレストランやマッサージ、自動販売機などが利用できるのは本当にノンストレス! 広々とした畳の休憩スペースなどもあるので、お風呂上りに寝転がりながら、旅の思い出を振り返ってみてもいいかもしれません。
東京染井温泉Sakura
- 住所:東京都豊島区駒込5-4-24
- 電話:03-5907-5566
- 営業時間:10:00~23:00(22:30受付終了、最終浴室ご利用時間22:50まで)
- 定休日:年中無休(不定期でメンテナンスによる休業あり)
- アクセス:JR巣鴨駅より徒歩8分
- 公式サイト:東京染井温泉Sakura
7. 六義園(16:00~17:00)
最後に、ちょっと足を伸ばして庭園散策をしてみませんか?
東京染井温泉Sakuraから染井通りを東にまっすぐ突き当りまで歩くと、都立庭園の「六義園(りくぎえん)」が見えてきます。駒込駅から徒歩7分のアクセスですが、巣鴨駅からも歩いて15分で行ける、徒歩圏内のスポットです。入場料(個人一般300円、65歳以上150円)を支払って入ってみましょう。
六義園は近隣にある小石川後楽園とともに、江戸の二大庭園に数えられる有名な庭園。小高い築山と広い池がある、「回遊式築山泉水庭園(かいゆうしきつきやませんすいていえん)」という庭園様式となっています。
近隣に住んでいたので、春の桜、秋の紅葉の時期には六義園が大混雑することを知っています。しかし、今回夏の六義園は初めて訪れました。鳥と虫の声しかしない静かな庭園に入ると、視界にはめいっぱいの緑が広がっていきます。
夏の六義園は、深い森に迷い込んだかのような不思議な空間でした。とても大都会東京の、山手線沿いにある庭園だとは思えません。
敷地内には小さな茶屋(休憩処)がいくつかあるので、足を止めながら茶屋から見える景色も楽しんでみましょう。エリアによって植物が作り出す風景は少しずつ異なります。いかにこの庭園が綿密に計算され、大切に手入れして作られた場所か、実感できますよ。
園内の茶屋のひとつ、「吹上茶屋(ふきあげちゃや)」では抹茶と和菓子をいただけます。温かい抹茶も選べますが、炎天下のこの日は「冷抹茶セット(850円)」を注文しました。
点てられたばかりの冷抹茶を静かな木陰で飲む時間はまさに「風流」。茶屋には風鈴が掛けられており、そよ風が吹くたびにちりんちりんと鳴っていました。
春の桜、秋の紅葉でたくさんの観光客が押し寄せるシーズンも吹上茶屋は営業していますが、静かで穏やかな時間を過ごしたいなら、オフシーズンが狙い目かもしれません。
六義園
- 住所:文京区本駒込6-16-3
- 電話:03-3941-2222
- 開園時間:9:00~17:00(入園は16:30まで)
- 定休日:年末年始(12月29日~翌年1月1日まで)
- アクセス:JR駒込駅(南口)より徒歩7分
- 公式サイト:東京都公園協会 六義園紹介ページ
8. モデルコースを使って巣鴨の街歩きを楽しもう
今回は巣鴨観光の定番を押さえたモデルコースを紹介しました。紹介した6つのスポットのうち、六義園以外の5つはすべて巣鴨駅から徒歩10分以内の好アクセスです。
巣鴨は巣鴨地蔵通り商店街の周りにぎゅっと観光スポットが集結している街。だからこそ、商店街周辺のみでコンパクトに回るもよし、ちょっと隣駅まで足を伸ばしてみるもよし、あなたならではの観光コースで楽しむことができるでしょう。
また、巣鴨駅周辺は店舗が多く、ここで紹介しきれなかった定番スポットもたくさんあります。ふらっと巣鴨駅で降りて歩いてみるだけでいろいろな発見ができると思うので、気軽に街歩きしに来てみてください。
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安光あずみ
- 東京都在住のひとり旅好きライター。「ぼっちのazumiさん」名義にて、Yahoo!ニュースなどでも執筆中。電車旅、徒歩旅、自転車旅が好きで、国内旅行ばかりしています。国内旅行業務取扱管理者、世界遺産検定2級所持。