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【フランス】バルセロナから列車で3時間、フランスの学生都市モンペリエへ
スペインはフランスとポルトガルと陸続きなので、車や列車で簡単に国境を超えることができます。どの国もシェンゲン協定に加盟しているため、国境での検問もなし。
スペイン旅行のついでにふらっと足を延ばすことができます。先日バルセロナから列車でフランスのモンペリエに行って1泊してきたので、今日はそのお話です。
目次
- モンペリエは中世からの学生都市
- 食事メニューがひとつしかないステーキレストラン
- 朝食はもちろんクロワッサンとカフェ・オ・レ
- リーズナブルでおいしいガレット
- 韓国人女性シェフが切り盛りするビストロ
- 結論:モンペリエはとても暮らしやすそうな町
モンペリエは中世からの学生都市
南フランスの地中海岸にあるモンペリエは、人口でいうとフランス第7の都市(約30万人)になります。13世紀末創立のモンペリエ大学がある中世からの学生都市で、住民の4~5人に1人は学生なのだとか。
特にあのノストラダムスも学んだ医学部が有名で、現在ヨーロッパにある医学部ではもっとも古いそうです。
バルセロナからモンペリエ間には、スペイン国鉄Renfeが運行する列車とフランス国鉄SNCFが運行する列車があり、私が移動した日はそれぞれ2本ずつ運行していました。
私が乗ったのはマドリード始発マルセイユ終着のRenfeのAVE(スペインで一番速い高速鉄道)で、バルセロナからモンペリエまでの所要時間は3時間と15分。料金は49ユーロでした。
窓側の席だったので、国境越えはどんな感じなんだろうとわくわくしていたものの、トンネルを抜けるとすでにフランスだったという・・・。
食事メニューがひとつしかないステーキレストラン
モンペリエの駅は町の中心で観光案内所もあるコメディア広場まで徒歩10分と便利なところにあります。夜8時近くに着きましたが、今の時期はまだ明るいので広場近くのホテルまで歩いて行きました。チェックイン後は早速夕食に出かけることに。
行先は、レタスとクルミのサラダと秘伝ソースのかかった170gのステーキ&フライドポテトのセットしかないステーキ専門店(飲み物やデザートは多々あります)。1959年にトゥールーズにオープンしたレストランで、今はフランス国内に5店舗、バルセロナに1店舗を展開しています。
<マスタード風味のフレンチドレッシングでいただくレタスとくるみのサラダ>
席に着くと飲み物のオーダーと一緒に、お肉の焼き加減をBleu(レア)、Saignant(ミディアムレア)、A Point(ミディアム)、Bien Cuit(ウェルダン)か聞かれます。
その後パンとサラダがサーブされ、その後にフライドポテトがたっぷり盛られたお皿にスライスされたお肉が半量出てきます。残りの半量は冷めないように固形燃料で温めておくのです。私はミディアムにしたのですが、食べてからミディアムレアにすればよかったと後悔。
秘伝のソースはバター風味で、フランスを感じます。量が多いと思ったのに、ポテトまで全部完食してしまいました。「ポテトもっといる?」と聞かれたのでおかわり自由のようです。
極上のお肉ではありませんが、サラダ+パン+170gのステーキ+フライドポテトで22ユーロなのでコスパは極上。スペインと違って、テーブルには無料のお水もありました。
L'Entrecôte
- 住所: 3 Rue de Verdun, 34000 Montpellier
- 公式サイト:L'Entrecôte
朝食はもちろんクロワッサンとカフェ・オ・レ
食後はコメディ広場から旧市街を散策。スペインの地中海岸の町に似ているなという印象を持ちました。
翌朝はホテルの朝食はパスし、グーグルで見つけたイートイン可能で評価の高いパン屋さんへ。オペラ座の裏手にあります。そこで念願のバター香るクロワッサンとカフェ・オ・レをいただき満足満足。
<クロワッサンのほかに甘いものもほしくてミニマドレーヌも注文>
お客様が絶えず入ってくる人気店で、「このお店のことを書いて写真を掲載してもいい?」と聞くのにずいぶん待ちました。
素材にこだわりがあるようで、オーガニックの材料や保護原産地呼称のバターを使ったパン、またヴィーガン仕様のブリオッシュなどもありました。夕方にはまた移動だったので、買えなかったことが悔やまれます。
