ゆっくりと静かな時間が流れる秋(8月下旬)の尾瀬

尾瀬

こんにちは!たびこふれライターの中尾です。

尾瀬シリーズ4回目の記事です。4回目の尾瀬は2023年8月27日から29日にかけて訪問しました。今回の訪問目的は会津駒ヶ岳(あいづこまがたけ)と燧ヶ岳(ひうちがたけ)に登るため。会津駒ヶ岳は登山口である桧枝岐村(ひのえまたむら)をベースに、燧ヶ岳は尾瀬の玄関口である御池(みいけ)をベースに燧ヶ岳に登り、見晴(みはらし)に下る行程を組みました。今回の尾瀬は最終日の移動だけ。しかし、この時期の尾瀬は秋になったところで花々もすっかり様変わりしていましたし、空気も凛としていました。

本当に尾瀬は四季折々の顔を見せてくれるところです。それでは尾瀬に誘います。

目次

秋の尾瀬

夏の尾瀬は8月中旬頃まで。お盆を過ぎると尾瀬は一気に秋の様相に変わっていきます。この時期の尾瀬は天気も安定しているのかもしれません。昼間はまだまだ暑い日が続きますが、平地の嫌な暑さではありませんので、活動しやすい時期でもあります。念のため防寒着をザックに入れ、日没時間に注意して行動しましょう。

見晴から見た燧ヶ岳です。

尾瀬 見晴 燧ヶ岳

【18:31撮影】夕日と至仏山。雲の流れとオレンジ色に染まっていく空を見ていると時間が経つのも忘れてしまいます。

尾瀬 見晴 尾瀬ヶ原 至仏山

【5:38撮影】朝日を浴びた至仏山。放射冷却によって地表に薄い霧がたちこめています。

尾瀬 見晴 尾瀬ヶ原 至仏山

尾瀬1日目【2023年8月27日】

会津駒ヶ岳

尾瀬ではありませんが、1日目は近隣の会津駒ヶ岳(あいづこまがたけ)【標高2,133m】に登山しました。

会津駒ヶ岳登山の記事はコチラ⇒【日本百名山】8座目は雲上の楽園まで急登!会津駒ヶ岳(福島県)

尾瀬2日目【2023年8月28日】

燧ヶ岳

2日目は御池(みいけ)から東北最高峰・燧ヶ岳(ひうちがたけ)【標高2,356m】に登りました。2日続けて東北の2,000m級の山を登ったので疲労困憊です。

燧ヶ岳登山の記事はコチラ⇒【日本百名山】9座目は、もう嫌だ!登りも下りも苦労の連続!燧ヶ岳(福島県)

尾瀬3日目【2023年8月29日】

【行程】

見晴【7:25発】(標高1,400m)・・・白砂峠【8:38通過】・・・白砂湿原【8:43着/8:55発】・・・沼尻【9:10着/9:35発】・・<尾瀬沼北岸道>・・大江湿原【10:19通過】・・・沼山峠【11:10通過】・・・沼山峠口【11:25着】(標高1,700m)==<シャトルバス(有料)>==御池駐車場【12:05着】(標高1,500m)

