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円高対策! マドリードのミュージアムのお得な無料入場情報
<トップ画像:国立考古学博物館/提供:Hiberus ©Madrid Destino>
円安と物価高、それに航空券の値段高騰と、日本人が海外旅行をするのに強い向かい風が吹く今日この頃。旅行費用は少しでも節約したいものです。今日は、マドリードの観光スポットの無料入場に関するお得な情報をお届けします。
目次
- あのプラド美術館も無料開放を実施
- マドリードに行くならぜひ観たいピカソのゲルニカ
- 西洋絵画好きにはぜひおすすめの美術館
- ヨーロッパ貴族の暮らしがうかがえるスポットも
- アートだけに限らず、博物館でも
- おわりに
あのプラド美術館も無料開放を実施
この秋、コロナ禍で4年以上運休していたイベリア航空の東京(成田)-マドリード直行便が復活するので、スペインに行きやすくなります。日本との窓口になるマドリードは、歴史あるスペインの首都で見どころもたくさん。でも、あちこちまわると入場料も馬鹿になりません。嬉しいことにマドリードの観光スポットには、無料で入場できる曜日や時間帯を設けているところが多いので、それに合わせて見学する手があります。早速ご紹介していきましょう。
世界三大絵画館のひとつに数えられるプラド美術館は、マドリードの人気スポット。歴代のスペイン王室コレクションをメインに、ベラスケスやゴヤ、ルーベンスなどヨーロッパ絵画の宝庫です。クラシックな西洋絵画好きにはたまりません。
<ベラスケスの名画『ラス・メニーナス』 画像提供:Álvaro López del Cerro ©Madrid Destino>
プラド美術館は月曜日から土曜日の18:00~20:00と日曜祝日の17:00~19:00に無料開放されます。今年のはじめに行ったのですが、人気スポットで、なおかつ日曜日でしたので17:00に着いた時には長蛇の列。
結局1時間近く並ぶことになり、館内を見学する時間はわずかでした。早めに行って並んでおくことをおすすめします。また、じっくり見るとなるとほぼ1日がかりになる広い館内なので、無料開放時間に行くならあらかじめ観たい絵を決めて、場所も調べておくといいでしょう。
プラド美術館/Museo Nacional del Prado(一般入場券15ユーロ)
- 住所:Paseo del Prado s/n, Madrid
- 公式サイト:プラド美術館
マドリードに行くならぜひ観たいピカソのゲルニカ
ソフィア王妃芸術センターは、20世紀の現代アートを展示する美術館。スペイン市民戦争中の1937年に、バスク地方の小さな町ゲルニカが爆撃されたことに心を揺さぶられたピカソが描いた名作ゲルニカがあることで知られています。ほかにはダリやミロの作品も。
<現代アートの宝庫 画像提供:César Lucas Abreu ©Madrid Destino>
ここは月曜日から土曜日(※火曜日は休館)の19:00~21:00と日曜日の12:30~14:30、4月18日、5月18日、10月12日、12月6日が入場無料です。
最終入館は閉館30分前で、閉館15分前から退場をうながされます。無料チケットはこちらのサイトから予約できます。
ソフィア王妃芸術センター/Museo Nacional Centro de Arte Reina Sofía(一般入場券12ユーロ)
- 住所:Calle Santa Isabel 52, Madrid
公式サイト:ソフィア王妃芸術センター
西洋絵画好きにはぜひおすすめの美術館
ドイツ人で20世紀の美術品収集家のボルネミッサ男爵と父親のハインリヒ男爵が集めた珠玉のコレクションに加え、ボルネミッサ男爵夫人でスペイン人のカルメンの収集品を観ることができるのが、ティッセン・ボルミネッサ美術館です。
15世紀から20世紀までの名画が年代順に展示されているので、西洋絵画の変遷がわかりやすいことが特徴。
月曜日終日と土曜日の21:00~23:00が無料開放になっています。月曜日の開館時間は12:00~16:00と短いのですが、ここは2時間半あれば全館鑑賞できるので問題ありません。
ティッセン・ボルネミッサ美術館/Museo Nacional Thyssen-Bornemisza(一般入場券13ユーロ)
- 住所:Paseo del Prado 8, Madrid
- 公式サイト:ティッセン・ボルネミッサ美術館
<西洋絵画の流れがよくわかる展示が特徴 画像提供:César Lucas Abreu ©Madrid Destino>
芸術振興を目的に18世紀に設立された王立サン・フェルナンド美術アカデミーでは、かつてピカソやダリも学んでいました。併設された美術館にはスペイン内外の15世紀から20世紀の絵画をはじめとする美術装飾品が展示されています。
スペイン絵画好きは必見のこの美術館は、祝日以外の水曜日と5月18日、10月12日、そして12月6日が終日無料開放となります。
王立サン・フェルナンド美術アカデミー/Real Academia de Bellas Artes de San Fernando(一般入場券9ユーロ)
- 住所:Calle Alcalá 13, Madrid
- 公式サイト:王立サン・フェルナンド美術アカデミー
ヨーロッパ貴族の暮らしがうかがえるスポットも
