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【イギリス】エジンバラから日帰り旅行可能な知られざる美しい街と村:おすすめ5選(北部編)
<トップ画像:スコットランドの秘宝 カルロスの街並み>
エジンバラまできて少し時間に余裕があるのでしたら、少し足を伸ばして歴史のある近郊の街や村を訪れてみませんか?
エジンバラの近郊には歴史のある美しい街や村がたくさんあります。
最も有名な街は、なんといってもゴルフの発祥の地として知られるゴルファーの聖地、セント・アンドリュースですが、今回は外国からの観光客にはまだあまり知られていない美しい街・村を選んでご紹介します。
バスや電車で行けるところですので、エジンバラからの行き方もご説明しますね。
目次
- 1. クラモンド (Cramond)
- 2. サウス・クイーンズフェリー(South Queensferry)
- 3. ダンファームリン (Dunfermline)
- 4. カルロス (Culross)
- 5. フォークランド宮殿 (Falkland Palace)
1. クラモンド
<クラモンド・ハーバー>
クラモンドは、スコットランドのエジンバラの北西にあるフォース湾につながるアーモンド川の河口にある村です。
エジンバラの中心から8kmに位置し、ボートハーバーとビーチが広がる小さな歴史のある村で、エジンバラの住民が気軽に行ける週末の憩いの場所です。
<干潮時にのみに現れるクラモンド・コーズウェイ>
クラモンドには、エジンバラの住人に人気のクラモンド・コーズウェイと呼ばれるクラモンド・ビーチからクラモンド島へ渡る舗装された道があります。
干潮時にのみに現れ、クラモンドビーチが干潟になり、夏になると多くのエジンバラ住民がクラモンド島に渡ったり、干潟で日光浴やペットとの散歩、バーベキューを楽しんでいます。
<干潮時のクラモンド・ビーチ>
クラモンドには、中石器時代の紀元前8400年に人が定住した形跡があり、またローマ時代の遺跡もあります。
1997年に発見されたクラモンド・ライオネスというローマ時代の彫刻は、現在はエジンバラのスコットランド国立博物館に展示されています。
<クラモンドで発見されたローマ時代の彫刻:クラモンド・ライオネス>
<ローマ時代の要塞跡>
ローマ時代の遺跡として、クラモンド・ローマ要塞とローマ浴場の遺跡があります。西暦140年頃にローマの皇帝、アントニヌス・ピウスがスコットランド攻略の拠点としてアーモンド川の河口に砦を築き、また次の皇帝セプティミウス・セウェルスが208年から214年までこの地域を占領していたそうです。
<ローリンソン城>
そして、クラモンドのすぐ近くには、ローリンソン城( Laurinson Castle) という広い庭が無料で公開されているお城もあります。(お城の入場は有料です。)
週末に気軽に行ける観光客には穴場のスポットです。エジンバラからバスで30分くらいで行くことができます。
クラモンド (Cramond)
- 住所:Cramond, Edinburgh EH4 6NU
- 公式サイト:クラモンド
ローリンソン城
- 住所:2 Cramond Rd S, Edinburgh EH4 6AD
- 公式サイト:ローリンソン城
エジンバラのからの行き方
- エジンバラ市内から43番のQueensferry行きのバスに乗り、Barnton junctionで下車し徒歩、または47番のDrumbrase行きにCramond Placeで下車 (30分程度)
2. サウス・クイーンズフェリー(South Queensferry)
<サウス・クイーンズフェリーの目貫通り>
<サウス・クイーンズフェリーのカラフルな街並み>
サウス・クイーンズフェリーは、フォース湾にかかる世界遺産のフォース橋の麓にある街です。 エジンバラからダンファームリン修道院やセントアンドリュースを訪れる巡礼者の行き来のために11世紀にフェリーが設けられ、その起点に繁栄した街だそうです。
<世界遺産のフォース橋>
石畳の道の両側に古い建物の並ぶ街には、沢山のレストランやカフェが並び、スコットランドのアイコン「鋼の恐竜」という異名を持つ赤い菱形のカンチレバーの美しいフォース橋があります。
週末には美しいフォース橋を見ながら食事を楽しむ地元の人々、またフォース橋を鉄道で渡る人たちなどで賑わっています。
フォース橋は、1890年に開通した世界で最も古い鋼製のダブル・カンチレバー鉄道橋です。2015年に世界遺産に登録されています。
フォース橋の全長は2,530m、支柱の距離は521m、材料には51,000tもの鋼鉄と、800万個ものリベット(接続部品)が使用されました。菱形のカンチレバー(片持ち梁)とカンチレバーの間のガーダー橋、そして岸からから橋本体への取り付け部分の3つのパートで構成された頑健な構造により、完成から100年以上が経過した今でも列車の通る橋として現役で活躍しています。
