【鳥取】世界屈指のラドン泉 "三朝(みささ)温泉" で懐かしい湯治場の風情に浸る

三朝温泉

鳥取県の中部にある三朝温泉は、昔ながらの湯治湯の雰囲気が漂う、静かで風情ある温泉街です。

三朝と名づけられた由来は、この温泉で三たび朝を迎える(3泊するという意味)と元気になるといわれるところから三朝と呼ばれるようになったのだとか。

三朝温泉の奥に鎮座する三徳山(みとくさん)は修行の山で、修験者は修行の前に温泉に浸かり、心と体を清めるという一連の作法が生まれました。

この記事では、三朝温泉の成り立ち、雰囲気、泊まった三朝を代表する名旅館「依山楼岩崎」などをご紹介します。

目次

三朝に伝わる白狼伝説

この三朝温泉には白い狼の伝説が伝わります。

今から約850年前、源義朝(頼朝の父)の家来であった大久保左馬之祐(さまのすけ)という侍がこの地で白狼を見つけ、弓で射ようとしたが、年老いた狼は時に神仏の化身であると考え、そのまま見逃した。

その夜 左馬之祐の夢に妙見大菩薩が現れ、白狼を助けたお礼にと温泉の場所を教えてくれた。

その場所には一本の古木があり、根元から温泉が湧きだしていたことから「株湯」と呼ばれるようになり、今に続く三朝温泉の始まりとなりました。

株湯
<株湯>

また三朝温泉は、世界屈指のラドン泉であることでも有名です。

ラドン泉とは

ラドンとは、ラジウムの原子崩壊によってできる微量の放射能を帯びた気体のこと。

ラドン泉に入ると、ラドンは主に肺から吸収されて細胞を刺激し、新陳代謝を高め、免疫力や自然治癒力を高めてくれます。

微量の放射線などの刺激が生命にとってプラスに働くことをホルミシス効果と呼んでいるそうです。

三朝温泉の泉質は含放射能/ナトリウムー塩化物泉・単純泉。

神経痛、皮膚病、動脈硬化などに、また飲泉では慢性消化器疾患、慢性気管支炎、胃腸病などに、そして呼吸病によって抗酸化機能が高まり、老化や生活習慣病などに効能があるといわれています。

三朝温泉は「吸ってよし、飲んでよし、浸かってよし」と三拍子揃った温泉なのです。

すーはー温泉

温泉街には温泉の熱気を吸引する施設もあります(要予約)

>>天然ラドン熱気浴泉の情報はこちら

温泉は数か所で飲泉することができ、実際飲んでみましたら、やや塩味を感じますが、匂いもクセもなく飲みやすかったです。

飲む量としては、1日コップ1杯くらい飲めば良いのだとか。

おすすめの入浴時間は3~4分、長くても10分まで。いったんお湯から出て体を休めて再び浸かるのは良いようです。

医療的効能は言えませんが、地元の人たちががんになる割合が他の町より低いというデータがあるそうです。

温泉街を町歩き

町の中心にいかにも温泉街らしい通りがあります。

温泉街

温泉街

どこか懐かしい空気が漂っています。

泉娯楽場
<泉娯楽場>

射的、スマートボール、手打ちパチンコなど一定以上の年齢の方には涙ものの施設があります。

三朝在住のフランス人アンソニー

アンソニー

三朝温泉の観光協会スタッフのフランス人アンソニーさん。

三朝に住んで13年になるそうです。日本語もペラペラで彼に温泉街を歩いて案内してもらいました。

アンソニーさんに三朝の魅力を訊いてみました。

「三朝は居心地が良いんですね。古い日本の情緒を感じられる。私が外国人なのに、地元の人が優しく受け入れてくれました。それでもう13年も住んでいます」と。

昭和天皇や文人も宿泊した歴史ある依山楼岩崎

依山楼岩崎

私が訪れたのは初夏(6月末)でしたが、三朝温泉街に流れる三徳川に、"清流の歌姫"と言われる"かじか蛙"の鳴き声が聞こえました。

温泉街から川の向こうに堂々と立っているのが見えます。あれが三朝温泉のシンボルでもある歴史を刻む名旅館「依山楼岩崎」です。

依山楼岩崎

ホテルから見える純和風庭園「依水苑」は背後の山を借景に滝を引き、池泉や離れを配した情趣あふれるたたずまいです。

依山楼岩崎

窓の外に見える離れ「三朝閣」は昭和22年昭和天皇が全国御巡幸の際に宿泊されたお部屋だそうです。

また大正、昭和の頃には、田山花袋、島崎藤村、与謝野鉄幹・晶子夫妻、野口雨情など名だたる文人らが宿泊しました。

部屋

今回泊まったお部屋がこちらです。

敷布団がしっかり固めのマットレスで寝心地抜群でした。

また朝食の時に布団を上げにこられないので、出発までゆっくりのんびりできました。嬉しい配慮です。

お部屋から見下ろす三徳川

お部屋から見下ろす三徳川。名物の河原露天風呂が橋のたもとに見えます。

依山楼岩崎といえば回遊式大庭園露天風呂

このお宿では、数多くのお風呂を楽しむことができます。まるで温泉のテーマパークです。

逢水の湯
<逢水の湯/写真提供:依山楼岩崎>

智者の湯
<智者の湯/写真提供:依山楼岩崎>

投入堂洞窟風呂
<投入堂洞窟風呂/写真提供:依山楼岩崎>

温泉に入った感想としては、ぬるい湯に入っても数分で鼓動が高まるのがわかりました。細胞が活性化して体が温まるのだろうと思います。

夕食膳

こちらが依山楼岩崎の夕食膳です。

お造り盛り合わせ
<お造り盛り合わせ。手前左から本鮪、鯛、甘えび、かんぱち>

鳥取和牛ミニステーキ
<鳥取和牛ミニステーキ>

のどぐろ煮つけ
<のどぐろ煮つけ>

鳥取和牛豆乳しゃぶしゃぶ
<鳥取和牛豆乳しゃぶしゃぶ>

私はかなりの大食漢ですが、食べきれるか心配になるくらいのボリュームでお腹いっぱいになりました。

朝食膳
<朝食膳>

右上のしじみ汁鍋。しじみのダシがしっかり効いていて美味しかったです。

アルミ鍋とかではなく磁器なので熱くなりすぎない。煮えすぎないのも細やかな心遣いを感じました。

依山楼岩崎、とっても良いお宿でした。

>>依山楼岩崎の公式サイトはこちら

三朝温泉まとめ

三朝温泉は静かで落ちついた温泉街です。1泊ではもったいないと思うほど居心地がよく癒される温泉でした。

近年、こういう風情ある温泉街がすっかり減ってしまいました。

三朝温泉はどうかこれからも歴史を刻み続けてもらいたいと思います。

>>三朝温泉の公式サイトはこちら

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シンジーノ

3人娘の父で、最近は山歩きにハマっているシンジーノです。私は「お客さまが”笑顔”で買いに来られる商品」を扱う仕事がしたいと思い、旅行会社に入って二十数年。今はその経験を元にできるだけ多くの人に旅の魅力を伝えたいと“たびこふれ”の編集局にいます。旅はカタチには残りませんが、生涯忘れられない宝物を心の中に残してくれます。このブログを通じて、人生を豊かに彩るパワーを秘めた旅の素晴らしさをお伝えしていきたいと思います。

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