由緒ある名門貴族アルバ公爵家のお屋敷、リリア宮は月曜日の9:15と9:45の入場が無料なのですが9:45は65歳以上のみなので、そうでない方はちょっと早起きをして9:15の入場を目指しましょう。
毎週月曜日の12:00に次の月曜日の無料入場券がウェブサイトに出るので、そこで予約をするシステムになっています。また、1回に2人分しか予約することができません。
現当主が住まう広いお屋敷の一部が公開されていて、各自オーディオガイドを持ちグループでまとまって案内に従って見学するスタイルです。個人の邸宅にも関わらず、ゴヤやルーベンス、エル・グレコなどの絵画のほか素晴らしい調度品や、フェルナンド王の遺書などが展示されていて目を見張ります。
リリア宮/Palacio de Liria(一般入場券16~18ユーロ)
- 住所:Calle la Princesa 20, Madrid
- 公式サイト:リリア宮
<目を見張るほどの芸術品の数々 画像提供:Álvaro López del Cerro ©Madrid Destino>
第17代セラルボ侯爵の住居だったセラルボ美術館も、貴族の暮らしを垣間見ることができる貴重なスポットです。映画に出てきそうな豪華な屋敷内に、絵画や彫刻のほか装飾品や調度品が展示されています。
この美術館は、木曜日の17:00~20:00(祝日は除く)と日曜日のほか、4月18日、5月18日、10月12日、12月6日に無料で見学できます。
セラルボ美術館/Museo Cerralbo(一般入場券3ユーロ)
- 住所:Calle Ventura Rodríguez 17, Madrid
- 公式サイト:セラルボ美術館
<セラルボ美術館の庭園 画像提供:Paolo Giocoso ©Madrid Destino>
18世紀末から19世紀前半に起こった芸術運動のロマン主義は、古典主義に反し、形式や理性に縛られず感情や情熱などに重きを置きました。ロマン主義美術館では、昔のお屋敷を改装してこの時代の絵画や楽器、王侯貴族の調度品などを展示しています。サロンや寝室、食堂などが再現され、そこに所蔵品が展示されているため、当時のお金持ちの邸宅を見学している気分になります。
ここの無料開放は土曜日14:00以降、日曜日終日、4月18日、5月18日、10月12日、12月6日になります。ちなみに、私は併設されているこじんまりしたカフェがお気に入りです。見学後にひと休みしてはいかがでしょう(カフェのみの利用も可能です)。
ロマン主義美術館/Museo del Romanticismo(一般入場料3ユーロ)
- 住所:Calle San Mateo 13, Madrid
- 公式サイト:ロマン主義美術館
アートだけに限らず、博物館でも
歴史好きなら訪れてみたいのが国立考古学博物館。スペイン出土の有史前から19世紀までの遺物が展示されています。今から1万4000年前に描かれたアルタミラ洞窟の壁画のレプリカや、2500年前につくられたエルチェの貴婦人像も。土曜日の14:00以降、日曜日、4月18日、5月18日、10月12日、12月6日に無料で入場することができます。
国立考古学博物館/Museo Arqueológico Nacional(一般入場料3ユーロ)
- 住所:Calle Serrano 13, Madrid
- 公式サイト:国立考古学博物館
<神秘的で美しいエルチェの貴婦人像 画像提供:Hiberus ©Madrid Destino>
地球上のさまざまな民族の文化を広く紹介しているのが国立人類学博物館です。世界中から集められた展示品があり、異なる民族や文化について学ぶことができます。土曜日の14:00以降、日曜日、および4月18日、5月18日、10月12日、12月6日に無料開放となります。
国立人類学博物館/Museo Nacional de Antropología(一般入場料3ユーロ)
- 住所:Calle Alfonso XII 68, Madrid
- 公式サイト:国立人類学博物館
東京・上野にある科学博物館を彷彿させる国立自然科学博物館は、日曜日の17:00~20:00に無料で入場できます。いろいろな生き物の標本や恐竜コーナーがあるので、小さなお子さんを連れてマドリードに滞在される方には特にお勧めです。
国立自然科学博物館/Museo Nacional de Ciencias Naturales(一般入場料7ユーロ)
- 住所:Calle José Gutiérrez Abascal 2, Madrid
- 公式サイト:国立自然科学博物館
<子どもと一緒に楽しめる自然科学博物館 画像提供:Agustín Martínez ©Madrid Destino>
おわりに
字数の関係で全部紹介できませんでしたが、いかがでしょう? 気になったところはありましたか? マドリードに滞在される際の参考になると嬉しいです。
今回無料開放について調べていて思ったのは、マドリードはがんばっている!ということです。無料開放日があるだけでなく、多くの美術館や博物館がこのご時世にまだ3ユーロで入場できるのです。
入場料が高くなると地元の人が行きづらくなるので、市民に対する配慮もあるのでしょう。素晴らしいですね。
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田川敬子(Keiko Tagawa)
- 1996年スペインにひとめぼれ。以後何度も渡西し、2002年春に夢がかなってスペインで日系企業に就職。その後現地企業を経て、現在はオリーブオイルソムリエ/テイスターやライターとして活動中。