この橋の建設には「日本土木の父」といわれる渡邊嘉一氏が携わっています。スコットランドにある世界遺産の素晴らしい橋の建設に日本人が携わったことは誇らしく感じますね。
<クイーンズフェリー・クロッシング>
またサウス・クイーンズフェリーのそばには、世界遺産の鉄道用のフォース橋のほかに、車用の1964年に架けられた鋼製の吊り橋のフォース・ロード橋(Forth Road Bridge)、そして2017年に開通したクイーンズフェリー・クロッシング (Queensferry Crossing) があります。
フォース湾にかかる3本目の橋となるクイーンズフェリー・クロッシングは全長2.7キロで、3本の塔から橋桁に直接ケーブルを斜めに張って橋を支える斜張橋です。3本塔の斜張橋としては世界最長だそうです。 個人的には新しい橋は3つの橋の中で、一番美しく好きです。
現在は、クイーンズフェリー・クロッシングが主要な道路として機能し、車用フォース橋は、公共交通、自転車歩行者用となっています。
サウス・クイーンズフェリーには、エジンバラからバスで45分くらいで行けます。
サウス·クイーンズフェリー (South Queensferry)
- 住所:South Queensferry
- 公式サイト:クイーンズフェリー
フォース橋 (Forth Bridge)
- 住所:Queensferry, South Queensferry
- 公式サイト:フォース橋
エジンバラのからの行き方
- エジンバラ市内から43番のQueensferry行きのバスに乗り、The Loanで下車(45分)または、エディンバラ·ウェイヴァリー駅からDalmeny駅で下車(20分)で、徒歩
3. ダンファームリン (Dunfermline)
<ダンファームリン修道院>
ダンファームリンは、スコットランドの古都です。エジンバラからは、電車で30〜40分で行けるフォース湾を渡ったところにある街です。世界遺産のフォース橋を通っていくこととなります。
スコットランドに来てダンファームリンに行こうという人はあまり聞いたことはありません。私も以前住んでいた時は、ダンファームリンで働いていながら、そこに見るものがあるとは知らなかったくらいです。
ダンファームリンに残る歴史地区には、王宮跡とダンファームリン修道院があります。
1058年にマクベスを討ち取りスコットランド王に即位したマルカム3世が、1070年にダンファームリンで挙式し、王宮を構えたことから16世紀にエジンバラに遷都するまで、ダンファームリンがスコットランドの事実上の首都でした。
王宮の隣にマルコム3世の妃マーガレットが建てたダンファームリン修道院には、かつてアイオナ島にあった王族の墓も移され、11人のスコットランド王と女王の永眠の地となっているそうです。
<塔の頂上にあるRobert The Bruceの彫刻>
メル・ギブソン主演のハリウッド映画「ブレーブハート」に出てきたイギリスからスコットランドの独立戦争の末、スコットランドの独立を勝ち取った最も偉大なスコットランド王として知られるロバート1世(ロバート・ザ・ブルース)もこのアビーに埋葬されています。 修道院の塔のてっぺんには BRUCEそしてKINGの文字を見ることができます。
<王宮跡>
<王宮跡側から見るダンファームリン修道院>
今は廃墟となっているダンファームリン宮殿は、修道院と南の深い峡谷の間にあります。この宮殿は宗教改革後の1587年に、修道院の西側に建てられた宮殿だそうです。
ダンファームリン宮殿は、ジェームズ6世の女王アンナ・オブ ・デンマークの私邸となり、スコットランドで生まれた最後の君主となったチャールズ 1 世は 1600年にこの宮殿で生まれたとされます。 しかし、1603年にジェームズ6世とアンナ女王がロンドンに移ると、ダンファームリンに対する王室の関心は薄れ、宮殿は荒廃して今の廃墟となったそうです。
他にもこの街は、スコットランド生まれのアメリカの実業家で鉄鋼王と称されたアンドリュー・カーネギーの生まれ故郷でも知られています。 ニューヨークの音楽の殿堂のカーネーギーホールやカーネギーメロン大学の創設者です。 カーネギーは晩年には、様々な慈善活動を行い世界に3,000以上の公共図書館を建てています。
<ピッテンクリーフ・パークの玄関口>
カーネギーは生まれ故郷のダンファームリンにも多くの寄付をし、図書館、カーネギーホールを作り、そして王宮跡の横にある31haにも及ぶピッテンクリーフ・パークを市民に寄付しています。 そのカーネギーの生家は、今は博物館となっていて、その生涯がわかります。
>>ダンファームリン (Dunfermline)の公式サイトはこちら
ダンファームリン修道院と宮殿 (Dunfermline Abbey & Palace)
- 住所: St Margaret St, Dunfermline KY12 7PE
