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タンザニア旅行中に起こるかもしれない緊急事態に備える
最近は日本だけでなく、世界的に災害が見られていますね。アフリカ内でも比較的平和な国と言われるここタンザニアでも、今までにはなかったような突発的な事態が見られるようになってきました。万が一旅先で自然災害や緊急事態に遭ってしまったら、どうしたらいいのでしょうか?
備えあれば憂いなし!今回はタンザニア旅行中に遭うかもしれない緊急事態に備えるための考察していきたいと思います。
目次
今年タンザニアで見られた異常事態
2024年もいつの間にかもう半年が過ぎてしまいましたね。まずはこの半年間に、タンザニアで起こった事態をご紹介していきます。
事態1. 感染症の流行
2024年1月に、ウイルス性結膜炎の感染が爆発的に見られました。日本では「流行り目」と呼ばれている病気ですが、タンザニア各地で今年初めに爆発的な感染が見られました。
最初は学校に通う子どもたちの間で流行り、その後大人たちも次々罹っていったそうです。
<タンザニア健康保険省から出された警告>
感染力がとても強く、病院はこの病気の人で溢れかえっていたそうです。治療法はなく有効な薬もタンザニアでは扱いがなく、人によって回復するのに3日〜2週間かかっていました。筆者の住んでいる地域一帯も罹らなかった人を探す方が難しいくらい流行りました。
事態2. 長引く雨季
本来タンザニアには小雨季と大雨季があり、前者は11〜12月で後者は3〜5月になります。小雨季の後はとても暑くなって、甘いトロピカルフルーツがたくさん獲れる美味しい季節になります。大雨季の後は涼しくなり、観光にもってこいの爽やかな季節になります。
しかし、今年はエルニーニョ現象による天候不順の影響で、雨季の期間が長引きました。去年11月に始まった小雨季の雨は、断続的に2月まで続きました。乾季に入ったのも束の間、3月には大雨季となり、豪雨に見舞われました。
日照不足で今年はマンゴーやパイナップルの収穫量が極端に減り、甘さは減少。多すぎる雨で道はえぐられ、通行止めになるところも多くありました。
<多すぎる雨で削れた道路を修復しているところ>
事態3. 洪水と土砂崩れ
異常な雨の量により、あちこちで洪水と土砂崩れの被害がありました。ニュースによると、4月末の大雨暴風でキリマンジャロの麓で大規模な土砂崩れがあったとのこと。川が氾濫して推定20万人が避難を余儀なくされ、長期の雨季の間に合計で200人近くが死亡したと報じられました。
事態4. 台風の発生と接近
雨季の終わり近くで、タンザニアの東のインド洋沖で台風が発生しました。実はタンザニアは地震や台風などの災害が少ない国として知られており、特に台風は発生したとしてもすぐ消滅して、本土には来たことがほとんどないそうです。
そんな中、5月初めに最大風速165kmの強い台風ヒダヤが発生しました。台風が通った小さな島々では大木が倒れたり、家屋や道が損傷したりして、経験したことのない被害がありました。地元当局が警告を出してくれていましたが、地元の人はどんなものか理解できず備えがしづらかったようです。
<台風を伝える地元のニュース>
事態5. ネットが使えなくなる
5月半ばに突然、インターネットの調子がおかしくなりました。検索エンジン画面が開かず、LINEなどのSNSの通信状態は悪くなり、回線落ちが何度もありました。こちらではネットの状態が短時間悪くなるのはよくあるので、最初は気にしていませんでした。
しかし丸1日経ってもそのままで、流石におかしいと思ってニュースを調べたところ、なんと東アフリカ全体でネットワークの不具合が生じているとのことでした。南アフリカを通っている海底ケーブルの断線が原因で、復旧作業に5日間かかったそうです。その間ネットを使った作業が全然できず、とても不便でした。
<海底ケーブルに問題があることを知らせる地元のニュース>
その他過去にあった緊急事態
- イスラム教徒のデモ隊と警察の衝突:10年ほど前にイスラム教徒とキリスト教が対立していた時期に起こった。地元の繁華街でデモ行進をしていたイスラム教徒たちに、警察が催涙弾などで鎮圧した事件
