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【美しい稜線と迫力を満喫】後立山連峰中央部を縦走する夏山登山!!
<トップの画像:鹿島槍ヶ岳北峰山頂から望む>
こんにちは!「三度の飯と山が好き!!」がキャッチフレーズの倉山(くらさん)です。
皆さま、夏山登山を楽しまれていますか?
登山道に咲く綺麗な高山植物、透き通る様な景色を眺め、汗を流し、肝を冷やしながら登頂する達成感は何とも素晴らしい思い出になりますね。
2024年は夏山登山に出掛ける機会に恵まれ、7月の南アルプスに続き、8月上旬にはなりましたが、北アルプスの後立山連峰(うしろたてやまれんぽう)中央部にそびえ立つ、登山好きには憧れと人気の主峰を縦走して来ました。
今回も幸い天気に恵まれ、予定したルートを歩くことができましたので、その様子をご紹介します。
目次
後立山連峰ってどこにある?どんな山でどうやって行くの??
まず、日本の屋根と呼ばれる「日本アルプス」は、北から南に「北アルプス(飛騨山脈)」、「中央アルプス(木曽山脈)」、「南アルプス(赤石山脈)」と3つ斜めに並んだ山脈の総称になります。
その内、後立山連峰は北アルプスに属し北は富山、長野、新潟3県境にある白馬岳から、南は針ノ木峠付近までを含む山域を称し一帯は中部山岳国立公園に属しています。
<地図出典:写真館(Vol.173)>
後立山連峰は広域になりますが、今回私が縦走したのは、長野県と富山県の県境にまたがる連峰中央部『唐松岳、五竜岳、鹿島槍ヶ岳、爺ケ岳』の名峰と日本三大キレット(切戸と書き、尾根の中で深く切れ落ちている場所を指します)のうち、不帰の嶮と八峰キレットを歩いて来ました。
登山口・アクセスについては、広域になるため山岳別に複数ありますが、公共交通機関利用でJRなら信濃大町駅か白馬駅、高速バスなら白馬八方バスターミナルや立山黒部アルペンルートの扇沢バスターミナルが一般的な乗降場所になり、そこからバスやタクシーで便利にアクセスできます。
私は、関東方面から行きますので、高速夜行バスで白馬八方バスターミナルに到着し、登山を開始。下山は、扇沢バスターミナルからJR信濃大町駅へバスで移動し、電車で帰宅しました。
>>北アルプス北部の主要登山口へ公共交通機関アクセスの公式サイトはこちら
今回歩いたルートとスケジュール(計画表は入山前)
大きな山塊なので、実際歩いた総距離は約38kmになりました。※YAMAP計測
<地図出典:「久留米発 ほぼ 週一・登山」に一部加筆>
1日目:夜立ち~2日目:歩行 7時間30分
新宿南口・バスタ新宿4階(23:05発)===<夜行高速バス5551便(6,900円/カード精算)>===白馬八方バスターミナル(05:44着)バス停・・・<徒歩10分>・・・ゴンドラ山麓駅※標高770m(7:00から)==<アルペンライン利用/1,900円/ゴンドラ+リフト+リフト/乗車20分>==第一ケルン・・・八方池山荘※標高1830m・・・<八方尾根4.5km>・・・第二ケルン・・・第三ケルン※標高2070m・・・丸山ケルン※標高2,430m・・・唐松岳頂上山荘※標高2,620m(11:30頃)・・・〔山荘に荷物預ける〕・・・唐松岳※標高2,696m・・・不帰の嶮(三峰・二峰・一峰・不帰キレット往復するルート)・・・唐松岳・・・頂上山荘(14:30頃)
【宿泊先】唐松岳頂上山荘/TEL 090-5204-7876(1泊夕食付 14,000円/現金払い)※公式サイトにてネット予約
3日目:歩行 8時間30分
山荘(5:00発)・・・大黒山※標高2,511m・・・白岳※標高2,541m・・・五竜山荘(7:30頃)・・・五竜岳※標高2,814m(8:30頃)・・・八峰(はちみね)キレットG4・G5・北尾根ノ頭(11:00頃)・・・キレット小屋※標高2,518m(13:30頃)