Pain Brut
- 住所: 9 Bd Victor Hugo, 34000 Montpellier
- 公式SNS:Facebook
リーズナブルでおいしいガレット
朝食後は町の散策。前夜歩いた時は、スペインの地中海岸の町に似ていると思ったのに、昼間見る町はやはり"おフランス"でした。似ているようでおしゃれなのです。
センスが光っているのです。テラス席のテーブルや椅子、お店のウィンドー、道の植え込みの花、古いけれど黒っぽくない旧市街の建物などなど、スペインとは違うエッセンスがあるのです。時間がないので大聖堂に入場できませんでしたが、心は束の間の散策で満たされました。
昼食はパリ出張から朝イチの列車で戻ってきたばかりの友人と私のリクエストでクレープリーへ。私が頼んだハムとチーズ、たまご、マッシュルームのガレットもおいしかったのですが、特にシードルに感動しました。
あれなら無限に飲めます。デザートに甘いクレープも食べたかったものの、お腹はいっぱい。若い頃の食欲が懐かしい・・・。このクレープリーは在仏10年以上の友人も認める味で、コメディ広場に至近でメニューには英語も表記してあるのでおすすめです。
<ガレットはもともとはモンペリエからは遠いブルターニュ地方の食べ物>
昼食はパリ出張から朝イチの列車で戻ってきたばかりの友人と、私のリクエストでクレープリーへ。私が頼んだハムとチーズ、たまご、マッシュルームのガレットもおいしかったのですが、特にシードルに感動しました。
あれなら無限に飲めます。デザートに甘いクレープも食べたかったものの、お腹はいっぱい。若い頃の食欲が懐かしい・・・。このクレープリーは在仏10年以上の友人も認める味で、コメディ広場に至近でメニューには英語も表記してあるのでおすすめです。
Crêperie Le Kreisker
- 住所: 3 Pass. Bruyas, 34000 Montpellier
- 公式サイト: Crêperie Le Kreisker
韓国人女性シェフが切り盛りする人気ビストロ
食後のお茶はグーグルで4.9と評価の高いパティスリーで、と行ってみるもなんと臨時休業でした。そこで、友人の知り合いのビストロに行くことに。韓国のマスターシェフでファイナリストになった韓国人女性シェフが切り盛りするお店で、散策中に私が一番気に入った緑あふれる素敵な広場に面していて、テラス席もありました。
ランチとディナーの間の時間帯にはお茶だけの利用もできるのです。ここではアイス黒ごまラテをいただきました。Umamiという店名の通りお料理は日本食寄りだとのことで、なんと日本酒など日本のアルコールの品揃えが豊富。
フランスで韓国人シェフがつくる和テイストの食事は、次回ぜひ試してみたいと思いました。
Bistrot Umami
- 住所: 3 Pl. de la Canourgue, 34000 Montpellier
- 公式サイト: Bistrot Umami
結論:モンペリエはとても暮らしやすそうな町
旅の目的地に行く前にただ友人に会うためだけになんの期待もせずに立ち寄ったモンペリエで、滞在時間はわずか21時間。でも、とても気に入りました。特に旧市街の雰囲気に惹かれました。
治安も良いとのことで、住みやすそうです。地中海に近いからか開放的な雰囲気があり、滞在中に話した地元の人がみんなフレンドリーだったことも印象的でした。ビストロ店頭の黒板に書かれたランチメニューを見るとスペインと同じか安いくらいの値段。
友人曰く、学生の町なので物価は安めだとのこと。次回はマルシェやパン屋さんで買ったものも食べられるようにキッチン付きのお宿をとって、のんびり数日間滞在してみたいです。
異国文化に触れるのも、知らない町に行くのも久しぶりだったので、とても充実した滞在でした。スペイン旅行の際にバルセロナに数日間滞在することがあれば、モンペリエまで足を延ばしてみるのはいかがでしょうか?
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田川敬子(Keiko Tagawa)
- 1996年スペインにひとめぼれ。以後何度も渡西し、2002年春に夢がかなってスペインで日系企業に就職。その後現地企業を経て、現在はオリーブオイルソムリエ/テイスターやライターとして活動中。