天候:晴れ

尾瀬 見晴 尾瀬ヶ原 燧ヶ岳

見晴から見た朝焼けの燧ヶ岳です。

尾瀬 尾瀬ヶ原 見晴

見晴【7:25発】(標高1,400m)を出発する時には快晴になりました。

尾瀬 白砂峠

見晴から白砂峠【8:38通過】まではだらだらとした登り坂が続きます。

尾瀬 白砂湿原

個人的にとてもお気に入りの白砂湿原【8:43着/8:55発】です。とても静かな湿原で、しばし時間を忘れてしまいそうです。

尾瀬 沼尻

沼尻【9:10着/9:35発】です。休憩所とトイレがあります。ここから尾瀬沼東岸の山小屋に立ち寄らず沼山峠口に直行する場合は、ここでトイレを済ませましょう。

尾瀬 大江湿原 燧ヶ岳

大江湿原【10:19通過】から見た燧ヶ岳です。ここから見る燧ヶ岳はピークがいくつかあるのが分かります。

尾瀬 沼山峠

沼山峠【11:10通過】です。本来なら尾瀬沼が見ることができるそうですが、近年樹木が伸びて見づらくなったそうです。

尾瀬 沼山峠口

沼山峠口【11:25着】(標高1,700m)です。

尾瀬 沼山峠口 御池 シャトルバス

沼山峠口からシャトルバス(有料)に乗って御池へ移動します。

尾瀬 御池

御池駐車場【12:05着】(標高1,500m)です。お疲れ様でした!

秋の尾瀬の感想と注意点

感想

尾瀬 高山植物

8月もお盆を過ぎると高山植物も一段落の様相です。昼間はまだ暑いものの(半袖でOK)、朝晩は涼しくなり上に羽織るものが必要となります。一気に秋が進むとともに日没時間も早くなりますので十分な注意が必要です。

秋の尾瀬で気をつけること

1.熊

尾瀬

秋もツキノワグマが活発に動きます。尾瀬はツキノワグマの生息地。写真撮影に気を取られ、ツキノワグマの接近に気がつかなかったということがないように気をつけましょう。

  • 尾瀬保護財団の公式サイト(ツキノワグマとの共存)やビジターセンターで目撃情報を確認することができます
  • 熊よけの鐘があるところでは大きな音で鳴らしましょう
  • 自身のザックには熊よけの鈴を付けて自分の存在を知らせながら歩きましょう
  • 朝夕の薄暗い時間帯、雨や霧の時は要注意です

2. ドロドロのぬかるんだ登山道

尾瀬

今回の行程とは外れますが、赤田代(温泉小屋)から三条ノ滝へ向かう登山道は常にドロドロのぬかるんだ地面が続きます。長靴を持参すれば良いのですが、無い場合は最低でもハイカットの防水登山靴を持っていきましょう。ぬかるみは道全体に広がり、逃げ道はありません。意を決して歩くと...。ズブズブと泥の中に靴が沈んでいきます。さらに滑りやすいのが特徴。
三条ノ滝はダイナミックでとても素晴らしいのですが、そこに至るまでのアクセスが最悪なので覚悟していきましょう。(燧ヶ岳登山道の見晴から頂上までの見晴新道もドロドロ道なので注意が必要です。)

3.尾瀬ヶ原には日影がない

尾瀬

尾瀬ヶ原には山小屋周辺以外、いっさい日陰がありません。林の中や拠水林の中では日陰ができますが、尾瀬ヶ原を縦断中は日陰がないと考えてください。休憩できるベンチは各所に配置されているのですが、屋根はありません。晴れると日差しがきついので、帽子や日焼け止めなどの対策をしっかり取りましょう。

4.雨と雷

尾瀬は雨が多い地域です。湿原なので3日に1度は雨が降ると言われています。雨具は必携です。雨が降ると木道や登山道が滑りやすいのでご注意ください。

尾瀬ヶ原

乗合バス・乗合タクシーの最終便

沼山峠口から御池までの尾瀬シャトルバスの最終便は17:00発です(9月30日まで/10月1日以降は未定)。尾瀬沼東岸から沼山峠口へは約1時間10分(上り坂)、見晴から沼山峠口までは約4時間(上り坂中心)かかります。時間配分にご注意ください。

尾瀬

また、鳩待峠から尾瀬第1駐車場までの乗合バス・乗合タクシーの最終便は鳩待峠を16:40に出発します。山ノ鼻から鳩待峠までは上り坂のため、1時間10分程度かかります。尾瀬ヶ原の滞在時間の管理をしっかりと行わないと最終便に乗り遅れますので、ご注意ください。特に鳩待峠から日帰りで尾瀬ヶ原に行く場合は要注意です。

