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【私の好きな日本遺産】福井から京都を結ぶ古道「鯖街道」はツーリングやロングライドもおすすめ
こんにちは!2024年6月に日本遺産検定を取得し、日本遺産ソムリエとなった土庄(とのしょう)雄平です。「日本遺産」とは、地域の歴史的魅力や特色を通じて日本の文化・伝統を語るストーリーのこと。現在、全部で104のストーリーが認定されています。
連載【私の好きな日本遺産】では、これまで全国を旅した経験の中から、筆者イチオシの日本遺産をピックアップし、その魅力や名残あるスポットをご紹介したいと思います。
第2弾は、福井・滋賀・京都にまたがる「鯖街道」です。
目次
日本遺産に認定された「鯖街道」とは?
鯖街道は、福井県小浜市から京都市へ至る、かつて鯖を運ぶための古道です。新鮮な鯖を若狭湾から京の都へ運ぶための重要な物流ルートで、その繁栄の様子は今も熊川宿の町並みに見ることができます。
全長約75kmにわたり、美しい山間部を通り抜けるこのルートは、現在では歴史探訪の観光ルートや2泊3日のウォーキングコースとして人気があります。
鯖街道の顔・若狭街道へ。世界が変わる花折峠
実は鯖街道といっても、1つのルートを指すわけではなく、小浜市〜京都市を結ぶ複数のルートの総称なのはご存知でしょうか。そのうち、最も認知されているのが、若狭街道(国道367号線・一部303号線、一部国道27号線)です。
京都北部の山々と琵琶湖の西にそびえ立つ比良山地の間、谷間に伸びている国道で、滋賀県高浜市今津町から京都までほぼ直線的につながっています。
またアップダウンの激しい山間部ですが、比較的歩きやすい内容となっており、古道としていかに優れたルート選定だったかがわかります。
道中には花折峠という難所がありますが、ここは京都大原の手前に位置しています。小浜市からの長い道のりを経て、ようやく京都が近づいてきたことを実感させるスポットです。
さらに、花折トンネルを挟んで北と南で気候が大きく異なります。特に冬には、南側には雪がなくても北側は吹雪いていることがよくあります。花折峠はまるで、2つの異なる世界の境界線のようです。
念願の全線舗装化。鯖街道の支流・おにゅう峠を訪ねて
今でも舗装路として通行できる鯖街道としては、五波峠とおにゅう峠の2つがあります。このうち後者は、2020年に念願の全面舗装化が完了しました。
もともと滋賀県側のみ舗装され、ややマニアックなスポットだった「おにゅう峠」。2018年ごろまではGoogleマップの登録もなかったのですが、次第に認知されるように。今では、紅葉や雲海の名所として有名になっています。
峠の頂上まで至ると、福井県側には日本海とスケールの大きい山々が広がります。まさに古代から続く、海から山へと物資を運んだ鯖街道ならではの情緒を味わえる場所です。
近年はロードバイクで訪れるサイクリストも多数おり、ヒルクライマーの聖地となっている側面も。京都から鯖街道(若狭街道)を走り、滋賀県側の朽木渓流を経由して、おにゅう峠に入る日帰りロングライドも人気になっています。
面でめぐるのが楽しい!古道を追体験できる「鯖街道」
鯖街道の面白さは、古道としてのルートを追体験できることです。古代と同じ徒歩から、車やバイク、自転車などさまざまな手段で巡ることができます。
比較的コンパクトということもあって、手段にもよりますが、日帰り〜2泊3日までサクッと巡れるのが魅力。途中には、鯖寿司を味わえるお店もいくつか点在しているので、ぜひ立ち寄ってみてください。
鯖街道(おにゅう峠)
- 住所:滋賀県高島市朽木小入谷
- 営業時間:24時間
- TEL:0740-33-7101((公社)びわ湖高島観光協会)
- 関連サイト:高島観光ガイド(おにゅう峠)
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土庄雄平
- 1993年生まれ、愛知県豊田市出身。同志社大学文学部文化史学科・英文学科卒。サラリーマンの傍ら、自転車旅&登山スタイルで、日本各地を駆け巡るトラベルライター。春は桜を愛でながらサイクリング、夏は冷涼な北日本へ自転車で大冒険、秋は秘境の紅葉を求めて山登り、冬は輝く樹氷と白銀の世界に魅了される。そんな自然の中へ身を投じる旅がルーティーン。