【宿泊先】キレット小屋/TEL 0261-72-2002(1泊夕食付 14,500円/現金払い)※白馬館予約センター/0261-72-2002にて電話予約
4日目:歩行 7時間30分
小屋(5:00発)・・・鹿島槍ヶ岳・北峰※標高2,842m・・・南峰※標高2,889m(7:30頃)・・・布引山※標高2,683m・・・冷池山荘※標高2,420m(9:30頃着)・・・爺ヶ岳・北峰※標高2,631m・・・中峰※標高2,670m(11:30頃)・・・南峰・・・種池山荘※標高2,460m(12:30頃)
【宿泊先】種池山荘/TEL 0261-22-1263(1泊夕食付 13,100円/現金払い)※公式サイトにてネット予約
5日目:歩行 3時間
山荘(6:00発)・・・柏原新道をひたすら下山・・・扇沢バス停※標高1,433m(9:00頃/9:55発)==<北アルプスバス40分/1,650円/現金払い>===JR信濃大町駅・・・<徒歩3分>・・・七倉荘/TEL 0261-22-1564/680円(日帰り入浴と昼食)・・・ 信濃大町駅(13:01発)==<JR普通電車>==松本駅(14:00着/乗換)==東京方面へ
※食事の準備:夕食は山荘で準備していただき、その他は全て自炊しました
ルートに沿って写真でご紹介!
新宿バスタより高速夜行バスで一路白馬八方へ。快適でしたがやはり仮眠状態でした。
朝5:30頃、夜が明けたばかりの白馬八方バスターミナルに到着。ここが今回の登山口。
アルペンラインのゴンドラとリフトを乗り継いで、一気に標高1,830mまで移動。
八方池山荘はガスに煙った感じですが、そんなことは気にせずにスタート!
間もなく、ルートの選択肢に問われます。せっかくここまで来たからには、もったいないので右側「HRAD方面」を歩きます。
たくさんの高山植物が綺麗に咲いていましたが、相変わらず名前を覚えられません。
八方尾根にはケルンが連続して建ちます。遭難防止に役立つ道標です。
快晴なら、白馬三山を水面に写し出す「八方池」ですが、見えたことにして通過。
「まるでお花畑みたいに綺麗」と思い、横目で見ながら通過します。
一度、唐松岳頂上山荘で荷物を降ろし、「唐松岳」の山頂を目指します。
標高2,696mの唐松岳に登頂しましたが、ガスで何も見えません。
楽しみにしていた「不帰の嶮、不帰キレット」を予定通り歩いて来ました。
さすがに日本三大キレットの一つ。険しい道が続きます(今回は往復)。
山小屋1泊目の「唐松岳頂上山荘」では、快適に翌朝まで爆睡しました。
3日目の朝、歩き始めて直ぐ目に飛び込んで来たこの看板。
本当にすぐ鎖場でした。朝から刺激的なルートが始まります。
天に向かって岩稜を登って行きます。
【動画】快晴の中ここまで歩いて来た稜線を振り返ってみました(約40秒)
三年前に登った「剣岳と立山三山」の景色に疲れも癒されます。
五竜山荘と五竜岳へ続く稜線がはっきり見えて来ました。
まさに、これから私は、五竜岳山頂を目指してさらに縦走を続けます。
確かに看板の忠告通り、険しく逃げ道はありません。岩稜を慎重に進めます。
標高2,814m、日本百名山「五竜岳」からの眺望は抜群でした。
ここから楽しみにしていた「八峰キレット」が始まります。日本三大キレットの一つです
垂直な登りには鉄のハシゴが掛かっていたので、安心して歩けました。
北穂高の大キレットを歩いた時にも、こんな鎖場ルートがあったなぁと思い出しました。
鎖場は、降りるより登るルートの方が安心で楽な気がします。
八峰キレットは距離が長いので緊張と集中力が続きます。この看板に労いを感じました。
山小屋2泊目の「キレット小屋」に到着。崖の合間の鞍部に建てられた小屋です。
澄み渡る空気の中で、夕日に染まる「剣岳」は綺麗でした。
4日目の朝、キレット小屋を背にして、引き続き鎖場ルートを登ります。
