【北海道】大人が少年や少女に戻るノスタルジックな空間 日出クラシックパーク

「日出クラシックパーク」は、大人が子どもに戻る空間です。廃校になった小学校の体育館に国内外の名車がズラリと展示されています。博物館と違うのは眺めるだけの展示品ではなく、すべて販売されていること。しっかりと整備され、再び走り出す日を待っています。懐かしい世界につながる扉を開いてみましょう。

目次

古い体育館には古いクルマがよく似合う

日出クラッシックパーク

「日出クラシックパーク」は、札幌からクルマで1時間ほどの栗山町にあります。道道3号線沿いに「カフェ麗橙露」の看板が立っているので、見落とさないでください。砂利道を進んだ先にある大きな木造建築物が目的地です。

日出クラッシックパーク

オーナーは有限会社横山商事(札幌)の横山社長です。奇抜な展示場所について尋ねると、「車の保管用に倉庫を買い取ったら体育館と校庭もついてきました」と笑います。冬にお客さんのクルマを預かる場所として活用していましたが、「古い体育館には古いクルマが似合うだろう」と思いつき、1996年に「日出クラシックパーク」をオープンしました。

動かなければクルマとは言えない!すべてが実働車

クラッシックカー

横山さんはクルマの整備や販売が本業です。「走らなければ車とは呼べない」というポリシーのもと、70歳を過ぎた今も自らレストア(クルマを復元すること)に精を出しています。約70年前の「クルマの原型」と呼べるような車両さえも走れるようにしてしまうというから驚きです。

クラッシックカー

クラッシックカーに厳密な定義はありませんが、広義では製造から30年以上を指すようです。時代で言えば50代の方が免許を取得した頃です。ソアラやプレリュードに代表される「デートグルマ」と呼ばれるオシャレなクーペや、CR-Xやマーチ・スーパーターボなど「ボーイズレーサー」と呼ばれるリーズナブルな価格のスポーツタイプなど、さまざまなクルマが街に溢れている時代でした。当時は食費を削ってクルマにつぎ込む若い人がいましたね。

My Favorite Car's

クラッシックカー

気になるクルマをピックアップしました。
※販売されているため、展示を終了しているクルマもあります。

マツダRX
<マツダ RXシリーズ>

国内でロータリーエンジンを採用したのはマツダだけ。1967年に世界初の2ローター・ロータリーエンジンを搭載した『コスモスポーツ』が発売されました。ロータリーエンジンは軽量・コンパクトなうえに搭載位置の自由度が高く、均等な前後重量配分が可能で、スポーツカーに最適です。日出クラシックパークには、ロータリーエンジンを搭載した歴代のRXシリーズが勢ぞろいしています。

マツダRX サバンナ
<サバンナ>

1971年発売。キャッチフレーズは「直感、サバンナ」で、輸出名の「RX-3」と呼ばれることもあります。クラス随一の動力性能が与えられレースでも活躍。日産・スカイライン2000GT-Rの50連勝を阻止するなど伝説的な速さを誇りました。

マツダRX サバンナ

<初代サバンナRX-7>

1978年発売。サバンナの後継車ですが、装いを新たに本格的なピュアスポーツとして登場しました。いち早くリトラクタブルライト(通称:スーパーカーライト)を採用。マイナーチェンジを繰り返しながら1985年まで販売されました。

マツダRX サバンナ
<2代目サバンナRX-7>

1985年発売。初代モデルからのリトラクタブルライトやハッチゲートを踏襲しながら、サイズを一回りアップ。最高出力185馬力から始まり、1987年に発売された最終モデルは、205馬力を発揮するモンスターマシンへと昇華しました。

マツダRX アンフィニ
<アンフィニRX-7>

1991年発売。アンフィニは当時のマツダの販売チャンネル名で、RX-7はアンフィニ店の専売車種でした。アンフィニの消滅後は「マツダRX-7」に改称されています。このモデルは「名探偵コナン」に登場する安室透の愛車としてもお馴染みです。

トヨタ セリカ
<トヨタ セリカLB>

1970年発売。キャッチフレーズは「未来の国からやってきたセリカ」。ボディがふくよかで、正面から見るとメッキバンパーがダルマのひげ面に見えることから「ダルマ」と呼ばれています。今から40年以上のモデルですが、当然のごとく実働車です。

ホンダ 初代シティ
<ホンダ 初代シティ>

1981年発売。ライフビークルという新しいコンセプトで開発されました。CMにイギリスのグループ「マッドネス」を起用。♪シティ~ホンダ、ホンダ、ホンダ」というイメージソングや、車載可能なバイク「モトコンポ」との同時発売が話題になりました。

ホンダ NSX
<ホンダ NSX>

NSXは1990〜2005年まで販売されていた本格的スポーツカーで、市販車初のオールアルミモノコック・ボディーを採用しています。ほとんどが手作業で組み立てられているという芸術品で、書類つきボディだけでも高級車が買えます。

食事を味わいながらクラシックカーを愛でる

日出クラッシック CAFE

日出クラシックパークは、「cafe 麗燈露(レトロ)」を併設しており、カフェスペースのほか、展示スペースで車を見ながら飲食を楽しめます。オリジナルトマトソースかけBigオムライスをいただきました。

日出クラッシック CAFE オムライス

クラシックカーを眺めながらの食事は格別。至福の時間が訪れます。ケチャップではなくトマトソースを使い、酸味と甘みが絶妙です。米粒の一つひとつに味が染みわたり、口に入れた瞬間に美味しさが広がりました。入館料は500円ですが飲食をすれば無料。食べない理由がありません。

校庭に転がるレアなクルマたち

体育館の中だけでなく、校庭に置かれているクルマもツワモノ揃い。朽ち果てているため車種を判別しにくいですが、それを判明させるのもクルマ好きの醍醐味です。この二台の車名が当てられますか?

クラッシックカー

クラシックカーオーナーの輪を広げる

日出クラッシックパーク JAPAN オールドカー オーナーズクラブ

「日出クラシックパーク」では、60〜80年代のクラッシックカーのオーナーを対象にした『オーナーズクラブ(JAPAN オールドカー オーナーズクラブ)』の会員を募集しています。「クラッシックカーを取り巻く文化に貢献するとともに、地域社会や経済に奉仕」を趣旨に、さまざまな活動を行っています。興味がある方は、仲間の輪を広げてみてはいかがでしょうか。

日出クラシックパーク

  • 住所:北海道夕張郡栗山町日出230-1
  • 入館料:500円(飲食により無料)
  • 営業時間:10:00~17:00(ゴールデンウイークとお盆は営業)
  • 営業期間:5月上旬~10月下旬
  • 定休日:月曜~金曜、冬季休業
  • 公式SNS:Facebook

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吉田匡和

札幌市在住のよろずライターです。美味しい食べ物から温泉、穴場スポットや定番スポットの知られざる楽しみ方など、地元ライターらしい視点でワクワクを紹介します。

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