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インドの世界最悪の交通事情 日本人でも運転できる?
<トップ画像/引用:Unsplash>
インドのひどい交通事情をニュースで見たことがある方も多いかもしれません。実際に現地に行くと、ニュースが100%真実だということを知ります。あまりにもひどいインドの交通事情ですが、私はスクーターでよく運転しており、その混雑の一部に溶け込んでいます。インドの交通事情や自分で運転する方法について、インドの教習所で修行した筆者が解説します。
目次
- 交通手段、何がおすすめ?
- 世界最悪レベルの交通事情とは
- 運転する際に必要なもの
- 運転するのに教習所は必要?
- 今では乗り捨てEVスクーターという選択肢も!
- まとめ:世界最悪の道路事情でも意外と運転できる
交通手段、何がおすすめ?
インドは広大です。そのため、時と場合によっておすすめの交通手段が異なります。長距離を移動したい場合はバス、鉄道、飛行機、短距離で移動したい場合はタクシーやオートリキシャーを使うことになります。
ただ、このタクシーやオートリキシャが頭痛の種なのです。帰宅ラッシュの時間帯はなかなか捕まらない、捕まっても「その方向には行きたくない」と逃げられる、行ってくれるとは言っているが倍以上の料金を求められる...。
タイミングが悪いと30分以上探し続けないといけないこともあり、車に乗り込んだ時には疲れ果てています。ですが、たった数キロの距離であっても道路がボコボコで埃まみれのインドの外気の中で歩いてしまうとそれ以上に消耗してしまいます。そして、「もうたった数キロの移動でこんな不自由な思いをするのはいやだ!」と、2018年私はインドの教習所に乗り込みました。
世界最悪レベルの交通事情とは
<引用:Unsplash>
インドで運転する!と言うと、絶対に止められます。世界最悪レベルの交通事情です。おさらい程度に、下記にインドの交通事情の特徴を記載します。
インドの交通事情の特徴
- 1. 4車線のところが6車線、8車線になっている。横に広がれるだけ広がる
- 2. 一方通行を無理やり逆走して渋滞が起こることもよくある
- 3. クラクションが鳴り止まない
- 4. 自分が一番の精神で割り込まないと先に進めない
- 5. 横断歩道を渡らず8車線を横切ってくる人間たち
- 6. 信号待ちで押し売りや物乞いをしてくる
- 7. 人に加えて牛、野良犬はもちろん、田舎に行くと鶏、猿、やぎが飛び出してくる
- 8. 事故にあっても本人たちの話し合いで解決
- 9. トラフィックポリスは一方通行の逆走は取り締まらず免許証のチェックでどうにか罰金を取ろうとしてくる
インド人の国民性をてっとり早く観察できるのが道路です。「俺が一番」の精神で全員が無理やり割り込み続けます。(逆に言うと「いつか譲ってくれる」と待ち続けると目的地に着けません。)インド人はちょっとでも隙間があったら入ってきます。そのせいで渋滞があちこちで起こり、かえって時間がかかるという悪循環です。
そして、やっかいなのがルールの無視です。一方通行だとわかっていても、自分が速く目的地に着きたい一心で逆走をします。一度リキシャに乗っている時に運転手が逆走し始め、ノーヘル二人組のバイクと正面衝突したことがありました。その時運転手はバイクの二人に怒鳴っていましたが、こんな理不尽が許されるのかと信じられない気持ちでした。
また、事故にあっても日本のようなシステムがないので、当事者同士で話し合います。つまり、どちらかが逃げてしまったら泣き寝入りするしかありません。
「インドの道路上を自由に移動したい」というだけで、これだけさまざまなリスクを覚悟しなければならないのです...。
運転する際に必要なもの
それでも自由自在なインドでの運転を夢見る方は、国際免許証を持っていきましょう。免許センターで2,000円程度で発行してくれます。国際免許証があればレンタルバイクを貸してもらえます。インドではレンタカーもありますが、ほとんどがマニュアル車です。私はインドの路上で細かなギア操作ができる自信がなく、運転するならオートマのスクーターと決めています。
国際免許証とパスポートを見せれば、大抵のレンタル業者で問題なく貸してくれます。バイクを借りてもヘルメットを貸してくれない業者もあるので、「ヘルメットは?」と何回も聞きましょう。レンタルの相場は、場所にもよりますがオートマのスクーターで1日500〜900ルピーです。ギアつきのバイクや車はもっと値段が上がる傾向にあります。
運転するのに教習所は必要?
私は教習所に行きたいと思いインターネットで見つけた教習所に行きました。しかし、まったく必要なかったですし、お金を無駄にしただけでした。まず教習所と言っても私たちが想像する教習所ではありません。大都市バンガロールでさえいわゆるスクール的なものはなく、個人が運営する「運転教室」がほとんどでした。
私もそういった個人運営の運転教室を選んで行ったところ「10回路上で運転の練習、免許のドキュメント提出のサポートもする」とのことだったので承諾しました。マニュアルのバイクを運転したい、と言ったのに実際に渡されたのはオートマのスクーター、2回目以降は「スクーター貸すから近所を1人で運転しておけ」とのこと。
ガス欠寸前のスクーターのせいで遠くにもいけず、習うこともなかったので結局いつの間にか通うのをやめていました。6,000ルピーの教習料金が無駄になりました。ただ、最初に教えられたのがクラクションの場所と鳴らし方、鳴らすタイミングだったことが印象的です。リアルなインドを感じたい!と言う人にとっては、現地人とのやりとりなどを含めよい体験ができることでしょう...。
今では乗り捨てEVスクーターという選択肢も!
運転しようと思うと色々とややこしいインドですが、乗り捨てEVスクーターという救世主の登場でゲームチェンジが起こったと言っても過言ではありません。
EVスクーターはその場でアプリをダウンロードするだけでレンタルができ、電気で走るため免許証も必要ありません。警察に止められることもありませんし、小回りの効く車体が「隙間を詰める」というインドの運転の仕方にもっとも適応しています。
青い爽やかなスクーターが目立つ「Yulu」や黒ベースの「Vogo」、黄色い車体が目立つ「Bounce」などをバンガロールでよく見かけます。EVスクーターのスタートアップは競争が激しく撤退も早いのでみなさんがインドに来る時に同じ会社のものがあるかどうかはわかりませんが、少なくとも何かしらのEVは見かけると思います。
そんな時にはぜひアプリをダウンロードし、短距離移動をEVスクーターで快適に行ってみてください。
まとめ:世界最悪の道路事情でも意外と運転できる
私は都会と郊外の両方でスクーターを運転しますが、「意外と運転できる」というのが感想です。カオスにしか見えない道路でも、意外とアイコンタクトと微調整でなんとかなっています。自分が運転すると、そのタイミングがわかるようになり、意外と運転できるのが実情です。
また、ゴアやラダックなどの観光都市では交通量が減り、人々のモラルも向上するので、初めての運転におすすめです。インドで移動の自由を手にするために「自分で運転してみたい」という人は、ぜひチャレンジしてみてください!
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やまもと
- インドのバンガロール・ムンバイの2拠点で活動している翻訳者・ライターです。インドの野良犬とヨガが大好きです!