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インドのタピオカ「サブダナ」って何?
こんにちは。インド担当の田澤ともきです。日本でも流行ったタピオカミルクティーに入っている「タピオカ」、これとよく似た食材がインドにもあります。ヒンディー語で「サブダナ」といいます。地方によって呼び名が異なりますが、白くてぷにぷにして弾力はタピオカに似ている食べ物です。
インドでは、このサブダナを牛乳で煮たりスパイスと炒めたり、いろいろな料理に使います。食べた時の触感はタピオカそっくり。調べると意外な点がわかってきました。今日はそんな気になるサブダナを深堀りします。
目次
インド版タピオカ「サブダナ」って何?
タピオカによく似た「サブダナ」ですが、地方によって名前が変わります。ヒンディー語では「サブダナ」、ベンガル語では「サブ」、タミル語では「ジャワリシ」、テルグ語では「サグビヤム」と呼びます。
インド全土で手に入れることができるので、調理方法も様々です。乾燥したサブダナが売られていて、それを水で戻し調理します。歯ごたえがもちもちしていて粒はいくらぐらいの大きさのものからビーズのようなサイズの小さいものもあります。これは作る料理によって大きさを選ぶからです。
サブダナを使った料理としては、サブダナキチュリ、サブダナワダ、サブダナキールなど、朝ごはんの定番からスイーツまで幅広く使われています。
サブダナの栄養価は、ほとんどが炭水化物でカロリーは100gで約381kclあります。いわゆるグルテンフリーフードのため、アレルギー疾患の食材として使うことができます。消化器官を冷やす効果があるといわれており、胆汁分泌が過多の人にサブダナは効果的です。
タピオカとサブダナの違いは?
食感がタピオカととてもよく似ているサブダナ。サブダナの英語名は「タピオカパール」と記載するインド食品会社もあって調べていくと混乱しそうでした。
サブダナの特徴はタピオカほど粒が大きくないことです。またサブダナはほとんどが乳白色なのに対しタピオカの色はいろんなものがあります。タピオカは主にスイーツの材料として使われるため、添加物で色を付けていることが多いのだとか。
サブダナは、自然の色のみでどれもみんな同じ色のものがマーケットに出回っています。
一般的にタピオカの原材料はキャッサバと呼ばれる芋のでんぷん質で作られています。キャッサバは亜熱帯地方でよく取れ、インドでもキャッサバはゴア州などで栽培されてスターチ(でんぷん)などの食材加工品になっています。
一方サブダナの原材料は、サゴと呼ばれるヤシの木からとれる樹液のでんぷん質を加工したものです。サゴヤシが最も生息しているのはタミルナドゥ州でインドの東海岸でよく取れます。
食感を比べると、タピオカは白玉のようなもちもち感にあふれ噛み応えがあります。サブダナは牛乳でおかゆのように作るスイーツ以外はパラパラで粒の大きいごはんみたいです。
サブダナもタピオカもでんぷん質で、パール状に加工されたものです。似て非なりなんですね。
デリーでタピオカミルクティーを飲むならここ
タピオカパール、またはタピオカはインド国内で製造されているのですが10年間のインドには日本のようにタピオカミルクティーのような認知度には至ってませんでした。
しかし、ここ最近デリーや都市部を中心に「バブルティー(Babbule Tea)」という名前でタピオカミルクティーが広まりつつあります。デリーでバブルティーが飲めるお店はここです。
Burma Burma
ショッピングモール「Select City Walk」の中に入っているビルマ料理のお店です。このレストランは全てベジタリアンメニューなのですが連日多くのインド人でにぎわっています。バブルティーも種類が豊富でミルクの量や甘さを抑えたいというリクエストにもこたえてくれます。
- 住所:Select CityWalk Mall, Saket, District Centre, S-25, Second Floor , A 3, New Delhi, Delhi 110017
- 営業時間:12時30分~16時00分、18時30分~22時30分
