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斬新!東インドのゴールデントライアングル〈プリー・ブバネシュワール・コナーラク〉
北インドのデリー・アグラ・ジャイプールの3都市を回る旅を「ゴールデントライアングル」と呼んでいますが、インドの旅はそれだけではありません。まだまだ知られていないインドの魅力がたくさんあります。
近年のインドの旅はケララを中心とした南インド、ムンバイを含む西インド、世界で一番天国に近い湖がある「レー・ラダック」など多岐に分かれています。
今日ご紹介する東インドのプリー・ブバネシュワール・コナーラクは、まだまだ知る人が少ないインド旅スポットです。ヒンドゥー教に興味がある方、何度もインドを訪れて違ったインドを見たい方、今までとは違ったインドを見たい方はおすすめです。
目次
ブバネシュワールの行き方
飛行機で行く
デリー国際空港から約1時間50分、コルカタ国際空港から約1時間、国際線はクワラルンプール、バンコク、ドバイからの便があります。
電車で行く
コルカタ駅から約7時間。
ブバネシュワールは東インドのオディッサ州の州都です。ブバネシュワールの人口は100万人を超える大都市で政府が管理するスマートシティ(計画都市)として発展してきました。
制定されたのはインド独立後ですがこの周りの歴史的史実は紀元前7世紀までさかのぼります。アショーカ王の時代の遺跡も残っているため遺跡フリークにはたまらない聖地です。
空港にはサンドアートと遺跡のモニュメントがお出迎え。
観光シーズンは11月から3月で、降水量も少なく最低気温は1月でも11度と比較的あたたかい地域です。言語はオリーヤ語ですが、ほとんどの人が英語が話せます。識字率が93%と国平均74%を大きく上回る学園都市でもあります。伝統芸能では神殿に舞をささげるためのオディッシーダンスなどが有名です。
リンガラジャ寺院
ブバネシュワールの有名なヒンドゥー教寺院の1つにリンガラジャ(リンガラジ)寺院があります。ブバネシュワールで最も古い寺院といわれ、文献からその建設は6世紀頃と言われています。その後11世紀まで寺院は増築され今の形を作りあげました。
この寺院は、ヒンドゥー教徒にとっては非常に意味のある建物で、毎日多くの信者が参拝に来ます。もともとたくさんの神様がいるヒンドゥー教ですが、この建築様式は、三大神のシヴァ、ヴィシュヌ、ブラフマーが揃ったありがたいお寺として保存されています。
寺院内はカメラはもちろん入れません。しかし、言い伝えでは寺院の中にある泉から湧き出る聖水が体を治すといわれています。
日本人として衝撃だったのは、ここで売られているチャイはいつもの「ミルクティー」ではなく「ショウガ紅茶」だったこと!お好みでレモンを入れていました。同じインドでもここまで習慣が違うとまるで別の国にきてるみたいです。
リンガラジャ寺院
- 住所:Lingaraj Temple Rd, Lingaraj Nagar, Old Town, Bhubaneswar, Odisha 751002 インド
- 開門時間:6時半から21時
- 入場料:無料
※寺院内はヒンドゥー教徒のみの入場なので回りの石像や売店を楽しみましょう。
プリーの行き方
飛行機で行く
プリー・コナーラクは空港がないので、ブバネシュワールまで飛行機できてから車で移動します。
電車で行く
コルカタからコナーラクまでアクセスのいい電車がないため、交通はブバネシュワールから車が快適で最も早いです。ブバネシュワールの駅から約2時間30分です。
オリッサ州はインドの中でも特に寺院の多い州ですが、プリー県は非常に多くの寺院が存在します。そのうちの一つがコナーラク(Konarak)です。プーリー県は東のベンガル湾沿いにある県です。紀元前3世紀から寺院などがある一方で11世紀ごろから侵略を繰り返されている場所でもあります。
空港にあったサンドアートはプリーのビーチで行われているのが有名です。プリーの観光シーズンは11月から2月。海沿いのプリーは冬もあたたかく3月から5月は暑いですがカラッとしています。その年によって異なります。年間の最低気温は約20度と冬場は穏やかにすごせます。
スーリヤ寺院
プリーの有名な観光スポットといえば、コナーラクのスーリヤ寺院とプリーのジャガンナート寺院でしょう。
スーリヤ寺院はインドに行く人なら誰でもみたことがある「10ルピー紙幣」に描かれている世界遺産です。インドの世界遺産というとタージマハルばかり取りあげられますが、その美しさと歴史ではスーリヤ寺院も負けてはいません。
