【南アフリカ】アパルトへイト撤廃から30年、ネルソン・マンデラゆかりの地を訪ねてみよう

ヨハネスブルグという名前を聞くと、治安の悪い危険な町という印象を持つ人も多くいるかもしれませんが、公共交通機関(バスターミナル、駅等)や徒歩での移動を避け、ツアーに参加する、もしくは車での移動をすれば、観光が可能です。

今回紹介するタウンシップは観光地化されており、信頼できる案内人の同伴があれば安全に観光ができます。

ヨハネスブルグでも有名なアパルトへイトの歴史、それと闘ったネルソン・マンデラにゆかりのある観光地をご紹介します。

目次

南アフリカ、ヨハネスブルグを安全に観光するために

アフリカの最南端にある国、南アフリカ。観光地としては第二の都市ケープタウンの方が有名ですが、南アフリカ最大の都市であるヨハネスブルグも、サファリの定番であるクルーガー国立公園やショッピングセンター、そして歴史が詰まった町として見所にあふれています。

日本からのアクセスとしては、直行便がないため、カタール航空やエミレーツ航空といった中東系キャリアか、シンガポール航空やキャセイパシフィック航空等アジア系キャリアを使い、経由を挟み約19時間で到着します。

日本国旅券があれば、観光目的で90日以内の滞在の場合、ビザは必要ありません。通貨は南アフリカランド(1ランド=8円、2024年8月15日現在)。

日本円からの両替も可能ですが、アメリカドルからの両替の方が受け付けてもらえる箇所が多いでしょう。また、強制ではありませんが、レストランやホテル、駐車場やトイレでもチップを渡す習慣があります。

南アフリカには12の公用語がありますが、ヨハネスブルグ ではほとんどの人が英語を話せます。

4月から10月までは乾季、11月から3月は雨季で、年間を通して温暖な気候です。アフリカというと常に暑いイメージですが、南アフリカでは朝晩の冷え込みが激しいので注意が必要です。

暑い日でも湿度が低いため、日差しにさえ注意すれば過ごしやすいです。

また、虫除け対策をしていればマラリアの心配はないため、予防薬等を服用する必要はないと言われています。一方で、入国の際、黄熱病の予防接種とその証明は必要となるため、注意が必要です。

ヨハネスブルグ

アパルトへイトを肌で感じてみよう

アパルトへイトとは、なんだったのかを学んでみましょう。歴史の教科書でアパルトへイトという言葉を目にすることはありますが、実際にその実態を知る機会はあまりないかもしれません。

アパルトへイトとは、南アフリカが植民地であった時代から1994年まで続いた、白人と有色人種を差別していた政策を指します。移動や結婚、土地の所有の制限のほか、教育や就業、賃金の差別など日常の様々な場面で、白人と有色人種での分離・差別が行われました。

ヨハネスブルグ中心部から南東へ8kmほどのところに位置しているアパルトヘイト博物館では、その歴史や政策を学ぶだけでなく、アパルトヘイトの疑似体験ができるように設計されています。

チケットを購入すると、本人の人種にかかわらず、ランダムに白人か非白人かが記されています。入り口は2つあり、観光客は自分のチケットに記された入り口から入館します。

展示場は鉄格子で仕切られており、自分が入った入り口によって、白人視点、非白人視点のそれぞれの視点で展示物を見ることができるのです。差別をする側、される側、両方の視点からアパルトヘイトを学ぶことができます。

アパルトヘイト博物館

筆者は非白人のチケットでした。鉄格子越しに「ビーチ、白人のみ」という看板が見えます。

アパルトヘイト博物館

アパルトヘイト以外の展示スペースもあり、1880年代の出稼ぎ労働者が流入してきた際のアジア人コミュニティの様子や、来館者が石を積み重ねて行く事で差別に対して戦う連帯を示す参加型の展示もあります。

Apartheid Museum

  • 住所: Cnr Northern Parkway & Gold Reef Roads, Ormonde, Johannesburg
  • 営業時間:9:00~17:00
  • 閉館日:月曜日、火曜日
  • 公式サイト:Apartheid Museum

マンデラの住んでいたアレクサンドラ地区を歩いてみよう

ヨハネスブルグを訪れる際に、ぜひ足を運んで欲しいのがタウンシップと呼ばれる、アパルトヘイト時代に黒人専用の居住区として指定された地域。南アフリカ最大のソウェトと呼ばれるタウンシップも有名ですが、今回はネルソン・マンデラも住んでいた、アレクサンドラ地区をご紹介します。

アレクサンドラ地区はアパルトヘイト博物館と同じハウテン州にあり、元々は白人専用の居住地区として計画されていたものの黒人専用のタウンシップとなった、市街地近くに設定された数少ないタウンシップの1つです。

ヨハネスブルグ内でも最も貧しい地区の1つで、その隣には最も裕福な町であるサントンがあり、現在でも残る差別の爪痕と不平等が如実に現れる地域です。訪問の際には、案内人を依頼するかツアーに参加することで、安全に観光することができます。

筆者はImbizo Toursに依頼し、徒歩での観光をしましたが、自転車での観光プランもあります。ひったくり等の犯罪から身を守るため、荷物をツアー会社のオフィスに預け、できるだけ所持品を少なくして出発です。

アレクサンドラ地区

タウンシップにはトタン屋根とコンクリートでできた小さな家が密集しており、蜘蛛の巣のように張り巡らされた小道を歩いていきます。南アフリカで有名なバーベキューを路上で調理していたり、人々の暮らしを垣間見ながら足を進めます。

南アフリカで有名なバーベキュー

非白人労働者用に設立されたものの、一時は犯罪や売春の温床となってしまったホステルを訪れてアパルトヘイトが引き起こした負の側面を垣間見たり、人々が心の拠り所としている教会を訪れたり、ディープな南アフリカを体験できます。

アレクサンドラ地区

そして、アレクサンドラの1番の見所はMandela's placeと呼ばれる家。アパルトヘイト撤廃を主導し、南アフリカの元大統領でもあったネルソン・マンデラ。

彼は1941年にヨハネスブルグに移り住んだ際、初めての住居としてアレクサンドラ地区にある部屋を借りました。

彼が住んでいた部屋と庭は現在空き家となっていますが、歴史遺産として保存されており、この部屋に住んでいた時代のマンデラの活動が紹介されています。

Mandela's place

Mandela's place

  • 住所: 46 7th Avenue, Alexandra, 2014, South Africa
  • 紹介サイト:Mandela's place

まとめ

今回は、ヨハネスブルグでも、特にアパルトヘイトの歴史を感じられる2カ所をご紹介しました。しっかりと情報を収集し準備をすれば、ヨハネスブルグ観光も怖くありません。

アパルトハイトが廃止され、すべての人種が参加できる選挙が行われたのは1994年。アパルトヘイトが終わりを告げてから30年が経った今日、改めて人類の負の歴史を学ぶ旅に出てみませんか。

Imbizo Tours

  • 住所: 2794 Tunzi St, Moroka, Soweto, 1818, South Africa
  • 電話番号:+27 61 205 3235 / +27 83 700 9098
  • 営業時間:7:00~17:00(日曜日のみ7:00~18:00時)
  • 公式サイト:Imbizo Tours

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Saori K. Courtois

西アフリカ在住の国際公務員。アフリカの日常的観光スポットから~旅行に役立つ情報まで幅広くお届けします。

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