- 定休日:なし
- 公式サイト:Burma Burma
サブダナは断食フードとして食べられている
地方によって調理法が異なるのもインド料理ならではです。主に私のいた北インド、デリーではサブダナは朝ごはんや断食(ファスティング)の時期に食べるのがメインでした。
「断食」は全く何も食べないのではなく、ヒンドゥー教の宗教上の観点に基づいて、玉ねぎ・にんにく・小麦粉など怠惰性や攻撃性を高めるとされている特定の食べ物を決められた日は食べない習慣を持っています。
これはヒンドゥー教の古くからの教えである「ヴェーダ」に記録が残っていて、ヨガ哲学やアーユルヴェーダの食事法にもきちんとした理由で断食の日を設けています。玉ねぎが攻撃性を高める食べ物って考えるところが興味深いですよね。
いくつか特定の食べ物を食べない代わりに、このサブダナを料理する習慣があります。
我が家の旦那さんはヒンドゥー教なので、この教えに基づいて1年のうち何回かサブダナを料理してくれます。ちなみにお店ではヒンドゥー教のお祭り「ナブラトリ」の時期にはナブラトリミールと呼ばれる特別食がだされるのですが、その中にサブダナワダやサブダナキチュリがでてきます。
2024年のナブラトリは10/3~10/12までの9日間です。この時期インドにいらっしゃる方は、ぜひローカルレストランでナブラトリミールを探してみてくださいね。
サブダナワダを作ってみよう
北インドのスーパーにはほとんどサブダナが売っていますので、簡単に手に入ります。日本でも通販で取り扱っているところがあります。
アンビカコーポレーション
東京に実店舗をもつインド食材の専門店です。ほとんどのインド料理食材が手に入ります。インドワインなどアルコールも扱っています。インド製品やネパール製品、ハラルフードなど専門に扱っているので、インド料理を家で作ろうと考えている人は便利です。
サブダナワダ 材料(2人分)
- サブダナ 2カップ
- ジャガイモ 中4個
- ピーナツ 1カップ
- ターメリック 小さじ1
- コリアンダーパウダー 大さじ1
- クミンシード 小さじ1
- グリーンチリ(生) 1つ
- コリアンダーの葉(生)みじん切り 大さじ3
- 塩 適量
- レモン果汁 適量
- 揚げ油 適量
1. 下準備
サブダナは水に浸して5分ほど置いたら水をすてて一晩おいておく。ジャガイモをゆでて皮をむいておく。コリアンダーの葉をみじん切りにする。ピーナツをミキサーで砕く。食感が欲しい人は少し粗めで砕く。
2. 皮をむいたジャガイモはすこしつぶしておくと混ぜやすい。戻したサブダナ、コリアンダーの葉、炒ったクミンシード、塩、スパイス、砕いたピーナツを混ぜ合わせていく。
3. 混ぜ合わせたサブダナワダの種をお好みの大きさに丸めていく。この時、小さなワダの方が食べやすいです。
4. 油を180度で熱してサブダナワダの種を黄金色に色づくまで揚げる。予め加熱された食材ばかりなので、高温で短時間で揚げる方が、外側がカリカリしていておいしさが増す。
5. コリアンダーの葉をミキサーでペースト状にし、ヨーグルト、塩、を加える。
6. 揚げたてのサブダナワダを5.のペーストに浸す。ピンクソルトや抹茶塩とレモンで食べるのもおすすめ。
インド版タピオカ「サブダナ」って何?まとめ
サブダナの存在はインドに来てから知りました。レストランではあまり見かけない「家庭の味」なのでぜひ一度おうちで作ってみてください。サブダナはグルテンフリー食材なので、アレルギーをもつ方も食べることができます。
タピオカもサブダナもインドで食べる事ができるお店は地元の人が良く知っています。旅行先のホテルでの食事もいいけれど、写真をみせて「これを食べたい」と探す旅もすごくワクワクしますね。インド家庭料理、B級グルメはぜひ挑戦してみてください。
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田澤ともき
- アーユルヴェーダがきっかけでインド在住。ハイテクから古代伝統まで、100人100色楽しめますよ。インドならではの出来事や、インド生活についてお届けします。