尾瀬

服装

夏の終わりから秋の尾瀬は標高が高いところでも晴れると日差しもまぶしく暑くなります。晴れていれば半袖シャツに薄手のパンツ、靴は登山靴で大丈夫です。帽子や日焼け止めなどの日差し対策も必要です。尾瀬は雨が多いので、上下セパレートの雨合羽は必需品です。また天候が崩れると肌寒くなるのでトレーナーやパーカーなども持っていきましょう。基本的に夏山登山のスタイルとなります。

持ち物

通常の荷物にプラス下記を用意すると便利です。

  • 雨具
  • レジャーシート
  • 携帯トイレ
  • 100円玉
  • 大小ビニール袋(持ち手が付いた口を結べる非透明のもの)
  • 口がチャックで閉まる厚手のビニール袋
  • 帽子
  • 日焼け止め
  • サングラス
  • ザックカバー
  • ウェットティッシュ
  • トイレットペーパーまたは水に溶けるティッシュペーパー
  • ステンレスのコップ
  • カメラなどの予備バッテリー
  • スマートフォンの充電バッテリーと接続コード
  • 非常食
  • 常備薬
  • 湿布などの救急用品など
  • 虫よけスプレー
  • 虫刺され薬
  • カナビラ
  • 熊よけ鈴
  • ヘッドライト

【山小屋に宿泊する時は】

  • バスタオル
  • タオル
  • 寝巻(スウェット上下など)
  • 歯ブラシと歯磨き粉などの洗面用具
  • インナーシーツ(ほとんどの山小屋が清潔なシーツを用意していますが気になる方は)
  • 保温タイプの水筒
  • 粉末コーヒー、ティーバッグ、粉末スープなど
  • はし、スプーン、フォーク、マドラーなど
  • ミニランタンなど
  • ミニ三脚

山小屋宿泊のすゝめ

『泊まらなければ見られない景色があります』

鳩待峠から尾瀬ヶ原へは日帰りも可能ですが、ぜひ山小屋に宿泊することをおすすめします。天気が良ければ夕焼け、朝焼け、満天の星空を楽しむことができます。山小屋は徒歩でしか行くことができませんので、非日常の時間を過ごすことができ、静寂の世界を体感することができます。尾瀬の山小屋はお風呂に入ることができるのも特徴。しっかり歩いた後は、お風呂で温まり、それぞれの山小屋で特徴ある食事を堪能することができます。また山小屋では夕食時に生ビールも飲むことができますよ!

※8月下旬の日の出は5:15前後、日の入りは18:10前後です。朝は4:30過ぎから東の空が白み始めます。

【山小屋での注意事項】

  • 早めに到着した場合は荷物を預かってくれます
  • チェックインは13:00前後、チェックアウトは8:00前後
  • 山小屋へは16:00までに到着するようにしましょう。山小屋によっては予約時点で16:00過ぎの到着を受け付けてくれないことがあります
  • 入浴は15:30~19:00頃
  • 夕食は17:00~18:00、朝食は6:00~7:00です
  • 消灯時間は21:00頃です
  • 山小屋には暖房(ストーブ)がありますが、廊下は寒いこともあります。山小屋内で着込む上着を持参してください。なお、冷房はありません

※原則、山小屋のお風呂での石鹸・シャンプー・リンスの使用はできません。コロナ禍で使える山小屋が増えていますが、持参したものの使用は避けてください。設置の石鹸は植物性のボディソープでした。洗面所には石鹸が常備されていますのでご安心ください。 山小屋のトイレは水洗・洋式がほとんどです。一部の山小屋ではトイレットペーパーを流すことができず、備え付けのゴミ箱へ入れるシステムを取っています。 店は19:00頃まで。ソフトドリンク、アルコール、菓子類や土産物など揃っています。売店で購入したゴミは引き取ってくれます。