- 修道院と宮殿の公式サイト:ダンファームリン修道院、宮殿
アンドリュー・カーネギー生誕地博物館 (Andrew Carnegie Birthplace Museum)
- 住所:Moodie St, Dunfermline KY12 7PL
- 公式サイト:Andrew Carnegie Birthplace Museum
エジンバラのからの行き方
- エジンバラ市内からStagecoach バスのX55に乗り、Dunfermline bus stationで下車(1時間)又は、エディンバラ·ウェイヴァリー駅からGlenrothes, Perth, 又はCowdenbeath行きに乗り、Dunfermline Town駅で下車(32分)
4. カルロス( Culross)
<カルロスの街並み>
<カルロスの広場>
スコットランドで最も美しい村の1つとして知られる村・カルロスです。
この美しい村は、よく映画やテレビのロケ地として登場し、特にイギリスの有名なテレビドラマの「アウトランダー」のロケ地として有名です。
16、17世紀のスコットランドの勅許自治都市(設立前後にスコットランド国王からの勅許によって自治権を認められた、スコットランドの自治都市)が最もよく保存された村で、バック・コーズウェイと呼ばれる石畳の路地には16世紀の白壁、赤い煉瓦の切妻屋根の建物が並んでいます。
カルロスはフォース湾の港湾都市として、6世紀に聖サーフによって設立されたと考えられています。1500年代には石炭と塩の貿易で繁栄していました。
村の真ん中にある黄土色の建物は、カルロス宮殿です。1597年から1611年に裕福な石炭商人ジョージ・ブルースによって建てられた邸宅で、本当は宮殿ではありません。
オリジナルの木の内装の残る宮殿の裏には16世紀の庭園が再現され当時の草、ハーブ、野菜が植えられています。
まさにタイムスリップした様な昔のままの光景が広がるカルロスには、ダンファームリンからバスで30分くらいで行くことができます。
カルロス(Culross)
- 住所:Culross,Fife, KY12 8JH
- 公式サイト:カルロス
カルロス宮殿
- 住所:Culross Palace, Culross, Dunfermline KY12 8JH
- 公式サイト:カルロス宮殿
ダンファームリンのからの行き方
- ダンファームリンバスステーションからStagecoach 8A Alloa行きに乗り、The Palace下車 (26分)
5. フォークランド宮殿 (Falkland Palace)
<フォークランド宮殿の外観>
フォークランド宮殿は、フォークランドという村にあるかつてのスコットランド王の宮殿で、スコットランドに現存するルネサンス建築の最高傑作の1つとされています。
フォークランド宮殿は、周辺の森で鷹狩りや狩りで利用する王宮として、ステュアート家(1371年から1714年まで続いたスコットランド起源の王朝)の人々に利用されていました。
<世界最古のテニスコート>
宮殿は広さ3haの敷地に立ち、広大な庭園と1539年に作られた現在も使用できる世界最古のテニスコートがあります。
スコットランド女王メアリーがこの宮殿を愛し、鷹狩りや狩猟を楽しみ、またテニスを楽しんだそうです。
<フォークランド村>
フォークランド宮殿も、テレビドラマの「アウトランダー」の撮影場所としても有名です。フォークランドの村も絵になる可愛い街です。
フォークランド宮殿には、エジンバラから直通で行ける交通機関はなく、バスか鉄道でGlenrothesへいき、セントアンドリュース行きのバスに乗り換えて行くことができます。
フォークランド宮殿 (Falkland Palace)
- 住所:East Port, Falkland, Cupar KY15 7BY
- 公式サイト:フォークランド宮殿
エジンバラのからの行き方
エディンバラ・ウェイヴァリー駅からDundee行きに乗り、Ladybank駅で下車(1時間)、バス64番のGlentorhesに乗りPalace下車(26分)
まとめ
エジンバラ近郊のあまり知られていない美しい街・村を5つご紹介しました。 それぞれスコットランドの大切な歴史のある場所ですので、地元観光客には有名ですが、外国人には知られざる街や村です。バスや電車でエジンバラから行ける所ばかりですので、是非行ってみてくださいね。
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Sachiko
- 名古屋市出身、海外滞在歴30年、38カ国490以上の都市を訪れました。多趣味で、アート系のクラッシック鑑賞、バレエ・ダンス鑑賞、美術鑑賞、アンティーク収集から、スポーツ系のテニス・ダイビング、グルメまで色々なことが好きですので、様々な視点で皆様に旅の楽しさがお伝えできればと思っています。捨て猫2匹をインドネシアで拾い、日本まで連れてきました。