スーリヤ寺院はリンガラジャ寺院と同じカリンガ建築で作られています。その装飾は独特で1000年前のもとは思えないほど美しいままで保存されています。その規模にも驚くばかりです。
世界遺産に無邪気に座って楽しむみなさん。これはインドでよくあることですが、世界遺産とはいえ気軽に触れてしまえるのがインドの世界遺産。こんな体験も日本ではなかなかできません。
敷地は全部で約10ha。東京ドーム2つ分の広さです。寺院を中心にぐるりと外壁が取り囲み、関連寺院と60mの塔がたっていた跡地が残っています。13世紀の電気もなかった時代にここまで石を運び彫刻を施すのは尋常ではありません。
この神殿の名前である「スーリヤ」はサンスクリット語で太陽を表しています。神話の「ヴェーダ」にでてくるスーリヤ神の馬車の形をした神殿で、寺院を囲む外壁に大きな装飾された直径3m以上の車輪が24ついています。
まるで建物が1つの馬車のような形になっているのも特徴で、今にも動き出しそうな馬の彫刻も生き生きとしています。
当時の王ナラシンハデーバ一世がイスラム教との戦争に勝った記念に建てられたともいわれています。このデザインといい、まるで映画のセットのようです。当時のロマンや石材がどうやって運ばれてきたのか、など思いをはせると時間を忘れてしまいます。
スーリヤ寺院
- 住所:Konark, コナーラク Odisha 752111 インド
- 開門時間:6時~20時
- 入場料:600ルピー
敷地内には売店がないため、水や日傘の準備をして日差しが強い時は注意しましょう。
ジャガンナート寺院
インドの神様で最も有名なクリシュナ神。この神様が東西南北で呼び名が変わる事はあまり知られていません。
インド神話は、奥が深く話の1つ1つがヨガ哲学やアーユルヴェーダなどとつながっていて、非常に興味深いのです。またインド神話はヒンドゥー教の教えが色濃く反映されています。
1161年に建てられたといわれているこの寺院は、他の2つ以上に人気の寺院です。その理由は、祀られている神様が圧倒的人気を誇るクリシュナ神だからです。
これがジャガンナート寺院の母神体です。ジャガンナート神は3体で1つと言われていて、この3神は兄弟です。左から兄のバルバドラ、妹のスバドラ、次男のジャガンナートで3人1体で考えられています。
クリシュナもジャガンナートも元をただせばビシュヌ神の化身、という日本の感覚としてはかなり混乱するとんでもない話が多いのもインド神話ならではです。
この寺院は残念ながらヒンドゥー教徒のみ入場できます。しかし、周りの参道には24時間店がにぎわっています。
パフと呼ばれるパイ生地の山。これをチャイにつけて食べると止まりません。きれいに並べてあります。
参道では椅子一つあれば商売が始まってしまいます。キラキラスティッカーは1枚15ルピー(約30円)
参道のお土産屋さんは、手頃でしかもぶさかわいいものが多いです。
これはジャガンナート神のマグネットです。なんでも売ってますね。
ジャガンナート寺院
- 住所:Puri, プリー Odisha 752001 インド
- 開門時間:6時~21時
- 入場料:無料 ※案内役の僧侶、またはガイドに案内料を渡します。花やお供えの果物は300~500ルピーで販売されています。
ジャガンナート寺院への参道は、非常に狭いため乗合オートで行くか、オートリキシャーに乗ります。言葉や交渉に不安な方はジャガンナート寺院めぐりを含む現地ツアーが手頃でおすすめです。
斬新!東インドのゴールデントライアングルのまとめ
東インドのゴールデントライアングルは新しいコンセプトで、「デリー・アグラ・ジャイプール」のように廻れる距離に位置しています。ブバネシュワールから車の移動が中心になりますが、まだみたことないインドの風景を見たい上級者向けのインド旅です。
どの寺院も、歴史的背景や建設理由を知って見に行くとその価値が高まりより一層楽しめます。
東インドの食事も北インドや南インドとは異なるので、郷土料理とヒンドゥー寺院をたっぷりと堪能するにはおすすめです。
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田澤ともき
- アーユルヴェーダがきっかけでインド在住。ハイテクから古代伝統まで、100人100色楽しめますよ。インドならではの出来事や、インド生活についてお届けします。