山小屋のリンク集

【山ノ鼻地区】

【竜宮地区】

【見晴地区】

【ヨシッ堀田代】

【赤田代地区】

【尾瀬沼東岸】

【三平下】

公衆トイレ

鳩待峠、山ノ鼻、竜宮、見晴、東電小屋、赤田代、沼尻平、尾瀬沼東岸、三平下に公衆トイレがあります。有料です。100円玉をたくさん持参しましょう。

昼食

鳩待峠休憩所、山ノ鼻、見晴、尾瀬沼東岸の山小屋の一部で昼食を営業しています。山小屋では翌日のお弁当を受け付けているのでぜひ利用しましょう。

通信事情

尾瀬では携帯電話がほとんどのエリアで使用できません。山小屋および周辺では携帯電話が繋がります。なお、NTTドコモ、auは繋がりますが、ソフトバンクは繋がりにくいそうです。Wi-Fiは山小屋内で利用できますが、通信速度がとても遅いので使えないと思ってください。パソコンやタブレットを持ち込んでも使いづらいと考えてください。

秋の天気・気温

尾瀬は天気が変わりやすく、雨が降りやすい地域です。雨が降ると半日降り続くことがありますので、防水対策をしっかり行ってください。気温は晴れていれば暑いくらいですが、雨が降るとぐっと気温が下がります。昼間は暑く、朝晩は肌寒いです。朝焼け、夕焼け、星空を見に行く際はしっかり着込んで外に出ましょう。

尾瀬滞在中の注意点

  • 尾瀬は自分で出したゴミは自身で持ち帰るのが基本。ペットボトルや食料をたくさん持参すると持ち帰りが大変です。当然少し高いですが、山小屋で購入することも可能です。ドリンク、アルコール、菓子類、カップ麺類など豊富に揃っています。山小屋で購入すると購入したものに限り、ゴミを受け取ってくれます。なお、山小屋にはゴミ箱がありません
  • 雨はしっかり降ります。ザックカバーを付けていても雨に濡れ続けると防水機能が低下し、内部へ染み込むこともあります。ザック内の荷物もビニール袋などに小分けにして入れて防水対策をしましょう。特に財布。僕は防水対策が甘く、お札がザックの中で水没してしまいヨレヨレになってしまいました
  • 持ち物に保温タイプの水筒と書いたのは、山小屋でお湯をもらえるからです(一部の山小屋は有料)。水筒にお湯を入れて、休憩ポイントで絶景を見ながら好きな粉末ドリンクや温かいスープなどを飲むのも楽しみのひとつです
  • 尾瀬の水場は山小屋の屋外に設置されています。山から湧き出る天然の水です
  • キャンプは指定地以外ではできません
  • 尾瀬でも喫煙マナーを守りましょう。吸い殻は必ず携帯灰皿を持参して、帰宅してから処理しましょう。また尾瀬では焚き火は禁止です。コンロも周囲の方々に迷惑にならない場所で使用しましょう
  • 湿原には入ってはいけません。木道や登山道から外れてはいけません。また湿原や川にコインを投げ入れるのもいけません。お金は募金箱に入れましょう
  • 木道は右側通行です。登山道では上りが優先です
  • 尾瀬には病院がありません。救護所もありません。救急車も呼べません。常備薬は余裕をもって持参しましょう
  • 尾瀬の生態系を維持し、自然景観を保つために、動物を捕まえたり、植物を採取することは法律で禁止されています
  • 至仏山や燧ヶ岳の登山には携帯トイレを持参しましょう。尾瀬ヶ原の散策でも念のため携帯トイレを持参することをおすすめします
  • ストックには木道や登山道を傷めないためにもゴム製のキャップを付けましょう
  • ペットを連れての入山は禁止です
  • 尾瀬の山小屋には各部屋または廊下にコンセントが設置されています。譲り合って使いましょう

尾瀬情報サイト リンク集

※当記事は2023年8月27日から8月29日まで訪問した時のものです。

※2024年の最新情報は尾瀬保護財団公式サイトにてご確認ください。

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中尾勝

旅が大好き!国内海外を問わず飛び回っていますが、海外へは2011年に渡航して以来、出国していません。今は原点に戻り国内を旅しながら日本の良さを体感中。

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