- チンピラ集団の庶民襲撃:麻薬などで正常な判断ができなくなっている若者の集団が、一般市民の家を武器で襲撃し、強奪するという事態。時々起こる
- 大統領選挙期間のネット妨害:5年ごとに行われる大統領選挙期間は、人々が過激になることがあるので注意が必要。前回は反対派の連携を阻止するため、政府がネット制限を行い、国中でインターネットが使えなくなった
- デング熱の流行:2019年夏に大流行した感染症。ウイルスを持ったネッタイシマカという種類の蚊によって感染る。有効な薬はないので、対処療法になる
- エボラ出血熱の懸念:西アフリカでよく知られている、致死率の高い恐ろしい病気。2022年9月に隣国のウガンダで発症が確認され、似た症状が出ている患者がタンザニアでも見られるという報告があった。流行はしなかった
<エボラ出血熱の媒介となるコウモリ>
緊急事態に備える
旅先の海外で緊急事態に遭うなんて考えたくもないことではありますが、万が一のためにどう動いたらいいか知っておくことはためになりますよね。
ここでは私が役立つなと思ったことをご紹介させてください。
たびレジに登録しておく
これは日本の外務省が行なっている、海外安全情報無料配信サービスです。このサイトに登録しておくと、旅先の安全情報や最新情報を手に入れることができます。
登録したメールアドレス宛に注意喚起の情報を送ってくれますので、いち早く危険から遠ざかることができます。詳細は 公式サイトをご覧ください。
情報収集を常にする
危険を避けるには、やはり情報が命ではないでしょうか。上記の他に、現地の日本大使館の公式Facebookや公式サイトを確認しておくといいでしょう。
またこちらの情報は日本のニュースサイトでは載っていないことがほとんどですので、BBCなど海外のメディア媒体や地元のニュース記事をチェックする方がいいでしょう。
私は大抵検索エンジンに「Tanzania news」と入れ、新しい情報があるか見ています。特定の気になる話題があれば、「Tanzania rain」などと検索バーに入力し、newsのタブをクリックします。そうすると直近の情報をチェックできます。
<検索例>
また一番の情報源は口コミです。ホテルのフロント係の人やお世話になるホストファミリーなど信頼のおける人に、何かあれば教えてくれるよう言っておくのもいいかもしれません。なるべく挨拶を交わして、情報交換がしやすい状況を作っておきましょう。
避難場所の確認
タンザニアには日本のような避難場所の一覧などはありません。ですので、できれば滞在する周辺の頑丈な建物を自分でチェックしておくといいかもしれません。例えば各国の大使館や大きめの銀行、サッカー場、学校や警察署など、主だった場所を地図上でどこにあるか見ておくと、いざという時役立ちます。
必要なものを携帯する
観光する際、大きな荷物は宿泊先に置いていくことが多いかと思います。軽装で外出する際も、何かあった時に役立つ最低限のものを常備しておくと安心かもしれません。以下は筆者が出歩くときに持ち歩いている品々です。ご参考になれば幸いです。
- 水
- 軽食
- 薬セット(絆創膏、胃薬、痛み止め、酔い止め、目薬)
- 衛生用品(サニタイザー、ティッシュ、ウエットティッシュ、生理用ナプキン、くし)
- 文房具(メモ、ペン、ハサミ、テープ)
- 電子機器(モバイルバッテリー、イヤホン)
- 隠し現金
<筆者の出歩き常備品>
海外旅行保険に入っておく
緊急事態に巻き込まれて、大金が必要になることがあるかもしれません。入院や便の欠航で滞在が延びてしまう、災害で持ち物を全て失う、ということもあり得ます。心配に思う方には海外旅行保険の利用をおすすめします。
傷害死亡はもちろん、疾病に関わる治療費や救援費用、携行品損害補償などもあります。保険会社もたくさんありますので、比較サイトでそれぞれの条件を考慮すると自分にぴったりのプランが見つかることでしょう。
最後に
今回は緊急事態に備える方法についてお伝えしましたが、いかがだったでしょうか?何も起こらないのが一番ですが、転ばぬ先の杖とも言いますし、万全な状態で海外旅行に臨むとさらに楽しめるかもしれませんね。
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