岩稜ルートが長いのが八峰キレット。危険ですが、十分に楽しむことができます。
日本百名山の鹿島槍ヶ岳は、北峰と南峰の双耳峰(そうじほう)。どちらも鋭く天を指しています。
北峰からの眺望。遠くに「槍ヶ岳」も見えていました。
【動画】鹿島槍ヶ岳の山頂から360度のパノラマをお楽しみください(約63秒)
鹿島槍ヶ岳もう一つの頂上の南峰。いつまでも眺めていたい景色が広がります。
今回の山旅、最後の頂き「爺ケ岳の山頂」。北峰、中峰、南峰と越えて来ました。
山小屋3泊目の「種池山荘」でランチタイム。名物のピザをビールと共にいただきました。
【動画】幻想的な夕暮れの景色をご覧ください(約16秒)
5日目の朝、ゴールの扇沢を目指して柏原新道の登山道を一気に下山。
下山途中、見事な雲海の先には、蓮華岳と針ノ木岳を望むこの絶景。
歩き始めて約2時間、扇沢バスターミナルに無事下山しました。
扇沢は立山黒部アルペンルートの拠点です。朝早くから多くのお客様で賑わっていました。
扇沢からJR信濃大町駅までは、路線バスに乗って約40分で到着します。
信濃大町駅の近くの宿で登山の汗を流して、好物の「信州八割蕎麦」をいただきました。
旨すぎて冷たい蕎麦をお代わり。駅そばの「榑木川(くれきがわ)」はおすすめです(安くて旨い)。
雑談とワンポイントアドバイス
今回ご紹介した「後立山連峰・中央部」のルートは、登山技術体力と知識が中級者以上として、敢えて紹介させていただきました。
画像でもご覧いただいた通り、日本三大キレット(切戸と書き、尾根の中で深く切れ落ちている場所を指します)に数えられる危険とも言える岩稜ルートが続くことからです。
特に、五竜岳と鹿島槍ヶ岳を結ぶ『八峰キレット』は、他の「大キレット」や「不帰キレット」よりも通過距離が長く、危険な箇所が多くあり、鎖も無い岩稜が出て来ます。指先、つま先を岩に掛けて移動した場所も何度かあり、集中する時間が長くなりました。
しかし、雄大に続く稜線や見渡す限りの景観は、危険なことや疲れなど忘れてしまうほどに素晴らしく、皆さまご自身の目でぜひご覧いただきたいと考えます。
ただし、私からこのルートへのお誘いは、恐らくしません。
誘われたら考えますが、岩稜歩きに慣れた方であれば、同行させていただきたいと思います。
最後になりますが、登山の際に「水」のありがたさを感じることは多く有ると思います。
今回のルートでは湧水が無く、山小屋で入手することになりましたが、連日の悪天候で物資を運搬するヘリコプターが飛べない日が続き、飲料も食品も不足していました。
どの小屋も水は天水に頼り、ミネラルウォーターは必要数を量り売りするほど貴重な物になっていました。それでも心身のビタミン「缶ビール」はどの小屋でも販売していましたので助かりました。
登山道の脇にはとても小さく可愛いらしい「高山植物」がたくさん咲いていますので、お花の好きな方にもおすすめの山です。
こんなに素晴らしいアルプスの山々へ時間を掛けながらゆっくり登ってみませんか。
・・・・・登山の紹介はまだまだ続く。
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倉山(くらさん)
- 2013年富士山が世界文化遺産登録の夏、50歳を迎えるこの年に富士山登頂を人生の思い出にしようと体力作りに近郊の山を歩き始めました。最初は息切れ筋肉痛や転倒など情けない状態でしたが、大自然に抱かれる心地よさに魅了されてしまい今では低山から日本アルプスまで登山なしではいられない生活になりました。仲間でお弁当持ってく歩く山が楽しくて大好きです。単独行でストイックに歩く山も好きです。素晴らしい景色、美味しい空気、そして大自然のありがたさを仲間の皆さまに感じて頂きたいと思う毎日です。目の疲れもストレスも景色を見ると癒されます。体調がとても良くなり食事が美味しくなります。きっと良いことが待っている山歩きを私と一緒に始めてみませんか。